コンテンツマーケティングとは、見込み客や既存顧客にコンテンツ=価値のある情報を発信し、サービスの利用や商品購入を促す目的で運用するマーケティング手法です。
日本では2015年頃に定着し、現在では多くの企業が活用しています。
コンテンツマーケティングにはさまざまな種類があるので、成果を上げるためには自社に合う手法を取り入れる必要があります。
また、BtoB企業かBtoC企業かによっても、ユーザーに価値ある情報のベクトルが違います。企業が扱う商品・サービスにより、ユーザーが求める情報が異なる点にも注意してください。
「コンテンツマーケティングの導入に興味がある」「上司を説得する材料にしたい」という場合は、さまざまな企業の成功事例を参考にしてみましょう。
この記事では、コンテンツマーケティングを活用しているBtoB・BtoCの国内企業・海外企業から、17の成功事例を紹介します。
目次
コンテンツマーケティングで成功している企業は多い?
「コンテンツマーケティング」とは、見込み客や既存顧客にコンテンツ=価値のある情報を発信することで自社の知名度を上げたり、商品の購入やリピートを促したりするマーケティング活動をいいます。
日本でのコンテンツマーケティングは2015年頃に定着し、今では多くの企業で行われるようになりました。
コンテンツマーケティングというと、Webメディアのブログ記事をイメージするかもしれません。
しかし、実際にはさまざまなものがあり、テキストだけでなく動画・漫画・メルマガ・ダウンロード資料・プレスリリース・SNSなど、多岐にわたります。
国内外問わず、ユニークなコンテンツを制作してマーケティングにいかしている企業がたくさんあります。
自社に合った手法を取り入れ、コンテンツマーケティングを成功に導きましょう。
【BtoB】国内企業でコンテンツマーケティングが成功した事例
「BtoB(ビートゥビー・ビーツービー)」はBusiness to Businessの略です。
日本語で表すと「企業間取引」のことで、企業が企業に向けて商品やサービスを提供する取り引きをいいます。
企業同士の取引のためターゲットが限定され、取り引き先も固定されていることが多く、テレビCMのようなマス向けプロモーションはほとんど行われません。
そのため、対象となる企業へ直接アプローチできるような集客方法が取られます。
ここでは、BtoBの国内企業でコンテンツマーケティングが成功した事例を6つ紹介します。
経営ハッカー
「経営ハッカー」はfreee株式会社が運営するオウンドメディアです。
経理・財務・人事・労務など幅広いキーワードを扱っているのが特徴で、経営者や企業の財務担当者のインタビューも多数掲載しています。
「経営ハッカー」でしか見られないオリジナリティーの高い情報を発信し、メディアとしての価値を高めています。
バーコード講座
「バーコード講座」は株式会社キーエンスが運営するオウンドメディアです。
キーエンスはバーコード機器を取り扱っていますが、「バーコード講座」は自社製品の紹介がメインではありません。
バーコードについての知識をユーザーに提供し、バーコードの基本・読み取り・印字・二次元コードの基本などを分かりやすく解説しているのが特徴です。
バーコードに関するebook資料が40種類以上あり、内容は基礎知識から用途事例まで幅広く取り揃えています。
初心者から上級者まで幅広い層のバーコードに関する疑問・悩みを解決し、ebookのダウンロードを促しています。
ダウンロードには会員登録が必要で、会員登録を通じてバーコード機器を購入する可能性がある顧客にアプローチする手法です。
サイボウズ式
国内BtoB企業のコンテンツマーケティング成功例としてよく挙げられるのが、サイボウズ株式会社が運営する「サイボウズ式」です。
サイボウズはグループウェアの国内シェアNo.1を誇りますが、単なる商品紹介のためのWebメディアではありません。
幅広いトピックで構成されているのが特徴で、読み物としても楽しめる作りです。
グループウェアの国内市場はすでに成熟しており、今後はITにほとんど関心のないマジョリティ層へアプローチが必要です。
そのためには製品の機能ではなく、製品を利用することでどのような問題が解決されるのか、その「価値」に焦点をあててコンテンツを作成しています。
コンテンツは社内だけでなく外部ライターからも寄稿を受け、SNSの拡散により多くのトラフィックを稼いでいます。
wisdom
「wisdom」は日本電気株式会社(NEC)が立ち上げたオウンドメディアです。
