YouTubeなど動画コンテンツを視聴中に動画広告が流れたという経験はありませんか。
こうした動画を「ミッドロール広告」といいます。
スマートフォンの普及によるSNSなどを利用するユーザーが増えて、動画広告市場の規模は拡大しています。
企業もミッドロール広告を戦略的に活用し収益に繋げることが大切です。
この記事ではミッドロール広告のメリット、配信の条件さらに作成する際のポイントを解説します。
目次
ミッドロール広告の概要
ミッドロール広告とはYouTubeなどの動画コンテンツの途中で挿入される動画広告を指します。
YouTubeでは10分以上の長編動画に複数回にわたり挿入することができます。
冒頭の5秒間だけはユーザーがスキップできない仕組みになっているのが特徴です。
ユーザーの中にはこの5秒間を不快に感じる人もいます。
広告主からすればこの5秒間にいかに商品の優れた点や魅力をユーザーに伝えられるかが重要になります。
魅力を感じさせられれば最後まで動画を見てくれて、コンバージョンに繋がる可能性が高くなるのです。
YouTubeはご存知のように世界最大の動画サイトです。
たとえ5秒間後にスキップされても5秒間広告を見てもらえるチャンスが企業側に与えられるのは貴重といえるでしょう。
インターネット広告の事例はこちら
類似の広告との関連性
YouTubeでは2010年代からインストリーム広告をはじめ様々な広告が登場し、ウェブ広告の中心となっています。
現在、YouTubeだけでなくFacebookでもインストリーム広告の配信が主流で、主に3種類のタイプがあります。
- プレロール広告
- ポストロール広告
- ミッドロール広告
ここではそのうちの2種類にフォーカスします。
プレロール広告の特徴
プレロール広告は、インストリーム広告の1種でYouTubeでは動画コンテンツの前に挿入される広告になります。
プレロール広告も5秒程度すればスキップできるスキッパブル広告になっていています。
一方、最後まで見なければコンテンツが視聴できない広告が完全視聴型広告です。
こちらはユーザーがスキップできないため動画広告の再生時間も短めに制作される特徴があります。
その他、バンパー広告と呼ばれる動画広告もあり、6秒間はスキップできません。
バンパー広告は認知度の向上やリーチの拡大に最適といわれています。
プレロール広告のメリットは以下の通りです。
- コストが安くてすむ
- 広告が5秒間流れる
- ユーザーを絞れる
プレロール広告はターゲットを絞り配信することでコスト削減ができます。
また、スキッパブル広告を5秒間でスキップしたり、完全視聴型広告を中断したりした時はコストが発生しません。
それでも5秒間広告が再生されユーザーの目に触れることは企業にとってメリットといえます。
また、5秒間という長さであればユーザーも許容範囲とする傾向があるといえるでしょう。
反対に、再生時間が長引くと商品やブランドに対する好感度が下がるリスクが出てくる可能性があります。
動画サイトではコンテンツごとにユーザーの属性を細かく分析してターゲットを絞ることができます。
そのため効果的な動画配信が可能なのです。
ポストロールの特徴
ポストロール広告とは動画コンテンツの本編再生後に流れる動画広告です。
プレロール広告は本編動画が始まる前に配信されるためユーザーには好感度があまりないのが特徴です。
期待する動画が早く見たいにもかかわらず、プレロール広告が配信されれば不快に思うのも無理はないといえます。
そのため、本編終了後に広告を流すポストロールが増えたのです。
しかし、ユーザーの興味は本編の動画です。
それを見終わった後は目的が達成されたことで、感度が下がり離脱する確率が高くなるというデメリットがあります。
インターネット広告の事例はこちら
ミッドロール広告が注目されている背景
インターネットの普及に伴い様々な動画が配信され、その手法もどんどん新しいものになっています。
そして、プレロール広告->ポストロール広告->ミッドロール広告へと動画広告のトレンドは大きく変遷しています。
プレロール広告とポストロール広告のデメリットを最小限に抑えられるのがミッドロール広告です。
ミッドロール広告の出現でインプレッションが伸びたというデータもあります。
インプレッションとは広告業界では、広告がどれだけ見られているかを示す指標です。
多くの広告主もミッドロール広告に注目しています。
