Web技術の進化によって、広告の形態も変わりつつあります。

これまで広告といえば、テレビのCMや雑誌のページに掲載するなど発信する側が一方的に流すものが主流でした。

しかし、Web広告が登場したことでその場でユーザーの反応を得られる形式の広告も使われるようになっています。

今回はユーザーの行動に対して広告費が発生する出稿方法であるCPE広告について解説していきましょう。

CPE広告の仕組みや、注意点などについて詳しくご紹介します。

CPE広告って?

ビジネス疑問

はじめに、CPE広告の特徴について解説していきましょう。

CPEの意味

CPEとは「Cost Per Engagement」の略称であり、1エンゲージメント当たりのコストを指します。

エンゲージメントは、主にSNSやWebサイトで使われるものであり大まかにいうとユーザーの反応を意味する言葉です。

エンゲージメントの解釈は媒体などによって変わりますが、リツイート・いいね・シェアなどが主な例となります。

CPE広告はユーザーのエンゲージメントに対してコストがかかる広告で、成果報酬型広告の一種です。

他の広告手法との違い

CPE広告はユーザーのエンゲージメントに対してコストが発生する広告形態です。

そのため、広告がいくら表示されたとしても広告費は発生しません。

ユーザーがシェアやリツイートなどの行動をすることで初めて広告費が支払われるのです。

そのため、広告の流し見など成果につながりづらいユーザーの行動には広告費が発生しないので無駄なコストが省けます。

また、リツイートなどを行う自社製品について関心が強いユーザーを獲得しやすいことも特徴の1つです。

媒体ごとのエンゲージメント基準

媒体ごとにエンゲージメントの基準はさまざまです。

例えば、X(旧Twitter)では広告主のツイートに対するユーザーのアクションを示す指標と定義されています。

具体的にはリツイートを行ったり、企業のアカウントをフォローしたりする行動がエンゲージメントと認識されるのです。

Google広告では、広告に2秒以上カーソルを合わせたり広告をスワイプタップしたりすることをエンゲージメント定義にしています。

Google広告では表示される広告について、ユーザーがどのように操作するかによって判断しているのです。

CPE発生までの流れ

CPE発生までの流れの一例は、SNSなどで広告主のツイートをリツイートや広告主のアカウントをフォローした際に広告費が発生します。

例えば、X(旧Twitter)のプロモ広告は主にタイムライン上に表示される広告です。

これはツイートに「プロモーション」という表示がつくこと以外は通常のツイートと同じ形式で配信されます。

そのため、通常のツイート同様にユーザーはリツイートやいいねなどを行うことが可能です。

それらのエンゲージメントがあった場合に初めて課金対象となります。

広告が表示されると課金されるインプレッション型の広告とは違い、ユーザーが行動しなければ広告費が発生しないのが大きな特徴です。

 

インターネット広告の事例はこちら

 

CPE広告のメリット

メリット

CPE広告のメリットについて解説していきましょう。

成果が発生した場合のみ費用がかかる

ビジネスマンとお金

CPE広告はエンゲージメントの成果が発生した場合のみ費用が発生します。

そのため、広告が表示されるだけでは課金対象とならないことが大きなメリットです。

前述のX(旧Twitter)のプロモ広告のように、出稿すれば広告自体はタイムライン上に表示されます。

エンゲージメント対象となるリツイートなどを行わないユーザーも広告を見ることは可能です。

課金対象となるユーザー以外にも広告訴求ができるので、発生したコスト以上に認知を広げられる可能性もあります。

質の高いユーザーを獲得できる

CPE広告では広告を閲覧するだけではなく、広告主のツイートなどに反応したユーザーのみ課金対象となります。

そのため、質の高いユーザーを獲得しやすくなっているのです。

広告が表示されるだけで広告費が発生してしまう場合では、ユーザーは広告の内容を認識していない可能性があります。

しかし、エンゲージメントを課金対象とする場合は、ユーザーは広告の内容を見てから行動することがほとんどです。

内容をまったく確認せずにエンゲージメントを行うケースはほとんどないので、広告に興味のあるユーザーを獲得しやすくなります。

 

ワンポイント
・エンゲージメントが発生した場合のみ広告費が発生する
・広告に興味を示した質の高いユーザーを獲得できる

CPE広告のデメリット

ストップサインをする男性

CPE広告のデメリットとしては課金対象となるハードルが他の課金型の広告に比べて高い点が挙げられます。

認知度が低い状態でCPE広告を出稿しても、ユーザーがエンゲージメントまで至らず成果を上げづらい傾向があるのです。

また、成果を上げづらい広告であれば掲載する側にとっても収益が得られないので悪いイメージをもたれてしまいます。

さらに、リツイートやいいねといったユーザーの行動は認知を広げるためには有効ですが売上には直結しません。

そのため、直接効果が上がるような広告を求める場合には違う手法を選んだほうがよいでしょう。

 

