わたしたちの生活スタイルの変化にともない動画広告の市場は大きく変化しています。
2020年におけるPC・スマートフォンの動画広告は2,954億円にのぼります。
ユーザーのマスメディア離れは加速しており、インターネットにシフトしているのです。
ユーザーはインターネットがあれば自分の好きな動画や情報を参考に商品の購入を決定するのです。
今回は動画広告のメリット・デメリットさらには課題について解説します。
目次
動画広告の市場規模を解説
2020年の動画広告市場に目を向けてみると前年比の114%の増加となっています。
特にスマートフォン向けの動画広告が大幅に増加しており、動画広告市場の約9割を占めているのです。
労働環境の変化で自宅にいる時間が増えたことが大きく影響しています。
今後も続くと予想され、さらなる市場規模の拡大が期待されています。
スマートフォンの普及
スマートフォン向け動画広告が増加する根拠としては5Gの普及と大手携帯電話会社の通信料に引き下げがあります。
これまでと違いスピーディーに動画が再生できて通信料も下がれば興味がある動画をどんどん再生・ダウンロードできるでしょう。
好きな時に好きな場所で楽しめる動画広告の市場規模はスマートフォンを中心に今後も成長します。
動画視聴時間の増大
テレビ離れで広告を自粛する企業もある中で、増加しているのが若い世代が好む動画投稿サイトです。
そしてユーザーに寄り添った企業の広告も増加の一因です。
ある調査では1ヶ月あたりの動画広告の平均利用時間は増加し、特に若い世代にその傾向が顕著にあらわれています。
5Gの登場や通信料金が下がったことも拍車をかけているでしょう。
スマートフォンの平均利用時間
スマートフォンの利用時間は若い世代で増えていますが、50代~60代の利用も過去5年ほどで4倍になっています。
若年層はYouTubeの利用が圧倒的に多く、他にはニュースサイトも人気です。
スマートフォンで動画視聴する時間も月平均で約7時間13分という調査結果もあります。
若年層から中高年に人気の動画は投稿動画・映画・音楽となっています。
中高年は健康志向からフィットネス・栄養に関する動画にも関心があるようです。
YouTubeの利用者
YouTubeの利用者はYouTubeアナリティクスを利用すればユーザーの年齢層や特徴が把握できます。
オンデマンド型動画共有サービスを提供するYouTubeの利用者は10代で77%、20代は69%、30代は50%、40代は45%、50代は41%です。
どの世代もまんべんなくYouTubeを利用しているのがおわかりでしょう。
注目すべき点は比較的自由な時間がある10代の割合が高いところです。
最近は若い世代だけでなく中高年の利用も伸びています。
有料・無料を問わずYouTubeの知名度も90%以上を誇り、今では動画サービスの一役を担っているといえるでしょう。
Facebookの利用者
世界的に見ていると若い世代を中心にこれまで利用が増えていたFacebookが減少に転じています。
TikTokやInstagramの利用者が増加している一方で苦戦を強いられているようです。
企業の方もアルゴリズム変更を契機にリンク誘導を目的とした広告が届きにくくなっています。
若い世代でFacebook離れが加速している一方、50代の中高年世代では増加しています。
50代を中心とした世代には関心のあるコンテンツが多いのが支持されている理由といえるでしょう。
TikTokの利用者
TikTokは中国で生まれたツールで中国国内の利用者は4億人を越えて、今も増加傾向が続いています。
世界でも信頼度の高いTikTokはアジアを始めアメリカでも人気があります。
日本のTikTokと異なり中国では次の機能が付いているので人気があるのです。
- LIVE配信
- EC機能
- 位置配信機能
日本ではまだ一般に開放されていない機能であり中国版TikTokと同じコンテンツになれば利用者が増加するでしょう。
動画広告とは
動画広告には次の種類があります。
- インストリーム動画広告
- インフィード動画広告
- インバナー動画広告
- インリード動画広告
- アウトストリーム動画広告
広告の種類を理解し自社の場合どれが最適か分析して導入しましょう。
こうした動画広告は今後も成長が見込めるといわれています。
「インストリーム動画広告」とは、YouTubeなどの動画の再生中に流れる映像・文字・音声などです。
インストリーム動画広告は再生中にユーザーがスキップできるスキッパブル広告があります。
また再生が完了するまでスキップできないノンスキッパブル広告もあるのです。
「インフィード動画広告」とは、SNSやWebサイトのタイムラインに掲載されコンテンツとコンテンツの間に設定されます。
静止画・動画あるいはその両方が使えるためユーザーに覚えてもらえるメリットがあります。
