ティザー広告とはあえて断片的な情報のみを公開する広告手法です。
大々的に取り上げることなく情報を小出しにすることで、消費者の興味や関心を集めます。
通常の広告は商品やサービスについて機能や性質などをアピールしますが、ティザー広告はそうではありません。
ティザー広告を上手く活用できれば、消費者の好奇心を刺激して大きな効果を出せるでしょう。
この記事では、ティザー広告の事例やティザー広告運用を成功させるポイントなどを解説します。
広告の活用でお悩みの人はぜひお読みください。
目次
ティザー広告の事例を解説
この記事では、ティザー広告について事例を中心に解説します。
ティザー広告は情報をあえて断片的に出すことで消費者の興味関心を集める広告手法です。
広告にはさまざまな手法があるものの、公開する情報の内容が似ている以上ほかとの差別化が難しいです。
似たような広告が多く出回っている場合、ティザー広告は目立ちやすく注目を集められます。
話題性も高いため口コミなどで広がることも多くあります。
ティザー広告を上手く使いこなすことは、知名度向上や売上拡大などで非常に有用です。
ティザー広告の種類
まずはティザー広告の種類を解説します。
自社や扱う商品・サービスに適したものを選ぶことが、広告の効果を最大限発揮するために必要です。
ティザー広告
通常ティザー広告と呼ばれるものは、新聞広告やCMなどを指します。
形式そのものは一般的な広告とあまり変わりないものの、取り上げられている情報は断片的なものです。
多くの場合は新商品の発売前やサービスの開始前などに使われます。
情報の穴を埋めたいと感じる消費者が注目することで、自然と期待が高まっていきます。
そしていよいよ情報が公開されたときに一気に消費者が集まるのです。
訴求力の高い広告制作に自信がある・ブランドが認知されている企業にとって特に有用です。
ティザーサイト
ティザーサイトはその名のとおり、サイト全体がティザー広告の役割を担うものです。
新商品やサービスを宣伝する目的でプロモーションサイトを作る企業は多く存在します。
通常のプロモーションサイトは多くの情報が公開されていますがティザーサイトは別です。
消費者が気になるような核心めいた情報は公開しませんし、情報量自体少ないです。
情報を少しずつ出していく場合もあります。
徐々に全体像を出すことで注目や期待を集め続け、発売とともに大きな成果を実現させます。
ティザー動画
ティザー動画とはプロモーション動画でありながら情報を断片的にしか公開していない動画です。
まず、動画というコンテンツそのものが訴求力の高さや情報量の多さなどから注目を集めています。
消費者による視聴数も集めやすいため、広告のなかでも特に見てもらえる可能性が高いのです。
そんなプロモーション動画で断片的な情報のみが公開されていれば、消費者はますます気になります。
また、動画は自身の思惑どおりに演出しやすい・視聴者の反応を想像しやすいというメリットもあります。
動画コンテンツの活用は、ティザー広告に限らず非常に効果的です。
ティザー広告の事例①:Apple
それではティザー広告の具体的な事例を見ていきましょう。
最初に紹介するのはiPhoneなどで有名な「Apple」です。
スマートなイメージ
Appleで取り扱う商品はスマートフォンやコンピューターなどのデジタル機器が中心です。
さまざまな機能が搭載されており情報量が多くなりがちですが、あえてティザー広告を使っています。
情報量を大きく削り、無駄のないスマートな広告を打ち出しています。
Appleでは製品の具体的な機能などを広告内でほとんど説明しません。
ブランドの持つスマートなイメージを前面に打ち出し、視聴者の興味をひいています。
スペックなどの詳細情報を明かさなくても、消費者からの期待を集めることができるのです。
期待感を刺激するキャッチコピー
Appleのティザー広告で使用されるキャッチコピーはどれも期待感を刺激されるものです。
これまで使用されてきたキャッチコピーをいくつか紹介します。
- すべてを変えていきます。もう一度。(iPhone4)
- あなたには想像を超えた力がある。(iPhone5s)
- 唯一変わったのは、そのすべて。(iPhone 6s/6s Plus)
具体的な内容のアピールはほぼされていないにも関わらず、すごいものが発売されるという期待ができます。
Appleのキャッチコピーは、消費者の期待を高め注目を集めるのに非常に効果的です。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ティザー広告の事例②:ボルボ社
続いて紹介するのは、自動車メーカー「ボルボ社」のティザー広告です。
消費者からの期待や話題性などを高めることに成功しています。
商品の外観を伏せる
ボルボ社の新製品「V60」の発売前に公開されていたティザーサイトには多くの工夫がされていました。
もっとも大きな特徴として、商品の外観が伏せられていたことが挙げられます。
サイト上で目立つように写真が掲載されていましたが、肝心の車には布がかぶせられていました。
薄い布なためなんとなくの形やデザインなどはわかりますが、あくまで想像の範囲にすぎません。
想像に任される部分が非常に大きかったため、好奇心を刺激された消費者が多くいました。
期待や注目を集め、ティザー広告としての効果を最大限に発揮したサイトです。
カウントダウンの設置
ボルボ社のティザーサイトでは、カウントダウンも設置されていました。
こちらは発売日時までの残り時間を表したもので、少しずつ0に近づいていくのが目で見て感じられます。
待ち遠しいと感じている消費者の気持ちに寄り添ったものです。
早く発売日が来てほしいという焦れた気持ちと新発売への期待感の両方を高めるものでした。
カウントダウンは視覚的に訴えかけるため、非常に効果的だとわかった事例です。
ティザー広告の事例③:サイエンス
続いて紹介するティザー広告事例は、ファインバブル専業メーカー「サイエンス」です。
