マーケティング戦略を考える上で、どのような方法で宣伝するか悩むことは多いのではないでしょうか。
インターネットが普及した現代では宣伝方法にもさまざまな選択肢があります。
そんな中で注目されているのがメディアミックスという方法です。
今回はメディアミックスの事例やメリットなどを詳しく見ていきましょう。
目次
メディアミックスの概要
メディアミックスという方法自体はここ最近のものではありません。
1970年代にはすでに登場し宣伝効果を発揮しているのです。
ここではそんなメディアミックスの概要をご紹介します。
商品を複数メディアで宣伝すること
メディアミックスとは、複数のメディアを使って商品を宣伝する方法のことです。
広告を配信するメディアにはそれぞれメリット・デメリットがあります。
しかし複数のメディアで宣伝することでお互いのデメリットを補うことができるでしょう。
また複数のメディアを活用すると多くの人の目に留まる可能性があります。
複数のメディアを使えばそれだけ予算がかかることが想定されます。
それでも、上手く活用すれば高い費用対効果が期待できるでしょう。
メディアミックスの媒体
宣伝に活用する媒体にはざまざまな種類があります。
効率よく宣伝をするためには目的やターゲットに合った媒体を選択する必要があるでしょう。
そこでメディアミックスで用いる媒体を種類別にご紹介します。
- インターネットメディア:メールマガジン・ブログ・Webサイト・動画配信など
- ニッチメディア:フリーペーパー・会員誌などの不特定多数を対象にする媒体
- デジタルメディア:テレビ・ラジオなどのマスメディア
- アナログメディア:新聞・雑誌・ダイレクトメール・対面・電話など
宣伝に使う媒体にはこれだけの種類があります。
しかし消費者はこれらの媒体全てに同じように触れる訳ではありません。
例えば新聞を毎日読む人もいれば、スマホで読む人・全く読まない人などさまざまですね。
また電車通勤の人は駅構内や電車内の広告を目にする機会が多いですが、電車に乗らない人は全く見ないでしょう。
このようにその人それぞれのライフスタイルによって広告に触れる機会が異なります。
メディアミックスを導入することで、多くの人の目がその商品の広告を見る可能性が高まるのです。
クロスメディアと何が違う?
メディアミックスと似ていて混同されやすいものに「クロスメディア」があります。
この2つは「複数のメディアを使って宣伝する」という部分は同じですが異なる点を押さえておきましょう。
まずメディアミックスは商品宣伝を同時多発的に複数媒体で宣伝するのが特徴です。
一方で、クロスメディアは1つの媒体で宣伝を完結させないというのがポイントといえます。
クロスメディアの事例にはどのようなものがあるか確認しておきましょう。
- テレビCMからWebサイトへの誘導
- Webサイトから資料請求への誘導
それぞれの媒体ごとのメリットを活かして情報を補完し合うのが特徴です。
またメディアミックスではほとんど同じ広告を使いますが、クロスメディアは媒体ごとの広告を使うという違いがあります。
メディアミックスの重要性
インターネットが普及した現代では、メディアミックスやクロスメディアのような複数媒体を用いた宣伝が必要とされています。
ここではメディアミックスの重要性についてチェックしてきましょう。
第一に、時代の移り変わりとともにユーザーが触れる媒体にも変化が出てきました。
テレビCMは商品の知名度を上げながら、特徴や魅力を伝ることができるメディア媒体です。
ターゲットとするユーザー層に人気の有名人を使うことで、商品がヒットすることもあるでしょう。
しかしインターネットが普及しテレビを見ない人も増えている現状があります。
いくらテレビCMを流しても、ターゲットとするユーザー層が見なければ意味がありません。
また新聞やラジオといったメディア媒体についても同じことがいえます。
これまで宣伝効果の高かった媒体だとしても、その媒体自体に触れる人が減ってしまっているのです。
その一方でインターネットは多くの人が触れる媒体となり、人々の生活になくてはならないものとなりました。
インターネットを介して新聞や雑誌を読んだり、動画や音楽を聞いたりすることができます。
そんな多くの人が見る機会のあるインターネットを活用した宣伝方法を見出していく必要があるのです。
しかし、中にはインターネットをあまり活用せず従来の媒体をメインにしている人々も少なくありません。
もしインターネットを活用した宣伝に絞ってしまうと、そういったユーザーへの宣伝ができなくなります。
そのため同じ広告であってもテレビCMと動画広告を流せば、多くの人が目にすることになります。