「インバナー動画広告」とは、Webサイトのバナー広告の掲載する位置に表示され、動画以外も可能です。
広告主の選択肢が広がるのでターゲティングを分析して最適な広告を貼ることがポイントになります。
「インリード動画広告」とは、インフィード動画広告に似ていてSNSやWebサイトのタイムラインに掲載されるものです。
ユーザーがサイトでスクロールして該当する広告まで来ると自動的に再生される仕組みでインパクトがあります。
「アウトストリーム動画広告」とは、YouTubeのプラットフォームではなくモバイルとタブレットに配信されるGoogle動画パートナーです。
アウトストリーム動画広告はブランド向上に効果が期待でき、視認可能なインプレッションに対して課金される仕組みです。
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国内の動画広告市場
国内市場の動画広告の動きを見てみましょう。
今日、インターネットで見られる動画広告市場は急拡大しマスメディア広告を上回る勢いです。
企業もインターネットを通して消費者の動向が分析しやすいので、マスメディアの広告費用を削減しています。
スマートフォンを使った動画広告の規模は、動画広告全体の約90%にも及んでいます。
2020年の動画市場は2,954億円、2021年は3,889億円、2024年は6,856億円と試算されているのです。
ワークライフバランスや生活環境の変化で消費者の好みや広告に対するイメージも変わって来ました。
従来のようなテレビや雑誌に広告を出して商品を販売するやり方では通用しなくなっています。
動画広告市場と消費者の購買活動を分析して最適なプロモーションをすべき時なのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
国外の動画広告市場
同じような動きがアメリカでも見られます。
バナー広告を含めアメリカでの広告の売り上げは約2,240億ドルといわれています。
このようにマスメディアからインターネットを通じた動画広告の配信は世界規模で加速しているのです。
特に最近はアジアやラテンアメリカが急拡大しているのが特徴です。
今後も市場はのびていく
SNSを使った広告はYouTube・X(旧Twitter)・Facebook・Instagramなどアクセスツールが広がっています。
通信の高速化や5G対応のスマートフォンが登場するなど充実しているのです。
今後はスマートフォン向けの縦型動画が主流になるでしょう。
横型は見づらいとユーザーからの意見が多いためです。
広告主はこうしたユーザーの意見は無視できず寄り添いながら進める必要があります。
また新しいトレンドではバーチャルインフルエンサーの登場も話題になっています。
動画広告市場はまだまだ伸び続ける成長分野です。
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動画広告のメリット
動画広告は静止画と異なりさまざまなメリットが企業や消費者にあります。
YouTubeが世界中で利用される理由がそこにあるといえるでしょう。
- イメージが残りやすい
- 動画のためSNSで拡散しやすい
- 情報量の多さ
外国の動画広告は例え言葉が分からなくてもインパクトが十分あります。
音と映像を組み合わせれば臨場感があり、説得力もあるので関心を持って商品をチェックするでしょう。
それは静止画やテキスト画像にはない強みです。
視覚的に情報を与えられる
動画の最大のメリットは視覚で訴えられることです。
もちろん音も重要なポイントですが、商品やサービスを見ることでその特徴がわかり機能性も感じ取れます。
そうした魅力が価格より勝ればリーズナブルだと消費者は認識するのです。
インターネットであっても静止画やテキスト画像では臨場感がわかず購入を決断するのにも時間がかかります。
商品やサービスが視覚的にわかることでより消費者は身近に感じられるといえるでしょう。
強く印象付けることが可能
商品やサービスを消費者に印象付けるためにはストーリーが必要です。
どのような思いで商品やサービスが誕生したのか、制作者の苦労や使った人のコメントなどが購入への後押しになります。
視覚的な印象も大事ですが、消費者は商品の裏にあるストーリーを求めているといってもいいでしょう。
ストーリーを動画で流すことで消費者は商品を理解し、魅力を感じ強い関心を持つようになるのです。
効果検証しやすい
企業側の動画を探すメリットは再生回数・再生時間・クリック数など把握できることです。
消費者がどれくらい関心を持って見ているか数値で把握できることはビジネス戦略を考える上で重要です。
ターゲットになる消費者がどのくらいいるか知ることは戦略上大切になります。
そしてどこに関心を持っているか、離脱した場所はどこかなど検証もしやすくなります。