まだ日本でコンテンツマーケティングが普及していなかった2004年に始まり、国内外の最先端のテクノロジーやビジネストレンドを発信しています。
最初はNEC色を一切出さずに、NECに興味がない人も先入観なく読めるビジネスコラムなどのコンテンツを作っていました。
2016年のリニューアルを機に、自社の顔認証をはじめとした生体認証技術やAI・IoTなどの先端技術を活用したソリューション紹介も行っています。
「新しいビジネスのヒントがうまれる場」というコンセプトに基づいて運営されているため、同じ志を持つビジネスリーダーのネットワーク形成の場としても機能しています。
ferret One
「ferret One」は株式会社ベーシックが運営するマーケティング情報発信サイトです。
BtoB企業向けのマーケティングに関する情報を多数紹介し、自社で開発したマーケティングツールの訴求を行っています。
ferret Oneのマーケティングツールは業務効率化・LP製作・DX推進といったユーザーニーズごとに分類され、異なるページで展開しているのが特徴です。
ツールと併せて導入実績も多数紹介されており、ユーザーの利用を促す工夫があります。
バズ部
「バズ部」は株式会社ルーシーが運営するWebメディアで、具体的で再現性のあるコンテンツ発信が行われているのが特徴です。
バズ部ではルーシーがマーケティングコンサルなどで蓄積したノウハウを多数紹介しており、ソーシャルメディアやWordPressの活用方法などの情報も多数取り扱っています。
メルマガも活用され、ユーザーの個々のニーズに寄り添った情報提供を行っています。
国内BtoB企業でブランディングに成功した事例としてもよく取り上げられているので、ブランディングに力を入れたい場合は注目のサイトです。
コンテンツマーケティングの事例はこちら
【BtoB】海外企業でコンテンツマーケティングが成功した事例
海外のコンテンツマーケティングは規模が大きいのが特徴です。
コンテンツマーケティングによって自社ブランドの認知拡大を狙っている場合、海外の事例が参考になるかもしれません。
海外のBtoB企業ではどのような成功事例があるのかみていきましょう。ここでは、FireRock・Hubspot2つの例を紹介します。
FireRock
「FireRock」は石材を建設会社などへ販売する企業で、石材に関する情報を発信するWebメディアを運営しています。
写真を多く掲載し、石材の活用アイデアを視覚的に訴求しているのが特徴です。
石材だけでなく家を建てるときのヒントを紹介する記事も多数あるので、ユーザーの悩みに寄り添う内容となっています。
Pinterestの投稿と場所のタグ付けが行われているのも特徴で、地域ごとのユーザーにピンポイントなアプローチが可能です。
時代の変化に合わせて動画やSNSなど新しいメディアを積極的に活用し、コンテンツの内容や戦略を進化させています。
Hubspot
「Hubspot」はSEOのプロフェッショナル企業で、運営するWebメディアでは無料でダウンロードできるコンテンツを活用してユーザーに訴求しています。
コンテンツマーケティングの基本から売上に繋げる方法まで、さまざまな情報を展開しています。
記事の最後には関連記事へのリンクや無料の資料をダウンロードするためのCTAボタンが設置されており、ユーザーの利用を促す工夫がなされている点が特徴です。
【BtoC】国内企業でコンテンツマーケティングが成功した事例
「BtoC(ビートゥーシー・ビーツーシー)」は、Business to Customerの略です。
日本語で表すと「企業と一般消費者の取引」のことで、企業が個人に商品やサービスを提供する取引をいいます。
家電・ファッションブランド・化粧品・デパートなど、一般の消費者に向けて商品を売る企業がBtoCにあてはまります。
BtoB企業とは違い、BtoC企業は一般消費者がターゲットのためターゲットは幅広いです。
そのため、マス向けのプロモーションが必要になり、マーケティングはテレビ・新聞・雑誌・看板など多くのユーザーにリーチできる方法がメインとなります。
ここでは、BtoCの国内企業でコンテンツマーケティングが成功した事例を6つ紹介します。
ソレドコ
「ソレドコ」は楽天グループ株式会社のオウンドメディアです。
小売店やショッピングモールの一般的な商品ランキングとは違い、特定のテーマやライターの視点からおすすめのアイテムを紹介するという点が特徴です。
この方式では自然な形で楽天市場の商品検索結果に誘導できるため、強い営業色がありません。読者の好感度も高く、成果を上げています。
