インターネットの発達により多くのユーザーがSNSやアプリなどのWebサービスを日常的に利用するようになりました。
しかし、提供されるサービスもどんどんと増えており競争が激しくなっています。
サービスを運営する上で重要となるのが利用するユーザー数であり、中でも利用頻度の高いユーザーの数が特に重要です。
今回は1日の間でサービスを利用したユーザーの数を調べるDAUの分析方法について解説していきましょう。
DAUの調べ方や重要性、計算方法などについて詳しくご紹介します。
目次
DAUの概要
DAUは「Daily Active User(デイリーアクティブユーザー)」の略称です。
SNSなどのWeb上のサービスにおいて、1日に利用したユーザーの数を表した数値になります。
SNSやアプリなどのサービスの実際の利用状況を図る指標として活用されているものです。
サービスに登録したユーザーの中には何日もログインせず実際に利用していないユーザーも数多くいます。
そのため、登録者数よりもこのDAUの数値のほうがサービスの利用状況を明確に反映することができるのです。
DAUを知る重要性
DAUを知る重要性について解説していきましょう。
リピーターを把握できる
SNSやアプリの運営ではリピート率は重要な指標となります。
どんなに会員数が多いサービスであっても、休眠ユーザーの割合が多いようでは思うように売上を上げることはできません。
ユーザーの離脱率を下げリピートしてもらえる状態を構築することが重要です。
全体の会員数に対して、DAUのアクティブなユーザー数の割合というのはリピート率を図るのに明確な指標となります。
DAUの数が多いほど実際に利用しているユーザーが多いので、効果的にサービスが機能していることが分かるのです。
ユーザー定着率を把握できる
SNSなどユーザーに毎日ログインしてもらうことを目標としているサービスでは、ユーザー定着率の指標として活用できます。
日々のDAUの数値の推移を追うことによって、どれだけのユーザーがサービスに定着しているのかを追うことが可能です。
毎日のDAUの数値を高水準で一定に保つことができれば、ユーザーがしっかりと定着していると考えられます。
逆にDAUの数値の変動が激しい場合には、ユーザーに定期利用されていないため顧客満足度が低下している可能性があるのです。
また、新規登録者数が伸びている状態でDAUの数値が安定しない場合では、ユーザーの離脱が増えていることが考えられます。
DAUの数値の推移を見るだけで、ユーザーの定着率を図ることができて顧客満足度などの指標として活用できるのです。
・DAUの数値を高い水準で一定に保てればユーザーが定着していることが分かる
DAU以外のユーザー数の種類
DAU以外のユーザー数を図る指標について解説します。
WAU
WAUは「Weekly Active User(ウィークリーアクティブユーザー)」の略称です。
これは、1週間の間にサービスを利用したユーザーの数を表します。
SNSのように毎日利用するようなサービスではないが、週に1回ほどの定期的な利用を求めるサービスで使われる指標です。
例えば、アプリなどで曜日ごとに違ったサービスを提供しファンを獲得しているようなもので活用されています。
WAUの数値を参照することで、曜日ごとの利用者のばらつきがあってもサービス全体で週間の利用者を維持できているか確認できるのです。
MAU
MAUは「Monthly Active User(マンスリーアクティブユーザー)」の略称です。
これは、1ヶ月の間にサービスを利用したユーザーの数を表します。
MAUを指標として活用するようなサービスは長期間利用してもらうことを目的とする場合が多いです。
頻繁には利用しないものでも1ヶ月に1回は定期的に利用するような、飲食店やホテルなどの予約サービスなどが当てはまります。
長い期間利用してもらうことを目的としたアプリのサービスでもMAUの指標は活用されているのです。
たとえ1ヶ月に1回の頻度の利用であったとしても、長期利用されることでサービスは大きく拡大させていくことができます。
そういった長い目線でサービスの効果を図る際にMAUの指標が活用されるのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
DAUの調べ方
DAUの調べ方について解説していきましょう。
Googleアナリティクスで調べる
Webサイトのアクセス解析を行う上で欠かせないツールがGoogleアナリティクスです。
Googleアナリティクスは基本無料で使えるツールながら、Web上のユーザーの動きを追跡できる高機能なツールとして活用されています。
このGoogleアナリティクスの機能でDAUを調べることが可能です。
Googleアナリティクスの機能の中には、あらかじめ「1 Day Active Users」と「30 Day Active Users」の指標が用意されています。
これを使って任意の期間のDAUとMAU、指標の範囲を7日間に設定すればWAUも簡単に調べることができるのです。
「ユーザー」を活用
Googleアナリティクス内の「ユーザー」カテゴリーを使ってアクティブユーザー数を簡単に確認することが可能です。
Googleアナリティクス画面を開き「ユーザー」→「アクティブユーザー」を選択します。
