近年、ネットのWebメディアやモバイルアプリ、動画・音声メディアなどが台頭してきていることは周知の事実です。
こうしたデジタルメディアに対応するために、積極的にデジタルマーケティングを導入する必要があります。
では、具体的にはどのようにして自社にデジタルマーケティングツールを導入すればいいのでしょうか。
参考事例として、他の企業によるデジタルマーケティングの導入事例を4つご紹介します。
デジタルマーケティング導入成功のためのポイントや注意点も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
デジタルマーケティングの導入事例を解説
デジタルマーケティングの導入事例を見ていくにあたって事前に押さえておきたいことがあります。目的とメリットです。
どのような狙いをもって導入にのぞむべきなのか、まずはそのことから整理していきましょう。
デジタルマーケティングを導入する目的
デジタルマーケティングを導入する目的は、様々な層のユーザーを効率よく集客して見込み客となってもらうことです。
情報社会と呼ばれて久しい現代は情報に溢れています。テレビや新聞だけでなく、ネットを中心にメディアも多様化してきました。
そのため、すべてのユーザーを対象にマーケティングを行うことが極めて困難になってきているといえます。
今後は見込み顧客となりうるユーザーひとりひとりの心に刺さるように丁寧な宣伝や告知をする必要があるといえるでしょう。
ユーザーが普段触れているデジタルメディアを利用したデジタルマーケティングならば、そうした個別の対応も可能となります。
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デジタルマーケティングを導入するメリット
自社にデジタルマーケティングを導入するとどのようなメリットがあるのかを解説しましょう。
導入によるメリットは以下の3つに大別できます。
複数のチャネルを連動できる
デジタルマーケティングを導入することによって得られるメリットの一つ目は、複数のチャネルを連動できることです。
たとえばオウンドメディアだけでなくSNSでも宣伝の投稿を同時行うなど、様々な媒体を用いて集客できる見込みがあります。
ネット広告ひとつ取っても種類は様々なので、色々なアプローチで自社商品の宣伝ができるのです。
ユーザーのデータをリアルタイムで確認・分析できる
ユーザーの情報を集めて分析することができるのも大きなメリットです。
ユーザーがどのようなタイミングで自社サイトや広告にアクセスをしたのかリアルタイムで確認できます。
のみならずユーザーの年齢層や属性・性別・アクセスの傾向などのデータも取得・分析できるので有益さは計り知れません。
こうしたデータは具体的なペルソナの設定やより的確な宣伝アプローチなどにも大いに役に立てることができます。
業務の効率化や属人化の防止ができる
デジタルマーケティングを導入するメリット、3つ目はマーケティング業務の効率化や属人化の防止ができることです。
それまで人力で行っていた営業・マーケティング手法をデジタル化することで業務の効率を大幅に改善することができます。
またデジタルマーケティングを導入することで一部のマーケティング担当者による属人化を防ぐことも可能となるでしょう。
マーケティング業務の属人化を防ぐことができれば、マーケティング業務をマニュアル化することも可能だといえます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
デジタルマーケティングの導入事例
デジタルマーケティングの具体的な目的やメリットについてご紹介してきました。
以上を踏まえたうえで、実際に自社にデジタルマーケティングを導入した企業の例を見ていきましょう。
株式会社コムニコの事例(使用ツール:Hub Spot)
株式会社コムニコは、SNSマーケティングを戦略の立案から運用代行までの支援を行う会社です。
デジタルマーケティングを導入する前は、コムニコのマーケティングのほとんどはアウトバウンド営業でした。
アウトバウンド営業とは自社からよその企業や個人にアプローチをかける営業手法です。
しかしアウトバウンド営業で獲得できる顧客数には限界があり、そのことが大きな課題となっていました。
そんな中、代表が書籍『インバウンド・マーケティング』に触れたのを契機にマーケティングの方針転換を決意しました。
