ホワイトペーパーとは自社商品・サービスに関する情報のうち顧客の問題解決に寄与できるものをまとめた資料のことです。
コンテンツマーケティングにおいては見込み客を獲得するための有効な手段として広く知られています。
しかし他社がホワイトペーパーをどのように活用しているか具体的には知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では4つの企業をピックアップしてホワイトペーパーの活用事例をご紹介します。
ホワイトペーパーを作成するメリットや活用方法、発信方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ホワイトペーパーの事例を解説
本稿ではホワイトペーパーを活用している企業として4社を挙げてご紹介します。
株式会社キーエンス・株式会社リンクアンドモチベーション・Mtame株式会社・株式会社ネクストアドの4社です。
4社はいずれも特徴的なホワイトペーパーの用い方をしており、活用方法の多様さを示しているといえるでしょう。
他社のホワイトペーパーの活用事例をチェックして、自社の商品・サービスに応用できないか検討してみてはいかがでしょうか。
リードナーチャリングの事例はこちら
ホワイトペーパーを作成するメリット
活用事例を紹介する前に、ホワイトペーパーを作成するメリットについて再確認しておきましょう。
ホワイトペーパーは主にリード獲得とリードナーチャリングにおいてその効果を発揮します。
リードとは見込み顧客のこと。自社の顧客となる可能性のある存在で、獲得のためには様々な努力を払わなければなりません。
獲得したリードが顧客となってくれるよう導くことがリードナーチャリングです。
またホワイトペーパーによる情報提供を通して顧客との間に信頼関係を築いていくことも可能となります。
事例①:株式会社キーエンス
株式会社キーエンスは大阪府に本社を置く電気機器メーカーで、自動制御機器や光学・電子顕微鏡などの製造販売を行っています。
世界44カ国・200もの拠点で事業を展開する東証1部上場の大企業です。
TOPIX Core30の構成銘柄の中の1社としてご存知の方も多いのではないでしょうか。
キーエンスのホワイトペーパーはどのようなもので、どういった活用方法を取っているのか見てみましょう。
多数のホワイトペーパーを公開
キーエンスのホワイトペーパーはその公開本数の多さで広く知られており、技術資料だけでも1,500件以上あります。
公開されている技術資料は例えば次のようなものです。
- 精密研磨エッチング形状解析事例
- 中小企業経営強化税制の活用のすすめ
- 幾何公差の測定がサクサク進む新しい三次元測定機
毎月、複数ある事業部がそれぞれ新しい技術資料を作っているため、新しいホワイトペーパー作りが次々生まれてきます。
業界上位に位置する企業が作る技術資料なので非常に価値が高く、ダウンロードする顧客が後を絶ちません。
ホワイトペーパーの特徴
キーエンスのホワイトペーパーは顧客の知りたい情報で構成されています。
複数ある事業部が顧客の要望を吸い上げ、精査して技術資料にするべきものを選び出し、ホワイトペーパー化しているのです。
顧客のために惜しみなく情報提供する姿勢が、回り回って自社の利益を増大させている良い例といえるでしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
事例②:株式会社リンクアンドモチベーション
株式会社リンクアンドモチベーションは東京都中央区に本社を置く経営コンサルティング会社です。
経営学・心理学・行動経済学・社会システム論を統合した「モチベーションエンジニアリング」を営業コンセプトとしています。
人材・組織開発、人材採用などの領域でサービスを展開する同社はどのようなホワイトペーパーを公開しているのでしょうか。
カテゴリを絞ったホワイトペーパーを公開
リンクアンドモチベーションのホワイトペーパーは「入門書」「事例集」「トレンド」の3つにカテゴリを絞って公開しています。
「お役立ち資料」という項目の下にそれらのカテゴリが配されており、顧客は知りたい情報を探しやすくなっているのです。
組織改善に関するヒントや最先端の組織変革事例まで、各カテゴリのホワイトペーパーの内容は実に多様だといえるでしょう。
ホワイトペーパーの特徴
リンクアンドモチベーションのホワイトペーパーは見た目に統一感があります。
複数のホワイトペーパーを公開する場合、このようにデザインを統一すると顧客にとって好印象です。
