「潜在ニーズの見つけ方を知りたい」と思う方もいるのではないでしょうか。
顕在ニーズを知ることも重要ですが、潜在ニーズを知ることで、より特定の人を対象にした商品・サービスを提供できます。
そのため、できるだけ潜在ニーズは知っておく必要があるのです。
そこで今回は潜在ニーズの見つけ方について徹底的に解説していきます。
潜在ニーズにアプローチできるマーケティング手法なども解説していますので、そちらも参考にしてください。
目次
潜在ニーズの概要
ここでは潜在ニーズの概要について紹介していきます。
- 潜在ニーズの定義
- 顕在ニーズとの関連性
では、それぞれ紹介していきますので、参考にしてください。
潜在ニーズの定義
潜在ニーズとは、簡単にいうと顧客自身がまだ気づいていないニーズのことになります。
この点顕在ニーズとは、少し異なったニーズになるのです。
例えば、「WordPressでサイトを始めたい」と思っている人がいるとしましょう。
この場合、「WordPressの作成方法」が顕在ニーズとなります。
ただ、自覚していないが他にも知りたい情報があったりします。
例えば、作成するサイトのジャンルや検索エンジンで上位表示するための方法などです。
このように自覚はしていなく、気づけていない悩み・ニーズのことを潜在ニーズといいます。
顕在ニーズとの関連性
顕在ニーズと潜在ニーズは密接に関連しています。
ちなみに顕在ニーズは、すでに現れている欲求・ニーズのことです。
そのため顕在ニーズの場合は、その人が解決したい問題が明確になっています。
ただ、人間は悩みが1つではありません。
顕在ニーズだけではなく、目に見えない悩みを多く抱えています。
この点、顕在ニーズに加えてどのような潜在ニーズがあるか知ることが、新たなビジネスチャンスを生むきっかけにもなるのです。
潜在ニーズの重要性
潜在ニーズを知ることは、ビジネスを行なっていく上では非常に重要です。
理由は大きく2つあります。
- 潜在ニーズを満たすことでユーザーの体験価値が上がるから
- 新たなビジネスチャンスの契機にもなるから
潜在ニーズを満たすことによって、ユーザーの体験価値を上げることができます。
例えば「コーヒーを飲みたい」という欲求があるとしましょう。
この場合、コンビニで売っているコーヒーや自動販売機で売っている缶コーヒーでも顕在ニーズは満たすことができます。
ただ、より品質にこだわったスペシャリティコーヒーであれば、当然美味しさもアップしますのでより満足度も高くなるのです。
その結果、潜在ニーズを満たすことができて体験価値を上げることにもつながり、リピーターとなる可能性もあります。
また、潜在ニーズを知ることによって、新たなビジネスチャンスの契機にもなります。
そのため、潜在ニーズを細かく深掘りしていくことによって、より収益を上げるきっかけにもなるのです。
ニーズとウォンツの関連性
ニーズとウォンツは全く違うもので、目的と手段の関係と捉えておいてください。
ニーズは、簡単にいうとその行為によって達成したいことです。
例えば喉が乾いている状態で「乾いた喉を潤したい」というのが、本質的なニーズになります。
加えて何をしたいかもはっきりしているのです。
その点、その行為によって目的が達成されるかどうかがニーズにおいては重要になってます。
他方、ウォンツは何かをしたいという欲求のことです。
例えば喉が乾いた状態で、「アイスコーヒーを飲みたい」ということがあげられます。
ここからわかるように、喉を潤すための手段として、アイスコーヒーを飲みたいという欲望があるのです。
以上のことから、ざっくりいうと目的と手段の関係であると押さえておきましょう。
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潜在ニーズの調査方法
ここでは潜在ニーズの調査方法について紹介していきます。
主に2種類の調査方法があるのです。
- デプス・インタビュー
- エスノグラフィー調査
ユーザーは、「潜在ニーズはなんですか?」と聞いて、答えてくれることはありません。
インタビューや調査を通して、少しずつ深堀りをしていくことが重要となってくるのです。
デプス・インタビュー
デプス・インタビューとは、日本語で「深層面接法」と呼ばれ、1対1で対話をして深堀りをしていくインタビューのことです。
1人に対してインタビューを行うので、より細かいところにも焦点を当てることができます。
例えば、次のようなメリットがあるのです。
- ライフスタイルのことなどプライベートに関連した質問が可能
- 1対1なので、周りを気にせず話しやすい
インタビュー形式で、根掘り葉掘り聞いていくので、細かいところまで質問をすることができます。
そのため、ユーザーが抱えている潜在ニーズを発見しやすいのです。