SNSで話題の記事を執筆した有名ライターや、面白いコンテンツが人気の制作会社のライターに執筆を依頼し、ユニークなコンテンツを配信することで若年層の流入も狙えます。
SUUMOタウン
「SUUMOタウン」は株式会社リクルート住まいカンパニーが運営するWebメディアです。不動産情報サイトで有名な「SUUMO」と同じく、住宅や暮らしに特化しているのが特徴です。
SUUMOタウンのコンテンツは、ライターが街への思いを熱く語るエッセイが中心です。
「人と街とのミスマッチを無くす」というコンセプトがあるため、実際にその街で暮らす人や街に思い入れがある人が記事を書いています。
コンテンツは純粋に読み物としても面白いため、PV数や検索上位を狙うだけでなく、サイトのファン獲得にも貢献しています。
トヨタイムズ
「トヨタイムズ」はトヨタ自動車株式会社のオウンドメディアです。
「クルマの時代から、もっと自由に移動を楽しむモビリティの時代へ」というコンセプトで、2019年から運用されています。
トヨタイムズの名前はテレビCMで耳にしたこともあるのではないでしょうか。テレビCMでオウンドメディアを宣伝するのは斬新な手法でした。
製品ではなく、トヨタの取り組みやトヨタがスポンサーを務めるスポーツチームの情報など、さまざまな切り口でコンテンツを展開しているのが特徴です。
「トヨタイムズ」のプロジェクトは電通の提案で始まりましたが、一部の記事はトヨタの内製です。
年間180本の記事が配信され、見応えのあるメディアに成長しました。
ごちクル
「ごちクル」はスターフェスティバル株式会社が運営する弁当デリバリーサービスの総合サイトです。
有名な店舗のお弁当を頼めることが一般的な宅配・ケータリングサービスと異なる点で、800ブランド8,200種類以上の商品を取り揃えているのが特徴です。
「ごちクル」はメールを中心としたマーケティングを重視しており、ユーザーニーズを汲み取った内容のメール配信を行っています。
ハーゲンダッツジャパン
「ハーゲンダッツジャパン」はSNSを使ったブランディングが特徴です。
SNSをメインにコンテンツマーケティングを展開し、Instagram・Facebook・LINEのフォロワー数は合計で1,000万人を超え、圧倒的なファン数を誇ります。
Instagramではハーゲンダッツを使ったレシピや映画の紹介など、さまざまな切り口で投稿されています。
これは単なる商品紹介ではなく「映画のお供にハーゲンダッツを」というスタンスで行っており、自社商品のファンを増やす工夫をしています。
新商品の発売時にはユーザーのコメントを促す投稿をするなど、双方向のコミュニケーションを心がけている点も注目です。
ユニクロ
「ユニクロ」は株式会社ファーストリテイリングが運営するファストファッションブランドで、日本で知らない人はいないであろう圧倒的な知名度を誇ります。
ユニクロは独自戦略によってコンテンツマーケティングを成功させています。
アパレル業界はトレンドの移り変わりが激しいため、これまでは「どのようにターゲットを絞るか」「顧客層をどのように限定するのか」という戦略が重要でした。
しかし、ユニクロは顧客ではなく生産する商品を限定することでコストカットを実現して、効率的な商品開発・販売を可能としています。
また、オンラインストアを実店舗へ訪れてもらうための流入経路に活用しているのも特徴です。
【BtoC】海外企業でコンテンツマーケティングが成功した事例
海外ではテキストベースのコンテンツが主流でしたが、近年は動画・音声を活用したコンテンツの制作が増えています。
ここでは、BtoCの海外企業で動画を活用したコンテンツマーケティングの成功例をみていきましょう。
Red Bull・Will It Blend?・HASBEANの3つの事例を紹介します。
Red Bull
「Red Bull」は日本でもよく知られているエナジードリンクメーカーで、「翼を授ける」というキャッチフレーズが印象的です。
Red Bullのマーケティングは、動画コンテンツとうまく結びつけているのが特徴です。
公式サイトではスポンサー企業として、F1・バイクレース・スノーボードなどのスポーツイベント動画を配信しています。
商品そのものではなく、スポーツの興奮や感動を世界中にシェアすることでユーザーの共感を呼び、エンゲージメントを高める手法です。
独自の動画プラットフォーム「Red Bull TV」も展開しており、こちらではターゲット層である10代から30代男性が好むエクストリームスポーツの映像や挑戦的なチャレンジ映像などを配信しています。
Will It Blend?
