オンラインでの接触をオフラインの消費行動につなげるO2Oマーケティングを有効に活用することで、顧客を実店舗に誘導することができます。
しかし、具体的にO2Oマーケティングをどのように味方につければよいかわからないという経営者の方も多いでしょう。
この記事ではO2Oマーケティングについて成功事例を解説することで、その有効な活用方法についてご紹介していきます。
ぜひ最後までご覧になり、O2Oマーケティングの導入の参考になさってください。
目次
効果的なO2Oマーケティング成功事例を解説
O2Oマーケティングを取り入れたいと考えていても、様々な情報があってどれを参考にしたらいいかわからない場合もあるでしょう。
どの手法でどのような効果が期待できるというイメージがなければ、効果的な施策を打つことはできません。
そこで、この記事ではO2Oマーケティングの成功事例を解説しながら、効果的な施策のヒントを提示していきます。
成功のポイントや迷った場合の対処法についても紹介していますので、ぜひO2Oマーケティング施策の導入にお役立てください。
O2Oマーケティングについて
O2Oマーケティングとは、オンライン上で見込み客に接触し、オフラインでの消費・購買行動に誘導する施策のことです。
O2Oマーケティングはオムニチャネルマーケティングのうちの1つであり、チャネル間の連携はおおむね1方向しかありません。
オムニチャネルとの違いについて詳しく見ていきましょう。
オムニチャネル
オムニチャネルとは、あらゆるチャネルにおいて顧客との接触をもつためのマーケティング戦略のことです。
実店舗やオンラインストアのほか、SNSやマスメディア・コールセンターなど、様々なチャネルで顧客に対してアプローチします。
それぞれのチャネル間で商品情報や顧客情報を共有することで、顧客が自分に合ったチャネルでの購買体験を選びやすくなるのが利点です。
その利便性によって顧客を囲い込むことで売り上げアップにつながり、また顧客満足度のアップにもつながります。
チャネル間の連携
オムニチャネルの場合は、チャネルが増えれば増えるほどチャネル間の連携が複雑になります。
顧客の導線を設定したうえで、それぞれの導線の流れに沿った戦略が必要となるため、かなり緻密な連携が必要といえるでしょう。
それに対しO2Oマーケティングにおいては、原則オンラインからオフラインへの1方向の導線を考えればよいということになります。
そのため、チャネル間の連携もシンプルになり、戦略を考えやすいという利点があります。
O2Oマーケティングの特徴
O2Oマーケティングはどのような特徴を持った戦略なのでしょうか。
まず挙げられるのは、新規顧客を獲得できるという点でしょう。
また、実店舗とECサイトで相乗効果を得やすいこと、施策効果が判断しやすいことなどが挙げられます。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
新規顧客獲得ができる
O2Oマーケティングの一番の特徴としては、オンラインでのクーポン配布などで新規顧客を獲得できるという点です。
スマホの普及によって、日常的に多くの人の目につきやすくなったオンライン上で集客を行うことで、効果的に顧客を獲得することができます。
特に近年では、顧客が来店や商品購入の前にインターネットで情報を調べるという行動が多くなっており、これを活用しない手はありません。
オンライン上での接触に配慮した戦略を練ることで、より高い効果が期待できるでしょう。
実店舗とECサイト相乗効果を得やすい
実店舗とECサイトを経営する業態であれば、O2Oマーケティングを活用することでその相乗効果を得ることができます。
例えばECサイトで買い物をした顧客に実店舗で使えるクーポンなどを配布することで、実店舗への誘導が可能です。
逆に実店舗を利用した顧客には、在庫切れの商品をECサイトで購入してもらうなどのフォローができるようになります。
いずれも顧客の利便性をより重視することで、それぞれのチャネルへの相乗効果が期待できるといえるでしょう。
施策効果が判断しやすい
オンライン上で集客を行うことで、施策効果が判断しやすくなるというメリットもあります。
