本記事ではオウンドメディアが伸びない原因からオウンドメディアを伸ばす秘訣、成果の出し方についてご紹介します。

デジタルマーケティング企業「株式会社Wedia」の代表であり、10年以上デジタルメディア業界で働くWedia代表今井にインタビューをしました。

オウンドメディアを立ち上げたけれど、思うように成果が得られないという人におすすめの内容です。

Weida代表今井の経歴

最初に、今回インタビューをした株式会社Wediaの代表である今井の経歴をご紹介します。

  • 早稲田大学卒業(2010年)
  • 株式会社アイスタイルに新卒入社(2010年)
  • 株式会社イトクロに入社(2013年)
  • 株式会社Wediaを設立(2016年)

 

デジタルメディア企業で都合4回の上場を経験した後、株式会社Wediaを設立し代表取締役に就任。

2020年には売上高3兆円を超える世界最大の人材企業ADECOのグループ企業、株式会社A-STARの最高マーケティング責任者(CMO)に就任しました。

オウンドメディアを伸ばすために取り組むべきことは?

――オウンドメディアが伸び悩んでしまう原因は何でしょうか?

今井:大前提として。そもそもオウンドメディアは昔よりも伸びなくなっていると感じています。絶対的ではなく相対的な回答にはなりますが。

 

インターネットが一般に普及しはじめた1990年代は、ユーザーがアクセスする媒体はテレビ・新聞・雑誌・ラジオといったメディアしかありませんでした。

これらのマスメディアに対して、個人のニーズにマッチしたメディアは存在していなかったのです。

 

ただ、そこに個人のニーズに応えられるインターネットが登場し、自分の求める情報を得るメディアとしてWebサイトが一般的になりました。

さらに現在はアプリやSNSなど新たな媒体が生まれています。

これらのWebサイトやSNSは、マスではなくミニ媒体です。(SNSの1アカウントもメディアとしてカウントした時に)

こうしたWebサイト以外のミニ媒体という選択肢が増えたことによって、その中で「オウンドメディア」という存在が選ばれる理由が必要とされるようになったと感じています。

 

――オウンドメディアが伸びなくなってきた中で成果を出すためには何をすべきなのでしょうか?

今井:アクセス数を伸ばすという観点で考えると、集客導線を増やす必要があります。

これはGoogle検索以外に、SNSやアプリからの集客を意識し導線を増やすということです。特にWebサイトであれば、SEO対策でアクセスを増やすことももちろん必要です。

 

ただし、現在は様々な種類の媒体がありコンテンツも増えています。

その中でユーザーに選ばれるためには、核となるコンテンツ設計が非常に重要です。

どういった目的を持ったユーザーに対して、何を提供して何を持ち帰ってもらうのかを明確にする必要があります。

 

例えば、コンテンツ設計が曖昧なまま大手グルメサイトと似たサイトを新しく立ち上げた場合で考えてみましょう。

SEO対策である程度までアクセス数を伸ばすことはできても、単なる代替品であれば大手グルメサイトで十分だと思われてしまいます。

既存メディアと重ならないニーズを埋めるコンテンツを設計し、その上でSEO対策や集客の対策をしていくことが大切になるのです。

 

ミニ媒体が溢れているとしても、ニーズの隙間がまったくないわけではありません。

先ほど大手グルメサイトを例に挙げましたが、大手グルメサイトが出来た当時のニーズと、現在のニーズは変化しています。

 

つまり、コンテンツの設計当時は想定されていなかったニーズが時代に合わせて常に生まれているということです。

新しい時代に生まれたニーズは、まだ誰もそのニーズに対して明確に応えられるコンテンツをつくれていないため、チャンスがあると考えられます。

 

――コンセプトや核となる設計の部分がなにより重要ということでしょうか?

今井:そうです。ただし、設計だけでは不十分です。

ユーザーにコンテンツそのものの価値を伝えるために、マーケティングを忘れてはいけません。

 

例えば、ラーメン店を開業するとして、「美味しいラーメンです」で終わってしまえば、その美味しさにユーザーが気付くのは1年後、遅ければ10年後になってしまうでしょう。

マーケティングによって、ユーザーにそのラーメンの存在を認知させる必要があるのです。

ただし、認知されて一時的に集客できたとしても、ラーメンそのものが美味しくなければすぐにユーザーは離れてしまいます。

「ラーメンそのものが美味しいこと」「認知されるための動きを取ること」この二軸が重要です。

オウンドメディアから申し込みへつなげるためにはどうすれば良い?

