顧客関係の管理を効率化するCRMコンサルタントに求められる能力や年収を知りたいと考える方もいらっしゃるかもしれません。
転職を検討する上で仕事内容やキャリアパスを知ることは重要です。
この記事ではCRMコンサルタントの仕事内容を解説します。
あらかじめ仕事内容や必要な能力を知っておくことで、転職活動の指針の決定にもつながるでしょう。
CRMコンサルタントに求められる能力や年収・キャリアパスも紹介しますので参考にしてください。
目次
そもそもCRMとは?
CRMは「Customer Relationship Management」のことであり、顧客への上質なサービスの提供です。
顧客のデータを管理することだと考えられがちですが、その本質は顧客との関係を構築して利益を最大化することにあります。
CRMのツールもありますが、この本質を見失ってしまっては本来の目的を達成することは難しいでしょう。
CRMコンサルタントへの転職を考える際には、CRMの本質を理解することも大切になります。
CRMのコンセプトや重要性を紹介しますので参考にしてください。
CRMのコンセプト
CRMは顧客の情報をデータベース化して管理するだけの業務ではありません。
他にも問い合わせの内容や商談状況を細かく記録することで、顧客へのアプローチを導き出します。
どんなタイミングで顧客にアプローチを行うのが良いかが分かれば、契約のチャンスを逃すこともありません。
また顧客の取引内容を記録しておくことで、自社に利益をもたらしてくれる上位顧客の選別も可能になります。
CRMを行えば上位顧客へ向けた特別なキャンペーンの実施などをフォローすることもできるのです。
このようにCRMは単なる顧客情報の管理で終わるのではなく、顧客との関係を構築し活かしていくものだということが分かります。
既存顧客をしっかりと囲い込む重要性
少子高齢化や人口減少が進む社会では、新規顧客を獲得するために多くのコストが必要になります。
これにより既存顧客をしっかりとケアして囲い込むことが重要だという認識が広がっているのです。
また近年、顧客の価値が「モノを所有すること」から「体験」に変化してきています。
そのため新規顧客に売って終わりという営業方法が変化してきているのです。
CRMは自社のサービスを購入した顧客を既存顧客として情報を所有することで、長期的な関係を構築することが重要になります。
既存顧客をしっかりと囲い込むことで長期的に利益を得ることができるのです。
CRMコンサルタントの仕事内容
CRMコンサルタントの仕事はクライアントの顧客管理業務の効率化やその支援だけではありません。
CRMの本質と同様に、顧客情報を用いてクライアントの利益の最大化などを支援することにあるのです。
CRMコンサルタントは所属するプロジェクトによって様々な業務を行います。
クライアントの状況を考えながら、問題点に対して包括的に対応していくのです。
この章ではCRMコンサルタントの仕事内容を紹介しますので参考にしてください。
CX戦略の立案
CXはカスタマーエクスペリエンスのことであり、顧客が体験する価値のことを指します。
企業は商材をただ販売するだけではありません。
企業の商材を購入することで得られる体験の価値を良いものにすることで、顧客の満足度を高めることができるでしょう。
高い満足度を得た顧客は企業へ信頼を寄せるようになり、長期的な優良顧客となります。
現状を把握してペルソナを設定し、具体的な戦略を立案するのもCRMコンサルタントの仕事です。
経営戦略の立案
経営戦略の立案もCRMコンサルタントの仕事のひとつです。
クライアントは、おかれている状況や事情が全て違います。
そのため経営戦略もクライアントやプロジェクトごとにマッチしたものを提案しなければなりません。
また顧客の求めているものも多様化してきています。顧客の立場に立った戦略を立案するのもCRMコンサルタントの役割です。
チャネル最適化
チャネルは顧客を集めるための媒体や経路のことです。
広告やWebサイトなど、顧客は多くの媒体から情報を得ています。
インターネットが発展した社会では毎日多くの新しい情報が顧客の手元に届くのです。
顧客は自分自身でチャネルを選び多くの情報を得ることができるようになりました。顧客が求める情報のレベルは上がっているのです。
顧客が求めるレベルの情報提供の調整であるチャネルの最適化もCRMコンサルタントの仕事といえるでしょう。
情報を求めている顧客は不安や悩みを・疑問を抱えています。
その悩みや疑問を解決できるような情報を提供することで顧客のロイヤリティが上昇するのです。
そのためにもチャネルの最適化が必要になります。
セールス改革
