ビジネスにおいてマーケティングの意味は幅広く、広告宣伝やリサーチ、データ分析など多くの要素が含まれています。

商品の販売や開発などで、顧客のニーズを汲み取り適切なターゲットに向けて訴求するにはマーケティングのスキルが重要です。

今回は、そのマーケティングスキルを客観的に証明できるマーケティング・ビジネス実務検定の資格についてご紹介します。

資格の内容や取得難易度などについて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

受験するメリット

ポイント 男性

マーケティング・ビジネス実務検定の資格を取得するメリットはどういったものがあるのでしょうか。

代表的なメリットを3つご紹介します。

市場動向や消費者ニーズの読み解き方が分かる

デジタルグラフ

マーケティング関連の職業にとって市場や消費者の流れを掴むことは重要なポイントです。

資格に必要な知識を学ぶことで、市場動向消費者ニーズを正しく読み取る力を身に付けることができます。

市場動向を読み取りニーズを探るには、さまざまな情報媒体の中から取捨選択する必要があるのです。

多くの情報の中から特に重要となるものを抜き出すためには、専門的な知識を学び正しく読み取る力が重要となります。

流通チャネルや関連法規の知識を得られる

ショッピング イメージ

マーケティングの知識を学ぶと、ターゲットに訴求する効果的な流通チャネルを見つけ出す力も身に付けられます。

これは営業職などのマーケティングと深く関わる職種だけでなく、企画や分析、ITの部門でも大いに役立つ技術です。

情報媒体が多種多様に広がる昨今では、優れた商品を開発できたとしてもその情報を効率よく消費者に届けなければなりません。

そのためにも流通チャネルについての知識を持ち、併せて関連法規の知識を持つことは大きなアドバンテージとなるでしょう。

転職の際にアピールになる

笑顔の面接官

この資格では、マーケティング実務の知識を総合的に取得するための試験となっています。

そのため資格取得ができれば、未経験からこの業界を志望した場合でも必要知識が身に付いていることを示せるでしょう。

また、受験資格などは設定されていないので誰でも受けることができます。

そして、3種類のレベルに分かれているので段階的に知識を身に付けていくことも可能です。

高難度の資格を取得できれば、それだけ高度な知識を会得していることを客観的に証明することができるでしょう。

 

ワンポイント
・市場動向や顧客ニーズを正しく読み取れる技術がつく
・効果的な流通チャネルを見つける力や関連法規の知識がつく
・必要知識があることを転職でアピールできる

 

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受験がおすすめの職種

笑顔の男性

この資格取得が活かせる職種として挙げられるのは、まずはマーケティング職でしょう。

商品企画を行うマーケティング職では、業界の動きを正確に読み取り製品開発に結び付ける力が重要です。

開発した商品をどう売り込んでいくか計画することも、その商品の売上を大きく左右することにもなります。

流通チャネルや関連法規の知識は、マーケティング職の現場で大きく求められるものなのです。

他には、営業職もこの資格と深く関わる職種となります。

商品やサービスの販売を主に行う営業職では、顧客が求めている情報に敏感でなければなりません。

それにはマーケティングの知識を身に付け、顧客のニーズがどこにあるのかを探る力が必要とされます。

もともと顧客にニーズがあるものを売る販売職とは違い、営業職は価値を共感してもらいニーズを作り出す力が必要です。

新たなニーズを見出すには、市場動向を読み取り消費者の流れをくみ取るマーケティング力が求められるでしょう。

 

ワンポイント
商品企画を行うマーケティング職や、商品の販売を行う営業職などに活用できる。

マーケティング職に資格は必要?

