企業にとって、求職者がインターネットで求人情報を検索することを前提とした採用活動は欠かせないものとなりました。
求人サイトの利用や採用情報の充実など方法は様々ですが、特にGoogle for Jobsへの注目が近年高まっています。
今回の記事ではそんな現代の採用活動にとって重要な役割を果たすGoogle for Jobsについて詳しく解説します。
上位表示させるための具体的な方法や重要な要素、SEO対策後に確認するべきことも紹介しますのでぜひ参考にしてください。
目次
Google for Jobsができた背景を知ろう
Google for Jobsができた背景には企業と求職者とのすれ違いがあります。
就職の一般的な流れに、複数の求人サイトに企業が求人情報を掲載し、求職者がそれらのサイトを利用するというものがあります。
しかしどんな企業もすべての求人サイトに情報掲載はできませんし、求職者もすべてのサイトをチェックすることはできません。
その意味では、企業も求職者も偶然性に強く左右される活動を行い、結果として多くのミスマッチが生じていたことになります。
Google for Jobsというサービスはこうした就職・採用活動におけるミスマッチを解消するために生まれました。
Googleの巨大なデータベースを利用することで、企業も求職者もより最適化された情報を得られるようになったのです。
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Google for Jobsの概要をチェック
Google for JobsはGoogleが提供する求人情報検索サービスです。
日本では2019年1月にGoogleの検索エンジンに機能が追加され、「Googleしごと検索」として提供が始まりました。
広く普及しているGoogleの検索エンジンを介して、企業も求職者もより手軽に採用・求職活動を行えるようになりました。
この項目ではそんなGoogle for Jobsの概要について詳しくチェックしてみましょう。
Google for Jobsの特徴
Google for Jobsの大きな特徴として利用のハードルの低さを挙げることができます。
多くの求人情報サイトと違って、ユーザーは面倒な会員登録をせずにこのサービスを利用することができます。
特別なソフトウェアのダウンロードも専用端末の購入も不要で、検索のための特殊な条件設定も必要ありません。
日頃Googleの検索エンジンを利用する時と同じように、検索窓に地域や職種などを入力するだけで求職活動ができるのです。
求人掲載のメリット
企業がGoogle for Jobsに求人情報を掲載するメリットは数多くのユーザーに求人情報を見てもらえることでしょう。
これまでほとんどの企業は求人サイトに登録したユーザーにしか求人情報を提供することができない状態にありました。
しかしGoogle for Jobsによってその常識は覆され、より多くの求職者に求人情報を届けられるようになりました。
求人情報サイトを経由しない形の新たな採用ルートが開けたと表現できるでしょう。
また求人情報サイトを利用する時のように料金がかからず、無料で情報を掲載できることも大きなメリットの1つといえます。
求人掲載のデメリット
企業がGoogle for Jobsに求人情報を掲載することには以下のようないくつかのデメリットもあります。
- 応募者を管理できない
- 情報の更新が即時反映されない
- Google以外の検索エンジンに情報を表示できない
Google for Jobsでは求人情報の表示はできますが応募の受付も応募者の管理もできません。
もしも応募者の管理をしたければ自社サイトか求人サイトで行う必要があります。
また求人サイトに掲載する場合と違って、せっかく求人情報を更新しても変更が反映されるまでにタイムラグが生じます。
そのため頻繁に情報更新する必要がある求人情報には向かないサービスだといえるでしょう。
またGoogleのサービスなのでGoogle以外の検索エンジンを利用しているユーザーに情報を届けることはできません。
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上位表示を目指すにあたり知っておくべきこと
一般的な検索順位と同じようにGoogle for Jobsにも掲載情報の表示順位が存在します。
ただ残念なことに上位表示させるための詳しいロジックは公開されていません。
確かなのは、やはり一般的な検索順位の決定と同じように、コンテンツの質によって表示順位が変わるということです。
この項目ではGoogle for Jobsで上位表示を目指すにあたって知っておくべきことをご紹介します。
必須プロパティの内容