そして、調べたい期間を以下の中から選択しましょう。
- 1日
- 7日間
- 14日間
- 30日間
そうすると任意の期間のアクティブユーザー数の推移がグラフとして表示されます。
また、それぞれの期間を同時に選択することも可能であり、期間ごとのグラフを見比べることもできるのです。
「コホート分析」を活用
Googleアナリティクスではユーザーの定着率を図る「コホート分析」という機能もあります。
コホート分析とはユーザーをグループごとに分類して、その行動や定着率を分析するものです。
Googleアナリティクスのコホート分析では、ユーザーを獲得した日から特定期間のユーザーの行動を指標ごとに分析します。
例えば、特定に日付に獲得したユーザーがその後1週間の間でどれだけサイトに再訪したかなどのデータが閲覧可能です。
コホート分析で特に重要視するものは、ユーザー維持率の指標になります。
獲得したユーザーがどれくらいサービスを継続しているかに重点を置いて分析するのです。
ECサイトなどでは継続利用するユーザーのほうが購入などの行動を起こす可能性が高い傾向があります。
コホート分析を活用し、ユーザーが定着しているか分析することでサイトが効果的に機能しているのか調べられるのです。
・ユーザーをグループごとに分析するコホート分析を使ってユーザーの定着率が図れる
アクティブユーザー数を増やす方法
アクティブユーザー数を増やす方法についてご紹介していきましょう。
自然検索を増やす
アクティブユーザーを増やす方法としてもっとも一般的な方法は自然検索を増やすことです。
Webメディアが発達したことで、ユーザーは何か分からないことがあれば検索エンジンで調べたいワードを入力して検索します。
日常的に多くのユーザーが検索エンジンを使用しているので、自社に関するキーワードで上位表示できれば自然検索を増やせるのです。
そのためにはSEO対策を効果的に行い、検索エンジンで上位表示されるように対策を行います。
SEO対策はユーザーに検索されやすいキーワードを並べ、効果の高いサイト構成にすることで検索エンジンの上位表示を目指すものです。
しかし、SEO対策だけを意識しすぎると訪れたユーザーにとっては有益なサイトではなくなってしまう場合もあります。
ユーザーにとってメリットが感じられないサイトだと、たとえ流入数が増えてもリピートにはつながりません。
上位表示を目指しつつも、サイトの情報を充実させることが継続的に自然検索を増やしていく方法です。
SNS対策を行う
インターネットを利用するユーザーの多くはSNSサイトを利用しているため、SNS対策も欠かせません。
SNSはパソコンだけでなくスマホでも利用しやすいサービスになっているため、ユーザーは外出先でもSNSをチェックしています。
SNS上ではさまざまなユーザーがいろいろな情報を発信しているため、非常に早い流れで情報がやり取りされているのです。
そのためSNSを効果的に活用できれば、多くのユーザーに素早く拡散することができます。
他のテレビや雑誌の広告などを使う場合は、準備に多大なる時間を割かなければなりません。
SNSでの発信の場合は特に大きな準備をする必要もなく、素早く拡散できることが大きなメリットでしょう。
また、基本的に無料で誰でも使えるサービスというのも大きな利点になります。
コストをかけずに多くのユーザーに情報を拡散することができるので、SNS対策は今や必須のユーザー獲得の手法です。
有料広告を出す
さまざまなユーザーに向けて露出を行いたい場合には有料広告を出稿することも効果的です。
以前であれば有料広告といえば、テレビCMや新聞や雑誌での広告が主流でした。
しかし、現在では検索エンジンやWebサイトの余白などに表示されるWeb広告が有料広告の出稿先として増えているのです。
Web広告はユーザーのWeb上での行動履歴や過去の購入履歴を参照して表示される広告が選ばれる機能があります。
ユーザーにとって関心の強い広告が選択されるので、高い広告効果が得られるのです。
Web広告を利用する際には、広告をクリックしてユーザーが訪れる商品の紹介ページを作り込むことも重要になります。
広告の内容や露出量だけでなく商品の紹介を行うページ作りにも注力しなければユーザー獲得にはつながっていきません。
定期的にコンテンツを配信
アクティブユーザーを増やしていくためには、定期的なコンテンツ配信も重要な要素です。
Web技術の発達により情報の流れは非常に早くなっています。
そのため、ある時点では有益なコンテンツであったとしても、時間が経つと必要とされなくなってしまうのです。
定期的に新しいコンテンツを配信していくことで、ユーザーにとっても価値あるサイトであると判断されます。
また、定期的に情報を発信することはユーザーの離脱を防ぐことにもつながるためサイト運営にとって重要な要素です。
アクセス解析の事例はこちら
DAUの計算方法
DAUは1日にサービスを利用したユーザー数です。
その数値を登録している全ユーザー数で割ることで、アクティブなユーザー数の割合を把握するDAU率という指標があります。
この指標を使うことで登録者の内実際に利用しているユーザーの割合が確かめられるのでサイトの効果を可視化できるのです。
計算方法は以下の方法となります。
DAU率(%)=1日にサービスを利用した数÷登録者数×100