「Will It Blend?」はアメリカのユタ州に本社を置くミキサー製造・販売会社Blend tec社が展開する、Youtube上の動画コマーシャルのタイトルです。
自社製品である超強力なミキサーを使用して、ゴルフボール・CD・iPhoneなどさまざまなものを粉砕していくインパクトある動画が話題になりました。
その効果は動画コマーシャルを運用してから売り上げが700%アップしたほどで、動画は1日で10万回以上再生されています。
話題性だけでなく、動画コマーシャルを導入後はBlend tec社の認知度が上がり、ブランド力も向上しています。
HASBEAN
「HASBEAN」はイギリスのコーヒーブランド「Has Bean Coffee」が運営するオウンドメディアです。
コーヒーを愛するStephen Leighton氏がコーヒーに関するさまざまな情報を発信しているのが特徴で、コーヒーの淹れ方・豆の炒り方・コーヒー豆の保存方法・製造工程など幅広く展開しています。
コーヒー初心者から上級者まで楽しめる情報が揃っていて、商品ページにもコーヒーの情報が充実しています。
コーヒー豆の産地・地図・淹れ方のコツなど、コーヒーの購入時に知りたい内容が網羅されていて至れり尽くせりです。
コンテンツマーケティングの特徴
そもそもコンテンツマーケティングとは、ユーザーが興味・関心を持つコンテンツを作成し、情報を通じて自社の商品・サービスを訴求するマーケティング手法です。
商品ではなく、あくまでもコンテンツが主役で、制作するコンテンツの種類や配信するメディアに決まりはありません。
特定の媒体だけではなく、Webメディア・SNS・動画配信サービスなどさまざまなメディアを活用して、総合的にマーケティングを展開することも可能です。
「買ってください!」という売り込みではない点もコンテンツマーケティングの特徴です。以前のマーケティングではマス広告を利用して、ところかまわず売り込みをかける形でした。
コンテンツマーケティングでは、消費者が買いたい気持ちになるまではコンテンツによるコミュニケーションにとどめ、見込み客が離れないように工夫しています。
「嫌われないマーケティング」としても注目されており、活用する企業が増えています。
コンテンツマーケティングの必要性
スマートフォンの普及により、ユーザーはWebメディアやSNSから情報収集するようになりました。
とくに若年層では、インターネットの利用時間はすでにテレビや新聞を超えています。
テレビなどのマスメディアからの情報収集は受動的ですが、Webメディアの情報収集は能動的です。
ユーザーは自分の知りたい情報だけに触れているため、コンテンツマーケティングのようなインバウンドマーケティングがマッチしています。
今後もこの傾向は続くと予想されるため、コンテンツマーケティングを取り入れるのは企業にとって重要といえるでしょう。
コンテンツマーケティングのメリット
コンテンツマーケティングは2015年頃から日本でも流行し始め、現在もさまざまな企業がマーケティング活動に取り入れています。
ここでは、他のマーケティング手法にはないコンテンツマーケティングの6つのメリットを解説します。
SNSとの相性が良い
コンテンツマーケティングはSNSとの相性が良いといわれます。コンテンツマーケティングを始めるときは、SNSの企業アカウントも作成しましょう。
良質なコンテンツはX(旧Twitter)やFacebookなどのSNSで拡散が期待できます。
役立つ記事や面白い記事を目にしたエンドユーザーは「友人・フォロワーに教えたい」「誰かと共有したい」という気持ちになり、自発的に拡散してくれます。
拡散されるとさらに多くの人に自社コンテンツを届けられるため、莫大なエンゲージメントが期待できます。
実行しやすい
コンテンツマーケティングは実行しやすく、参入のハードルが低いのがメリットです。
初期費用もほとんど必要ないため、広告費をあまりかけられない場合もコンテンツマーケティングなら始められます。
WordPressなどのCMSを活用すれば、制作会社に頼らなくても自社メディアを簡単に用意できる点もメリットです。
ブランディング効果が得られる
コンテンツマーケティングの目標は集客したユーザーを自社のファンにすることです。