Google for Jobsで上位表示を目指すにあたって知っておくべきこと、1つ目は必須プロパティの内容です。
求人情報を掲載するためには、Googleに対して以下の必須プロパティを含む構造化データを作成・送信しなければなりません。
- title(職種名)
- jobLocation(勤務場所)
- datePosted(投稿した日)
- description(募集の内容)
- hiringOrganization(企業情報)
- valiedThrough(掲載を終える日)
またこれら6種の必須プロパティの他に以下の通り5種類の推奨プロパティも存在します。
- baseSalary(賃金の指定)
- identifier(求人情報の管理)
- employmentType(雇用の形態)
- jobLocationType(リモートワークの指定)
- applicantLocationRequirements(居住地の指定)
コンテンツとして質の高い求人情報にするためにはすべてのプロパティをもれなく埋めることが必要です。
求人情報をすぐに反映させるために
Google for Jobsで上位表示を目指すにあたって知っておくべきこと、2つ目はツールの利用です。
構造化データのマークアップが済んだ採用ページを「構造化データテストツール」を使ってチェックしましょう。
ただ、公開してもGoogleのクローラーの巡回を待つ必要があるなど情報の反映に時間がかかることも少なくありません。
そんな場合はクロールを待たずにGoogleに更新を伝えられるツール「Indexing API」で時短を試みましょう。
有料による上位表示はできない
多くの求人情報サイトでは、必要な金額を支払いさえすれば自社の求人情報を上位表示させることができます。
しかしGoogle for Jobsでは有料による上位表示はできません。
Google for Jobsで上位表示させるためにはコンテンツとしての質を高めることが重要とされています。
以下の項目で上位表示に重要な要素やコツについてご紹介します。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
上位表示に重要な要素
Google for Jobsで上位表示させるために重要な要素はタイトルと説明文です。
求職者に対してもGoogleのクローラーに対しても、まずは簡潔で分かりやすいタイトルで情報をアピールする必要があります。
ただしタイトルはGoogleのガイドラインを遵守した適切なものでなければなりません。
特に、タイトルとして不適切な言葉や記号を用いた顔文字などを使うことは止めましょう。
説明文を書く際は項目ごとに見出しを設けたり特殊文字を用いたりして読みやすさを追求します。
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上位表示させるためのコツ
まず求職者が検索しそうなキーワードをGoogleトレンドで探し、自然な形で説明文に含める方法が有効です。
その際、同じキーワードばかり繰り返し使うことは避けて、言い回しを工夫して違和感のない文章にするよう心がけましょう。
説明文に顔文字や「!」を用いることは避けるべきですが、「■」や「◇」などの記号の中には効果的に使えるものもあります。
実際に上位表示に成功している企業の求人情報を確認して、ユーザーに配慮した装飾方法の参考にすると良いでしょう。
Google for JobsのSEO対策
検索エンジン最適化がSEO対策と呼ばれるように、Google for Jobs最適化はJEO対策と呼ばれます。
SEO対策と同じで、JEO対策の基本もユーザーファーストを念頭に置いたコンテンツの質の向上にあると考えると良いでしょう。
この項目ではそんなGoogle for Jobs版のSEO対策についてご紹介します。
「求人情報」の書き方
Google for JobsのSEO対策、1つ目は「求人情報」の書き方です。
求人情報の説明文として理想的なのはキーワードを含めた簡潔な文章です。
脇道に逸れがちな回りくどい文章にしてしまうと、せっかく見てくれたユーザーの心証を損ないかねません。
ユーザーにとって有益ではないと評価されると順位のいっそうの低下は免れないでしょう。
400~500文字になることを意識した、誰にとっても読みやすい書き方を心がけることが肝心です。
「役職名・ポジション」の書き方
Google for JobsのSEO対策、2つ目は「役職名・ポジション」の書き方です。
役職名・ポジションを書く際は広く世間一般で使われている名称であることを確認してから書きましょう。
その企業の中だけ、あるいは業界でも一部だけといった極めて狭い範囲でしか使われていない役職名の場合もあるからです。