例えば看板やポスター・折込チラシ・ポスティングなどの施策の場合、実際にそれを見た人がどれだけ足を運んだかを測るのは困難です。
オンライン上での施策であれば、配布されたクーポンの数と実際に実店舗で使用されたクーポンの数などが数値として残ります。
それらの情報から、施策の効果がどれだけあったのかを客観的に把握することが可能になるのです。
O2Oマーケティングの特徴
- 集客により新規顧客を獲得しやすい
- オンラインとオフラインでの相乗効果が期待できる
- 施策の効果を数値で判定しやすい
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
SNSを利用した事例
O2OマーケティングとしてSNSを利用した事例について、具体的に見ていきましょう。
SNSではオウンドメディアなどとは異なり、顧客にとってより身近なところで企業やブランドの情報を発信することが可能です。
このSNSを活用して成功した事例について2つの例をご紹介します。
クーポン無し
100円ショップ「ダイソー」は、商品の価格が安いためクーポンは配布せず、その代わりにLINE@での情報発信を行いました。
新商品の画像や便利な使い方など、商品の情報を具体的に発信することで「使ってみたい」「買ってみようかな」と思わせるのが狙いです。
このような丁寧な情報発信でオンライン上でのファンを増やし、店舗への誘導に成功しています。
ハッシュタグ
共通ポイントサービス「Ponta」は、X(旧Twitter)を活用したキャンペーンである「ハッシュドポンタ」を各社と提携して実施しました。
これはPonta会員が特定のハッシュタグを付けてツイートすることでキャンペーンに参加でき、特典やポイントを得られるというものです。
企業側にとっては情報の拡散効果が期待でき、キャンペーン中の新規客の獲得に成功しています。
マーケティング戦略の事例はこちら
位置情報を活用した事例
スマホならではの良さを活かし、位置情報を利用してO2Oマーケティングにつなげた事例もあります。
その最たるものがチェックイン機能でしょう。指定の場所でアプリを操作することで特典を受けられる機能です。
また、バーコードスキャンと組み合わせてより利便性を高めた例もあります。
それぞれ順に見ていきましょう。
チェックイン
「楽天チェック」では位置情報を活用し、店舗の前などの指定エリアでチェックインすることでポイントがもらえるという特典があります。
買い物をしなくてもポイントがもらえることで顧客は行動を起こしやすくなり、企業側は店舗への誘導効果を得ることが可能です。
身近な生活圏内でポイントが貯められる点や、貯めたポイントを様々な用途に利用できるという点が利便性を高め、成功へと導きました。
バーコードスキャン
「ニトリ」では公式アプリで位置情報を利用した店舗検索ができ、最寄りの店舗に足を運んでもらうことに成功しています。
また、店頭でのバーコードスキャンにより商品情報の紹介や手ぶらでの買い物が可能になり、顧客の利便性を大きく向上させました。
これにより都市型の小さな店舗でも品切れへの対応が取りやすく、顧客と店舗の双方にとってメリットが大きいサービスといえます。
QRコード利用した事例
海外のちょっと変わった例ですが、QRコードを利用したO2Oマーケティングの手法もご紹介しましょう。
ビールメーカーの「Guiness」は、黒ビールを注いだ時にだけ白くプリントされたQRコードが浮かび上がる特別なグラスをバーに提供しました。
浮かび上がったQRコードを読み取るとSNSに自動投稿され、クーポンのダウンロードができるという仕組みです。
さらに今いるバーに友人を誘うこともできるという拡散効果もあり、注目が集まりました。
ネット注文店舗受取
ネットで注文した品物を実店舗で受け取ることができるサービスは、多くの企業に取り入れられています。
「ジュンク堂書店」はオンライン書店「honto」と提携し、オンラインで注文した品物を最寄りの書店で受け取るサービスを実施しました。
顧客が実店舗に足を運ぶことで、注文した商品を受け取る際に店頭で別の商品を購入するきっかけにもなり、売上の獲得につながっています。