ダウンロードページの各ホワイトペーパーに内容の要約が併記されていることも顧客の利便性を高めているといえるでしょう。
こうした細部へのこだわりが信頼感の醸成に繋がり、顧客との良い関係を築くことにも繋がっているのです。
事例③:Mtame株式会社
Mtame株式会社は東京都新宿区に本社を置く、デジタルマーケティング分野のトータルソリューションを請け負う企業です。
Mtame株式会社はマーケティング・広告・営業担当者のサポートを目的とした資料ダウンロードサイトを設けています。
マーケティング資料・広告媒体資料に関してお世話になったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなMtame株式会社のホワイトペーパーに関して具体的に見ていきます。
チェックリストを含むホワイトペーパーを公開
Mtame株式会社のホワイトペーパーにはチェックリストを含んだものが用意されています。
気になるマーケティング手法について、顧客はチェックリストを活用しながら深く知り、実践に繋げられるというわけです。
こうした顧客の利便性を高めるための工夫が信頼感の醸成に寄与しているといえるでしょう。
同社のホワイトペーパーにはマーケティング担当者必見の興味深い資料が数多くあります。
ホワイトペーパーの特徴
Mtame株式会社のホワイトペーパーにはポイントやトレンドが5分で理解できると題して無料のものが準備されています。
マーケティングのノウハウを知りたいという初心のマーケターには非常に頼りになるホワイトペーパーではないでしょうか。
またそれらのホワイトペーパーはデザインに統一感があり、他の資料を読みたくなるような工夫が凝らされています。
各ホワイトペーパーに関する要約を確認することができるのも顧客にとって大いに好印象です。
リードナーチャリングの事例はこちら
事例④:株式会社ネクストアド
株式会社ネクストアドは神奈川県横浜市に本社を置く、主にデジタルコンテンツのコンサルティング事業を行う会社です。
オウンドメディアの開発や新しいデジタルマーケティング手法の創出を通して顧客のマーケティングをサポートしています。
デジタルマーケティング分野のコンサルタントである同社はホワイトペーパーをどのように活用しているのでしょうか。
サービスごとのホワイトペーパーを公開
株式会社ネクストアドではホワイトペーパーを各サービスごとにカタログの形で提供しています。
「MAツールの導入検討中/導入済の企業様向けサービス資料」などがそうです。
コンテンツ企画・制作やウェブ広告最適化といったサービスに関する「サービスガイド」もあります。
コンテンツマーケティングに取り組んでいる企業や担当者にとっては見逃すことのできない資料だといえるでしょう。
ホワイトペーパーの特徴
株式会社ネクストアドではホワイトペーパーを用いたマーケティングに関するノウハウを資料として提供しています。
ホワイトペーパーについてのホワイトペーパーであるという点で他社とは大いに違っているといえるでしょう。
ホワイトペーパーのデザインテンプレートもあり、初心のマーケターでもホワイトペーパー作りに取り組みやすくなっています。
そのため、すでにホワイトペーパーを作成することが決定している場合は、頼れる資料がダウンロードできるでしょう。
同社はこの他、取材要項テンプレートなど色々なテンプレートの公開もしています。
ホワイトペーパーの活用方法
ホワイトペーパーの活用方法を再確認しておきましょう。
ホワイトペーパーはリードの獲得・顧客との信頼関係構築・スムーズなクロージングにおいてその効果を発揮します。
それぞれのシーンでホワイトペーパーがどのような役割を果たしているかを見ていきます。
リードの獲得
ホワイトペーパーの活用方法、1つ目はリードの獲得です。
リードは見込み顧客を意味していて、これから顧客になってくれるかもしれない存在を指していう言葉です。
ホワイトペーパーは、その性格上、自社の利益を目的として作られてはいません。
想定されるターゲットの悩みを解決するための提案というスタイルを取ります。
そんな自分たちにとって有益な情報があればこそ、見込み顧客はホワイトペーパーに興味を持ってダウンロードするのです。
顧客との信頼関係構築
ホワイトペーパーの活用方法、2つ目は顧客との信頼関係の構築です。
ホワイトペーパーには自社に関する多くの内容を盛り込むことができます。
