広告やマーケティング業界で使われる用語の中にF1層・F2層などという言葉があります。これは何を指すのでしょうか。
これは顧客の性別年齢層を表すものなのです。Fは「Female=女性」を表し、1は20歳から34歳を表します。
F1層は20歳~34歳の女性ということになるのです。
その他「Male=男性」を表すM1層・M2層、子供を表すC層ティーンを表すT層などに区分されています。
今回は、このように区分された顧客に合わせた広告戦略について解説していきましょう。
F1層への広告事例や各層の特徴なども併せて紹介しています。ぜひ参考にしてください。
目次
「F1層」「M1層」などの考え方
広告業界やマーケティング業界で顧客を区分することにはどのような利点があるのでしょうか。
すべての年代層に向けてのマーケティングは基本的にはあり得ません。商品やサービスの販売には顧客を区分しての広告戦略が必要です。
そこで「F1層」「M1層」といった区分の考え方が生まれたのです。年齢層や男女によって好まれる商品やサービスは違います。
その商品やサービスを効率よく販売するには、ターゲットとなる年齢層に合わせる戦略が重要となるのです。
年齢区分はどのように表されているのか確認しておきましょう。
- F1層…20~34歳の女性
- F2層…35~49歳の女性
- F3層…50歳以上の女性
- M1層…20~34歳の男性
- M2層…35~49歳の男性
- M3層…50歳以上の男性
- C層…4~12歳の子供
- T層…13~19歳のティーン
上記が顧客の区分の表し方です。この区分に絞り広告戦略を立てることで、商品やサービスをより効率的に購入してもらう事ができます。
中でもマーケティングの要となるのがF1層といわれているのです。
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F1層の特徴とマーケティングでの重要性
F1層がマーケティングでは重要な位置を占めるとお話しましたが、その理由を解説していきましょう。
それにはF1層の特徴について知る必要があります。20~34歳の女性というとまだ学生という場合も含めてトレンドの中心世代です。
購買意欲が高い
収入の面ではそれほど余裕世代とはいえないF1層ですが、購買意欲は高くマーケティングでは重要なターゲット層となります。
トレンドドラマのCMなどが、あきらかにF1層をターゲットとしていると思われるのは購買意欲が高いことの現れでしょう。
自己投資に積極的
F1層は自分を磨きたいと強く願う年齢といわれます。美を保つことにも知識を高めることにも積極的です。
自己投資に積極的なF1層はマーケティングに於いて重要な位置を占めるといえるのです。
トレンドに敏感で多感
またSNSを通じて様々な情報を手に入れることに活発なF1層は、トレンドに敏感です。
感じたことを発信することも多く、最も上手くSNSを利用する年齢層であるといえるでしょう。
F1層がマーケティングの要といわれるのはこのようなことが理由です。
トレンドに敏感で美しさや知識を高めるための自己投資を惜しまないF1層は、マーケティングでは最も重要なターゲットなのです。
F2・F3層やM1~M3層の特徴
マーケティングの要はF1層とお話しましたが、その他の年齢層をターゲットとした広告戦略ももちろんあります。
それぞれの年齢層の特徴を探り知ることで、求めていることや物を明らかにしていくこともマーケティングでは必要です。
F2層:家庭の財布を握る/健康意識の向上
F2層は家庭では家計の担い手として、比較的自由にお金を使うことが許される年齢層です。
また、家族のための出費や健康面での出費は惜しまない傾向があります。一部の未婚の女性は収入も多くなり自己投資も惜しみません。
F3層:健康への行動力/テレビをよく見る
F3層は何といっても健康面の不安に応える商品への期待が大きい年齢層となります。F3層の好むテレビ番組では健康食品のCMが多いです。
これはターゲットをF3層に絞っているのだとわかります。またF3層は世代の中で最も経済的にはゆとりのある世代といえるでしょう。
F3層は孫のためにお金を使うことを惜しまない、というターゲット層でもあるのです。
M1層:ビジネスへの関心/デジタルへの親和性
M1層は前途洋々のビジネス事業へ関心のある人の多い年齢層といえます。様々な情報を得ることに努力を惜しみません。