コンテンツのファンとなったユーザーは商品・サービスを利用してくれ、リピーター化も期待できます。
ファンが増えると自社の商品・サービスの価値が高まり、ブランド化します。
新規顧客を獲得するよりも既存顧客をリピーター化することが重要で、さらに重要なのがファン化した顧客です。
コンテンツマーケティングを展開することで自社のファンが増え、ブランディング効果が得られます。
広告費・営業担当の負担を削減できる
これまで、Webでの集客といえば広告出稿が主流でした。
リスティング広告・バナー広告・動画広告で集客する場合は、最低でも月に数万円の広告費をかける必要があります。
大規模な広告の場合は数百万円単位で広告費が必要ですが、コンテンツマーケティングで集客できれば広告費の大幅削減も可能です。
コンテンツマーケティングにおける集客方法はSEOがメインで、SEO対策は無料でできます。
SEO対策をすることで自社のWebサイトを検索結果の上位に表示させられるため、Googleに評価されるコンテンツ作りを目指しましょう。
SEOからの集客が見込める
インターネットの普及により、消費者はさまざまな形で情報収集しています。
とくにインターネット検索は情報収集のメインです。
自社のコンテンツがユーザーの課題や悩みに寄り添った情報を提供できれば、直接ユーザーと接することがなくても自社の認知度や信頼性を高められます。
SEOを意識したコンテンツマーケティングを行うことで、より多くのユーザーに情報を届けることも可能です。
さまざまなキーワードで自社サイトを検索上位に表示させることができれば、SEOからの集客も見込めるでしょう。
掲載期間の制限がない
広告出稿で集客する場合、ユーザーを集められるのは広告費を払っている間だけです。
コンテンツマーケティングの場合は過去に発信したコンテンツもWeb上に残るため、Web広告のような掲載期間に制限はありません。
広告費をかけなくても集客し続けてくれるのは大きなメリットです。
コンテンツマーケティングのデメリット
先述したように、コンテンツマーケティングにはさまざまなメリットがあります。
しかし、デメリットがない訳ではありません。コンテンツマーケティングに取り組む場合、以下の2つのデメリットについても理解しましょう。
すぐに効果が出るわけではない
コンテンツマーケティングはコンテンツ制作が重要です。
コンテンツ制作にはそれなりに時間がかかりますが、成果が出るまでにも時間がかかる点にも注意しましょう。
例えば、Webサイトで集客を行う場合は公開したコンテンツがGoogleに評価され、検索結果で上位表示される必要があります。
しかし、Googleに評価されるにはある程度の時間がかかります。
SEOはさまざまな要素を満たす必要がありますが、とくに重要な要素がドメインの評価とユーザー行動データの2つです。
ドメインの評価は重要ですが、Googleは新規ドメインを評価しません。これがすぐに効果が出ない理由です。
新規ドメインを取得した場合、運用し始めて数か月程度様子をみてから判断されます。コンテンツの質の高さも重要ですが、始めたばかりはほとんど集客が見込めません。
ユーザー行動データでは、コンテンツを見終わった後のユーザーの行動によってコンテンツの優劣を判断しています。
この評価は少数のユーザーの行動では判断できないため、少なくとも数千のユーザーデータが集まってから判断されます。
Webメディアが評価されるまでに時間がかかり、コンテンツそのものが評価されるのも時間がかかるため、すぐに効果が出る訳ではありません。
コンテンツマーケティングで成果が得られるまで、最低でも3か月から半年程度の時間が必要です。
運用できる体制を整える必要がある
コンテンツマーケティングには運用体制が必要です。
コンテンツの継続的な制作やSNSの運用担当など、社内リソースが確保できない場合もあります。
「社内で適切な人材がいない」「SEOの知識がある社員がいない」など、運用体制に不安がある場合はコンテンツマーケティングを外注することも可能です。
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コンテンツマーケティングの効果を高めるには?