情報を小出しにするという手法の代表例として挙げられます。
興味をひくキャッチコピー
サイエンス社は「ミラブルケア」という商品でティザー広告手法を活用しました。
ミラブルケアとは化粧水の浸透力や持続力をアップさせる製品です。
このミラブルケアを告知する際に使用されたキャッチコピーが「まったく新しいスキンケア」でした。
スキンケアは女性を中心に常に注目を集め続けているテーマです。
そんなスキンケアがまったく新しくなるということで、美容に興味のある人を中心に注目を集めました。
興味をひくキャッチコピーを設定したことで、知名度や話題性を高めることに成功したのです。
予告動画で商品を見せない
サイエンス社のミラブルケアでは予告動画も公開されましたが、最初のCMでは商品が登場しません。
スキンケアが変わるような商品が出るという告知をしつつも商品自体は明かさないのです。
そのため消費者の興味をひき、ミラブルケアについて知りたいという気持ちを持つ人が多くいました。
最初の動画が公開されてからしばらく経ったあとで、商品が登場するCMが公開されています。
この演出により印象的な登場となったため、話題性を集めることができました。
ティザー広告の事例④:Ticketime
最後に紹介する事例は、飲食店の食券を購入できるサービス「Ticketime」です。
消費者の感情に訴えかける手法は、前向きな感情を集めやすいものでした。
サービスにかける思いを掲載
Ticketimeのティザーサイトでは、サービスにかける思いを記した長文が掲載されていました。
新サービスのプロモーションサイトのほとんどでは、サービスの内容やメリットがアピールされています。
しかしTicketimeで前面に出ていたのはサービスにかける思いが中心でした。
感情に訴えかけるような内容であったため、消費者からの共感を集めました。
あえて感情的な内容を掲載することで、通常とは異なる面からの支持獲得をした例です。
サービスの「自分事化」
Ticketimeのティザーサイトでは、事前登録が可能でした。
そのため飲食店の経営者はTicketimeを利用したいと思ったら登録をします。
さらに、飲食店経営者以外の場合は応援したい飲食店を入力できました。
サービスに登録する人でなくても、応援という形で関わることが可能でした。
このように、サイトを訪れた人が何らかのアクションを起こせる状態だったのです。
自身がサービスに対してアクションをするため、自分事化してもらいやすいという特徴がありました。
ティザー広告を成功させるポイントは?
ティザー広告は上手く活用できれば知名度向上や認知度拡大に大きな成果を発揮します。
そんなティザー広告を成功させるポイントを紹介します。
消費者の想像をかきたてる仕掛け
ティザー広告でもっとも大切なのは、消費者の想像をかきたてる仕掛けです。
ティザー広告では情報が断片的に公開されますが、それによって消費者は想像力を働かせます。
空白状態になっている情報を想像し、答え合わせのために情報を追い続けるのです。
このような状態をつくるためには、そもそも想像をかきたてる広告でなければいけません。
消費者を刺激し興味を持たせ、想像をかきたてるような仕掛けが必要です。
小出しにする情報の選択
ティザー広告の成果を出すには、小出しにする情報の選択も重要です。
いくら断片的かつ少ない情報とはいえ、まったく興味をひけないような情報のみでは意味がありません。
あくまで商品やサービスに対して興味を持ってもらう必要があります。
そのためどの情報を出していくか・出すタイミングはどうするかを考えることが重要です。
さまざまな事例の研究や実際のシミュレーションをおこなうなどが効果的でしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ティザー広告運用時の注意点
ティザー広告は非常に有用ですが、以下のような点に注意しなければなりません。
- 訴求力のある広告コンテンツをつくる
- 情報公開の内容やタイミングを見計らう
- 多用しすぎると消費者が疲れてしまう可能性がある
魅力ある商品やサービスだと思ってもらうには、広告の訴求力が必要です。
そのため消費者の心に響くようなコンテンツ作りが大前提となります。
さらに先述した内容と少し被りますが、情報の内容や公開するタイミングにも注意が必要です。
もし情報公開に失敗してしまうと、ティザー広告の成果が発揮できないかもしれません。
そしてティザー広告は、多用しすぎると消費者が疲れてしまう可能性があります。
焦らしが多くて辟易される・誇大広告とされてしまうといったリスクがあります。
ティザー広告を活用するのであれば、バランスにも注意が必要です。
ティザー広告の導入で困った時は?
ティザー広告はかなり有用で、話題性や注目度などにおいて期待できます。
ただしポイントや注意点からわかるように、難しい部分が少なくありません。
ティザー広告を導入するにあたって困る場面もあるでしょう。
何事も適切に活用するためには知識やノウハウが必要なため、想像だけで動くのは危険です。
もしティザー広告の導入で困ったときは、ぜひデジマクラスへご相談ください。
ビジネスに関するコンサルティングやアドバイザリーサービスを提供しております。
そのようなサービスを受けることで、ティザー広告の正しい運用法を知ることができるでしょう。
1人で抱え込むことなく、必要に応じて他者の力を借りることが大切です。
インターネット広告の事例はこちら
まとめ
ティザー広告はあえて情報を断片的に出すことで消費者の興味や関心を集める手法です。
消費者の想像力をかきたて好奇心を刺激することにより、知名度や認知度の向上につながります。
期待を高めた状態で商品やサービスを提供できるため、売上も期待できるでしょう。
実際にティザー広告を上手く活用して成功した事例も多く存在します。
ただしティザー広告にはポイントや注意点もあるため、これらを押さえる必要があります。
適切な運用をおこない、ティザー広告で大きな成果を出しましょう。