プロスペクティング配信とは見込み顧客を創出する手法の1つです。
サイトを訪れていない顧客に対して興味・関心がありそうなものを、顧客単位しかもアイテム単位で配信します。
似たようなものにダイナミック配信がありますが、プロスペクティング配信は潜在層にリーチできるのがポイントです。
今回はプロスペクティング配信の活用方法を解説します。
プロスペクティング配信のメリットやプラットフォームも紹介します。
目次
プロスペクティング配信の特徴
プロスペクティング配信の特徴はユーザーが探している商品を興味を持ってくれそうな自社商品と関連付けて配信できることです。
従来のデジタル広告は認知度を高めるために動画広告やディスプレイ広告を使い、幅広いユーザーに配信していました。
しかし、プロスペクティング配信はユーザーにマッチした広告をピンポイントで配信できることが特徴です。
詳しく見ていきましょう。
プロスペクティングの特徴
プロスペクティングでは顧客が抱えている課題やニーズ、どのような内容に興味を持っているのか情報を収集します。
そして分析した上で見込み顧客を選んでピンポイントでアプローチするのです。
新規顧客だけでなく、購買意欲が高い潜在顧客や既存顧客に幅広く効率的に営業活動ができます。
例えば見込み顧客で商品やサービスの購入を検討していることが事前に分かれば、もっと魅力的な提案ができるのです。
プロスペクティング配信でできること
数多くの商品を取り扱うECサイトでは、ユーザーの好みに合った商品を広告で訴求するために複雑な設計が必要です。
しかし、プロスペクティング配信を利用すれば、潜在的ユーザーに対して趣向に沿った商品を数多く紹介できます。
ユーザーは送られてきた広告の中から最適な商品を選択するだけでいいのです。
このようにプロスペクティング配信はユーザーが求めている商品像に近いことからコンバージョン率も高くなる傾向があります。
通常の広告は高い製作費をかけて、幅広いユーザーにアプローチしても興味を引く商品が掲載されなければスルーされます。
そのため既存顧客中心の販売になってしまいがちです。
これでは顧客層が増えることはないでしょう。
プロスペクティング配信なら顧客のニーズや好みが分かっているため、見込み顧客を創出することが可能になります。
営業担当者も心理的ストレスを感じこともなく営業活動ができるのです。
Webマーケティングの事例はこちら
プロスペクティング配信の仕組み
プロスペクティング配信はインターネット上の広告配信方法の1つです。
顧客になる可能性が高いユーザーに絞って広告を配信できるため、見込み顧客を作りコンバージョンに繋げられます。
プロスペクティング配信では以下のような顧客情報をもとに分析し広告を配信します。
- 購入履歴
- 性別
- 住所
- 年齢
こうした顧客情報と商品情報をマッチングさせて興味・関心がありそうな商品を推測し、見込み顧客として広告配信するのです。
例えば犬のトイレシーツを購入した場合、一緒にドッグフード・おやつなどが掲載された広告が配信されるでしょう。
これがまさにプロスペクティング配信になります。
こうした関連性が高い商品広告はユーザーの購入意識を刺激しやすいといえるでしょう。
インターネット広告の事例はこちら
プロスペクティングが重視される理由
プロスペクティングが重視される理由について解説します。
見込み顧客の重要性
プロスペクティングにとって見込み顧客の存在が大変重要です。
企業はユーザーがどのような商品やサービスを求めているのか分析します。
購買意欲が低いユーザーに必死に営業してもコンバージョンに至らない可能性が高いのです。
見込み顧客の場合は求めている商品と提案する自社商品が一致すればコンバージョンする確率が高くなります。
プロスペクティングで見込み顧客を創出したら、顧客が抱える課題やニーズを理解し営業活動に繋げることが何より重要です。
リターゲティング広告との関連性
プロスペクティング配信は商品フィードを使用して潜在ユーザーに広告を配信する手法です。
ユーザーが探している商品や興味を持ってくれそうな商品をピックアップします。
それを自社の商品と関連付けて、ユーザーごとに広告を作成して配信するのです。
一方、リターゲティング広告は1度訪れたサイトユーザーを離脱後も追跡していく広告をいいます。
リターゲティング広告は既存ユーザーをターゲットにしたものです。
サイトを訪れた約9割のユーザーはコンバージョンせずに離脱することから、どこで離脱したのか確認します。
リターゲティング広告において、離脱原因を追求することは今後のビジネス戦略に欠かせません。
コンテンツに問題があるかもしれないからです。