また、周囲に人がいないので、自分の本音を話しやすいということもメリットでしょう。
もちろん話しやすい環境を作ることが最も重要になってきます。
ただし、デプス・インタビューは1人ずつにインタビューを行なっていくので、時間が非常にかかってしまうことがデメリットです。
エスノグラフィー調査
エスノグラフィー調査とは、顧客の生活環境に身を置き、実体験で顧客について知る手法のことになります。
実際に同じような生活を送るので、なぜ特定の欲求が出てくるか理解しやすいのがメリットです。
その他にも次のようなメリットがあります。
- 回答者が語っていないニーズを発見することができる
- リアリティのある情報を得ることができる
インタビューだと、語ることにはどうしても限界があります。
なぜなら、時間的な観点もそうですし、そもそも回答者が回答をし忘れてしまうことがあるからです。
そのため、実体験をすることで、回答者が語っていなかったリアルな潜在ニーズを知ることができます。
また、実際に同じような生活をすることによって、リアリティのある情報を得ることが可能です。
ただし、圧倒的に時間コストがかかってしまうのが、エスノグラフィー調査のデメリットともいえます。
- デプス・インタビューは1対1で対話をして深堀りをしていくインタビューのこと
- エスノグラフィー調査は顧客の生活環境に身を置き、実体験で顧客について知る手法
潜在ニーズを見つけるためのポイント
ここでは潜在ニーズを見つけるためのポイントについて紹介していきます。
主に以下の3つです。
- 現状や背景を知る
- 不満に注目する
- 聞き出すのではなく見つけることを意識する
特に現状や背景を知ることが最も重要です。
現状や背景を知る
消費者の現状や背景を知るようにしましょう。
現状を知ることによって、どのような潜在ニーズが眠っているかを知ることができるからです。
例えば、30代の主婦が「食器洗浄機を買いたい」という顕在ニーズがあるとしましょう。
このような例で、なぜこの商品を購入することに至ったのかを考えてみるといいです。
例えば次のような理由があります。
- 子育てが大変で家事に割く時間がない
- 手洗いで洗っているので手が荒れてしまっている
- 家事自体が面倒で、すぐ済ませたい
このように、その商品をなぜ購入したかをしっかり聞いていくことによって、よりニーズを見つけやすくなります。
定期的にアンケートなどを行い、理由を調査するのも1つの手です。
不満に注目する
不満に注目することも潜在ニーズを発見する1つの手です。
なぜなら不満が起こると、その不満を解決したいという感情が生まれるからです。
そのため、消費者がどのような点に不満を持っているかも意識しておく必要があります。
加えて、そもそも不満が常識化してしまっている場合もあるのです。
そのためそもそも不満に思っていないというケースもあります。
このような場合は、「エスノグラフィー調査」を行い、実体験をしてみるといいでしょう。
聞き出すのではなく見つけることを意識する
インタビューを行う際は、潜在ニーズを聞き出すのではなく見つけることを意識するようにしましょう。
これはそもそも潜在ニーズがどういうものか把握している人はいないからです。
そのため、潜在ニーズを見つけるためにも、次のようなところに着目してみるようにしましょう。
- 不満に思っていることは何か
- 現状どういうところに困っているのか
- 回答者は今何を求めているか
ポイントは、「感情」に着目することです。
消費動向・購買モデルの事例はこちら
潜在ニーズを引き出す質問
潜在ニーズを引き出す質問を事前に考えておくことも重要です。
特に、本音を引き出すような質問を考えておくようにしましょう。
「なぜ?」の質問
「なぜ」を問いかける質問をすることで、ユーザーの潜在ニーズを引き出すことができます。
これは「なぜ?」と問いかけることでその商品やサービスを買う背景や理由について知れるからです。
そのため、「なぜ?」を繰り返して、より深堀りしていくことが重要になってきます。
できるだけ広く浅くからスタートし、より深く深堀りをしていくようにしてください。
例えば次のような質問だと潜在ニーズを引き出しやすいといえます。
- どうしてその商品を買おうと思ったのか
- 興味を持ったきっかけは何か
オープンクエスチョンを行った上で、クローズドクエスチョンをしていくようにしましょう。
オープンクエスチョンとは、広い質問のことです。
例えば、「この商品を使っていて、どのようなところが良いと感じましたか?」など回答が自由な形式があげられます。
他方、クローズドクエスチョンとは、より対象を絞った踏み込んだ質問のことになります。
例えば、「他の他社の製品と比べて高いと感じますか?」など、「はい」か「いいえ」で答える質問形式のことです。
不意打ちの質問
