アプリ運用において、どれだけのユーザーにダウンロードしてもらえているかといった数値は非常に重要な情報になります。
この指標無くしてはその後の機能追加などの運用判断は不可能といえるでしょう。
しかし、ダウンロード数を参考にするには注意点もあります。
また、アプリを開発運用するにはダウンロード数だけ把握すればいいわけではありません。
本記事では、ダウンロード数の調査方法からそれ以外にも参考にすべき重要数値を解説していきます。
目次
アプリ運用で注目される指標
アプリを開発・運用する際に、全く調査をせずに行うことはまず不可能です。
自社のアプリがどれだけの需要を得られるのかその見込みを事前に知ることは非常に重要なことです。
もちろん、運用中アップデートを行うにしても、どういった機能を追加すれば利用されやすいのか知るにもデータは必要でしょう。
では、どんな指標を用いれば運用に活かすことができるのでしょうか。
アプリのダウンロード数
運用に欠かせない指標がアプリのダウンロード数です。
これは厳密にいえば、App StoreやGoogleストアといったストアからスマートフォンなどの各デバイスにダウンロードされた数になります。
もちろん、一人がデバイスを複数台所持し同じアプリをダウンロードしていれば、純粋な利用者数とはなりません。
しかし、どれだけのユーザーがダウンロードしてくれているのかシェアを大まかに把握することができる数値です。
また、現在のダウンロード数は需要を表している数値とも考えられるので、今後どれだけのユーザーがいるか予想するにも役立つでしょう。
競合調査に活用
アプリダウンロード数の調査は、なにも運用中アプリのみでしか使えないというわけではありません。
ダウンロード数は競合調査にも活用できる有用な指標になるのです。
競合他社のアプリダウンロード数が多ければ、それだけシェアを持っているといえます。
つまり、運用中アプリと比較し足らない機能などを調査できるのです。後に対策し、より充実した機能を追加する計画を立てられます。
また、もしアプリ開発段階であるならば、開発中アプリが本当にダウンロードしてもらえるか需要が気になるでしょう。
この時も、競合調査でダウンロード数を把握することができれば、必要とされるアプリかを判断することができます。
競合のダウンロード数を把握することは、開発段階から運用中のシェア把握まで多岐にわたって活用することができるのです。
データ解析・活用の事例はこちら
アプリのダウンロード数を調べる方法
アプリのダウンロード数が運用において重要で、競合店の調査にも活用できることは把握できました。
それでは、具体的にどのようにすればダウンロード数を調べることができるのでしょうか。
実は、先ほど紹介したアプリストアから直接簡単に見れるものばかりではありません。
今後上手に活用するためにも、ダウンロード数の調査方法について解説していきましょう。
iTunes Connect
App Storeのアプリダウンロード数を調査するには、iTunes Connectを使用します。
実は、App Storeのアプリについては、ストアから直接ダウンロード数を確認することはできません。
そのため、今回のような他のツールを使用するしかありません。
最大の特徴としては、JavaプログラムがApple公式から公開されていて、これを利用すればデータの自動取得が可能になります。
ただ、デメリットもありデータの保持期間が短かったり、売上金額については自分で計算が必要になったりと分析には工夫が必要となるでしょう。
また、そもそもレポートが見づらいといった弱点もあるので、それらを考慮して利用をしなければなりません。
Appアナリティクス
Apple公式の解析ツールとしてはこちらのAppアナリティクスもあります。
特徴としては、アプリのダウンロード数だけでなくそのページがどれだけのユーザーに見てもらえたかもわかります。
また、そこからダウンロードしてくれたユーザーの割合とその後の使用率も算出して見せくれるのです。
解析の面では無料にもかかわらずここまでできるのは大きいですが、一方で自分で公開中のアプリのデータに限るのが弱点です。
競合調査に使用するには、難しいツールになるでしょう。