スキルアップすることに喜びを感じ、自己投資を惜しまない年齢層です。また終身雇用に魅力を感じていない世代でもあります。
ビジネスへの関心、特にIT業界への大きな関心度はM1層の特徴です。その特徴を加味したマーケティングの手腕が必要となるでしょう。
M2層:控えめの消費/嗜好品や外食での消費
M2層は一家の大黒柱でありながら既婚者は子供の教育費などもあり、なかなか自由にお金を使うことの出来ない年齢層でしょう。
その反面仕事面では中堅どころで、付き合いも多くなる年代です。日頃の消費は抑えながらも、嗜好品や外食への消費が目立ちます。
ビールやお酒などプチ贅沢の商品への関心度が高いのもM2層の特徴といえるのではないでしょうか。
M3層:高い購買力/質重視
M3層の特徴は、最も経済的にゆとりがあるということでしょう。一旦決めたなら考えることなく購買できる力を持っています。
価格よりも質を重視する年代で、安さを売りにするのではなく特別感や上質さを打ち出すことが必要です。
特に孫に対してはより良質なものを与えたいと考え、玩具も望むのなら高価であっても迷わず買い与えるという面も持ち合わせています。
顧客への広告戦略やマーケティングでは、それぞれに合った戦略が必要なのだとお分かりいただけたでしょうか。
それでは続いて本題であるF1層に向けての広告戦略について解説していきましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
F1層向けの広告戦略
マーケティングで重要な位置を占めるF1層ですが、F1層に向けての広告戦略はどのように考えていくべきなのでしょうか。
F1層は商品購入についてインターネットを利用する人が多いのが特徴です。購入のみでなく様々な情報をSNS媒体を通じて収集しています。
テレビではなくSNSやネットニュースで知り得た情報などを基に商品購入を検討する人が多いのです。
またF1層はトレンドに敏感で、SNSを通じて活発な発信を行っている世代でもあります。
F1層をターゲットにすることで、商品の売上のみでなく口コミでの宣伝効果も期待できるのです。
F1層のニーズ
F1層は美容に関することや知識を広めることなど自己投資を惜しまない傾向があります。
ファッションにしてもトレンドを取り入れて、個性を活かした商品の購入を好むのです。
F1層の購買プロセス
購買プロセスにもそれほどの時間をかけません。SNSなどで使ってみたい商品を見つけると口コミ情報を確認して即購入します。
インフルエンサーの発信を参考にしてメイクやファッションに積極的に取り入れ商品購入の目安にしている人も多いです。
F1層の文化
少し前まではスマホといえばF1層の文化でした。SNS媒体を通じてコミュニケーションを取るのは若者の文化といわれていたのです。
ところがスマホが全世代に広がりを見せている現在では、スマホやSNSでの発信もすべての世代の文化と変わりつつあります。
日々変化する状況の中にあっても、文化の中心であるF1層に向けて効果をもたらすプロモーションについて解説していきましょう。
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F1層に響くプロモーションの特徴
F1層の目を引き惹かれるプロモーションにはどのようなものがあるのでしょうか、その特徴を挙げてみましょう。
- インスタ映えする商品
- 参加型のプロモーション
- 心に響くキーワード
- 手が届くと感じられるプロモーション
スマホが全世代に広がりを見せている昨今でも、やはりSNS媒体での発信の中心はF1層であることに違いはありません。
商品購入のすべてがSNS投稿のためという訳ではありませんが、投稿に結び付ける人が多いのです。
インパクトのある、思わずSNSに投稿したくなるような商品に興味を惹かれます。インスタ映えすると感じたら迷わず購入するでしょう。
アンケートを実施している企業などで自分の意見が取り入れられた時、その企業を好ましいと感じることが多いです。
自分も企画に参加したような気持ちになり、それを発信し商品や企業をフォローしてくれるという効果にも繋がります。
ゆるゆる・時短・がんばりすぎない・簡単などF1層に響くキーワードがあります。
F1層へのプロモーションには、このようなキーワードを使うことで成功しやすくなるという傾向があります。