これまで紹介したように、コンテンツマーケティングにはさまざまな成功事例があります。事例を参考にすると、マーケティングを成功させるコツがみえてくるのではないでしょうか。
ここでは、コンテンツマーケティングを成功させるために重要なポイントを3つ紹介します。
1つ目のポイントは、目的を決めて長期目線で取り組むことです。
まずは、自社がコンテンツマーケティングに取り組む目的を明確にしましょう。
目的とは、自社の商品・サービスを知ってもらいたいのか・興味を持ってもらいたいのか・購入してもらいたいのか、といった内容です。
目的が定まったら、どのように達成するのか・どのような手法で取り組めば良いかがみえてくるでしょう。
コンテンツマーケティングではコンテンツの質が重要と解説しましたが、ある程度は量も必要です。コンテンツの量を揃えるのには時間がかかるため、長期目線で少しずつコンテンツを増やしていきましょう。
2つ目のポイントは、ユーザーが求めているものを理解することです。
企業側が発信したい情報を一方的に発信しても、残念ながら成果はほとんど上がりません。
ユーザーが知りたいのは企業が発信したい情報ではなく、自分の悩みや疑問を解決してくれる情報です。
ユーザーが求めている情報を発信することでユーザーの興味を引き、さらに自社のファンになってもらうことで商品の購入やリピートにつながります。
3つ目のポイントは、獲得したいリードに合ったチャネルを使うことです。
獲得したいリード=見込み客によって発信するチャネルは異なります。
50代男性をリードとするなら、X(旧Twitter)やInstagramは適していません。これらのSNSを利用している50代男性ユーザーは少ないため、コンテンツマーケティングを展開するならYouTubeやFacebookが向いています。
逆に、20代女性をリードとするならFacebookユーザーは少ないため、チャネルはX(旧Twitter)やInstagramが向いています。
動画やSNSなどのプラットフォームの変化は早く、新しいものが次々に誕生しています。それぞれのユーザー層を意識しないと集客に繋げられないため、慎重に選択しましょう。
・ユーザーが求めている情報を発信する
・ターゲットに合わせたチャネルを使う
コンテンツマーケティングを進める際の注意点
これまでに解説したように、コンテンツマーケティングは成果が出るまでに時間がかかります。
早く成果を出したいと思っても、以下のようなGoogleが嫌う手法を取り入れないように注意しましょう。
- リンクの自演
- コンテンツの自動生成
- リンクプログラムへの参加
- 不正なリダイレクト
- 隠しテキスト・隠しリンク
- コンテンツに関係のないキーワードの詰め込み
- 無断複製されたコンテンツ
意図的でない場合でも、上記の違反行為があるとGoogleからペナルティを受ける可能性があります。
Googleからペナルティを受けると解除されるまで検索上位に表示されなくなり、せっかく立ち上げたWebメディアへのアクセスが減少してしまいます。
Googleからペナルティを受ける運用をしないことはコンテンツマーケティングを進めるうえで重要なポイントです。
デジタルマーケティングで困ったときは、ぜひデジマクラスへご相談ください。デジマクラスのコンサルタントが、コンテンツマーケティングに効果的なコンテンツの制作から活用までサポートさせていただきます。
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まとめ
コンテンツマーケティングには、さまざまな成功事例があります。それぞれの成功事例に共通しているのは、ユーザーファーストという点です。
ユーザーの悩みを深掘りし、ユーザーが求めているものを理解したうえでコンテンツを提供しましょう。ユーザーのニーズを満たすことを意識すれば、マーケティングの成功確率は各段に上がります。
コンテンツマーケティングの流行により、「自社にも取り入れてみたい」「広告費を削減するためにコンテンツマーケティングを取り入れたい」と考える企業も増えています。
この記事でもご紹介したように成功事例も多く、たくさんのメリットがありますが、すぐに効果が出ないというデメリットがある点に注意が必要です。
また、流行しているからといってやみくもに始めると失敗しやすいのもコンテンツマーケティングです。
まずは誰に何を伝えたいのかをしっかりと考え、消費者とのコミュニケーションツールとしてコンテンツを活用しましょう。
「どのように始めれば良いのか分からない」「社内でコンテンツマーケティングの運用体制が作れない」など、お困りの場合はぜひデジマクラスにご相談ください。