ユーザーのニーズを1ページで満たしている場合もある。だから直帰率が高いことは大きな問題ではない。
そんな判断を下して直帰率の改善を後回しにしてはいないでしょうか。もしかするとそれはもったいないことかもしれません。
直帰率が低いということは、ユーザーがそれだけ他のコンテンツに興味を持ち、巡回してくれているということだからです。
やはり直帰率の改善はCV率アップを目指す多くのWebサイトにとって欠かすことのできない問題だといえるでしょう。
そこで今回の記事では直帰率の改善方法について解説します。
直帰が起こる原因や分析方法、どのページを改善すると有効かについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
直帰率の改善方法を解説
直帰率とはすべてのセッション(訪問)数に占める「最初のページだけ見て離脱したセッションの割合」のことです。
ページの問題点を把握したりユーザーの意図を推測したりするための重要な指標として知られています。
まずは自社サイトで直帰が起こる原因は何なのかをアクセス解析によって分析し、見極めることから始めましょう。
ニーズとコンテンツの不一致や導線の不備、表示速度の遅さといった様々な問題点が浮かび上がるはずです。
次に洗い出した問題点に対して有効な改善策を検討します。
ニーズとコンテンツの不一致には記事の内容やキーワードの見直しが必要となるでしょう。
導線の不備が明らかになったなら、サイト内のリンクを強化したり適切な位置に再配置したりすると良いでしょう。
表示速度の遅さは画像の最適化やリソースの圧縮などで対応します。場合に応じて適切な対象方法を取りましょう。
直帰率の平均と目安
一般的に直帰率の目安は40%前後といわれていますが、これはあくまでも目安にすぎません。
平均的な数値からかけ離れているからといって一喜一憂する必要はないといえるでしょう。
なぜなら、直帰率の高低がユーザーの不満足度の高低を表わしているとは必ずしもいえないからです。
ただしそれもサイトやページによります。積極的に離脱率の改善を図るべきページもあるので注意しましょう。
Webサイトで直帰が起こる原因は?
なぜWebサイトでユーザーの直帰が起こるのでしょうか。調べてみると、原因にはいくつかの種類があることが分かります。
この項目ではそれらの原因のうちユーザビリティ・導線の不備・ユーザーの目的達成の3つに絞って詳しくご紹介します。
自社のサイトを見直して当てはまるものがないか確認し、必要があれば改善しましょう。
ユーザビリティが悪い
Webサイトで直帰が起こる原因、1つ目はユーザビリティが悪いことです。
ユーザビリティはユーザーにとっての使いやすさを示しています。不便なサイトからは直帰されても仕方ないといえるでしょう。
ユーザビリティは満足度と深く関わるので、ニーズとコンテンツの不一致もユーザビリティの問題です。
ユーザーの効率的なサイト活用を妨げるという意味で、表示速度が遅いこともユーザビリティの悪さと捉えることができます。
導線がうまく機能していない
Webサイトで直帰が起こる原因、2つ目は導線がうまく機能していないことです。
関連記事への飛び方や購入・入会のフォームへのアクセスの仕方が分からないことはユーザーにとって大きなストレスです。
そのように、導線がうまく機能していない場合もユーザーは直帰してしまうことでしょう。
ユーザーの目線に立った分かりやすい導線設計は必要不可欠です。
ユーザーの目的が解決され満足して離脱する
Webサイトで直帰が起こる原因、3つ目はユーザーの目的が解決され満足して離脱する場合です。
1ページだけで完結しているので問題ないと思われがちですが、決して楽観すべきではないでしょう。
他にもあるはずの魅力的な商品やサービスへの誘導がうまくいっていない、と考えることも可能だからです。
満足したユーザーにプラスアルファの提案をするなどして、直帰ではなく回遊を促す造りのサイトを目指しましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
直帰率の分析方法
直帰率を分析するには日本の検索エンジンシェアのほとんどを占めるGoogleの「Googleアナリティクス」を活用しましょう。
CV率やユーザーの滞在時間など、直帰率について詳しく検証・分析するために必要な数値や指標を得ることができます。
