インバウンドマーケティングとはユーザーに愛されるためのマーケティングです。
Web広告もユーザーに好感を持ってもらうことを念頭に置いた施策の展開が重要になってきます。
有効な施策は様々あり、アウトバウンドマーケティングとの併用も見逃せないポイントの1つです。
よりインバウンド効果を狙うならWebマーケティングコンサルタントも活用してみてください。
目次
Webを活用したインバウンドマーケティングの効果を解説
企業の広告手法としてインバウンドマーケティングはすでに定番となっています。
企業ホームページやSNSなどWebツールを活用したインバウンドマーケティングに取り組んでいる企業も多いです。
特に初期投資0円から始められる手法で費用対効果が高い点にたくさんの企業が魅力を感じています。
成功すれば多くのリピーターを獲得できるためチャレンジする価値が十分にあるマーケティング手法といえるでしょう。
どうすれば成功するか、そのポイントは企業が発信したい情報ではなくユーザーが知りたい情報を発信すること。
より高いインバウンド効果を図るためにユーザー本位のマーケティングを展開するのが重要です。
インバウンドという概念
インバウンドマーケティングとはユーザーに愛されること、ファンを増やすことに主眼を置いたマーケティングです。
インバウンドとは自ら来ること、相手側から入ってくるという意味です。
2010年代前半にアメリカで生まれたマーケティング手法で、登場以来多くの企業が注目しています。
見込み客の興味・関心をひくことで振り向いてもらう、という考え方が大事です。
Webを活用したインバウンドマーケティングがもたらす効果
インバウンドマーケティングがもたらす効果は企業にとって良い情報を拡散してくれるファンによってもたらされます。
高い費用対効果で情報拡散が可能で、企業資産として魅力的なデータやコンテンツを獲得できます。
ユーザーからの信頼獲得
インバウンドマーケティングがもたらす効果としてまず挙げられるのがユーザーからの信頼獲得です。
例えば、ミュージシャンは歌を聞いてもらったりライブのエンターテイメント性で楽しんでもらったりすることでファンを増やします。
自らのブランド力で見込み客をファンにするインバウンドマーケティングを行っているといえるでしょう。
曲が良ければ素晴らしい芸術性を持ったミュージシャンという信頼を獲得でき、次の作品の売り上げにも影響します。
それを複数回続けることでこのミュージシャンの新譜は必ず買う、ライブには絶対行くといったファンからの信頼を得ることができます。
もちろん企業活動も同様です。
インバウンドマーケティングの成功によってユーザーは単なるユーザーではなくなります。
企業のファンとして自社の魅力を理解し高い信頼を寄せてくれる財産となるのです。
高い費用対効果
インバウンドマーケティングは費用対効果もメリットの1つです。
例えば、コーポレートサイトのSEO対策は企業内にノウハウ・設備がすでに用意されているのであれば0円からでもOKです。
対して代表的なアウトバウンドマーケティング手法であるテレビCMは1,000万円を超えることも珍しくありません。
もし東京キー局で15秒のCMを1回放送する場合、およそ50万円程度かかるといわれています。
どの番組で流すか・どの時間帯に流すかにもよりますが、一定期間の放送であれば数千万単位の費用がかかることもあるでしょう。
つまり、インバウンドマーケティングはかなり費用を抑えたスタートから始められるマーケティング手法なのです。
データの収集・分析が可能
インバウンドマーケティングでサイトを訪問するユーザーは自社や自社商材に興味を持っています。
そうしたユーザーの動きを分析すれば、Webマーケティング戦略全体に役立つデータを蓄積できるかもしれません。
- どの媒体・どの広告で興味を持ったのか
- いつ興味を持ったのか
- どのようなルートでWebサイトにたどり着いたのか など
フリーのアクセス解析ツールから得られる情報だけでも多くの分析材料を収集できるでしょう。
コンテンツの資産化
インバウンド効果を狙って作成したコンテンツは企業資産として半永久的に活用できる可能性があります。
そもそもインバウンドマーケティングでは様々なWebコンテンツの作成が欠かせません。
ユーザーが自社に興味を持っている、何らかの情報を得たいと思ったタイミングでベストな情報を提供できるように準備が必要です。
例えば自社コンテンツ内の情報ページやLPなどインバウンドマーケティングを促進するコンテンツが一般的です。
これらは消さない限りWeb上に残り、情報が陳腐化しない限りはずっと使い続けることができる集客資産として使えます。
情報を自然な形で拡散
ファンになってくれたユーザーはこちらから強制せずとも情報を拡散してくれる可能性が高いです。
