オンライン・オフライン問わず、多種多様な決済方法が登場しています。
そのため、EC(電子商取引)を導入するにあたり、どのような決済方法を導入すべきか悩む方は多いのではないでしょうか。
今回はそんなECの決済方法の種類・メリットだけでなく、選択のポイントに至るまで詳しくご紹介します。
目次
ECでよく使われる決済方法
ECとはElectronic commerceの頭文字をとったもので、電子商取引のことをさします。
インターネットが普及し、多くの人がインターネット上で買い物をするようになりました。
そこで活用されるのがECなのです。
ECに含まれる取引には以下のようなものがあります。
- ネットショッピング
- ネットオークション
- オンラインでの旅行予約
- 有料のコンテンツ配信サイト
- オンライントレード
ECを活用することで、インタネット上で多くの取引が可能になります。
中でも、多くのユーザーが利用するのがインターネットショッピングです。
ECサイトと呼ばれるサイトでは、日々さまざまな決済方法で取引が行われています。
ECの主な決済方法の種類とメリット
多くのユーザーにとってインターネットで取引をすることが当たり前のようになりました。
オフラインの決済方法が多様化しているとともに、オンラインでの決済方法も多種多様です。
ここでは、ECの決済方法の中で主な6種類とそのメリットをみていきましょう。
クレジットカード決済
ECの主な決済方法の1つとして、クレジットカード決済があります。
インターネットで買い物をする際、7割のユーザーがクレジットカードを利用していることをご存知でしょうか。
多くのユーザーが利用するため、マーケティングの観点からすると機会損失しにくいというメリットがあります。
クレジットカード決済ができないという理由でサイトを離脱する人も少なくありません。
そういった機会損失を防ぐことで、サイトへの集客や収益を上げていくことができるでしょう。
コンビニ決済
コンビニ決済とは、オンラインで取引をした料金をコンビニエンスストアで支払うという方法です。
この決済方法には、「前払い方式」と「後払い方式」の2種類があります。
ユーザーがECサイトで商品を購入した場合のコンビニ決済の例をみてみましょう。
前払い方式の場合、ユーザーがコンビニエンスストアで支払いをし、入金確認ができたら商品を発送します。
入金確認後に商品を発送するため、未払いの防止になるのがメリットです。
後払い方式では、商品と一緒に支払伝票を送付し期限までにコンビニエンスストアで支払いをしてもらいます。
ユーザーにとっては商品を確認してから支払いができることがメリットですが、企業には未払いのリスクがあるので注意が必要です。
コンビニ決済を自社で申請しようとすると、各コンビニエンスストアでの審査が必要になります。
そのため、コンビニ決済を導入するのであれば決済代行サービスを利用するのがおすすめです。
代金引換
代金引換とは、商品が手元に届いた際に運送会社に支払いをするという決済方法です。
運送会社が行っているサービスなので、ユーザー側に「代引き手数料」が発生します。
代引き手数料を払ってでも、代金引換を選択するユーザーは少なくありません。
インターネットでクレジットカード情報を入力するのは不安、コンビニエンスストアが近くにないというユーザーにニーズがあるのです。
商品を届けるときに代金を回収するため、未払いや不着のリスクを回避できるのがメリットといえます。
銀行振込
銀行振込は、指定した銀行口座に入金してもらうという決済方法です。
この場合の振り込み手数料はユーザーが支払うことになるため、企業は手数料の負担なく取引ができます。
インターネットバンキングが普及しており、24時間振り込みができる銀行も増えました。
リアルタイムで入金ができるという点から、銀行振り込みを選択する人も少なくありません。
入金確認に時間がかかるのがデメリットですが、指定口座に入金されるためすぐに料金を回収できるのがメリットです。
キャリア決済
キャリア決済は、携帯電話会社のIDやパスワードを用いて取引を行う方法です。
商品の代金を携帯電話会社が立て替え、月々の携帯電話の利用料金と一緒に請求されます。
クレジットカードや個人情報の入力をせず取引ができるため、キャリア決済を利用するユーザーも少なくありません。
クレジットカードをまだもてない18歳未満の方もキャリア決済を利用することができます。
またリアルタイムに決済されるため、未納のリスクがないのがメリットです。
しかし、他の決済方法と比べて企業が負担する手数料が高めであることに注意しましょう。
電子マネー
電子マネーは、データ化されたお金を使って取引をするという決済方法です。
クレジットカードは不安というユーザーでも、電子マネーなら安心して使えると思っている場合があります。