利益の効率化を考える際に重要になるのが営業活動の改善です。営業活動を最適化することで効率の良い営業ができるでしょう。
自動化できる箇所があれば自動化の提案を行います。
また自動化や高速化だけにとどまらず、営業そのものの意識改革などを促すのもCRMコンサルタントの仕事です。
顧客のニーズにマッチするような営業方法を立案することによりセールス改革を促していくことになります。
DX支援
DXはデジタルトランスフォーメーションのことです。
進化したデジタル技術を利用してビジネスに改革をもたらすことだといえるでしょう。
クライアントには従来なかったサービスを生み出すことができれば既存顧客にとって新たなアプローチができます。
サービスのプロセスを再構築することで、生産性を向上させることができるかもしれません。
業務そのものを見直すことがクライアントの利益につながる可能性もあるでしょう。
このようにDX支援を行うこともCRMコンサルタントの仕事になります。
DX化の事例はこちら
CRMコンサルタントに求められる能力
クライアントの抱える問題を包括的に支援するCRMコンサルタントに求められる能力を紹介します。
多角的な提案や支援を行うことから、問題点に対して諦めないで思考する粘り強い精神力が必要になるでしょう。
他にも論理的思考やコニュニケーション能力などCRMコンサルタントには多くの能力が必要なのです。
この章ではCRMコンサルタントに求められる能力を紹介します。自分の持つ能力がどこに活かせるかを考えてみてください。
論理的思考能力
氏名や年齢はもちろんのこと問い合わせの内容や購入率・担当者の氏名や連絡先などCRMは多くの顧客情報を取り扱います。
顧客情報を分析して今後の戦略を立案する必要があるのです。
そのためCRMコンサルタントは膨大な情報を取り扱う論理的な思考能力が必要になります。
情報を的確に分析して顧客の傾向を可視化することで営業などに活かせるのです。
感覚や勘で営業活動を行っているクライアントに説明するためにも、論理的思考能力が必要になるでしょう。
コミュニケーション能力
CRMコンサルタントは様々な部署の人と関わることになります。そのため各部署とのコミュニケーションは重要なポイントです。
適切に情報のやり取りができなければ正しい意図が伝わりません。
CRMを行うためには適切な施策をクライアントの社員が実践する必要があるのです。
いくら良い戦略やアイデアを立案したとしても、想定通りに実行されなければ効果が現れることはありません。
クライアントの各部署とコミュニケーションを取りながら、意図を理解してもらうことが大切です。
プロジェクト推進力
CRMコンサルタントは自分自身で状況を見据えて何をすべきかを考えます。
指示を待っているだけではプロジェクト進みません。
クライアントがどのような問題点を抱えているかを見抜き、それに対する戦略を立案するのがCRMコンサルタントです。
クライアントの状況を分析して情報を精査し判断するためには、自分自身で考えて行動する必要があります。
CRMコンサルタントには、自分自身で提案をしてプロジェクトを進めていく推進力が必要になるのです。
広い視野と知見
ひとつの技術の導入を促すだけではCRMコンサルタントとはいえません。
顧客の立場でクライアントの戦略を分析する力や、クライアントの経営戦略の判断など広い視野が必要になります。
また的確な戦略を立案するためには幅広い知見も必要になるでしょう。
情報を分析してそこから戦略を考え出すためには多くの知識が必要です。
広い視野と知見を持つことにより、的確な戦略を立案することができるようになります。
新しい情報の応用力
CRMの戦略は常に変化していきます。
顧客の手元に届く情報は常にアップデートされ、ニーズも日毎に変化するでしょう。
そのため新しい情報を取り入れて戦略を考える必要があるのです。
顧客の興味を引くことのできる戦略を立案することでクライアントの利益を増加させることができるでしょう。
CRMコンサルタントには新しい情報を応用して戦略に反映する能力も必要なのです。
・数値を正しく分析する理論的思考力
・クライアントとコミュニケーションをとる能力
・自ら考えて動くプロジェクト推進力
・広い視野と知見
・日々アップデートされる新しい情報の応用力
CRMコンサルタントの年収・キャリアパス
CRMコンサルタントの年収は立場やクラスによって大きく幅があります。
経験や実績でも評価は大きく左右される職種です。
コンサルタントクラスで400~700万円程度だといわれています。クラスが上がると当然年収も増加するでしょう。
マネージャークラスでは1,000万円前後、パートナークラスになると2,000万円近くの年収の方もいらっしゃいます。