最後に、不意打ちの質問をすると、思わぬところで潜在ニーズを引き出すことが可能です。
これは思いがけない質問を投げかけることで、違った視点での回答など新たな発見ができる可能性があるからです。
そのため時に不意打ちの質問を投げてみることも1つの手です。
潜在ニーズにアプローチできるマーケティング手法
ここでは潜在ニーズにアプローチできるマーケティング手法について紹介していきます。
主に次の4つです。
- コンテンツマーケティング
- ソーシャルメディアマーケティング
- ブログマーケティング
- フィールドマーケティング
では順に紹介していきます。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、コンテンツを発信して顧客を獲得するタイプのマーケティングになります。
これは、コンテンツを発信するに当たって、ユーザーのニーズを細かく分析するからです。
そのため顕在ニーズのみならず、どのような潜在ニーズがあるかで、発信していくコンテンツを決めます。
以上のことからコンテンツマーケティングは潜在ニーズにアプローチできるといえるのです。
ソーシャルメディアマーケティング
ソーシャルメディアマーケティングも潜在ニーズにアプローチが可能です。
ソーシャルメディアマーケティングとは、X(旧Twitter)やInstagramを通して、どのようなニーズがあるか調査する手法になります。
X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSには、ユーザーの生の声が多く掲載されています。
そのため、潜在ニーズを把握するにはうってつけのマーケティング方法なのです。
以上のことから、ソーシャルメディアマーケティングの場合も潜在ニーズにアプローチ可能でしょう。
ブログマーケティング
ブログも潜在ニーズを把握するにはおすすめのマーケティングです。
なぜなら、ジャンルごとによるニーズを調査するからです。
加えて、ブログという性質上、より価値のあるコンテンツを提供することが必須となってきます。
そのため、潜在ニーズを知ることが重要となるのです。
フィールドマーケティング
最後にフィールドマーケティングです。
これは現場に赴くことで、消費者の実際の行動や心理がある程度わかるからです。
商品を買わなかった理由やサービスを知ったきっかけなど、ユーザーの心理を細かく分析する必要もあります。
そのためフィールドマーケティングもユーザーニーズを的確に捉える必要があることから、向いているといえるでしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
潜在ニーズを探す際の注意点
潜在ニーズを探す際の注意点は、定量調査と定性調査を同時に行うということです。
定量調査とは、評価や実態などを客観的に数値で分析する調査のことになります。
ちなみに定量調査は、例えばアンケートがあげられます。
他方定性調査とは、数値では測れない主観的な情報を調査する方法のことです。
ちなみに定性調査の代表例はインタビューです。
同時に行うべき理由は、どちらか一方だと潜在ニーズを引き出すには不十分だからです。
例えば「デプス・インタビュー」などは、インタビューを通して顧客のニーズを引き出すという点では非常に有効だといえます。
しかし、1回1回にかかる時間が長いため、圧倒的に調査数が足りないということもあるのです。
この点、アンケートを同時に行うことで、より効率的に潜在ニーズを引き出すことができます。
以上のことから、定量調査と定性調査の両方をしっかり行っていくようにしましょう。
マーケティング戦略の事例はこちら
潜在ニーズの見つけ方で悩んだら
潜在ニーズについては上記で述べたとおりです。
しかし、中には「インタビューのイメージがあまり湧かない」という方もいるのではないでしょうか。
そんな時はデジマクラスまでご相談ください。
デジマクラスでは、顧客から潜在ニーズを引き出すノウハウを培ってきています。
加えて、そのノウハウをもとに、どのように顧客から潜在ニーズを引き出したらいいか提言することも可能です。
潜在ニーズを引き出すインタビュー構成について、弊社と一緒に対策を考えていきましょう。
Webマーケティングの事例はこちら
まとめ
潜在ニーズの見つけ方について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
簡単にここまでのことについて振り返っておきましょう。
- 潜在ニーズは、目に見えないニーズのこと
- ビジネスチャンスを広げるためにも、潜在ニーズの把握は重要
- 定量調査と定性調査を組み合わせてニーズを把握していこう
まずは、インタビューを通して顧客の声を聞いてみることから始めてみてください。
この記事があなたにとって参考になれば幸いです。