例えば、1日の利用者数が2万人で登録者数10万人のサービスであれば以下の数式になります。
2万人÷10万人×100=20%
サービスの種類にもよりますが、アプリであれば一般的には20%がDAU率の目安となっています。
人気のアプリやSNSであれば半数を越えるものもありますが、そういったものはごくわずかな限られたサービスです。
DAUに影響する「ノイズ」
DAUの数値を分析する中で、さまざまな要因によって利用数が平常時と比べて変化してしまう場合があります。
その要因となるものをノイズと呼び、その中からホワイトノイズとスパイクノイズについて解説していきましょう。
ホワイトノイズ
ホワイトノイズはユーザーの気まぐれが原因となり起こるものです。
例えば、普段使用していないアプリをなんとなく起動させることや、アプリからの通知を消すためだけに起動させる場合があります。
これらはサービスの精度にはほぼ関連せず、厳密にDAUの数値を追う場合にはこの要因の可能性を排除しなければなりません。
ホワイトノイズの数値はアプリやサービスの特性によってある程度数値は予測することができます。
ゲームアプリなどでは休日で時間がある時や、他のアプリがメンテナンスで使えない時などで普段利用しないユーザーが増えるのです。
スパイクノイズ
スパイクノイズはサービス提供者側によって行われる広告などによってもたらされるノイズのことです。
露出度の高いWeb媒体に広告を出稿すると、一時的に多くの新規ユーザーが獲得できます。
これにより日々のDAUの数値を押し上げますが、多くの場合は広告の掲載期間が終わればDAUの数値も落ち着くでしょう。
広告出稿により新規ユーザーが増えることは大きなメリットですが、DAUの分析ではノイズとなっていまいます。
ノイズを解消するには?
ホワイトノイズはユーザーの気まぐれによって発生するものですが、計測を続けていくとある程度予測することが可能です。
施策の要因が考えられない期間で起こるDAUの増減は、ホワイトノイズによって引き起こされるものだと思われます。
DAUの数値を追っていく中でホワイトノイズで起こる誤差の範囲を把握することで、実際のDAUの推移が分析できるのです。
また、スパイクノイズは広告出稿により一時的にDAUが急増している状態になります。
サービスの新規登録者数を把握することにより、スパイクノイズによる影響はほぼ取り除くことが可能です。
新規登録ユーザーでなくても、広告を見た既存ユーザーの利用が増える場合もあります。
しかし、これも広告掲載が終了すると次第に落ち着いていくでしょう。
掲載後のDAUの数値と掲載期間中の数値を見比べることで、急激に増えているものはスパイクノイズだと捉えることができます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
DAUの分析結果を定着ユーザー獲得に活かす
SNSやアプリなどのサービスを運営する上で、アクティブユーザーの数は非常に重要な数値です。
優秀なサービスであるほど、休眠ユーザーの数が少なくアクティブユーザーの数が多いため売上も着実に上げています。
日々のアクティブユーザーの数を分析したDAUの数値は、定着ユーザーを獲得するための効果的な材料です。
DAUの数値の推移を深掘りすることによって、施策の効果を図ることができます。
例えば、大掛かりなプロモーション活動を行った際の、その後のDAUの数値は広告効果を判断できる指標となるのです。
広告掲載期間中ではDAUの数値が伸びても、掲載後に落ち込んでしまうようではそのプロモーションは成功とはいえません。
登録者数は大幅に伸びていて一見すると成功しているような場合でも、その後のDAUの数値が施策前と変化していないこともあります。
DAUの数値を常に分析していくことで、実際の効果が見て取れるので施策の精度を上げることにもつながるのです。
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DAUの分析で困った時は?
DAUの分析はアクティブユーザー数を把握するのに非常に効果的な手法です。
アクティブなユーザー数を把握することで、現在行っている施策の効果を判断することにもつながります。
しかし、DAUの分析にはツールの活用や実際の施策の効果とは関係がないノイズを取り除くなど専門知識も必要です。
DAUの分析で悩みがあれば、ぜひデジマクラスにご相談ください。
デジマクラスでは豊富な専門知識とノウハウを活用し、悩みに合わせた効果的なアドバイスが可能です。
DAUの数値の分析だけでなく、アクティブユーザーが伸び悩む場合の対策などについてもサポートいたします。
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まとめ
Web技術の発達によりSNSやアプリを使用して直接的・間接的に売上を上げるサービスが広がっています。
そして、効率的に定着ユーザーを獲得するため施策の精度などを図る指標としてDAUが活用されるようになりました。
DAUの分析を行うことで、登録者数だけでは分からない実際にサービスを現在利用しているユーザーが把握できます。
DAUの分析方法で悩みがあれば、プロのコンサルティングであるデジマクラスに相談することがおすすめです。
専門家のアドバイスを受け悩みを解消した状態で、効果的にDAUを活用していきましょう。