そのようなローカルな名称を使っているとなかなか上位表示されません。
「勤務地」の書き方
Google for JobsのSEO対策、3つ目は「勤務地」の書き方です。
勤務地は可能な限り詳細に書くことが求められています。郵便番号・都道府県・市区町村・番地まで明記しましょう。
入居しているビルのフロアはもちろん、必要があれば部屋番号まで書いておかなければなりません。
勤務地がはっきりしていないとユーザーに対して不親切だと捉えられ、評価が下がるおそれがあります。
「求人掲載日」
Google for JobsのSEO対策、4つ目は「求人掲載日」の書き方です。
求人掲載日は、より公開日が新しい求人の方が上位表示されやすい傾向にあります。
プロパティを変えて求人情報を新着にすることは可能ですが、だからといって必ず上位表示されるわけではないので注意しましょう。
「給料」
Google for JobsのSEO対策、5つ目は「給料」の書き方です。
給料の項目では、構造化データの記入の段階で注意すべきことがあります。
まず通貨は日本円の場合なら「JPY」を指定しなければなりません。
時給・日給・週給・月給・年給の賃金形態も正しく表記する必要があります。
また、賃金に幅を持たせる書き方をするか基本給だけを記すかでも構造化データの書き方は変わってきます。
これらをもれなく正しく書くこともユーザーにとって有益なので、上位表示の重要な要素といえるでしょう。
SEO対策後に確認すべきこと
一般的な検索エンジンのSEO対策と同じで、Google for JobsのSEO対策もまた施して終わりではありません。
エラーがないかつぶさに確認し、定期的に経過をチェックして効果を分析する必要があります。
そうして得られたデータを新たなSEO対策に反映させ、効果的かつ効率的にPDCAサイクルを回していきましょう。
この項目ではGoogle for JobsのSEO対策後に確認すべきことを2つピックアップしてご紹介します。
サーチコンソールによるエラー確認
Google for JobsのSEO対策後に確認すべきこと、1つ目はサーチコンソールによるエラー確認です。
Googleが提供する無料サービスであるサーチコンソールを使うことで、掲載順位の監視や管理に役立つ情報を得られます。
このサーチコンソールを有効に使って、まずはGoogle for JobsのSEO対策後のエラーチェックを行いましょう。
エラー表示や警告文が表示される場合は問題の箇所に戻って修正します。
サーチコンソールによるレポート
Google for JobsのSEO対策後に確認すべきこと、2つ目はサーチコンソールによるレポートの活用です。
レポートを詳しく見ることによって、たとえば自社サイトを訪れたユーザーが検索したキーワードなどを確認できます。
Google for Jobsのレポートを見る時は、サマリーの画面から「拡張」>「求人情報」の順にクリックしましょう。
また「検索パフォーマンス」の「検索での見え方」をクリックするとGoogle for Jobsからの流入が確認できます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
Google for Jobsは上位表示させやすい?
Google for Jobsの順位の変動は一般的なサイトや記事のランキングの移り変わりよりも激しい傾向にあります。
この要因の1つとして、求人ページそのものの数が普通のサイトや記事よりも圧倒的に少ないことが挙げられます。
ユーザーファーストを意識した質の高いコンテンツを作ることで、どんな企業にも上位表示のチャンスがあるといえるでしょう。
上位表示させる対策に困った時の対処法
Google for Jobsの掲載順位を上げるためにはユーザーを第一に考えた質の高い求人ページにすることが肝心です。
ただ、自社の場合は具体的にはどのような取り組みを行えば良いのか判断が付かないとお悩みの方も多いことでしょう。
Google for Jobsで上位表示させる対策に困った時は、デジマクラスのコンサルタントに相談してみてください。
Webマーケティングのプロフェッショナルが親身になってお話をうかがい、適切なアドバイスをさせていただきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事ではGoogle for Jobsで上位表示させる方法を中心に解説しました。
リーチ拡大が見込める点といい無料で使えることといい、企業にとってGoogle for Jobsは非常に有益な機能です。
ぜひ有効活用して理想的な採用活動を行ってください。本稿がそのための一助となれば幸いです。