また、Googleストアからのダウンロード数は含まないことも注意が必要です。
Googleストア
Googleストアからは直接アプリダウンロード数を調べることが可能になります。
ストアから直接調べることが可能なので便利ではありますが、注意が必要な点があり、それが具体的な数ではないという点です。
ダウンロード数といってもおおよその数になるので、細かく知りたい方には他のツールも利用を検討したほうがいいでしょう。
外部ツール
上記で紹介したツールはApple StoreやGoogleストアの公式から調べる方法でしたが、他にも外部ツールを使う方法もあります。
外部ツールであればダウンロード数だけでなく、使用率などの項目の種類も多く取得してくれるものもあります。
データをより分析しやすくまとめ見やすくしてくれたり、アプリにかかる費用まで出してくれるものもあるのです。
使用用途によっては、こういった外部ツールをうまく利用して公式からは得られないデータと照らし合わせることもよいでしょう。
ダウンロード数を見るときの注意点
ダウンロード数重要性と調査方法について把握することができましたが、こちらの情報を見る上で注意する点があります。
その注意点が以下の二つになります。
- ダウンロード数が現在のユーザー数とは異なること
- ダウンロードした経緯はダウンロード数からは読み取れないこと
一つ目の現在のユーザー数と異なるというのは、ダウンロード数が現在までの累計の数字だからということです。
ダウンロード数はアプリリリースから現在に至るまでの累計の数字になります。
その数字のユーザー数が現在まで残っているかは不明なのです。
現在までに、アンインストールされている件数も含めていますし、ダウンロードしたままで使っていないユーザーも含みます。
二つ目が数字からはダウンロードした経緯が読み取れないという点です。
リリース前から興味があっていち早くダウンロードした人も居れば、有名だからとりあえずダウンロードした人も居るでしょう。
そういったダウンロードにあたっての背景はダウンロード数からはわからないのです。
したがって、とりあえずダウンロードしたユーザーはもしかすると現在はアンインストールしているかもしれません。
過去のアンインストール数は含まれないので、ダウンロード数が多いからといって安心はできないのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ダウンロード数とあわせて把握すべきアプリの利用率
ダウンロード数が単純なユーザーの数ではないといった注意点について解説しました。
しかし、より重要な情報として、ダウンロード数とあわせて把握すべき利用率というものがあります。
この利用率は、現在そのアプリが利用されているかどうかを判断する数字となります。
ダウンロード数との考え方について詳しく解説していきましょう。
アプリの利用率イコールダウンロード数ではない
結論からいうと、アプリ利用率とダウンロード数はイコールにはなりません。
どのようなアプリでもこの関係は成り立ちます。ダウンロード数は現在までの累計の数と解説しました。
それに対して、利用率はダウンロード後に利用され続けているかを表す数字になります。
アプリがユーザーに届いているかはダウンロード数で把握することができるでしょう。
一方で、利用されているかはダウンロード数でなく利用率でしかわかりません。
ダウンロードされても利用されず放置されることも少なくないでしょう。
利用率が少ないアプリは、後にアンインストールされる可能性も高いのです。
運用を考える上では、利用率にも着目しなければなりません。
休眠顧客を掘り起こす必要性
アプリ利用率の重要性を解説しましたが、ではどのようにして利用率を上げればいいのでしょうか。
その解決策につながるのが休眠顧客の掘り起こしです。
休眠顧客とは、ダウンロード後もそのアプリを使用していないユーザーのことを指します。
この休眠顧客を掘り起こし、再度アプリを使ってもらえるようなアクションをとることができれば利用率向上につながります。
例えば、アプリ限定クーポンや利用者へのお得な情報配信などが、アクションの一例になるでしょう。
そして、アクションを起こすには常に休眠顧客と利用率の数字をチェックしておく必要があります。