手書きのはてな

マーケティング職に必ずしも資格は必要ではありません。

しかし、必要な知識を身に付けていなければ務められない職種であることは間違いないでしょう。

特に未経験などでゼロから目指す場合には、資格取得を行いノウハウを学ぶことは非常に効果的な方法といえます。

現場の実務でも学べますが、資格勉強を行い自ら知らない知識を学んでいくほうがはるかに早く技術が身に付けられるでしょう。

専門用語も多く使用される職種であり、知識量によって仕事の質も大きく変わるので資格取得は重要な要素といえます。

検定の種類と難易度

本とメガネ

マーケティング・ビジネス実務検定では難易度別に3種類の試験が用意されています。

それぞれの試験の特徴についてご紹介しましょう。

C級

C級がもっとも易しい難易度となっており、マーケティングの基礎を学ぶ資格となっています。

マーケティング業務の基本となる定型業務を行う上での必要な知識を問われる試験内容です。

すべての難易度共通でマーケティング知識マーケティング事例の2つの分野から出題されます。

C級ではマーケティング知識から1時間30分の試験時間で全50問出題され合計点が150点です。

マーケティング事例からは45分の試験時間で22問出題され合計点が50点となっています。

2科目合計200満点中80%160点が設定されている合格の基準点です。

B級

B級は基礎から進んだ内容で、マーケティング業務の運営を行える応用レベルとなっています。

すでに実務を行っていれば問題なく答えられるレベルですが、これから学び始める人にとってはややレベルの高い内容です。

マーケティング知識からはC級と同じく50問ですが、試験時間が1時間45分と長くなり合計点が200点となります。

マーケティング事例からは20問の出題ですが、これも試験時間1時間と長くなり合計点も100点とC級より高い設定です。

B級の合格基準点は、2科目合計300点中の70%である210点で設定されています。

A級

最上位レベルのA級の試験では、マーケティングスキルを応用するだけでなく戦略的に施策を立案できるレベルとなっています。

より実践的なスキルが問われる試験であるため、取得できれば転職時にも大きくアピールできるレベルでしょう。

マーケティング知識からは45問、試験時間は1時間30分、合計点は150点です。

マーケティング事例からは25問の通常問題に加えて、マーケティング戦略を問うケーススタディの記述問題が1問出題されます。

マーケティング事例全体で試験時間1時間40分、合計点150点と共にB級よりもボリュームが上がっているようです。

合格基準点は公表されていませんが、それぞれの分野共に高度な内容となっているので取得ハードルも容易ではないでしょう。

 

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出題内容の例や傾向

黒板 指さしポイント

それぞれの難易度別の具体的な出題内容の例や傾向について解説します。

C級の出題内容

  • マーケット・インとはどういった基本理念であるか
  • サプライチェーン・マネジメントはどういった戦略であるか

マーケティング関連の業務に就いていなくても聞きなじみのあるキーワードについての出題が主体となっています。

マーケティングの基本となる用語について一通り学んでおくと安定して合格できるレベルでしょう。

C級の試験では、〇×を選ぶ正誤式択一式の出題形式が主なものであり内容を完全暗記しなくても正解を導くことができます。

B級の出題内容

  • 市場において差別化戦略を使って業界トップを目指す内容についてふさわしい方針を選べ
  • 消費者のブランドのスイッチが頻繁に行われる中で、通年で成果を挙げブランド構築に成功した理由を選べ

C級の問題レベルよりも一段踏み込んだ内容となっており、実際の業務にも直結するような出題内容となっています。

用語の意味を覚えるだけでなく、実際の現場でどういった使われ方をしているかまで理解しておく必要があるでしょう。

出題方法はC級同様に択一式の問題を中心として、用語や数値を問う穴埋め問題などもあります。

A級の出題内容

  • インターネットの普及で消費者の購買行動が変化してきたが、アイサスモデルではどういったプロセスとなるか
  • サービス・マーケティングの7Pをあげ、それぞれの「P」ごとの具体的な取り組みを記述せよ

A級の試験となると、出てくる用語もより専門的な内容となっています。

実際の現場でも現実的に使われる可能性の高い、売上計画から広告宣伝費を算出するような計算問題の出題もあるようです。

また、マーケティング事例の分野からの出題では、それまでのレベルではなかった記述問題が出題されます。

択一式の問題では用語の概要について押さえておけば答えられますが、記述式の場合はさらに深い知識が必要となるでしょう。

合格基準点も他のレベルのように公表されていないので、しっかりと得点できる準備をしなければなりません。

マーケティング・ビジネス実務検定の勉強方法

ポイント

この資格の勉強方法はいくつかありますが、もっとも一般的になるのは参考書過去問を使い独学で学ぶ方法でしょう。

それぞれの難易度別で協会が参考書を発行しており、各分野の出題範囲の内容が細かくまとめられています。

過去に試験で使われた問題集も発行されているので、実際の問題の出題方法も確認することができるのです。

ただし、B級・C級の試験は年に3~4回実施されているのに対してA級の試験は1回しか開催されていません。

そのため、過去問の数も少ないので対策を立てる上では注意が必要でしょう。

他には、B級・C級の試験対策として協会発行の参考書をベースにした通信講座も行われています。

動画で講師の解説付きで学習できるので、参考書の文章だけで学ぶよりも学習効率が上がるでしょう。

Webでの通信講座で行われているので、自分の都合の良い時間で集中して学習できるのもメリットとなります。

 

ワンポイント
・協会発行の参考書や過去問を使った独学の方法
・Webでの通信講座も行われている

資格取得にかかる時間の目安

時計

資格取得に必要となる時間の目安は、B級・C級であればおおよそ30~50時間となるでしょう。

事前の知識量によっても変わりますが、知識ゼロの状態で始めても1~2ヶ月程度の学習時間で取得を目指せます。

目安としては、平日に1時間程度休日で3~5時間学習時間を確保できれば1~2ヶ月の期間で出題範囲の学習が可能です。

A級になるとマネジメントレベルの戦略立案や判断業務ができる知識量が求められます。

出題範囲も他のレベルのように用語などの知識だけでなく、時事問題や事例についての出題もあるのです。

そのため、メインテキストや問題集の学習だけでなく新聞や統計資料についても目を通す必要があります。

学習範囲が幅広くなるため、必要な時間数も3ヶ月程度を見込んでいたほうが良いでしょう。

ですが、B級・C級と段階的に学んできた方や、すでに実務についた状態で取得を目指す場合などではこの限りではありません。

資格取得のためだけでなく、実務に活かすことを視野に入れ積極的に情報を取り入れる意識を持つと学習もはかどるでしょう。

 