ミッドロール広告のメリットは、動画コンテンツの再生中に挿入できるところです。
プレロール広告を不快に感じるユーザーが多い一方、ポストロール広告が配信される時にはユーザーの気持ちは冷めているのです。
ミッドロール広告は動画再生中に流れるため、続きの本編を見たいユーザーは我慢して待つしかないのです。
スキップ機能がなければ確かにユーザーには不快かもしれませんが、再生が終われば本編がまた見られます。
そのためユーザーは我慢するというわけです。
ミッドロール広告はデメリットよりもメリットの方が勝る動画広告といえるでしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ミッドロール広告のメリット
ミッドロール広告のメリットについて解説します。
視聴完了率やクリック率が高い
ミッドロール広告はユーザーが見ている動画再生中に流れる広告です。
ユーザーは動画を最後まで見たいので広告を最後まで見る確率が高くなります。
実際にプレロール広告やポストロール広告に比べて完全視聴率は高いことが実証されています。
また、気になる広告であればクリックする可能性もあり、商品の詳細を見て購入するユーザーもいるのです。
ミッドロール広告はテレビで流れるCMと同じ感覚でユーザーは視聴しているのです。
細かいターゲット設定が可能
動画広告はテレビCMのように幅広い視聴者に配信するのではなく、ユーザーの属性を意識してターゲティングができます。
ユーザーの居住する地域・年齢・性別などを考慮して最適な広告を配信できるため関心を持つ人もいるのです。
一度設定したターゲットですが期待通りの効果が実証できない時はターゲットの見直しをすることも可能です。
ターゲティングはできる限り細かくする方がユーザーへの訴求効果も大きくなります。
ユーザーと広告の親和性が高い
細かくターゲットを絞り高感度のある広告を配信できる動画広告はユーザーとの親和性も高くなります。
そして、動画を視聴する自然の流れでユーザーを購入サイトまで誘導できるので購入に繋がりやすくなります。
ミッドロール広告の注意点
広告主はできる限り広告にたくさん情報を盛り込みたいものです。
しかし、ユーザー側は多すぎる広告に嫌悪感を抱くだけです。
ここではミッドロール広告の注意点について解説します。
広告が多すぎる
限られた再生時間の中で簡潔に情報を伝えなければなりません。
あまり情報を盛り込みすぎると伝えたいことがユーザーに伝わらないばかりか、嫌悪感しか残らないことになるのです。
広告は少なく簡潔にピンポイントで伝えましょう。
勝負は最初の5秒間ですから、ここに一番伝えたい商品の魅力を入れて印象に残る広告にすることが重要です。
適正な広告の数は?
ミッドロール広告は動画コンテンツの再生中に流れるため適正な広告数が求められます。
動画を見ているユーザーの満足度が何よりも優先されるべきだということは忘れないようにしましょう。
ミッドロール広告は挿入するタイミングと本数が重要です。
一般的には本編10~15分なら1~2本程度がいいでしょう。
それでも効果が限定される場合は4~5本+動画の前後に広告を挿入も考えられます。
感度が高い広告ならそれほど広告数はいりません。
極端に本数が多いとユーザーは離脱するかスキップしてしまいます。
インターネット広告の事例はこちら
ミッドロール広告を作成する際のポイント
ミッドロール広告は配信すれば効果がすぐに出るものではありません。
ここではミッドロール広告を作成する際のポイントについて3つあげておきます。
ポイントをおさえてミッドロール広告を作成してください。
広告の役割を明確化する
動画広告を作成する時に重要なポイントは目的をはっきりさせることです。
動画広告も種類があります。
ミッドロール広告でどのような結果を得たいのか明確にすることが肝心です。
例えば「認知度をアップしたい」と「販売量を向上させたい」では目的が違います。
目的が明確化されないまま動画を作成して配信してもユーザー側の心を掴むことはできません。
訴求効果の高い広告を目指すなら広告の役割は明確にしてください。
最初の5秒でメリットを訴求
ユーザーの心を掴むのは最初の5秒間がカギを握ります。
もともとこうした動画広告はユーザーが見たいと期待しているものではありません。
ユーザーは5秒経てばスキップする気満々なのです。
企業はこのわずか5秒間でユーザーに続きを見たいと感じさせる訴求効果のある動画作成が求められます。