例えば、あるファッションブランドのファンはそのブランドの新作アイテムに関する情報を必ずチェックしています。
購入後はコーディネート例や着用してみた感想・レビューをSNSで投稿してくれることもあるでしょう。
情報が自然にシェアされ、フォロワーの中で興味を持ってくれた人もまたその情報を調べます。
情報拡散の良い連鎖が生まれ、広告感なく情報を拡散できるのがメリットです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
アウトバウンドマーケティングではだめなのか
インバウンドマーケティングとよく比較されるのがアウトバウンドマーケティングです。
<アウトバウンドマーケティング広告例>
- テレマーケティング
- DM
- マスメディア媒体を利用した広告 など
実は、インバウンドマーケティングの登場にはアウトバウンドマーケティングに対する反響が鈍くなってきたことが関係しています。
特に見逃せない背景の1つがインターネットで、誰でも検索できるインフラが整い情報の取捨選択が当たり前になりました。
そのため、ほとんどのユーザーが企業側から一方的に与えられる情報だけでは満足できなくなっています。
すでにアウトバウンドマーケティングで発信する情報だけでは十分な広告効果、購買行動の促進ができない時代になっているのです。
ユーザーが抱く広告への嫌悪感
アウトバウンドマーケティングの成熟期にはユーザー都合を考えない強引な営業手法も珍しくなかったようです。
例えば都合の悪い時にかかってくる強引な営業電話や、処分に困るチラシの押し付けなど。
興味がある商材に関する情報であってもその時点で嫌な印象に変わってしまう人もいるでしょう。
ましてやその商材に興味がなければ嫌い・嫌な印象になっても不思議ではありません。
そのため広告を見るという人がそもそも減ってしまい、企業側も期待する広告効果が見込めなくなってきたのです。
特にインターネットが一般的になってからは求めていない情報を押し付けてくるという印象に転じやすくなっています。
インバウンドマーケティングに不可欠なものの見方
インバウンドマーケティングを実行する際に情報の質や出し方に注目してみてください。
例えばリリースする情報のユーザーニーズやタイミング、正確性が注目ポイントです。
企業側観点では無意味
インバウンド効果を得るにはユーザーに愛される・高い好感度・共感を得ることが第1歩です。
そのため、広告は企業側が伝えたいことではなくユーザーが知りたいことをメインに伝える必要があります。
例えば、起業年月日や従業員数といった情報とお得なセール情報・新商品のリリース情報であればどちらのニーズが高いでしょうか。
前者は必要な場合もあるかもしれませんがシチュエーションは限られており、都度調べれば十分と考えているユーザーがほとんどです。
対してセール情報・新商品情報は早く公式情報を得たいと考える人がほとんどでしょう。
そのためユーザーは自分で見つけるよりいち早く教えて欲しい、情報を拡散してほしいと考えているのです。
ユーザーにとって価値のある情報を発信する
ユーザーは商材購入後、入手するためにかかった費用分もしくはそれ以上の価値を得たいと思っています。
例えば、商材のスムーズな使い方やプロだからこそ提案できる新しい視点といった情報に価値を感じる可能性が高いです。
<例>
- ファッションアイテムの通販サイト:そのアイテムを使ったコーディネート、よりおしゃれに見える小物の合わせ方
- 整骨院:施術後のおすすめセルフケア・おすすめのケアアイテム情報
- ハウスメーカー・工務店:家を建てるまでの流れ、おおよその相場がわかる見積もり計算フォーム
ユーザーにとってベストな時期にサービスを提供
ユーザーは必要なタイミングでサービスをすぐ利用したいと考えています。
例えば、電化製品であれば「故障かも?」と思った時にすぐメーカーに問い合わせたいと考えているのです。
それがどのような時間帯であったとしても、すぐに問い合わせできない状況はユーザーにとってストレス要因になり得ます。
ポジティブに考えると、すぐに対応できる窓口で適切なサービスを提供できれば商材を使う価値を強く感じてもらえるでしょう。
正確な情報を提供
インバウンドマーケティングを行う場合、ユーザーは商材についての正確な情報を求めている点に注目してみてください。
特にユーザーが考える正確な情報として、商材のデメリットや他社商材と比較した場合の優劣といった情報は見逃せません。
もちろん企業にとってはあまり公表したくない情報です。
しかし業界のプロとしてそうした情報を提供できれば、ユーザーはプロから教えてもらった価値ある情報を入手できます。
企業として誠実にユーザーに向き合っているという印象にもつながり、高いインバウンド効果を期待できるのです。