つまりメディアミックスは、ユーザーの各メディア媒体に対する「強い」「弱い」に関係なく宣伝できるのです。
マーケティング戦略の事例はこちら
メディアミックスの事例を紹介
メディアミックスはここ数年の間に登場したのではなく、1970年代にはすでに登場しています。
当時は小説の映画化がヒットし、映画のイメージを入れた書籍カバーを付けた原作小説が再ヒットしたというものでした。
このように、他の媒体を用いてコンテンツを広げていくこともメディアミックスの1つなのです。
コンテンツを拡大していくメディアックスの事例をご紹介します。
- ゲームのアニメ化・映画化
- 人気漫画の映画化やグッズ販売
メディアミックスでは原作の漫画ファンが映画を見るだけでなく、映画を見た人が漫画を買って読むということが期待できます。
それによって双方からの収益が見込めるということです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
メディアミックスの具体例
次にメディアミックスを活用した宣伝方法をご紹介します。
複数のメディアを用いてそのような宣伝を行うことができるのでしょうか。
テレビCMと動画
メディアミックスの具体例にはテレビCMと動画があります。
テレビCMと動画なら「どちらか一方でいいのでは?」と思う人もいるのではないでしょうか。
そこで、先ほどお伝えしたメディアミックスの重要性を思い出してみましょう。
テレビCMは基本的にテレビを見る人しか目にしません。
また動画広告はインターネットを使う人が触れることができる媒体ですね。
どちらか片方で宣伝すると、それだけ目にするユーザーが限られることになります。
しかしテレビCMと動画で宣伝すると、それだけ多くの人に広告を届けることができるのです。
Web広告とマガジン
インターネットを利用している時に多くの人がWeb広告を目にするでしょう。
Web広告はインターネットを活用した広告として、マーケティング方法に導入されることが多いです。
しかしこちらもインターネットをあまり使わない人にとっては目にする機会がありません。
また、Web広告はほとんど読まずにスキップするという人もいます。
そこでWeb広告とメールマガジンを組み合わせたメディアミックスを行った事例があるのです。
メールマガジンはユーザーが興味のある商品・企業・サービスなどに対し自主的に配信登録することが多いでしょう。
そのためメールマガジンを受け取ると、ユーザーは件名や冒頭だけでも読む人が多いのです。
そして興味があれば最後まで読み進めていくでしょう。
メディアミックスのメリット
メディアミックスの概要や事例を見ていくと、マーケティングに活用するメリットが分かってきますね。
ここではそんなメディアミックスのメリットを詳しく解説していきます。
各メディアの特徴を生かせる
複数の媒体を活用するメディアミックスでは、各メディアの特徴を活かすことができます。
例えばテレビCMであれば同じ時間帯にCMを流すことができ、視聴者が何度も目にする機会があるということです。
また有名人を登用することで商品のイメージアップという効果を得られます。
そしてWeb広告ならインターネット上のデータを活用した広告配信が可能になるでしょう。
このように複数のメディア媒体を使えば、それぞれのメディアの良いところを活かすことができるのです。
多くの人に広告の内容を伝えられる
メディアミックスは多くの人に広告の内容を伝えられるメリットがあります。
広告に使う媒体を限定すると、それだけ広告を目にするユーザーが絞られることになるでしょう。
しかし複数のメディアを活用することで、それぞれのメディアに対して触れるユーザーが出てくるのです。
つまりそれだけ多くの人に広告の内容を伝えることができます。
人々の記憶に残りやすい
人々の記憶に残りやすいこともメディアミックスのメリットの1つです。
複数のメディアで宣伝をするため、それだけ広告を目にする機会が増えるでしょう。
1つの媒体で複数回目にすることもあれば、複数のメディアで広告を見ることもあります。
例えばテレビCMで目にした広告を、動画共有サイトの動画広告として見るということです。
別の媒体で広告を見ることで、記憶に残りやすくなるといえるでしょう。
複数回見かけるうちに「面白そう」「これ何だろう?」と興味・関心を抱くユーザーもいるのです。
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メディアミックスで成功するポイント
メディアミックスにはメリットがたくさんありますが、ただ闇雲に導入する訳にはいきません。