ワンポイント
・成果が上がりづらい広告は掲載主から敬遠されてしまう
・認知を広げることには有効だが直接売上が上がる手法ではない

CPE広告の媒体ごとの特徴

ポイント

CPE広告の媒体ごとの特徴について解説します。

GoogleのCPE広告

GoogleのCPE広告では、広告についてユーザーが積極的に関わるアクションを起こした際に課金される仕組みになっています。

パソコンであれば、広告の画像にマウスを合わせて2秒が経つと動画が流れる仕組みです。

スマートフォンからであれば画像をタップスワイプによって広告動画が始まります。

いずれも、広告画像が表示されるだけでなくユーザーが興味を示し広告についてアクションを起こさなければ課金が行われません。

広告掲載は入札形式で決まるようになっており、広告主がエンゲージメントに対して支払う広告費を設定します。

そして、Google側で他社の入札価格と照らし合わせて単価の高い広告が自動で選択され掲載される仕組みです。

X(旧Twitter)のCPE広告

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X(旧Twitter)のCPE広告は配信形式の違いによって数種類のカテゴリーに分けられていますが、中でも需要が高いのがプロモ広告です。

プロモ広告はX(旧Twitter)のタイムライン上に、他のツイートと同じような投稿形式で表示されます。

違いは「プロモーション」と表示されることだけで、他のツイート同様にいいねやリツイートなどをつけることが可能です。

このリツイートなどのエンゲージメントに対して広告費が発生します。

企業が発信した広告をリツイートすると課金対象となりますが、二次拡散については課金が行われません。

つまり、ユーザーがリツイートしたものをさらに他のユーザーが広めることについては費用が発生しないのです。

話題性の高い内容であれば二次拡散の可能性も十分あるので、発生する費用以上に広告の効果が得られる場合もあります。

「リワードCPE広告」も解説

人差し指を立てる男性

CPE広告に関連する「リワードCPE広告」について解説していきましょう。

リワードCPEって?

リワードCPE広告は、CPE広告と同様に成果報酬型広告の一種です。

CPE広告の場合はリツイートやいいねといった特定のエンゲージメントが発生した場合に広告費が発生します。

対して、リワードCPE広告の場合は段階的に報酬が支払われるタイプの広告です。

ゲームアプリなどでよく使われており、チュートリアルのクリア、ゲーム内ミッションをクリアなどでそれぞれ特典が付与されます。

エンゲージメントの対象を複数設けることで、ユーザーの興味や関心が増幅する効果を狙った広告手法です。

CPI広告との違い

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リワードCPE広告と同じようにアプリでよく使われる広告としてCPI広告があります。

CPI広告はアプリがインストールされると課金される形態の広告です。

これは、アプリユーザーを獲得するのに効果的な手法ですが、インストール後のユーザーの行動までは担保されません。

例えば、アプリユーザーとなってもその後まったくアプリを利用しない場合や、すぐにアンインストールされてしまう可能性もあります。

リワードCPEでは、インストール後にも報酬がもらえるメリットがあるためユーザーにアプリ利用を促すことが可能です。

興味を持ちインストールしても、他社の新規アプリがリリースされることで利用されなくなってしまうケースも少なくありません。

CPI広告に比べてコストはかかりますが、ユーザーに継続して利用を促すことができる点でリワードCPE広告は優れています。

リワードCPE広告のポイント

リワードCPE広告が他のCPE広告やCPI広告と違うところは、ユーザーが報酬を受けられるポイントが複数あることになります。

CPE広告のエンゲージメントで設定できるのは基本的には1つのみです。

自社製品に効果的なものを選んでエンゲージメントに設定しますが、その後のユーザーの行動は担保されません。

そのため、リツイートなどを行ったとしてもすぐに関心がなくなり製品購入までに至らない可能性もあるのです。

対して、リワードCPE広告の場合は段階的に報酬を設定することで実際の利用を積極的に促すことができます。

言葉だけで宣伝するよりもユーザーに実際に体験してもらうほうが魅力を伝えやすいでしょう。

段階的に報酬を得られることでユーザーが自然とアプリ利用を繰り返すようになり、ヘビーユーザーへと導くことができます。

 

ワンポイント
・リワードCPE広告は段階的にユーザーへ報酬が発生する形式の広告
・CPI広告はアプリのインストールで広告費が発生するタイプの広告
・リワードCPE広告ではインストール後にもユーザーにアプリの利用を促せる