別世界でない、自分の世界からさほど離れていないと感じられる親しみを感じるプロモーションに惹かれるのです。
F1層向けの広告事例
参加型インスタ映えの相乗効果を狙ったサンスターの「VO5秒速変身ナビ」では実際にイベントで秒速変身体験を実施しました。
サンスターはオーラルケアで定評のある企業ですが、ヘアケア製品でも隠れた人気を得ています。そのヘア製品をF1層に向けて発信したのです。
そしてその時の体験をフォトスポットで撮影、SNSへシェアした人に試供品をプレゼントをするという企画でF1層の取込みに成功しています。
その他「がんばらない」をコンセプトに、千趣会やゼネラルリンクはF1層の中でも妊娠・育児中の女性をターゲットにして成功しました。
F1層向け広告の注意点
F1層と一口にいってもその幅は広く、既婚・未婚によってもプロモーションの方法が違ってきます。
F1層向けの広告戦略で注意しなくてはいけないのは、その幅の広さによりターゲットも細かく変えていく必要があるということです。
F1層の20歳と30代では生活もまったく違うでしょうし、未婚の34歳と既婚の34歳では環境が大きく異なるでしょう。
そういった事を配慮して各層に響くプロモーションを打ち出すことが必要になるのです。
近年の多様化傾向
加えて近年ではF1層の上質にこだわり高価でも自分への投資を惜しまないという感覚から、節約志向へと変わる人が増えています。
100円均一商品を上手に利用する方法や、ファストファッションの定着などで安価で品質の良いものを求める傾向にあるのです。
また変わらず高級志向やブランド志向の人も根強く残っており、F1層の中でも好まれるものが多様化しているのが実情です。
トレンドの移り変わり
トレンドに敏感なのはF1層という考え方のもとで解説してきましたが、昨今トレンドにも移り変わりが目立ちます。
F1層のものだったスマホやSNSでの情報収集や発信は、F2層・F3層でも盛んになりトレンドの共有を行っているのです。
ライフステージやライフスタイルも様々で、自ずと消費傾向もそれぞれのスタイルにより違ってくるでしょう。
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広告の原点である「消費者の理解」を大切に
性別・年齢層の区分で決めつけたのでは、本当の意味での消費者の理解を得ることは難しいし消費者を理解することも難しくなります。
ターゲットの特徴は年々変化を遂げています。もちろんF1層を要とするマーケティングは必要です。
ただすべてを思い込みで決めつけず、消費者を理解し消費者に納得してもらうという広告の原点に立ち返る必要があるでしょう。
その上でより細かい顧客のニーズに応えるべく、顧客の区分を参考にしてプロモーションを行うようにしてください。
ターゲットに向けての広告やプロモーションでは、専門家の助言をもとに戦略を立てることも成果を上げるポイントです。
広告運用で確実に成果を出すなら
様々な事例を参考にして戦略を立てたとしても、すべてが上手くいくとは限りません。広告運用で迷ってしまうことも多いでしょう。
そんな時には悩んでいないでコンサルタントの力を借りるのも一つの方法です。
デジマクラスでは様々な問い合せに応えています。デジマクラスやコンサルタントに相談して広告運用での確実な成果を目指しましょう。
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まとめ
マーケティングの要であるF1層への広告戦略は、F1層の特徴を踏まえてプロモーションを行うことです。
F1層に響くプロモーションは、インスタ映え・「がんばりすぎない」などの響くキーワード・消費者参加型のものなどがあります。
トレンドの中心はF1層のみといわれていた時代から、トレンドも多種多様な時代に移り変わってきています。
消費者を理解しながら、細かな顧客区分のニーズに応えられるような広告戦略が必要となっているのが現状です。
確実な成果を上げるには思い込みで決めつけずに、様々な角度から消費者を理解することが大切になります。
その上でマーケティングで最も重要といわれるF1層への広告戦略を立てる必要があるといえるでしょう。
広告運用で迷ったならコンサルタントを活用して、確実な成果を上げるための戦略の立て方を相談してください。