複数のメディア媒体を使う分コストがかかるので、費用対効果を出すマーケティングを行いたいですね。
ここではメディアミックスで成功するポイントをご紹介します。
CPAだけを評価基準にしない
マーケティングを行う中で何を評価基準にするか悩む担当者もいるのではないでしょうか。
評価基準として使われるものとしてCPA(Cost per Acquisition)が有名です。
CPAは新規顧客を獲得する時に、1人あたりいくらのコストがかかったのかを示すものです。
いわゆる「コストパフォーマンス」のことですね。
メディアミックスの場合はこれだけを評価基準にしない方がいいでしょう。
複数のメディアを利用して宣伝しているため幅広い視野で評価しなければならないからです。
そもそも新規顧客が複数のメディアで広告を見ていた場合、何をきっかけに購買行動に至ったのか分からないこともあるでしょう。
メディアミックスをマーケティングに利用する時は全体的な費用対効果で評価することが求められます。
ユーザーを考える
メディアミックスを成功させるためにはユーザーを考えることも大切です。
まずどのようなユーザーをターゲットにするのかを明確にする必要があるでしょう。
そしてそのユーザー層が触れる機会が多いメディア媒体を検討するのです。
また年齢や性別にこだわらず多くの人に広告を見てほしいという場合もあります。
さまざまなメディアを組み合わせてユーザーに届く広告を打ち出しましょう。
メディアミックス導入の注意点
メディアミックス導入時にはどのようなことに注意が必要なのでしょうか。
費用対効果を上げるためにも注意点を把握しておきましょう。
適切なメディアを選択する
メディアミックスで複数のメディアを利用する時には、何を選択するかを見極める必要があります。
単にいくつかのメディア媒体を組み合わせればいいというものではありません。
広告にかかる費用やユーザーも含めて適切なメディアを選択してください。
メディアの特徴を理解する
メディアを選択するのに重要なのはそれぞれのメディアの特徴を理解することです。
利用するメディアのメリット・デメリットを把握しておきましょう。
そこで同じメリット・デメリットをもつメディアを選択しないようにしてください。
メディアミックスの良いところは、それぞれのデメリットを補い合えることです。
メリットを活かしデメリットを補うためにも、メディアの特徴を理解しておきましょう。
どこを訴求するかを考える
マーケティングではどのように商品やサービスをアピールするのかが重要となります。
メディアミックスを導入する時にもどこを訴求するのかを考えなければなりません。
ユーザーの購買意欲を高めるためにどこを訴求するか明確にしておきましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
DMを活用したメディアミックス戦略
DM(ダイレクトメール)は個人に向けて送られる宣伝用の印刷物やメールのことをいいます。
過去の購買履歴やユーザーの興味・関心が反映されるため、マーケティングで活用する方法の1つです。
しかし個人に印刷物を送る方法はどうしても費用がかかってしまうでしょう。
そんなDMですがメディアミックスとの相性がいいため組み合わせて使われることが多いです。
例えばテレビCMとDMを組み合わせや、Web広告とDMの組み合わせがあります。
テレビやWebサイトで見かけた広告が自分の元に届くことで、興味が湧く可能性があるでしょう。
そのためメディアミックス戦略でDMが使われることが多いのです。
マーケティング戦略の事例はこちら
メディアミックスで悩んだら
メディアミックスは多くの人々に広告をアピールすることができる方法です。
しかしどのようなメディアを選択すればいいのか、どのように評価べきか迷う担当者も多いのではないでしょうか。
複数のメディアを利用するため、闇雲に広告を出す訳にはいきません。
費用対効果を意識したマーケティングが求められるのです。
もしメディアミックスで悩むことがあればコンサル会社に相談することをおすすめします。
コンサルタントに相談しながら効果的なメディアミックスを実践しましょう。
まとめ
今回はメディアミックスの事例やマーケティングにおけるメリットについてご紹介しました。
メディアミックスは複数のメディアを利用して宣伝を行う方法です。
それぞれのメディアのメリットを活かしながら、デメリットを補うことが期待されます。
しかし複数のメディアを利用する分コストもかかるので適切な選択が求められるでしょう。
ポイントや注意点を押さえて費用対効果の高いメディアミックスを実践してください。