直帰率の分析をする時にはCVと結びつけたり滞在時間と関連づけたりしてデータを俯瞰的に眺める姿勢が欠かせません。
以下、具体的な分析方法について見ていきましょう。
Webサイト全体の直帰率を確認する
まずはWebサイト全体の直帰率を確認しましょう。
Googleアナリティクスではセレクトボックスからデータを抽出する期間を選択することができます。
概要をクリックすると、選択した期間におけるユーザー数やセッション、平均セッション時間など詳しい数値を得られます。
直帰率もパーセントで表わされているのですぐに把握できるでしょう。
ランディングページごとの直帰率を確認する
続いてランディングページごとの直帰率を確認しましょう。
Googleアナリティクスでいうランディングページとはユーザーが検索や広告を通して最初にアクセスするページのことです。
優先的に改善したいのはセッション数の多いランディングページです。理由は多くのユーザーが最初に閲覧するページだから。
それぞれのページの内容を確認しつつ、最適な改善方法を探っていきましょう。
流入元ごとに直帰率を確認する
流入元という用語はユーザ-がどこから自社サイトへ来たかを示しています。この流入元ごとの直帰率も確認しておきましょう。
Googleアナリティクスでは流入元を、参照元・メディア・チャネルのようにいくつかのディメンションに分類しています。
参照元とはGoogleやyahooなどの検索エンジンに代表される流入元サイトのことです。メディアは参照元の分類を示しています。
チャネルは参照元とメディアに基づいた流入経路の分類のことで、デフォルトの10種類を自由にカスタマイズしてかまいません。
ユーザーがどこから来たかを確認することは、改善策を検討する際の大きな手掛かりとなることでしょう。
どのページの直帰率を改善すると有効か
直帰率の改善の重要さは分かるけれどたくさんあるページすべてについて処置を施すのは無理だ、という方もいることでしょう。
そこで、この項目ではどのようなページの直帰率を改善すると特に有効なのかをご紹介します。
急いで改善する必要のないページを把握することでより効率的な対処ができるようになります。
コンバージョン率を上げたいと思うならば、少なくとも以下に挙げるページについては対処しておきましょう。
直帰率とコンバージョン率がともに高いページ
直帰率の改善に取り組むと有効なページ、1つ目は直帰率とコンバージョン率が共に高いページです。
そのページがコンバージョンに繋がっていることは間違いない。けれどそのページは直帰率もとりわけ高い。
そのような場合、何らかの障壁があるせいで直帰するユーザーが頻出しているのだと考えられます。
コンテンツの内容やキーワードの設定、導線の分かりやすさなどを再確認して原因を洗い出しましょう。
問題の障壁さえ取り除くことができればより高いコンバージョン率をマークできるページになるかもしれません。
アクセス数がWebサイト内で上位のページ
直帰率の改善に取り組むと有効なページ、2つ目はアクセス数がWebサイト内で上位にあるページです。
こちらもやはりユーザーにとって何らかの障壁があるせいで直帰が発生していると考えて良いでしょう。
アクセス数の高いページの直帰率改善に成功すれば、その効果は非常に大きなものとなることが期待できます。
当該ページを構造的にも内容的にも見直して効果的な対処を施し、コンバージョン率のアップを実現しましょう。
具体的な改善方法
この項目では直帰率を改善するための具体的な方法について解説します。
コンテンツの質や文字サイズといった内容的なことからリンクの配置や導線など構造的なことまで、対処法は色々あります。
まずはユーザーの動向や同業他社のサイトとの比較から自社サイトの改善すべき点を分析し、割り出してください。
自社サイトの直帰率改善のために最も有効そうな方法を取りましょう。
ユーザーのニーズの見直し
直帰率の具体的な改善方法、1つ目はユーザーのニーズの見直しです。
直帰率が高いということは、ユーザーにとって期待通りの内容が記載されたサイトではなかったということを意味しています。
そのため改善にあたってはユーザーが何を求めているのかを見直し、より期待に沿ったコンテンツを提供しなければなりません。
