Webサイトには静的サイトと動的サイトがあります。作成済みのページを表示するか、アクセスの度に生成するかの違いです。
インターネット普及当初は静的サイトが大勢を占めていましたが、近年ではその利便性から動的サイトの割合が高くなりました。
しかし最近、いくつかのメリットを理由に再び静的サイトに注目が集まりつつあります。
今回の記事ではそんな静的サイトの活用に適した具体例を解説します。
静的サイトのメリット・デメリット、おすすめの静的サイトジェネレーターについてもご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
目次
静的サイトの特徴
静的サイトといっても表示される画面に何も動きがないわけではありません。
Webサイトが静的か動的かということと、アニメーションやエフェクトがあるかないかということとは無関係なのです。
実際、静的であっても目を引くアクションを多く取り入れたサイトは数多く存在します。
それでは静的サイトの特徴とはどのような点にあるのでしょうか。
この項目では大きな特徴を2つピックアップしてご紹介します。
いつ誰がアクセスしても内容が変わらない
静的サイトの大きな特徴の1つは、いつ誰がアクセスしても内容が変わらないという点にあります。
静的サイトはユーザーのアクセスによる変化を被ることがありません。
ユーザーごとに表示内容を変更する必要がないということは、サーバー側の負荷もその分だけ小さくなるということです。
このことは静的サイトの大きなメリットであるサーバーダウンのしづらさや表示速度の速さにも大いに関わっています。
常に同じ情報を掲載したい場合に最適
静的サイトは常に同じ情報を掲載したいという場合に最適だといえます。
色々なWebサイトがありますが、中にはユーザーによるアクセスや入力で表示が変わっては絶対に困るというページもあります。
企業のコーポレートサイトの内容がアクセスの度に変わったり、求人情報の表示に違いが生じたりしては信用を失いかねません。
そのようにセキュリティ上の観点から静的サイトが用いられている場合もあります。
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動的サイトの特徴
ここで動的サイトの特徴も押さえておきましょう。こちらもアニメーションやエフェクトの有無は問題ではありません。
ユーザーがアクセスした際、前回訪問した時とは表示内容が違っているWebサイトがあります。それらが動的サイトです。
SNSではユーザーによる新しい投稿がアクセスの度に目に入りますし、ニュースやトレンドが表示される場合もあるでしょう。
静的サイトが基本的にHTMLでできているのに対して、動的サイトは主にPHPとデータベースの情報で構成されています。
ユーザーの要求に対する応答をデータベースから取り出して表示する、そのレスポンスの動きを指して動的と表現しているのです。
静的サイトのメリット
Webサイトが静的であることにはいくつかの大きなメリットがあります。
静的サイトに注目が集まっているのはこれらのメリットが再評価されているからです。
この項目では主なメリットを4つピックアップしてご紹介しましょう。
セキュリティ対策がしやすい
静的サイトのメリット、1つ目はセキュリティ対策がしやすいことです。
サーバー上にデータベースを置く必要がある動的サイトの場合、セキュリティ対策を常に万全にしておかなければなりません。
そうでなければセキュリティ上の脆弱性を突かれて悪意のあるアクセスを受け、場合によっては甚大な被害を被ることになります。
その点、静的サイトはページファイルをローカルに保存しておくだけなのでサーバーのセキュリティを気にする必要はありません。
サーバー費用を抑えられる
静的サイトのメリット、2つ目はサーバー費用を抑えられることです。
Webサイトの規模に応じてアクセス量が増えてくると動的サイトの場合はサーバーのスペックを上げなければなりません。
サーバーのスペックを上げるにはそれだけコストがかかるので、費用面で大いに悩まされる場合があります。
一方、静的サイトはサーバーで行う処理が少ないため規模が大きくなってもスペックアップを検討する必要がありません。
そのため動的サイトを静的サイトに切り替えることで大幅な費用削減が可能になることもあります。
サーバーダウンしづらい
静的サイトのメリット、3つ目はサーバーダウンしづらいことです。
アクセスを受ける度にサーバーがデータベースを介したレスポンスを返す動的サイトの場合、負荷に弱い側面があります。