――アクセスを集めた後に出てくる課題としては、「申し込みされない」というものが考えられますが、そこに対してのアプローチはどういった方法が考えられるのでしょうか?

今井:申し込みの目的にもよりますが、ユーザーの消費行動に注目することが大切だと考えています。

昔からAIDMAやAISASなどの考え方がありますが、メディアの中にユーザーの心理的段階に応じたコンテンツがあり、どのような心理的変遷によって申し込みに到達するかを明確にすることが重要です。

また、申し込みにおいてもコンテンツのコンセプトが明確かどうかが重要視されます。

例えば、「おいしいパン屋さん」という漠然としたくくりではなく「低炭水化物ダイエットに対応しているプロティン多めの食パン」のように明確にコンセプトがあるイメージです。

 

――申し込みのフェーズでは「初回無料」などの施策を行っている企業が多い印象です。参入障壁を取り除くためにはこうした「無料」を申し込みのフックとした施策が有効なのでしょうか?

今井:こうした手法が多いのは、インバウンドセールスの概念がトレンドとしてあるからでしょう。

有料商品をいきなり購入してもらうのではなく、購入手前のユーザーを集めその人たちのロイヤリティを醸成、ナーチャリングをして商品購入に結び付けることでいきなり購入させるよりも購入数を伸ばすことができるといわれています。これはインサイドセールスという手法であり、これに基づいてマーケティングを行っている企業は多くあります。

 

特に高額な商品は購入までに検討する時間が長くなるため、その間のインサイドセールスがより重要です。

インサイドセールスがしっかりできているという前提があるならば、この手法(初回無料など)自体には効果はあるといえます。

インサイドセールスができていない状態で、とりあえず無料にして顧客リストだけを集めたけれど、期待する効果が得られていないという会社もあるでしょう。

無料でリーチが獲得できてもインサイドセールスがうまくいかない、という場合はやはりデジタルマーケティングの専門家である弊社に依頼して貰えれば幸いです。

 

 

toB向けのオウンドメディアで成果を出すためには?

――オウンドメディアはtoC向けだけではなく、toB向けサイトもあり、個人と企業では決裁権の所在が異なります。申し込みの観点で考えてもハードルが全く異なりますが、toCとtoBの時に取るべき申し込みのアプローチの違いはどういったものがあるのでしょうか?

今井:toBの場合は商品単価が高いため、インサイドセールスがより重要です。

また、toCであればアクセス数がCVに直結するため、コンテンツを量産して集客の窓口を広げていく動きが必要になります。

窓口から購入までのユーザー数をピラミッドで考えるとすれば、ピラミッドの下層が集客の窓口であり、一番上が実際に商品を購入してくれるユーザーです。

ピラミッドの裾野を広げれば広げるほど頂点部分も大きくなり、購入するユーザーの人数も増えます。

 

しかし、toBの場合は商品単価が高くそもそも購入してくれる人が限られていることが想定されます。そうなった場合は間口を広げる必要は全くありません。

ユーザーに刺さるアプローチ方法がSNSなのかWeb検索なのか、それともテレビCMなのかを明確に見極め、それに対してインサイドセールスやCVR改善でどう購入まで向けていくかが重要です。

そして、一旦集客の窓口を決めたあとは、CVR改善をより重視して取り組む必要があります。

 

toBの良い例が、先日見かけた「テレビCMを打ちませんか」という広告です。

この広告をどこでみたかというと、タクシーの車内広告です。

確かにタクシーであれば経営者層が乗っている可能性が高いでしょう。

タクシーCMがtoBに強いことを示す好例だと思います。他にもtoB広告はタワーマンションの入口にもあります。

 

SEOでいえば、経営者や決裁権をもつ人物がどのようなワードで検索するのかを意識すべきでしょう。

このように、toBでは獲得経路となる集客導線の設計が大切だと考えています。

 

 

――とても貴重なお話を伺うことができました。

ここまで本記事をご覧になられた方にとっても参考になったのではないでしょうか。

最後に

今回はオウンドメディアが伸びない原因からオウンドメディアを伸ばす秘訣、成果の出し方についてのインタビューでした。

株式会社Wediaは、結果を出すことにコミットしたコンサルティングを行っています。

オウンドメディアで思うように成果がだせないと悩んでいる人はぜひ弊社へご相談ください。