ワンポイント
資格勉強にかかる時間はB級・C級で1~2ヶ月程度、A級で3ヶ月程度が目安となる。

その他のおすすめな資格

ノートパソコン

マーケティング関連の資格は、他にもいくつか用意されています。

その代表的な例についてご紹介しましょう。

ネットマーケティング検定

ネットマーケティング検定は、インターネットを使ったマーケティング全般の知識や方法論の知識を認定する試験です。

この資格は、マーケティング業務の中でも特にWeb担当者におすすめの資格となっています。

取得難易度も比較的簡単であり、ネットマーケティングの知識だけでなく時事問題に関しても出題されているようです。

これからネットマーケティングを活用した職種を目指す方だけでなく、現状の知識を確認する意味で取得する方もいます。

Webアナリスト検定

Webアナリスト検定は、アクセスログ解析の基本やWebサイトの問題点や改善方法を学べる資格となっています。

この資格もマーケティングの中でもWebを中心とした活動を行う方に向いている資格です。

Webの解析では必要不可欠となる、Googleアナリティクスを使ったデータ分析方法を学ぶこともできます。

合格率も高く取得難易度はそれほど高くないので、Webマーケティングを目指す方には取得しやすい資格でしょう。

Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)

Googleアナリティクス個人認定資格はWebアナリスト検定同様に、Web解析の技術を認定する資格となっています。

中でもGoogleアナリティクスの運用方法が中心となっており、仕組みや機能、活用方法についての知識が問われる試験です。

取得することで、Web運営で重要なGoogleアナリティクスを使ったアクセス解析のスキルを証明することができます。

資格の有効期限は1年で更新には再受験が必要となりますが、受験料が無料となっており何度でも受け直せるのです。

試験様式もすべてオンラインで受験可能となっているので気軽に受験することができるでしょう。

Google広告の認定資格

Google広告の認定資格は、Googleが公式に公開している広告に関する知識や理解力について認定する資格です。

試験科目が検索広告やディスプレイ広告などの6種類に分かれており、それぞれの広告についての知識が問われます。

一口にWeb広告といっても、検索サイトの横に表示させるものや動画の間に差し込むものなどさまざまです。

効率的に広告を出稿するには必要な知識やノウハウを持つことが重要となります。

Googleが公式認定している資格であるため、その信頼度も高く媒体の最新情報の理解を示せるでしょう。

この資格もGoogleアナリティクス個人認定資格同様に、資格の有効期限が1年に設定されていて受験料は無料です。

ネットショップ検定

ネットショップ検定は、ECサイトの運営や制作などの技術を認定する資格です。

ネットショップ市場は近年急激に伸びてきており、EC事業への注目度も年々上がってきています。

さまざまな事業者が参入しており、中には違法な手段を使って販売を行うサイトも増えているようです。

優良なネットショップの運営を対外的にアピールするには、関連法規や知識についての理解が必要不可欠でしょう。

実践的な知識を問う問題が多く、実務に直結する技術を身に付けることができます。

試験は全国のCBTテストセンターで随時受験可能です。

 

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マーケティングの転職を考えているなら

相談を受ける女性

マーケティング関連職は知識の取得が必要不可欠な職種です。

未経験からマーケティング関連職への転職を目指した場合などでは、資格の取得は有効な手段となります。

しかし、知識を身に付け有効な資格を取得できれば必ず転職を成功させられるとは限りません。

資格取得についてはほとんどの情報が一般公開されていますが、転職での企業情報はすべて公開されていないのです。

募集要項については転職サイトでも公表されていますが、企業の実情などは調べても外部からは分かりづらい情報でしょう。

転職で悩みがある場合や、より多くの情報を求める場合にはデジマクラスにご相談ください。

デジマクラスでは一般公開されていない情報も把握している場合があり、自力で探す以上の情報が得られます。

幅広い業界の知識を持っているため、未経験職種へ転職する場合でも有力な相談相手となり多くの情報を聞くことができるのです。

まとめ

男女のビジネスパーソン

マーケティング・ビジネス実務検定は、一通りのマーケティング知識を保有していることを対外的に示せる有効な資格です。

資格難易度も3段階に設定されているため、未経験の状態から勉強を始めても段階を踏んで学びやすくなっています。

資格ハードルもそれほど高くなく、学習にかかる時間も1~3ヶ月程度であるため働きながらでも取得を目指せる資格でしょう。

またマーケティング関連の資格は他にもいろいろとあり、Web広告やECサイトなど目指す職種ごとで取得すべき資格は変わります。

取るべき資格や転職に悩みがあれば、転職エージェントなどのコンサルティングを活用することがおすすめです。

より多くの情報を集め、資格取得後の転職の成功率も上げていきましょう。