短時間に大量のアクセスが集中したためサーバーダウンした、などのニュースを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
静的サイトは生成してあるページを表示するだけなので、アクセスが集中してもサーバーダウンに陥る危険は少なくて済みます。
表示速度が速い
静的サイトのメリット、4つ目は表示速度が速いことです。
動的サイトの場合、アクセスの度にサーバーがデータベースを介したレスポンスをするので表示するために時間がかかります。
場合によってはその読み込み時間の遅さのせいでコンバージョンの機会を逃してしまうことにもなりかねません。
対する静的サイトでは、すでに生成済みのページを表示するだけなのでアクセスから表示までの時間を短縮することができます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
静的サイトのデメリット
動的サイトに比べて静的サイトには多々メリットがあることをご紹介してきました。
しかし静的サイトにはデメリットと捉えるべき点もいくつかあります。
ここではその中から主な2点をピックアップしてご紹介します。
リアルタイムでの情報提供がしづらい
静的サイトのデメリット、1つ目はリアルタイムでの情報提供がしづらいことです。
静的サイトの特徴はユーザーのアクセスに応じてすでに生成してあるページを素早く表示することにあります。
すでに生成してあるということは、当然そこに記載された情報は過去のものであり、鮮度が低いといわなければなりません。
動的サイトの場合はリアルタイムでの情報提供も可能ですが、静的サイトにはそれが難しいというデメリットがあります。
ユーザー層に合わせた表示はできない
静的サイトのデメリット、2つ目はユーザー層に合わせた表示はできないということです。
サーバーがデータベースを利用する動的サイトの場合、アクセスしたユーザ-層に従って表示内容を変えることもできます。
このことがユーザビリティの向上に繋がり、より多くのアクセスやCVRの向上に繋がる場合もあるでしょう。
一方静的サイトでは、すでに生成してあるページを表示するだけなのでユーザーに応じた内容の変更などはできません。
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静的サイトの活用に適した具体例
ネット上には様々な種類と役割を持ったWebサイトがあり、中にはどうしても動的サイトでなければならないものもあります。
それでは逆に静的サイトであることが必須のサイトや望ましいサイトにはどのようなものがあるでしょうか。
ここでは静的サイトの利点を活かしたWebサイトを3種類ご紹介します。
これらと同じ役割を持った自社サイトが動的サイトである場合は、ぜひ切り替えを検討してみてください。
コーポレートサイト
静的サイトの活用例、1つ目はコーポレートサイトです。
コーポレートサイトは会社の公式プロフィールを掲載したサイトです。ネット上にある会社の顔といえるでしょう。
コーポレートサイトは企業にとって名刺にもなれば広告にもなります。採用活動にもビジネスチャンスにも繋がります。
企業にとって信用に関わる非常に重要なサイトなので、間違っても外部から変更などされるわけにはいきません。
そのためコーポレートサイトには動的サイトより静的サイトの方がふさわしいといえます。
ランディングページ
静的サイトの活用例、2つ目はランディングページです。
ここでいうランディングページとは訪問者に注文やお問い合わせなどの行動を促すことに特化した縦長のページと考えてください。
集客からCVへの誘導まで単独で行うことを目的とするランディングページは、訪問者が他のページに移動することを嫌います。
そのため他のページへのリンクが少ない傾向にあります。リンクを設置するとCVの達成率が下がってしまうからです。
こうしたページ数の少ないサイトを作成する時も、動的サイトより静的サイトの方が向いているといえるでしょう。
求人サイト
静的サイトの活用例、3つ目は求人サイトです。
求人サイトの訪問者の目的は自身の希望に近い求人情報を探し出して応募することです。
そのためランディングページと同じで他の余計なページへのリンクが必要ありません。
また求人サイトでは、場合によっては数万社にも及ぶ企業の重要な情報を扱うことになります。
セキュリティという観点から見ても、動的サイトより静的サイトとして作り上げた方が良いといえるでしょう。
おすすめの静的サイトジェネレーター
静的サイトジェネレーターという、静的なサイトを生成することができるソフトウェアがあります。
静的サイトジェネレーターを使うと以下のようなメリットがあります。