リワードCPEの広告の特長

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リワードCPE広告の特長について解説していきます。

ユーザーに満足感を与えやすい

リワードCPE広告は利用するユーザーに満足感を与えやすくなります。

ゲーム内でミッションをクリアする度に報酬がもらえることでユーザーは達成感を得られるようになるのです。

そして、目標があることで次のミッションを自主的に目指す意欲を促すことができます。

継続してアプリを利用することで、ユーザーの中でアプリ利用が習慣化していく可能性が高まるでしょう。

固定ユーザーを作れる

CPI広告でアプリをインストールしてもらうことができても、次のハードルとして実際にアプリを利用してもらえなければなりません。

毎月数千本ものアプリがリリースされている中では、1つのアプリをユーザーに使い続けてもらうことは容易ではないのです。

リワードCPE広告では、段階的にクリアして報酬がもらえる目標があるため、スムーズにアプリ利用を促すことができます。

目標をいくつも達成していくことで、アプリの操作性魅力などをユーザーが実感することが可能です。

そうして繰り返しアプリを利用することで固定ユーザーにつなげやすくなります。

 

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CPE広告で成果を上げるコツ

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CPE広告はユーザーからエンゲージメントを獲得することを目的とした広告です。

しかし、エンゲージメントだけで終わってしまうと売上にはつながらず費用対効果の低い広告となってしまいます。

そのため、CPE広告を打ち出した後に実際の商品の購入やサービスの利用につなげられるような施策を事前に想定することが重要です。

CPE広告は他のインプレッション型の広告と違い、課金対象となるユーザーは少なからず自社製品に興味がある可能性が高いでしょう。

その興味が高い内に自社サイトなどへ導き、商品やサービスの訴求を行う仕組みづくりが重要となります。

また、CPE広告では出稿先のSNSなどで年齢やライフスタイルなどを細かく設定しターゲット層を絞ることが可能です。

自社製品のターゲットとなる層を狙って広告を訴求することで、広告の効果を上げられます。

 

ワンポイント
エンゲージメント獲得だけでは売上につながらないので、実績に結びつくような施策を事前に準備しておくことが重要。

CPE広告配信時に注意すること

ポイント

CPE広告配信時には以下のことに注意が必要です。

  • 課金対象となるハードルが高くなりやすい
  • ハードルを低くしすぎると成果に結び付けづらくなる

CPE広告配信時に注意する点として課金対象となるハードルが高くなりやすいことがあげられます。

CPE広告は広告を見ただけでは課金対象となりません。

エンゲージメントとして設定したリツイートやいいねなどのユーザーの行動によって初めて課金が行われます。

そのため、広告そのものの知名度やユーザーにとってエンゲージメントが行いやすい広告であるかということにも注意が必要です。

エンゲージメントの条件を高くしすぎると、広告の掲載主にも報酬が発生しづらく掲載の可能性が下がってしまいます。

また、逆にハードルを低く設定し広告の表示だけとすると掲載の可能性は上がりますが、実際の成果に結びつけづらくなるのです。

最終的な目的はユーザーが商品を購入したりサービスに入会したりすることになります。

そこへ結びつけるのに効果の高い広告であるか、そしてエンゲージメントの可能性が高い魅力的な広告であるかに注意が必要です。

CPE広告で悩んだら

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CPE広告はエンゲージメント課金型の広告であるため、発信した内容に関心を持つ質の高いユーザーを獲得しやすい広告です。

また、SNSで相性の良い広告形態でありユーザーの二次拡散については課金対象となりません。

そのため、発生した広告費以上の効果を得られる可能性があります。

しかし、インプレッション型の広告に比べて課金対象となるエンゲージメントを得るのはハードルが高い場合も少なくありません。

自社製品で設定するならどういったエンゲージメントにするべきか悩むこともあると思います。

CPE広告で悩みがあれば、デジマクラスにご相談ください。

デジマクラスでは豊富な業界知識ノウハウを活用して、悩みに合わせたアドバイスを行うことが可能です。

初めてCPE広告を出稿する場合でも、どういった広告手法があるか事例をもとに分かりやすくご説明いたします。

 

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まとめ

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Web広告の形態はさまざまな種類が増えています。

これまではユーザーが広告の内容を見るだけであったのが、SNSなどを活用してユーザーの行動を促すこともできるようになりました。

CPE広告はユーザーの反応を確かめるには効果的な広告形態です。

SNSなどでのリツイートやいいねなどの行動をエンゲージメントとして設定し、達成された場合のみに課金がされます。

自社広告に興味を示した質の高いユーザーを集めやすい広告手法ではありますが、エンゲージメントを得ることは容易ではありません。

広告内容や訴求する商品自体に魅力がなければユーザーの支持を得ることは難しいでしょう。

CPE広告の運用方法に不安があれば、プロのコンサルティングであるデジマクラスに相談することをおすすめします。

専門家の知識とアドバイスを受けて、不明点を解消した上で効果的な広告運用を目指していきましょう。