その結果問題があればプロモーション方法を改善して今後の商品開発へヒントにすることも可能です。
動画広告のデメリット
次に動画広告のデメリットについて検証しましょう。
Webサイトを見ていて一方的に毎回再生される動画に嫌な思いをしたことはありませんか。
関心がない商品や興味がない出演者が出ている動画はスキップしたくなるのです。
これこそが動画のデメリットなのです。
もう少しデメリットを考えてみましょう。
比較的コストが掛かる
動画広告のコストは静止画よりも高いといわれます。
映像や音楽など商品のコンセプトに合ったものを選ばなければなりません。
また、人物を登場させるなら人選も欠かせません。
有名人を使ってプロモーションすればインパクトは絶大ですが、コストも高額になる可能性があります。
動画広告を考える際は費用対効果を十分考慮しスケジュールを立てましょう。
嫌がられる場合がある
クオリティの低い動画広告は嫌がられます。
どれだけ魅力ある商品であっても映像や音楽、出演者が商品のコンセプトからかけ離れていると消費者はネガティブな印象を持ちます。
しつこく動画が流されるとそこで離脱するケースもあるでしょう。
YouTubeの動画広告はそのほとんどが5秒でスキップできます。
ただし不快な人はその5秒ですら苦痛なのです。
つまり5秒間だけでいかに消費者にインパクトを与えられるかが勝負なのです。
そのためにはターゲティングを分析し魅力ある広告をすることが求められます。
高いクオリティが求められる
動画広告を見る人はほとんどがスマートフォンを利用しています。
そのためクリエイティブな戦略が必要になります。
ターゲットにする消費者が一番利用する媒体を利用して高いクオリティの広告を流すため消費者目線で戦略を考えましょう。
クオリティの高い動画広告はブランドイメージを高めてくれます。
また、クオリティが高ければ企業が意図しなくても見た人が情報を拡散してくれます。
「いいね」も押してくれるでしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
動画広告市場の課題
動画広告は今後も消費者の関心にマッチングすれば大きく成長します。
視覚的・聴覚的にインパクトがある動画広告はメリットも大きいですが、その反面ネガティブなイメージを持たれるリスクもあります。
動画広告市場の課題について検証しましょう。
インターネットに対応したテレビの普及
テレビ離れが加速する中でインターネットに接続したテレビが注目されています。
デジタル広告技術を使いインターネットを自宅のテレビをつないで大画面で見られるサービスです。
デジタルコンテンツに興味がある人は魅力があるかもしれません。
海外では普及が進み多くの家庭で楽しまれていますが、日本ではまだ普及率は低いままです。
今後も積極的に取り入れたいと答える人は数パーセント程度しかいません。
今後オーディエンスターゲティングが進めば同じ番組を見ていても人によって違う広告を流すこともできるでしょう。
オンラインであるがゆえのメリットを最大に活かせばテレビ離れにも一定の歯止めがかかるかもしれません。
しかし、スマートフォンが既に生活の一部になっている世代には自宅でしか視聴できない点がデメリットでしょう。
チャンネルの種類
インストリーム画像はユーザーの目に必ず触れる反面、関心がない広告は不快な気持ちにさせます。
そこでディスカバリー広告を利用してはいかがでしょうか。
サムネイルと見出しが表示されるので関心があるユーザーがクリックすれば費用が発生します。
これなら見たくないユーザーはクリックしなければスル―できるのです。
チャンネル登録者数を増やす方法としておすすめです。
テレビは放送法の制限でチャンネルも限定されるため広告枠に余裕はありません。
インターネットの世界なら動画の種類も豊富なのでターゲットを絞り込んで効果的なアプローチができます。
動画広告の導入で悩んだ時は
動画コンサルティング会社をご存知でしょうか。
動画広告の作成に悩んでいる方のあらゆる動画広告の悩みに応えてくれます。
YouTubeに特化したプランやその他ニーズに応じたサポートをしてくれるのです。
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まとめ
動画広告のメリット・デメリット・基本的概要などを解説しました。
消費者にファンになってもらうためには高いマーケティング力のある動画広告が最適です。
そのためにはターゲットを絞り込んで魅力あるクリエイティブな広告を作成する必要があります。
社会が目まぐるしく変わっていく中で今後もインターネットの世界は変貌するでしょう。
自ら動画広告を作成するのが難しい方はコンサルティング会社に相談してみましょう。
彼らのスキルと豊富な経験でどこよりも魅力ある動画広告が消費者を引きつけます。