それによって、一種のコミュニケーションツールとして機能することが期待できるでしょう。
提供される情報が有益なものであった場合、多くの顧客は提供元の会社に好印象を抱くものだからです。
良好な関係を築くことができればその後のアプローチもしやすくなり、見込み顧客の顧客化も可能となります。
スムーズなクロージング
ホワイトペーパーの活用方法、3つ目はスムーズなクロージングです。
クロージングとは契約書へのサインに至るまでの顧客に対する様々なアプローチのこと。
ホワイトペーパーというコミュニケーションツールを活用することで、クロージングをより円滑に進めることができます。
ホワイトペーパーを読了した見込み顧客は自社と自社の商品・サービスに対して興味と好意を抱いてくれているからです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ホワイトペーパーの発信方法
どんなに質の良いホワイトペーパーを作成できたとしても、広く発信して見込み客に知ってもらわなければ何も始まりません。
また認知してもらった後も、何度もダウンロードしに来てもらう工夫や読みやすさへの配慮がなければ顧客は離れていくでしょう。
一度ダウンロードしてくれた顧客を離さないよう、定期的に情報発信するような工夫も必要となってきます。
この項目ではホワイトペーパーの発信方法を3つ取り上げてご紹介します。
自社HPに公開
ホワイトペーパーの発信方法、1つ目は自社HPでの公開です。
業界においてすでにある程度の知名度がある場合、顧客は専門性の高い情報を求めてHPを訪ねてくれます。
そのためホワイトペーパーをそこに公開しておくだけでダウンロードしてくれることでしょう。
そうした知名度や先見性に乏しい企業の場合は自社HPに公開するだけの待ちの姿勢では不十分です。
この後に紹介する別の方法で顧客に対して積極的にアプローチする必要があります。
メルマガで配信
ホワイトペーパーの発信方法、2つ目はメルマガでの配信です。
こちらはすでにメールアドレスを知っている対象へのアプローチの仕方になります。
過去に別のホワイトペーパーをダウンロードしてくれた顧客や、別の取引をした企業の担当者などが主な対象となるでしょう。
それらの相手が抱える問題を類推し、自社の商品・サービスを問題解決のための判断材料として提供する形です。
過去にやり取りがあった相手からの連絡なので警戒心も少なく、スムーズにダウンロードしてもらえる可能性があります。
SNSで発信
ホワイトペーパーの発信方法、3つ目はSNSでの発信です。
こちらは不特定多数の相手に対して広く情報を発信する方法で、まずは認知してもらうことを目的としています。
制作したホワイトペーパーの情報が非常に有益なものであれば、好意を持った人々から広く拡散してもらえる可能性があります。
継続的にSNS上でのホワイトペーパーの発信を続ける事で少しずつ読者が増えていく、という場合もあるでしょう。
同時に自社アカウントのフォロワー増加を期待することもできます。
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ホワイトペーパーの活用で困った時は?
他社のホワイトペーパーの活用の仕方はよく分かった。
ホワイトペーパーをマーケティングに用いることのメリットや発信方法についても理解できた。
けれど実際、自社の商品・サービスに関してホワイトペーパーを作成・活用するとなると今一つ具体的な方法が分からない。
そんな悩みをお持ちのかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
ホワイトペーパーの活用に関して困ったときは、デジマクラスのコンサルタントに相談してみてください。
マーケティングに精通したスタッフが親身になってお話をうかがい、適切なアドバイスをさせていただきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。本稿ではホワイトペーパーの活用方法について事例を取り上げながらご紹介しました。
例として取り上げた4社はいずれもホワイトペーパーを活用して大きな成果を上げていました。
それぞれのホワイトペーパー活用方法のうち、取り入れるべき所は自社に合った形で取り入れて活用を図りたいものです。
質の高いホワイトペーパーを作成・活用できれば、新たな顧客を開拓できる可能性が高まります。
今回の記事を参考にして、ぜひ自社にとって理想的なホワイトペーパーを作り上げてください。