放置しておけば、休眠顧客は完全に離れてしまいます。
そうならないためにも、常に休眠顧客を掘り起こすアクションに意識し、利用率向上につなげましょう。
アプリのダウンロード数を増やすには
休眠顧客を掘り起こす重要性、利用率とダウンロード数の違いについて解説しました。
しかし、やはりダウンロード数は確保しなければならないことは事実です。
ダウンロード数を増やすにはどうすればいいのでしょうか。
会員向け特典
ダウンロード数を増やすために、まず動くべきポイントが会員向け特典を実施することです。
会員利用者限定の特典は、お得であるほどもちろん効果を発揮するでしょう。
また、ユーザーの関心が高まり、アプリから離れていくことも未然に防ぐことができます。
さらに、会員向け特典を実施するにあたり定期的にプッシュ通知を行うのも有効になります。
通知によってアプリの内容や特典の内容を知ることが定期的にできていれば、ユーザー離れは防ぐことができるでしょう。
単純にアプリを訴求するよりも、会員向けの特典はお得感が強いので、ダウンロード数を増やす見込みが高いです。
フィーチャー枠に載るための施策
フィーチャー枠に載るように施策を打って出ることもダウンロード数を増やすポイントです。
フィーチャー枠とは、いくつかのアプリの特集を組んで紹介される掲載欄のことです。
Apple StoreやGoogleストアによって定期的に特集が組まれ掲載されています。
こういったタイミングで紹介されるとユーザーの目に留まる機会が増えるので、ダウンロード数の大幅増加が見込めます。
フィーチャー枠に載るための施策としては、いくつかの対応が行われているほど掲載されやすい傾向にあるようです。
例えば、展開している国が多いことやアップデートの頻度が多いことなどが挙げられます。
また、最先端の技術を取り入れていると、掲載されやすくなるようです。
また、ダウンロード数ももちろん掲載されるかに係るので、常にチェックして施策実施を行うべきでしょう。
アプリストア内の最適化
アプリストア内の最適化もダウンロード数を増やす対策の一つになります。
その理由は、最適化によって検索時に上位にヒットするようになるからです。
上位に表示されるので、ジャンル内では最も人気や知名度が高くなり、もちろんダウンロード数も増えるでしょう。
では、最適化するには何をすればいいのでしょうか。
その方法が、キーワードの工夫です。アプリにはタイトルや説明文があります。
それらの文章中に使われるキーワードを工夫することで最適化を図ることができるでしょう。
また、キーワード以外にもレビューやダウンロード数、利用率といった上記でも述べた数字も影響します。
最適化を図る上でも、やはりこまめに利用率といった情報は把握しておくべきでしょう。
データ解析・活用の事例はこちら
利用率向上を図るには
ダウンロード数を増やすための取り組みの次は、利用率向上を図るための取り組みです。
先述した通り、ダウンロード数を増やせば安心できるわけではないことはわかりました。
いくらアプリがダウンロードされても、利用率が上がらなければアンインストールされる心配が残っています。
利用率向上を図るには、何をすればいいのか解説していきます。
利用履歴を見てみよう
利用率向上を図るための一番の近道は、アプリの利用履歴を確認することです。
通常、アプリには管理画面というものが存在します。
この画面では、利用履歴はもちろん過去の通知内容や発行済みクーポンの内容などを確認できるのです。
これらのデータは、単なる数字や内容の確認はもちろんのこと、分析のための情報が沢山詰まっています。
例えば、過去の通知内容に対する開封率もその一つです。
開封率が高い通知は、ユーザーが関心が高い内容ということです。
同様の内容や付随するクーポンを発行すれば、さらなる集客や利用率向上を図る可能性を秘めています。
アプリによって、確認できる情報は異なりますが、いずれも利用率向上のための分析には活用できるものが詰まっています。
利用履歴が表示できないのはなぜ
利用履歴を確認し、利用率向上のための一手を考えることができると解説しました。
しかし、中には利用履歴そのものが表示できないものもあります。