それは、予めチャージしておいた金額しか使えないようにしておけば使いすぎや不正利用の被害を防ぐことができるからです。
またクレジットカードをもてない18歳未満の人であっても、電子マネーなら使うことができます。
ユーザーに購買機会を与えることができるという面で、電子マネーはメリットとなるでしょう。
複数の決済方法を採用するメリット
ECの導入を検討するときは、複数の決済方法を採用することをおすすめします。
それは、決済方法が1つだと購買機会を損失するリスクがあるからです。
例えば決済方法がクレジットカード決済のみだったとしましょう。
いくら欲しい商品だとしても、クレジットカードを作れない18歳未満のユーザーは購入することができません。
もちろん18歳以上でもクレジットカードをもっていない・オンラインで使いたくないという人もいます。
この場合、もしコンビニ決済や代金引換があればユーザーは購入に至る可能性があるでしょう。
複数の決済方法を採用することで、機会損失を防ぐことができるのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
決済方法の豊富さと売り上げ増加の関係
先述したように、1つの決済方法に絞るのは機会損失のリスクがあります。
しかし、決済方法を増やすことでどのような効果があるか分からないという方もいるのではないでしょうか。
そこで押さえておきたいのが、決済方法の豊富さと売り上げの関係です。
ある調査では、ECサイトで決済方法の数と月の売り上げの関係を比較しました。
それによると決済方法が1つのショップの平均売り上げを100%とすると、決済方法が5つのショップでは500%にもなったのです。
この数字から、複数の決済方法を導入することの重要性がさらにみえてくるのではないでしょうか。
マーケティング戦略の事例はこちら
決済方法の選び方
ここまでご紹介してきたように、ECの決済方法にはさまざまな種類があります。
そのため、どれがいいか悩む方も多いのではないでしょうか。
ここではECの決済方法の選び方を3つのポイントに絞ってご紹介します。
ターゲットの年代
ECの決済方法を選ぶときは、ターゲットの年代を考慮するようにしましょう。
例えば50代・60代の場合、以前からあるコンビニ決済や代金引換を採用するということです。
また、10代・20代がターゲットであればクレジットカードをもっていない可能性を考えなければなりません。
一方、クレジットカードをもっていなくても電子マネーやキャリア決済なら活用していることもあるでしょう。
このように、ターゲット層がどのような決済方法を選択するかを念頭に置いて採用する必要があるのです。
運用コスト
決済方法を決めるときには、運用コストを考慮しなければなりません。
決済方法の中には、企業が負担しなければならない手数料が発生する場合があります。
多くのユーザーが利用するクレジットカード決済が、その代表的な例です。
また、キャリア決済の手数料はクレジットカード決済よりも高い設定であることにも注意しましょう。
1回の取引で発生する手数料の額はそれほど高くないかもしれません。
しかし、月々の合計額にすると決して無視できないはずです。
そして、決済代行サービスを活用する場合は仲介手数料が発生することも押さえておかなければなりません。
決済代行サービスについてはこの後ご紹介しますが、さまざまな手間を省くためには費用がかかります。
それらを考慮した上で決済方法を選ぶ必要があるのです。
取り扱う商品
取り扱う商品によって、決済方法を決めることをおすすめします。
それは、決済方法によって取引の上限額が決まっている場合があるからです。
クレジットカード決済の場合、上限額は高額であることが多いでしょう。
しかし、キャリア決済の上限額は他よりも低いため高額な商品を扱うショップには向いていません。
そのため、各決済方法の上限と取り扱う商品の価格が見合っているか考慮する必要があるのです。
マーケティング戦略の事例はこちら
ECの決済導入時の注意点
ECの決済を導入するときに、押さえておきたい注意点があります。
- それぞれの決済方法のメリット・デメリットを知っておく
- デメリットを回避する方法を検討する
- 初期費用や手数料を把握しておく
- 自社で決済の申請をすると手間がかかる
最後の決済の申請についてですが、これは決済代行サービスを仲介せずに申請した場合のことです。
例えばコンビニ決済の場合、利用したい各コンビニエンズストアに対して申請を出し審査に通過しなければなりません。
また、キャリア決済についても同様で、導入の際には携帯電話会社の審査が必要になります。
これらの注意点を押さえてECの決済を導入するのであれば、決済代行サービスの活用がおすすめです。
決済サービスを利用したい企業(ショップ)と決済サービスを提供する企業の仲介を行うサービスを、決済代行サービスといいます。