そのためにはターゲットになったユーザーに印象が残る好感度の動画を演出する必要があるのです。
訴求ポイントを簡潔にまとめる
動画広告は限られた時間でユーザーに商品やサービスのメリットや特徴を伝えようと、企業は多くの情報を盛り込む傾向があります。
しかし、これではユーザーには分かりにくく印象の薄い広告になってしまうのです。
商品性を的確に伝えるためには商品のコンセプト・価格・効果などに一番訴求したいものに絞るべきです。
言いたいことが簡潔に伝わらなければユーザーは疲れてしまい離脱する可能性があります。
訴求ポイントは簡潔に分かりやすく伝えましょう。
ミッドロール広告を配信するための条件
動画コンテンツに挿入するミッドロール広告は、もともと10分以上の長さと決められていました。
しかし、動画制作者から10分は長すぎるという意見が出て8分以上に変更されました。
他の理由としては、動画広告の質の向上や悪質な広告ブロックシステムの導入などもあります。
YouTube動画が増えるにつれ悪質な動画もアップされるようになり問題になっていたのです。
こうしたことから動画再生時間は8分以上と改められたのです。
この変更により今まで10分未満だった既存の動画制作者も広告収入が得られるようになりました。
また、2分短くなったおかげで作成側の負荷も軽減されたのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ミッドロール広告運用の事例をチェック
ミッドロール広告運用について理解を深めるためにいくつか事例を紹介しましょう。
富国生命保険相互会社
フコク生命の「ちょうどいい関係」の動画について見ていきましょう。
冒頭にいきなり「僕らは都合のいい言葉に逃げていた」という言葉で、視聴者の心を掴みます。
字幕を入れることでインパクトのある動画に仕上がっています。
5人の学生が就活に励む姿が映画の予告のように流れて、次を見たくなるストーリー性が特徴です。
就活という人生で大きな壁を乗り越えようとする5人の葛藤をリアルに描いた動画になっています。
「本当にちょうどいい」は何かを模索する5人の姿を通じて、フコク生命の「ちょうどいい関係」が見事に描かれています。
富士通株式会社
富士通の「いつもアシスト ふくまろ」の動画についてです。
家族が利用するサポートツールという斬新な点が高い訴求効果をもたらしています。
ふくまるの存在が明かされないまま動画は展開し、ユーザーの興味を持続させます。
そして、音声チャットで話かけると家電の操作が簡単にできるという商品の機能性を簡潔に説明している動画です。
日本マクドナルド株式会社
日本マクドナルド株式会社は2021年でちょうど創業50周年を迎えます。
そこで50年前に1号店としてオープンした「銀座1号店」を再現したセットで動画撮影が行われました。
女優宮崎美子さんが開店当時の1号店でデートする少女、そして孫と一緒に食事をする現代女性2役を描いて話題になりました。
情緒的で温かみのある広告に懐かしさと、食欲がわく魅力的な仕上がりになっています。
ミッドロール広告運用に関する悩みの対処法
ミッドロール広告のメリット、配信の条件さらに作成する際のポイントについて解説しました。
ミッドロール広告は動画再生中に配信されるため最後まで視聴される可能性が高い動画です。
しかし、冒頭の5秒で興味を失くして離脱するユーザーもいます。
また、ミッドロール広告を頻繁に配信すれば、ユーザーの反感を買いあるいはイメージダウンに繋がる危険性をはらんでいます。
そのためミッドロール広告はいかに最初の5秒間でユーザーの関心を引きつけられるかがカギになります。
ユーザーを魅了する動画制作にはポイントがあります。
ミッドロール広告運用に悩んでいる方はデジマクラスにご相談ください。
デジマクラスは動画作成に豊富な経験と知識があります。
ミッドロール広告は実績があるプロに依頼するのが望ましいのです。
デジマクラスならそれに応えることができます。
まとめ
ミッドロール広告は今後も拡大していく広告運用手法です。
収益も期待できることからYouTubeで収益化したい企業はマーケティングに活用していく傾向は一層強くなると予想されます。
ミッドロール広告をこれから始めようという方はこの機会に取り入れてみませんか。
また、始めたけれど思ったような収益が出ていない方はデジマクラスに相談して収益化を目指しましょう。