その理由は、安価なアプリ開発であった場合に表示できないケースがあるからです。
安価に開発したがゆえに、管理画面が表示できないものや表示情報の少ないものがあるのです。
今後、売り上げを伸ばしたいのであれば、利用履歴の表示とその内部情報が充実したものを選びましょう。
アプリのダウンロード数以外の指標
ダウンロード数はもちろんのこと、アプリを運用する上でその他の指標も大変重要になります。
どういった指標があるのか解説していきましょう。
一つ目が、プッシュ通知の開封率です。通知の開封された数を表す指標です。
開封率が低いということは、その通知内容はユーザーに届いていないことになります。
また、ユーザーの関心が薄い内容を届けている可能性もあるでしょう。
開封率には通知内容はもちろん、タイミングやユーザー層など多数の条件が因果関係を持っています。
プッシュ通知に伴う開封率をもとに、色々な原因追求と対策を講じることが可能になるでしょう。
二つ目が、アプリの起動率です。どのくらいの時間起動されているかを表す指標です。
いつの期間に、どれくらいの時間起動されたかとその起動頻度が分かれば、ユーザーの関心がある内容が分かります。
これにより効果的な通知やクーポンの配布内容を計画することもできるでしょう。
また、逆にいつを最後に起動されたかが分かれば、休眠顧客を発見することにもつながります。
三つ目にクーポンの利用数です。
この指標では、利用数はもちろん、どういった人物が使用しなかったかも重要な内容になります。
これらの情報が確認できれば、通知やクーポンの内容を変えてアクションを起こすことができるでしょう。
結果的にクーポンを利用してもらえるようになれば、アプリ離れを防ぐことが可能になります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
データを販促に利用しよう
ダウンロード数やそれ以外のデータがいかに重要かを解説しました。
そして、これらのデータは販促に利用することでさらに効果を上げることができます。
各データを参考にすれば、まずターゲットを明確化することができます。
例えば、先述したクーポン利用数に関しては、利用したユーザー層が分かればターゲットを絞ることができるでしょう。
クーポンを記した通知が開封率が高ければ、その内容に関心のあるユーザー層に絞れます。
そして、ターゲットを明確化できれば、その次のアクションをより具体的に詰めることができるのです。
関心の高い通知内容を送るのか、クーポンの内容をさらにお得なものにするのかサービス内容を考え提供できます。
しかし、ターゲットを特定しそれに沿った取り組みをしたからといって終わりではありません。
最後には実施した取り組みの効果検証を行いましょう。
この効果検証がなければ、本当に実施した内容が効果を発揮したのかわかりません。
もしかすると、他の要因が影響しユーザーが離れていることも考えられます。
あらゆる要素から判断する意味でも、やはり利用履歴が詳細に見ることのできるアプリが望ましいです。
様々なデータを用いて販促に有効活用し、アプリ運用に役立てることが今後の売上に繋がってきます。
アプリのダウンロード数で悩んだら
アプリのダウンロード数を増やすには、さまざまなデータをもとに分析し取り組むことが重要です。
しかし、分析し具体的な対策を打ち出すことは、開発時点でも運用においても簡単なことではありません。
ダウンロード数に悩む方や、これから実施する取り組みが、本当に効果のある施策なのかと心配な方も多いでしょう。
そんな時には、デジマクラスに相談してみてください。
専門のコンサルタントが、実際のデータをもとに具体的なアドバイスを行います。
今後のアプリ運用の一助となり、さらなる発展にもつながるでしょう。
データ解析・活用の事例はこちら
まとめ
ダウンロード数を知ることがいかに重要か、そしてその調査方法を紹介しました。
また、ダウンロード数以外の指標も運用には欠かせないもので、それをもとにした分析も非常に重要です。
ダウンロード数を増やすには、一つ一つのデータをいかに細かく突き詰めるかが第一歩になります。
今回の記事をもとに、今後の売上を伸ばせるアプリ運用となるよう役立ててください。