また年齢別のキャリアパスはこのような例もありますので参考にしてください。
- 20代前半・コンサルタントクラス
- 20代後半・シニアコンサルタントクラス
- 30代前半・マネージャークラス
DX化の事例はこちら
CRMコンサルタントの労働環境
CRMコンサルタントは多くの業務が頭脳労働です。
短期間でクライアントの状況を知るための知識を身につけ、分析や戦略立案を行います。
そのため戦略を常に頭の中でシミュレーションしてしまう人にとっては、時間外労働も増えていくでしょう。
クライアントへ提出するデータを信頼できるものとするためには、多くの情報を取捨選択しなければなりません。
コミュニケーション能力を活かしてクライアントと話し合い要望を引き出す時間も必要です。
納期が近づくと時間外労働が増える傾向にあります。
しかしこれらの業務は、クライアントのために良い施策を出そうとするプロジェクトのメンバーとともに行うことが多いです。
プロジェクトのメンバーから良い刺激を受けて自分自身の能力を高めていくことができる労働環境だといえるでしょう。
CRMコンサルティングの有名企業
CRMコンサルタントが活躍する企業を紹介します。
総合系のコンサルティングファームやSIerなど多くの企業でCRMコンサルタントは活躍しています。
総合系コンサルティングファーム
総合系コンサルティングファームは以下のような企業が挙げられます。
- デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
- アクセンチュア
- クニエ
- アビームコンサルティング
- シグマクシス
- 日立コンサルティング
戦略コンサルティングから業務コンサルティング・ITコンサルティングまで総合系コンサルティングファームの規模は大きいです。
SIer系
システム・インテグレーターは顧客の要求に従いシステムを開発して導入する企業のことです。
コンサルティングからシステムの構築までを導入することができる強みがあります。
SIer系の有名企業は以下のようなものがあります。
- フューチャーアーキテクト株式会社
- 株式会社電通国際情報サービス(ISID)
- 株式会社ビジョン・コンサルティング
CRMコンサルティングのプロジェクト事例
実際にCRMコンサルティングのプロジェクトにはどのような事例があるのか気になる方もいらっしゃるかもしれません。
CRMコンサルタントがどのようなプロジェクトを手掛けるのかを知ることで転職の指針になることもあるでしょう。
CRMコンサルティングのプロジェクト事例には以下のようなものが挙げられます。
- 輸送機器メーカーでのグローバル生産革新支援
- 販売や生産と物流の拠点一体のSCM改革
- DXを加速するITプログラムの導入
多くの企業で新しい技術や情報に対応しようとする動きがあるのです。
そのためコンサルティングプロジェクトを立ち上げ課題解決を行っています。
CRMコンサルタントになるには
CRMコンサルタントになるには、CRMの理解や営業・マーケティングの知識が必要です。
ひとつの部署の改善だけに注力せず、幅広い視野でクライアントの問題に包括的に対応しなければなりません。
IT関連の知識を持っていると優遇されることがあるでしょう。
CRMコンサルタントになるために必須の資格はありません。
しかし幅広い知識や能力が重要になりますので、ソリューションの資格があれば転職で有利になる場合があります。
グローバルなプロジェクトを手掛けている企業への転職を希望するのであれば語学に関する資格も役に立つことがあるでしょう。
DX化の事例はこちら
CRMコンサルタントの転職を考えるなら
CRMコンサルタントになるためには幅広い知識や多くの能力が必要になります。
自分の能力の中で何が活かせるのか疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
CRMコンサルタントの転職を考えるならデジマクラスにご相談ください。
どのような能力が活かせるのか・今何が必要かを一緒に考えていきましょう。
不安や疑問を抱えて転職活動を行っても、十分に力を発揮することはできません。
デジマクラスとともに不安や疑問を解消して転職活動を成功させましょう。
まとめ
CRMコンサルタントはクライアントの状況を知り、情報を分析して戦略の立案を行う仕事です。
多くの知識や知見が必要であり、自分を高めていくような刺激を得られる業務になるでしょう。
CRMコンサルタントの転職についての疑問や不安があればデジマクラスにご相談ください。
不安や慰問を解消して、効率的な転職活動を行いましょう。