決済代行サービスの利用によって、審査が通過しやすくなったり、複数のクレジットカード決済を一元管理できたりするのがメリットです。
決済代行サービス例
決済代行サービスを活用すると、審査や管理の面でメリットがあります。
しかし、決済代行サービスにもさまざまな種類があるのでどれがいいか迷う方もいるでしょう。
ここでは、そんな代表的な決済代行サービスの例を3つご紹介します。
楽天Pay
QRコード決済として知られる楽天Payですが、電子マネーやクレジットカードにも対応する決済代行サービスの1つです。
クレジットカードである楽天カードを中心に、高い集客力を発揮しています。
また、楽天銀行を利用すれば、翌日に代金が振り込まれるのも楽天Payの魅力です。
決済手数料は業界の中でも低い水準なので、運用コストを考慮するとメリットが大きいでしょう。
楽天銀行の口座を使用することによって振り込み手数料がかからず、お得に活用することができます。
GMOペイメントゲートウェイ
GMOペイメントゲートウェイは、決済代行サービスの中でも大手といわれるほどの実績があります。
対応する決済方法は幅広く、ニーズに合った決済方法の提案やサポートを行ってくれるのが特徴です。
GMOペイメントゲートウェイを導入する店舗は8万店以上とされており、それだけ信頼のある決済代行サービスといえます。
しっかりとしたセキュリティ対策や、年中無休のコールセンターの設置も多くの店舗から支持されるポイントです。
PayPal
PayPalはオンライン決済サービスの1つで、登録からサービス開始まで全てオンラインで行うことができます。
決済代行サービスの中でも万全のセキュリティー対策といわれているのが特徴です。
セキュリティ面での安全性から、海外の主要決済方法にも対応しています。
国内外で事業を展開していきたいという場合は、PayPalの導入を検討するのもいいでしょう。
それだけ安心・安全といわれるPayPalですが、利用料金はリーズナブルに設定されています。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
決済代行サービスを選ぶ際のポイント
決済代行サービスを選ぶ際は、どのようなことに着目すればいいのでしょうか。
ポイントを知っておくことで、自社に合った決済代行サービスを選ぶことができるでしょう。
ここでは、決済代行サービスの選ぶポイントを2つご紹介します。
自社のECシステムと連携可能か
決済代行サービスを選ぶときは、自社のECシステムと連携することができるか確認してください。
ECシステムによっては、連携できない決済代行サービスもあるからです。
せっかく導入しても連携できなければ意味がありません。
検討段階でしっかり確認するようにしてください。
サポート・セキュリティ体制
決済代行サービスのサポート・セキュリティ対策も選択時に着目したいポイントの1つです。
万が一のトラブルや不正利用の際に、しっかりとサポートしてくれる決済サービスを選択しましょう。
また、ユーザーのクレジットカード情報や個人情報を扱うため、セキュリティ対策は必須です。
サポート・セキュリティ対策がどのようになっているか比較・検討した上で、決済代行サービスを選びましょう。
ECの決済方法で悩んだら
ECの決済方法は、ECサイトの運営・出店を行う上で欠かすことができないものです。
しかし、決済方法は多種多様でそれぞれの特徴・メリットを押さえておかなければなりません。
またターゲット層や取り扱う商品によって、よりよい決済方法が異なることにも注意してください。
どの決済方法を導入すべきか、決済代行サービスはどこがいいかなど検討することがたくさんあります。
そのため、ECの決済方法に悩む方も少なくありません。
もし決済方法でお悩みのことがあれば、デジマクラスにご相談ください。
ノウハウをもったコンサルタントが、最適な選択のためのサポートをさせていただきます。
マーケティング戦略の事例はこちら
まとめ
今回は、ECの決済方法の種類やそれぞれの特徴・メリットについてご紹介しました。
オンラインで行う決済では、クレジットカードの利用者が多くを占めています。
しかし、クレジットカードをオンラインで使うことに抵抗がある人・もっていない人がいることを忘れてはいけません。
だからこそ、コンビニ支払い・代金引換・キャリア決済などさまざまな種類の決済方法が存在しているのです。
ECの決済を導入するにあたり、機会損失を防ぐためにも複数の決済方法を採用することをおすすめします。
複数の決済方法をスムーズに導入・運用するために決済代行サービスの導入も検討しましょう。
しかし、これらのことを自社だけで検討するのは大変なことですし、選択に悩む方も少なくありません。
ECの決済方法について検討されている方は、ぜひデジマクラスにご相談ください。