このようにプロスペクティング配信とリターゲティング広告は、マーケティングの目的やアプローチの対象が異なるのです。
ケースバイケースで使い分けることで相乗効果が期待できます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
プロスペクティングと「AIDAの法則」の関連性
AIDAの法則とはユーザーが商品やサービスを知り、購入に至るまでの心理的段階を表したものです。
AIDAの法則には大きく4つに分類されます。
- Attention(注意)
- Interest(関心)
- Desire (欲求)
- Action (行動)
Attentionでは掲載されている情報が自分のための情報だと感じてもらいます。
Interestでは関心を持ちながら、その商品を購入すればどんな得があるのか詳しく理解してもらうのです。
Desireでは商品を手に入れた自分を想像して、商品に対する価値を認識してもらいます。
Actionで意思決定し購入・予約・資料請求など具体的な行動を起こします。
AIDAの法則は汎用性があることから営業職のセールストークにも使われているのです。
プロスペクティングではAttentionにいる顧客に対しInterestに進むように促します。
つまり商品に興味を持ってもらうことを目標にするのです。
プロスペクティングは顧客との信頼関係を構築し、課題やニーズを理解することに主眼を置きます。
Webマーケティングの事例はこちら
プロスペクティング配信を活用するメリット
プロスペクティング配信を活用するメリットについて3点に絞って解説します。
潜在層にリーチできる
プロスペクティング配信では潜在ユーザーに広告を配信し商品やサービスを認知させます。
もともと興味を持ってくれそうな商品を選別して配信しているため潜在層には十分リーチできると考えられます。
新規見込み顧客の獲得につながる
リマーケティングと違い、未訪問のユーザーに自社の商品やサービスにおいて精度の高い広告を配信します。
これまではサイト訪問者の閲覧履歴などを参考に広告を配信するのが一般的手法でした。
しかし、サイト訪問者を母数と考えるとリーチできるユーザー数が限られてしまうのが課題でした。
そこでプロスペクティング配信を使いコンバージョンしやすい新規見込み顧客獲得を目指すのです。
営業活動を効率化できる
プロスペクティングによりさまざまな情報を収集することで、より適切な提案ができたり、重要顧客にリソースを割いたりできます。
プロスペクティング配信を活用すれば効果的な営業活動が可能になります。
プロスペクティング配信時に設定すべきことは?
例えばLINEが提供するダイナミック広告「LINE Dynamic Ads」ではプロスペクティング配信が可能です。
これにより購買ユーザーだけでなく、自社顧客に類似した未接触ユーザーへの配信ができるようになりました。
「LINE Dynamic Ads」はユーザー1人1人に関連度の高い商品をアイテム単位で訴求できます。
商品ごとに遷移先が設定できるため高い広告効果があります。
LINE広告にはLINE Tagを設置し広告経由でアクセス数・購入数・タイミングなどの広告効果を測定できるのです。
タグを設定すれば広告の配信対象であるオーディエンスを作成します。
LINE Tagには3種類あります。
- ベースコード
- コンバージョンコード
- カスタムイベントコード
ベースコードは計測する全てのWebサイト内に設置しますがタグマネージャーを利用して設置もできます。
コンバージョンコードはコンバージョンするポイントにベースコードとセットで設置してください。
カスタムイベントコードはコンバージョンコードと同じくベースコードとセットで設置します。
プロスペクティング配信のプラットフォーム
プロスペクティング配信が可能なプラットフォームとして4つ挙げてみました。
Google広告
Googleダイナミック広告(Google動的リマーケティング)は、Google AdWordsから出稿できるダイナミック広告です。
過去にサイトを訪問したユーザーやアプリ利用者に対し、ユーザーごとにカスタマイズされた広告を動的に配信します。
見込み顧客の獲得に繋げられる広告です。
プロスペクティング配信では未接触者に対して、属性情報から興味・関心が高い情報を推測しGoogleダイナミック広告を配信します。
Yahoo!広告
Yahoo!広告「動的ディスプレイ広告」におけるプロスペクティング配信は、広告主にサイトを訪問した行動履歴をもとに広告を配信します。
Yahoo!広告のダイナミック広告はCPC(クリック単価)を抑えた運用を行うことができます。
