マーケティングについて、昨今話題となっているソートリーダーシップという言葉をご存知でしょうか?
各分野や業界の主導者・先導者として確固たる位置を確立することによるマーケティング戦略です。
容易に達成することのできない戦略である一方、同時にそれに見合うだけのメリットや魅力のある手法でもあります。
今回の記事はそんなソートリーダーシップ戦略について、マーケティング初心者にもわかりやすく解説したものです。
それではよろしくお願いします。
目次
ソートリーダーシップの概要
ソートは「考え」、リーダーシップは「人を導くこと」を表します。
ソートリーダーシップ戦略とは、各分野・業界の価値観の主導者としての地位を確立することによって行われる手法です。
そしてそこには単純に業界の最大シェアを確保する・業界をリードするという側面以上の期待が含まれます。
「革新的・未来的な課題や解決案の発信」によってオーディエンスに共感・信頼を生み、オーディエンスに議論を喚起するのです。
すなわち、特定分野の最先端を走る者として様々な発信をすることで、業界の動向・流行に干渉できるだけの影響力を持つことができます。
この影響力こそが自社・商品に対するブランドでもあり、ソートリーダーシップという武器としても活用されるものです。
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ソートリーダーシップが注目を集める背景
ソートリーダーシップは古くから主流であった概念ではなく、昨今における社会変化の中で徐々に注目を集めてきた経緯があります。
近年SDGsという言葉が注目を集めているように、地球環境の持続可能性、そしてCSRこそがキーワードです。
「近代マーケティングの父」と呼ばれるコトラーによれば、顧客が求める価値は時代によって変化してきました。
製品中心のマーケティング1.0、消費者中心のマーケティング2.0、、そして価値主導のマーケティング3.0です。
そして現代のマーケティング3.0において、顧客満足と同様に地球環境への配慮が必要とされているのです。
この点においてソートリーダーシップ戦略は非常に現代にマッチしたマーケティング戦略といえます。
ソートリーダーシップ自体がブランドであると同時に、地球環境に配慮した発信によって更にその地位を確かなものにできるからです。
質の高いコンテンツ配信により、より配信が見られやすい位置を確保する好循環を作り上げることができるのです。
この最適なサイクルこそが、ソートリーダーシップ戦略の理想形であるといえます。
環境問題・社会問題が複雑化する昨今、ソートリーダーは求められて生まれた存在ともいえるでしょう。
2種類のソートリーダー
ソートリーダーはそのスタイルによって個人型・企業型の2種類に分類することができます。
- 個人型…インフルエンサーなど、業界や分野の垣根を超えたその人自身のブランドがある個人
- 企業型…ある企業の経営者など、特定の業界や分野における専門の影響力を持つ個人
どちらのソートリーダーにおいても、扱う範囲が異なりますが確実なカリスマ性と影響力を持っています。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ソートリーダーになるメリット
ソートリーダーシップは容易に確立することのできる手法ではありません。
しかし、業界の第一人者・主導者として立場を確固たるものにできるソートリーダーシップには多くの、そして大きなメリットがあります。
本項ではそんなソートリーダーシップのメリットについて、5つの観点から確認していきます。
ブランドイメージの向上
前述の通り、ソートリーダーになることによって企業のブランドそのものを構築することにも繋がります。
定期的に良質なコンテンツが配信される、というのはそれだけでも信頼、すなわちブランド自体の構築作業です。
配信頻度も含めて徹底的に配信内容にはこだわり抜き、確実なブランドイメージを確立しましょう。
特定の分野における存在感の獲得
テーマを限定した配信を行うことにより、より専門性・存在感を増すことができます。
扱うテーマが多くなると、配信内容には困りにくくなるものの、何を専門としている配信なのかがわからなくなります。
企業経営と同様、必要なのは「選択と集中」の意識です。
扱うのは自分の強みを活かせる少分野に絞り、その中でトップの影響力を持つことを目指しましょう。
顧客からの信頼度向上
ブランドとはすなわち信頼そのものです。
良質な発信により企業のブランディングに成功すれば、それがそのまま顧客の信頼に結びつきます。