会計時にhontoカードを提示することでポイントが付き、オンラインと実店舗での買い物に使用できるため、顧客にもメリットが多い事例です。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
O2Oマーケティング成功のポイント
O2Oマーケティングはただ他企業がやっているものを真似して実施すればいいというわけではありません。
O2Oマーケティングを成功させるためには、いくつかのポイントをしっかりと意識する必要があります。
- 記憶に残る体験を考える
- 技術の組み合わせをする
- OMOを意識する
- PDCAサイクルで継続改善をする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
記憶に残る体験を考える
せっかくO2Oマーケティング施策を実施しても、顧客に認知してもらえなければ効果がありません。
顧客の記憶に残る体験があって初めて利用してもらえるということを意識しましょう。
あっと驚くような楽しい仕掛けや「こういう機能が欲しかった!」という大きなメリットがあれば、より記憶に残りやすくなります。
とことん顧客目線で考えることでこういったニーズを満たし、顧客の積極的な行動を促すことができるでしょう。
技術の組み合わせをする
顧客の興味・関心を引くO2Oマーケティングのためには、技術を組み合わせることも考えてみましょう。
例えば位置情報とクーポンを組み合わせることで、店舗の近くにいる見込み客にクーポンを配布し、店舗へと誘導することができます。
さらにプッシュ通知やSNSなどを組み合わせることで、顧客の利便性や情報の拡散性も増すことができるでしょう。
このようにいくつかの技術を組み合わせることによってパッケージ化したユーザー体験を提供することが可能になります。
OMOを意識する
OMO(Online Merges with Offline)とはオンラインとオフラインの境界をなくし、顧客体験に一貫性を持たせることです。
OMOではオンラインとオフラインを区別することなく、顧客に関するあらゆるデータを収集し活用することで顧客に貢献します。
日本でも将来的にキャッシュレス化が進み、日常に関するあらゆるデータが収集できるようになればOMOの取り組みが盛んになるでしょう。
O2Oマーケティングを行う上では、将来的なOMOへの移行も視野に入れてサービスを考える必要があります。
PDCAサイクルで継続改善をする
顧客の好みやニーズは日々変化しているため、企業はそれらをしっかりと把握し、変化に対応していかなければなりません。
オンライン上で行う施策では顧客の意見を直接聞くことはできませんが、その効果を数値で測定することは可能です。
それらの結果を良く分析し、ユーザー目線でもっと改善が必要なところがないか継続的に確認していく必要があります。
PDCAサイクルを回しながら継続的に改善することで、ユーザーのロイヤリティの向上につながるでしょう。
O2Oマーケティングを成功させるポイント
- 顧客目線で記憶に残る体験
- 複数の技術の組み合わせ
- OMOを意識したシームレスな顧客体験
- PDCAサイクルによる継続的な改善
O2Oマーケティングに迷ったら
O2Oマーケティングは種類が多く、アイデア次第で様々な取り組みが可能になります。
しかし、それが自社の商品やサービスに合っていなければ、期待した効果が得られないということもあるでしょう。
O2Oマーケティングの施策に迷った場合は、専門知識を持ったマーケティングコンサルタントに相談するのがおすすめです。
過去の成功事例や企業の要望などをもとに、数あるO2Oマーケティング施策の中からもっとも効果的な施策を提案してくれるでしょう。
マーケティング戦略の事例はこちら
まとめ
O2Oマーケティングを効果的に行うためのポイントについてお伝えしてきました。
ここで挙げた成功事例は、いずれも顧客目線で利便性や楽しさを追求した結果が成功につながったといえるでしょう。
O2Oマーケティングにおいてはただオンラインとオフラインの連携というだけではなく、顧客にとっての価値で成功が決まります。
しっかりと顧客に寄り添うことで、O2Oマーケティング施策を成功させましょう。