単なるリターゲティング広告と違いコンバージョンする可能性が低いユーザーを除外設定できる機能を持っているのです。
そのためターゲットを絞って配信したい場合にはおすすめです。
LINE広告
LINEのプロスペクティング配信は広告主のサイトで閲覧・購入したユーザーに類似したユーザーへ広告を配信します。
対応できるのがアパレルEC・ホテル予約・航空券など限定されているため注意してください。
Facebook広告
Facebook広告のダイナミック広告におけるプロスペクティング配信は、ユーザーとFacebookが定義するおすすめ商品を配信します。
- Webサイトやアプリで利用者が閲覧した商品
- カタログの人気商品
- オーディエンスやそれに類似した利用者がFacebookやWebページで反応した商品
以上がFacebookが定義するおすすめ商品です。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
プロスペクティング配信の活用事例
プロスペクティング配信のプラットフォームを活用すれば、商品を閲覧したユーザーへのリターゲティングが可能です。
また興味・関心が高いと思われる新規ユーザーも個別の商品や情報を訴求できるでしょう。
既存顧客だけでなく、新規顧客の獲得も行い、購買や登録などコンバージョン率を向上させられるのです。
それでは具体的なプロスペクティング配信の活用事例を見ていきます。
チェコのアパレルEC「ZOOT」の場合
「ZOOT」はリターゲティング配信でWebサイトの売上を伸ばしました。
その後、プロスペクティング配信でトラフィックを増加させる戦略を取ったのです。
そして類似オーディエンスを対象としたキャンペーンを開始しました。
その結果、類似オーディエンスを活用したディスプレイキャンペーンと比べてCTRが3倍になったのです。
CTRとはインターネット広告のクリック率を指したものです。
広告のクリック率をインプレッション(広告が表示された回数)で割ったものになります。
例えば、ある広告が掲載されたページが100回表示されたとします。
広告が5回クリックされたとするとCTRは0.05となるわけです。
ZOOTはプロスペクティング配信を活用し、潜在顧客にブランドのリーチを広げたのです。
さらにGoogleのレコメンデーションエンジンを活用し自社の商品から売上が伸びそうな商品の広告を出稿しました。
その結果、客単価も大幅に上昇しました。
プロスペクティング配信を利用したLINEダイナミック広告の配信事例
通常のLINE広告でリターゲティング配信をしているオンライン動画サービスに、LINEダイナミック広告をプラスしました。
最適配信化したことで、配信を増やしCV数が以前の約2倍になったのです。
変更前の課題は、入札強化に伴うCPA(顧客獲得単価)の高騰と獲得数の伸び悩みでした。
そこでLINEダイナミック広告を活用し最適化配信を行ったのです。
特にユーザーに合わせて広告内容を自動的に配信してくれるLINEダイナミック広告は予想外の効果をもたらしました。
INEダイナミック広告CTRは174%、CVRは155%という高い伸び率になったのです。
プロスペクティング配信を活用するなら
プロスペクティング配信の活用方法などを解説してきました。
Webサイトの未訪問者に対して購入履歴や属性などの情報から、探している商品・サービスを推測し広告を配信する手法です。
プロスペクティング配信とリマーケティング広告を上手に使い分けることでユーザーにアプローチができます。
しかし、GoogleやFacebookなど媒体によって効果的な運用が必要であり、そのためにはある程度のノウハウや知識が欠かせません。
デジマクラスはこうしたさまざまなマーケティング戦略に対してクライアントに提案してきました。
それぞれの企業が置かれている状況は異なるため、各企業の分析を行い最適な手法を提案いたします。
プロスペクティング配信の実施に関するご相談なら、気軽にデジマクラスにお問い合わせください。
まとめ
未訪問者に対して効果的アプローチができるプロスペクティング配信はこれまでのマーケティング手法とは違います。
リターゲティング広告だけでなくプロスペクティング配信を組み合わせることで活用方法が増えるのです。
潜在層にリーチできる画期的なプロスペクティング配信は、ユーザーの興味・関心にマッチした広告を配信します。
そのためにはより精度の高い情報をピンポイントで配信することが重要になるのです。
広告運用者もそれなりに知識やノウハウが求められますが、プロスペクティング配信なら新しい見込み顧客にリーチを広げられます。
是非この機会にプロスペクティング配信を導入してみませんか。