同分野・同価格・同等レベルの商品やサービスにおいても最終購買決定は「知名度」によって成されます。
顧客からの信頼度・知名度の向上によって多くのメリットを享受することが可能です。
SEO対策
近年のGoogle検索においては、検索キーワードだけではなくコンテンツの「質」の部分も評価されています。
この点において、「良質な」コンテンツを発信するというソートリーダーの前提とは非常にマッチしています。
また継続的に、良質なコンテンツが量産されることでサイト内の滞在時間も長くなり、これもSEO対策になります。
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ソートリーダーシップの実例
昨今話題になっている概念として、特に大手企業においてソートリーダーシップの考え方は取り入れられつつあります。
本項ではそんなソートリーダーシップの具体例・実例について、実際にその手法を体現する経営を行っている2つの企業をご紹介します。
スターバックス
自宅(ファーストプレイス)でも、職場(セカンドプレイス)とも違う、「サードプレイス」という概念を提唱しました。
従来のカフェにあったような回転率重視のマーケティングとは大きく違います。
居心地良く全てのお客様が満足できる環境を目指すことによって、顧客との有効な関係を実現しました。
IKEA
従来、家具は「一生モノ」として認識されており、回転率は決して高いとはいえないものでした。
しかし、IKEAは家具を生活シーンの変化と共に何回も買い直すものとして再定義し、安価に提供を開始しました。
これにより結婚・出産・子供の進学・一人暮らし開始など様々なシーンに家具購入のニーズが生まれたのです。
ソートリーダーシップの実践方法
実際に「ソートリーダーシップ戦略を取ろう」と考えても、抽象的な手法でもあり、最初は実際のタスクに結びつきにくいのが実態です。
本項ではそんな立案の難しいソートリーダーシップ戦略について、具体的な3つのステップに段階を分け説明します。
各段階を詳細まで丁寧に詰めてステップを経ていくことで、より具体的・実践的な戦略展開に繋げることができます。
テーマの選定
多分野へのコネクション・発展を考えたとしても、テーマを跨いだテーマ設定を行うのは賢明とはいえません。
下記に挙げる通り、ソートリーダーシップは継続的な良質コンテンツの配信によって生まれます。
コンテンツの配信と一言でいっても、そこには多くの時間・手間というコストが発生します。
あくまでも「ヒト・モノ・カネ」という限られたリソースで行うことを考えれば、重要なのは選択と集中です。
自分が専門的に扱うテーマはあくまでも限定し、その中でのトップ層に入ることを意識しましょう。
質の高いコンテンツの制作・発信
昨今のGoogle検索における表示順位はキーワードだけではなくコンテンツの「質」を判断しています。
また、これも下記に挙げる内容に通ずる部分ですが、SNSの口コミによる拡散はコンテンツの「質」で成否が分かれます。
闇雲に発信数・コンテンツ量を増やすのではなく、常に「質」を意識した制作活動が必要とされます。
コンテンツ拡散の促進
莫大な広告費をかけずSNSによるコンテンツの拡散を狙う企業は多いでしょう。
そうであるならば、コンテンツ自体も「拡散しやすい」良質なコンテンツである必要があります。
すなわち、顧客の心理を揺さぶり、「共感」を生み、行動や意識改革に繋がるような内容でなくてはなりません。
特にこの「共感」という部分が重要です。
SNSの爆発的拡散、いわゆる「バズ」の裏側に存在するのは「このコンテンツを他人と共有したい」という顧客心理です。
意図的にこの心理状態をデザインするために、常に顧客目線で良質なコンテンツを作成し続ける姿勢が必須です。
ソートリーダーになるためのコツ
前項ではソートリーダーを目指す上での具体的な方法・手順をご紹介いたしました。
その上で、ここを押さえておけばより確実性の高い展開が可能になる、というポイントも存在します。
本項ではそんな重要ポイントについて、4つの観点から解説します。
マーケティング手法としてのソートリーダーシップ戦略をよりブラッシュアップさせるため、丁寧にケアしましょう。
広く深い情報収集
コンテンツ自体の魅力、面白さには必ず「専門性」や「独自の視点」が提供されているものです。
この点において、多数の顧客を相手にコンテンツを発信する側のごまかしは効きません。
テーマを決めたら、その分野においては常に最新の情報を吸収し続ける意志がなければなりません。
ソートリーダーシップを実現するために継続的な発信が必須という側面から考えても、日々の情報収集は極めて重要です。