インバウンド・マーケティングとはデジタルメディアを活用して見込み客を獲得・育成するマーケティング手法です。
2013年、コムニコは満を持してデジタルマーケティングツールであるHub Spotを導入します。
そしてデジタルメディアを用いたインバウンドマーケティングを実行、見込み客を月100件も獲得することに成功しました。
またコムニコのサービス内容を知っている人からも直接問い合わせが来るようになり、営業活動の効率化が実現できました。
パーソルマーケティング株式会社の事例(使用ツール:DLPO)
パーソナルマーケティング株式会社は、企業のさまざまなマーケティング支援を行っている会社です。
「株式会社ピー・アンド・ピー」として設立され、多くの合併を経て2011年には販売・営業支援のトップ企業となりました。
その後2018年に商号を「パーソルマーケティング株式会社」に変更する際、自社HPのドメインの変更が必要になったのです。
同社は、そのドメイン変更後もWebサイトによるユーザーの成約率を維持させなければならないという課題を抱えていました。
その際に導入したデジタルマーケティングツールこそがDLPOです。
DLPOはユーザーのニーズに沿ってランディングページの最適化を行うことに特化しているマーケティングツールです。
DLPO導入後、パーソルマーケティングのWebサイトにおける月間のページ訪問者数は1.3倍近く増加しました。
結果的にパーソルマーケティングは以前よりもWebによる集客をより強くすることに成功したのです。
株式会社MS-Japanの事例(使用ツール:RToaster、Probance)
株式会社MS-Japanは国内最大級の管理部門特化型転職エージェントサービスを提供している会社です。
1990年に人材採用・教育事業として創業しました。
同社は1995年には管理部門に特化した人材紹介事業を開始し、現在ではその事業を中心としたサービスの提供をしています。
そのほかにも、現在では弁護士や公認会計士・税理士などの士業に特化した転職サービスも展開しています。
そんなMS-japanはデジタルマーケティングツールであるRToasterとProbanceを導入しました。
転職サービスの登録会員により既存の自社ポータルサイトや転職サポートを促進することが目的でした。
RToasterは顧客データの収集や分析だけでなくユーザーに合わせた情報提供によって快適な顧客体験の提供を支援します。
Probanceは顧客の趣向や好みの情報を分析し、顧客が好む情報をメッセージとして届けてくれるマーケティングツールです。
これら2つのデジタルマーケティングツールは、MS-Japanが日頃から蓄積していた顧客データを大いに活用できるものでした。
結果的に、株式会社MS-Japanは自社のサービスをより快適な顧客体験に繋げることに成功しています。
デジタルマーケティングの重要性
小学生から高齢者まで、1人につき最低1台のデジタルデバイスを持つことが当たり前の時代となってきました。
加えてメディアもコンテンツも驚くほど多種多様になり、ユーザーのニーズもどんどん細分化が進んでいます。
ターゲットを「層」ではなく「個」として捉えるマーケティング手法が有効になってきたのはそのような背景からです。
こうした中、デジタルマーケティングの導入によって、企業はそれぞれの顧客により適した提案をできるようになりました。
今後もデジタルマーケティングは時代の要請に従う形でいっそう重要なマーケティング手法となっていくことでしょう。
デジタルマーケティングを成功させるポイント
デジタルマーケティングを成功させるためにはいくつかのポイントがあります。
この項目では4つのポイントを挙げてそれぞれ詳しく解説していきます。
導入の目的・ターゲットを明確にする
デジタルマーケティングを成功させるポイント、1つ目は導入の目的・ターゲットを明確にすることです。
その点が不明確なままでは優秀なツールを使っても成果を上げることは難しいでしょう。
せっかく蓄積・分析したデータも活用できず、結果的に遠回りをしてしまいかねません。
デジタルマーケティングを導入する際は、まず導入の目的とターゲットを明確にするように心がけましょう。
目的に沿った明確な成果指標を定める
デジタルマーケティングを成功させるポイント、2つ目は目的に沿った明確な成果指標を定めることです。
たとえば顧客単価を上げることが目標の場合、顧客にリピート購入してもらうことを目標に設定します。