ユーザーのニーズを育てていく
ユーザーの購買意欲は大きく分けると4つのステップを踏まえます。
各ステップに沿ったコンテンツを適切なタイミングで用意・提供すればユーザーニーズを自然に育むことができます。
ユーザーからの認知獲得
ユーザーが商材を購入・利用するために、まずはその存在を知っていることが大前提です。
そのため、1つ目のステップとしてユーザーの認知度を高めることを目的にしたコンテンツで情報発信を行いましょう。
<例>
- SNSを活用した積極的な情報発信
- SEO適正化で検索順位の上昇を図る
- 動画広告
- テキストコンテンツ
- 業界関連情報を提供するオウンドメディアを利用した情報発信 など
この段階のユーザーはこの企業がこんな商材をリリースしていると何となく知っている状態です。
まだ商材利用の検討までは進んでいないため、推し過ぎると好感を得られないことに注意しましょう。
ユーザーの理解促進
2つ目のステップはユーザーが商材に興味を持ち、情報収集を始めるステージです。
ユーザーの意識として「利用するかどうかは後々検討するとして、どのようなものか確認したい」と考えています。
そのニーズを満たすコンテンツ作成ポイントは実はこのような課題があるのでは?と商材利用のきっかけを提案すること。
ユーザーは自分の課題を解決するもしくは心地良い状態になることでないと積極的に動きません。
商材利用によってそれがかなうことをアピールするためにスタートとなる課題の提案が必要です。
ユーザーの意思決定を支援
ユーザーが課題と商材利用による解決方法を理解してくれた段階で次に考えるのは、最も良い商材を利用したいということ。
利用・購入を具体的に考え検討しているのが特徴です。
<ユーザーの意思決定を促進するコンテンツ例>
- 利用事例
- 商材利用までの流れ
- お試しサービスやトライアル商材の提案
- FAQ・よくある質問 など
特に商材の利用を疑似体験できるコンテンツ作りがポイントとなるでしょう。
ユーザー定着の促進
見込み客が実際に商材を利用した後、企業としてはリピーターとして定着してほしいと考えるのが当然ではないでしょうか?
そこで、ユーザー定着を促進する段階では既存顧客が何度も利用したくなる仕掛けを提案するのがポイントになります。
例えば、食材なら他のユーザーが実際にやっているレシピをシェアする取り組みが定番です。
また、Web上にユーザー限定のマイページを作成して専任担当がすぐに手厚くサービスできる環境を整えるのも有効でしょう。
各段階にあわせたコンテンツ作成ポイントを踏まえましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
インバウンドとアウトバウンドの併用
インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングにはいずれもメリットがあります。
どちらかに偏るのではなく、それぞれのメリットを上手に使いこなすことが重要です。
例えば、アウトバウンドマーケティングは老若男女・ユーザーの状態にかかわらず認知度を高めやすいメリットがあります。
見込み客の興味を喚起し商材理解を促進するきっかけづくりに最適です。
また、その段階で意思決定・定着につながるインバウンドマーケティング施策が用意されていればさらに購買行動を促進できるでしょう。
インバウンドマーケティング・アウトバウンドマーケティングともにいずれかで充分・こっちはだめということではありません。
それぞれのメリットを活かしてシナジー効果を狙うのがベストな活用法です。
インバウンド効果に伸び悩んだ時は?
インバウンドマーケティングは成功すれば単なる利用客にとどまらないファンが企業活動を支えてくれます。
しかし、成功するまでの道筋をつけるノウハウが自社で用意できずに困っている企業も少なくありません。
そこでWebマーケティングコンサルタントに相談してみてください。
Webマーケティングコンサルタントはインバウンドマーケティングを活用して見込み客をファンに育てるノウハウを持っています。
アウトバウンドマーケティングとのバランスを取りながら上手に併用する施策を提案できるのが利用メリットです。
自社のマーケティング戦略を客観的にチェックできるオブザーバーとして利用価値は十分あるでしょう。
Webマーケティングの事例はこちら
まとめ
インバウンドマーケティングは従来のアウトバウンドマーケティングを嫌うユーザーに効果的にアピールできる手法です。
しかし、ユーザーのフェーズによってはアウトバウンドマーケティングがまだまだ有効なことも少なくありません。
両方のメリットを上手に取り入れるのが大事です。
どのように取り入れるのか・どのようにバランスを取るのかについてはWebマーケティングコンサルタントも活用してみましょう。