時代を超えて使用される概念はあったとしても、細部では常に最新の情報の更新が行われているからです。
3C分析の活用
マーケティング用語で有名な3C分析ですが、ソートリーダーシップ戦略においても活かすことができます。
ちなみに3Cとは、市場や顧客・自社・競合相手の3つの頭文字を取ったものです。
社内外の環境調査のために使用されるフレームワークですが、ソートリーダーシップ確立において有用に活用できます。
このフレームワークを使用することでテーマ(市場)選定・競合の立ち位置・自社の立ち位置を確認できるからです。
3C分析を有効に使用し、テーマ内での自社の位置を明確な目標として定め、それに沿ったコンテンツを配信しましょう。
コンテンツの継続的な発信
どれだけ良質なコンテンツを作ったとしても、単発の企画であればファン獲得には限りがあります。
コンテンツ配信は長期的・継続的に行い、地道に見込み客・固定ファンを獲得していくようにしましょう。
長期的・定期的にコンテンツを配信していることそのものが信頼となり、着実にファンは増えるものです。
日々、インプットした情報をアウトプットとして発信するスタイルは上記勉強習慣とも相性のいいものです。
長期目線でテーマを絞った配信を繰り返すことこそが最も再現性の高い成功モデルといえるでしょう。
ネットワーク作り
ビジネスはあくまで人と人との繋がりの中で生まれるものであり、人脈は非常に重要な要素です。
仕事として提携するしないに関わらず、多くの分野の方々とコンタクトを取る場は増やしていきましょう。
その方の紹介によって人脈、ネットワークは相互に大きくなっていくものです。
また、仕事の受注には繋がらなかったとしても情報源・勉強源が増えるだけでも非常に有意義な過程です。
自身の参加しているネットワークを大きくすることにメリットはあれどデメリットはありません。
ぜひ人脈形成・ネットワーク作りは積極的に行っていきましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ソートリーダーシップの注意点
これまでソートリーダーシップ戦略についてそのメリット・具体例・方法やポイントをご紹介してきました。
しかし、非常に強力な戦略である一方、当然注意点も存在します。
ソートリーダーになると意見やコンテンツ発信が容易に拡散されるようになります。
この際、良質な(社会が受け入れる)ものが発信できていれば問題は無いといえます。
しかし、このコンテンツが例えば誰かを傷つけるような、倫理的に問題のある内容であったとします。
この場合においても、ソートリーダーである以上「拡散されやすい」というレバレッジはマイナスに働きます。
一度築いた地位も、社会的に迎合されるものでなければ当然続くものではありません。
「拡散されやすい」という大きなメリットはリスクと責任を孕んだものであると強く意識しましょう。
ソートリーダーシップをとって成功するなら
ソートリーダーシップを成功させるためには、限定的なテーマで継続的に良質なコンテンツを配信することです。
文字で書けば簡単な内容にも思えますが、実行段階においてこれを簡単だと思う人はいないでしょう。
アウトプットというのはインプットとは比にならないくらいの労力を消費するものです。
日々忙しいビジネスパーソンにとっては、確実な勉強時間を確保することすら困難でしょう。
これに加えて「良質な」コンテンツの定期配信など、想像を絶する苦労が発生することは間違いありません。
では、この魅力に溢れたソートリーダーシップを自社で導入することはできないのでしょうか?
わかりやすい回答としては、「自社だけで実現できないなら外注すればいい」が挙げられます。
また、「今の自社の(自分の)システムで無理ならできるように改善すればいい」も答えとなるでしょう。
どちらのパターンにおいても、デジマクラスはプロフェッショナルを備え、対応できる準備があります。
今この記事を読んでいただいたことをきっかけの一日目として、あなたの会社に変革を起こしませんか?
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まとめ
いかがだったでしょうか。
一度ポジションを確立してしまえば極めてメリットの大きく、強力な戦略であることがご理解いただけたかと想います。
現代では市場変化の速さ・規模共に過去のものとは比べ物にならず、常に市場に最適化された戦略を取るのは困難です。
市場や顧客ニーズの変化自体に影響を与えられるソートリーダーシップ戦略は、現代において有力な選択肢たりうる手法といえます。
ぜひ一度デジマクラスへお問い合わせいただき、あなたの会社で実践していきましょう。