集客が目的なのであれば、自社サイトのアクセス数や成約率のアップを目標にすることになるでしょう。
そのような場合に、目標に対する数字やデータといった成果指標をハッキリとしておくようにするのです。
そうすることによって自社のデジタルマーケティングが成功しているかどうかがより把握しやすくなります。
効果測定による分析を徹底する
デジタルマーケティングを成功させるポイント、3つ目は効果測定による分析を徹底することです。
実行した施策がどのような効果をもたらしたかを測定し、そこからさらに分析しましょう。
デジタルマーケティングにおいて重要なのは、顧客の属性や好みを知ることです。
ユーザーに自社商品・サービスの魅力が伝わったかどうかを徹底的に検証してください。
効果の測定と顧客データの分析ができてこそ、デジタルマーケティングの成果が正しく評価できるといえるでしょう。
費用対効果を考える
デジタルマーケティングを成功させるポイント、4つ目は費用対効果を考えることです。
何でも良いからデジタルマーケティングにお金をかければ成果が上がる、というわけではありません。
一人の顧客を獲得するのにどれだけ費用がかかるかをしっかりと分析しましょう。
自社の予算に合わせて柔軟に対応することが肝心です。
デジタルマーケティングの導入に必要なもの
いたずらにデジタルマーケティングツールを導入するだけではコストの無駄遣いになってしまう危険性があります。
そのため、たとえば以下に挙げるようなスキルや能力を備えた人材は導入にあたって必要性が高いといえるでしょう。
- 創造性
- 情報分析能力
- 幅広いマーケティングの知識
- 人工知能やビッグデータを活用するスキル
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
デジタルマーケティングの導入の注意点
この項目では、デジタルマーケティングを導入する際の注意点をより詳しく解説していきます。
ポイントは3つ。導入の目的や課題の明確化・PDCAを回せる体制の構築・ツールへの投資のコントロールです。
導入の目的や課題を明確にする
デジタルマーケティングをなぜ導入するのか、それによって自社のどんな課題を解決したいのかを明確にしておきましょう。
導入の目的と解決すべき課題が曖昧なままだと、デジタルマーケティングを導入しても成果が見えづらくなってしまいます。
どのような目的でデジタルマーケティングを導入し、どのような課題を解決しようとしているのか再確認しておきましょう。
PDCAを回せる体制の構築をする
デジタルマーケティングを用いた手法で肝心なのはスパイラルアップの考え方です。
蓄積・分析したデータから施策を練り、それを実行したら必ずデータを取って結果を評価し、また次の施策へと繋げていく。
そうしたPDCAサイクルを回していくことが効果的な運用のためのベストな方法だといえます。
デジタルマーケティングの導入にあたってはPDCAサイクルを回していける体制の構築も欠かさずしておきましょう。
ツールにコストをかけすぎないようにする
デジタルマーケティングの導入にあたっては、ツールにコストをかけすぎないようにしましょう。
あまり多くのツールを導入しすぎると、自社の予算を大幅に超えてしまうこともありえます。
デジタルマーケティングのツールは多種多用で、目的も機能も実に様々です。
自社の課題を解決するのに最適なツールは何かをきちんと見極めてから導入することが肝心といえるでしょう。
デジタルマーケティングの導入に困った時は?
曖昧な知識のまま見よう見まねでデジタルマーケティングを導入・運用しても、上手くいくとは限りません。
どうかすると失敗して、逆に余計な費用や労力がかかってしまうことにもなりかねないでしょう。
もしもデジタルマーケティングの導入に困った時は、デジマクラスのようなコンサルタントに相談してみてください。
デジタルマーケティングに精通したスタッフが親身になって話を聞き、適切なアドバイスをしてくれます。
まとめ
いかがだったでしょうか。本稿ではデジタルマーケティングの導入事例や成功させるためのポイントについて解説しました。
今後、社会のデジタル化がますます進んでいくにつれてデジタルマーケティングの重要性もいっそう高まることが予想されます。
今回の記事がデジタルマーケティング導入のきっかけとなり、効率的で効果的なマーケティング戦略に繋がれば幸いです。