- コストの削減ができる
- サイト表示を高速化できる
- バックアップが簡単にできる
- セキュリティリスクを軽減できる
静的ジェネレーターは、WordPressなどのCMSを使うリスクやデメリットの解消に繋がります。
CMSでは必須といえる強固なセキュリティ対策や表示の遅さへの対応が、静的サイトではほとんど必要ありません。
そんな静的ジェネレーターについて、この項目ではおすすめのソフトウェアを2つご紹介します。
Hugo
おすすめの静的サイトジェネレーター、1つ目はHugoです。
数多くの開発者たちによって今現在も開発が進められているオープンソースの静的サイトジェネレーターです。
Hugoは静的サイトジェネレーターの中でもファイルの出力が速いことで有名です。サイト構築が高速なので待たされません。
またHugoはサイト内のページリンクをまとめたページである「サイトマップ」の自動作成にも対応しています。
サイトマップの作成はSEO対策に有効とされています。
Metalsmith
おすすめの静的サイトジェネレーター、2つ目はMetalsmithです。
こちらもオープンソースの静的サイトジェネレーターとして知られています。
Metalsmithの特徴は「すべてはプラグイン」という思想と設計にあるといえるでしょう。
ユーザーはMetalsmithの単純で使い勝手の良い所や様々なプラグインと組み合わせることが可能な点を高く評価しています。
静的サイトジェネレーターを活用するメリットは?
静的サイトジェネレーターを活用するメリットとして、まずページ読み込みの速さを挙げることができます。
静的サイトジェネレーターではサーバーでHTMLを動的に生成しません。そのためページの表示速度が速い傾向にあります。
Webサイトの表示が遅いことは顧客の離脱や流入数と深く関わる重大な問題です。速いに越したことはありません。
静的サイトジェネレーターはセキュリティの面でも優れています。
データベースへのアクセスが必須なCMSの場合、その性質上どうしても高度なセキュリティ対策が欠かせません。
セキュリティ対策をしていないとデータベースやサーバーとの通信の際にサイバー攻撃を受ける可能性があるのです。
しかし静的サイトジェネレーターで作られた静的サイトであれば、公開後は通信が発生しないため攻撃の隙がありません。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
静的サイトのSEO対策
動的サイトで表示されるURLを動的URL、静的サイトで表示されるURLを静的URLといいます。
大きな違いは動的URLには「?」「=」「&」などのURLパラメーターが付き、静的URLには付かないことです。
2000年代初頭、動的URLはGoogleの検索エンジンから適切にクローリングされないとされていた時期がありました。
検索エンジンがパラメーター付きURLをクローリングする際、クロールの負担が大きくなるなどの問題があったのです。
そのため動的サイトよりも静的サイトの方がSEO上は有利とされ、積極的に書き換えが行われていました。
しかし現在では検索エンジンの進歩によってこの問題は解決されており、動的か静的かが検索順位に影響することはありません。
ただしGoogleは「静的URLはクリック率の点でわずかに有利になるかもしれない」とも述べているので注意が必要です。
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静的サイトの活用で悩んだら
これから作るWebサイトを動的サイトするか静的サイトにするかお悩みの方も多いことでしょう。
どちらにもメリットとデメリットがあります。Webサイトの役割によって判断する必要がありますが、なかなか難しい選択です。
そのように静的サイトの活用について悩んだら、ぜひデジマクラスのコンサルタントに相談してください。
Webサイト運営のプロフェッショナルが親身になってお話をうかがい、適切なアドバイスをさせていただきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事では静的サイトの活用とその具体例を中心に解説してきました。
静的サイトには動的サイトにはない利点が多くあり、場合によっては切り替えることで大きな費用削減に繋がることもあります。
自社のWebサイトの特徴やユーザーの傾向を分析して、静的サイトの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
本稿がそのための一助となれば幸いです。