ニーズにマッチした内容かどうかを確認するために、ユーザーがサイトにどの程度の時間滞在したかにも注目しましょう。
滞在時間の短いユーザーが非常に多い場合、内容的に期待外れなことが一目瞭然である可能性があります。
コンテンツやキーワードの見直し
直帰率の具体的な改善方法、2つ目はコンテンツやキーワードの見直しをすることです。
上記ユーザーのニーズの見直しからさらに一歩進んで、キーワードを再設定してコンテンツの内容を充実させる必要があります。
この時、タイトルと内容との不一致を解消することや、ディスクリプションの修正も行うようにしましょう。
内部リンクを適切な位置への設置
直帰率の具体的な改善方法、3つ目は内部リンクを適切な位置へ設置することです。
サイト内で訪問者を迷子にさせてはいけません。内部リンクはしかるべき場所に分かりやすく表示しておきましょう。
関連する他の内部コンテンツに誘導するためのリンクを張っておくことも、ユーザーの巡回を促すためには効果的です。
興味を持ってくれたユーザーがストレスなくサイト内を巡回し、他の記事を閲覧できるように道を均しておきましょう。
CTAを工夫する
直帰率の具体的な改善方法、4つ目はCTAを工夫することです。
CTAは「Call to Action」の略で、ユーザーに次のステップに向けた行動を促す仕組み全般のこと。
商品・サービスの購入や問い合わせのページへ誘導するためのボタン・バナーの設置などがこれに当たります。
これらCTAバナー・ボタンを適切な位置に配することで直帰率は大きく変わることでしょう。
ユーザーに最初のページだけで閲覧を終わらせず、次の行動に繋がるような工夫をしておくことは非常に大切です。
UIの改善
直帰率の具体的な改善方法、5つ目はUIを改善することです。
UIは「User Interface」の略で、ユーザーとサービスの接点、つまりデバイス上の情報すべてを意味しています。
ここでいう情報には記事の内容だけでなく、フォント・デザイン・レイアウトなども含まれるので注意しましょう。
以下のような点に配慮しながらUIを改善することが直帰率を下げることにも繋がります。
- フォントやフォントサイズの見直し
- レスポンシブデザインへの対応
- 情報の適切なカテゴライズ
- ボタン・リンクの再配置
離脱率との関係性
直帰率とよく似た言葉に離脱率があります。混同されやすいので改めて整理しておきましょう。
「サイトの全セッションに占める最初の訪問ページだけで帰ったユーザーの割合」が直帰率であることにはすでに触れました。
これに対して離脱率は「あるページの全セッションに占めるそのページが最後の訪問ページになった割合」を示しています。
どちらかといえば離脱率よりも直帰率の方がサイトの運営への影響が大きい傾向にあります。
改善策を検討する際は直帰率を優先しましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
網羅的な改善点把握のためには離脱率の分析も必要
上の項目で述べた通り改善を優先するべきは直帰率の方ですが、離脱率を軽視して良いわけではもちろんありません。
サイトが抱える問題を洗い出して改善点を網羅的に把握するためには離脱率に関する分析も重要です。
サイトのユーザビリティを高めることは検索エンジンによる評価を高めることと深く関わっています。
よりユーザーにとって使い勝手の良いサイトを目指して直帰率と離脱率両方の改善を効率的に進めましょう。
直帰率の改善で悩んだら?
直帰率を改善することがいかに重要か理解できた。具体的な改善方法についてもよく分かった。
けれどそれらの知識を自社サイトにどう適用していけば良いかよく分からない。そうお悩みの方も多いのではないでしょうか。
直帰率の改善のことで悩んだらデジマクラスのコンサルタントに相談してみてください。
Webサイト運営に関するプロフェッショナルが親身になって話を聞き、適切なアドバイスをしてくれることでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事では直帰率の改善方法について解説しました。
アクセス解析をして直帰率の高いページを確認することはコンバージョンを上げるための第一歩です。
原因を分析してユーザーの心理と動向を推測し、適切な対処を施しましょう。
本稿がそのための一助となれば幸いです。