QRコードを利用した決済手続きは、年々ユーザー数が増加しており、サービス内容も多様化しています。

スマホさえあれば支払いができるため、店舗などでQRコード決済の導入を考えている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、QRコード決済の種類や仕組みだけでなく、選ぶ際のポイントや導入するメリットについても解説しています。

QRコード決済の導入に興味がある人は、ぜひ読んでみてください。

QRコード決済が普及した理由

デジタル

現金を使わずに支払い手続きをするキャッシュレス決済には、クレジットカードやICカードなどさまざまな種類があります。

キャッシュレス決済の中でも、近年利用者が増加している決済方法がQRコード決済です。

QRコード決済は、QRコード決済サービスの提供元が100億円のポイント還元などの大々的なキャンペーンを展開したことで、一気に知名度が上がりました。

知名度が上がったことと、QRコードを読み取るだけで支払いができるという手軽さによって、QRコード決済は急速に普及していきます。

また、政府が行ったキャッシュレス・ポイント還元事業やマイナポイント事業もQRコードの普及を後押しした理由です。

多くの人が利用しているQRコード決済ですが、実際にどのような仕組みで決済が行われているのかご存知でしょうか?

次の章から、QRコード決済の仕組みについて詳しく解説していきます。

 

ワンポイント
 政府やQRコード決済サービスの提供元が行ったキャンペーンによって、QRコード決済は一気に普及しました。

QRコード決済の仕組み

読み取り

QRコード決済は、支払い手続きの際にQRコードをスマホで読み取るというシンプルな方法です。

QRコード決済には次の2つの方法があります。

  • ユーザースキャン方式
  • ストアスキャン方式

いずれの方法も、前もってユーザーのスマホに決済アプリをダウンロードする必要があるという点では同じです。

それぞれ詳しくみていきましょう。

ユーザースキャン方式

ユーザースキャン方式とは、ユーザーが自分のスマホの決済アプリで店舗のQRコードを読み取る方式になります。

ユーザースキャン方式の手順は次のとおりです。

  1. 店舗情報がインプットされているQRコードをユーザーが読み取る
  2. 支払い金額を入力する
  3. 店舗側が金額を確認したら「OK」などのボタンをタップする

以上で決済手続きは完了となります。

ユーザースキャン方式の場合、店舗側はQRコードを用意するだけでいいので、ほぼ無料でQRコード決済を導入できるのが魅力です。

ストアスキャン方式

ストアスキャン方式とは、ユーザーのスマホ決済アプリに表示されたQRコードを店舗側が読み取る方式になります。

ストアスキャン方式の手順は次のとおりです。

  1. ユーザーがスマホ決済アプリにQRコードを表示させる
  2. ユーザーのQRコードを店舗側が読み取る

以上で決済手続きは完了です。支払い金額の入力は店舗側が行います。

ストアスキャン方式の場合、店舗側はQRコードを読み取るスマホヤ専用端末、通信に必要なインターネット環境を用意しなければなりません。

ユーザースキャン方式・ストアスキャン方式のどちらを選ぶかは、店舗側が決めることになります。

次に、QRコード決済の主な種類についてみていきましょう。

QRコード決済の主な種類

レジ横

この記事で紹介する6種類のQRコード決済サービスに申し込む場合は、それぞれの専用サイトからオンラインで手続きを行います。

どのサービスも導入費用・月額利用料は無料です。

入金手数料については無料期間が設けられているサービスもあります。

それぞれのQRコード決済について、1つずつ簡単に解説していきましょう。

LINE Pay

LINE Payの概要は次のとおりです。

  • 運営会社:LINE Pay株式会社
  • 導入日数:10日程度
  • 口座への入金日:翌月の第3営業日

専用の端末を導入することで、楽天ペイやメルペイなどの他社のQRコード決済サービスも利用可能になることが特徴です。

PayPay

PayPay(ペイペイ)の概要は次のとおりです。

  • 運営会社:PayPay株式会社
  • 導入日数:1週間程度
  • 口座への入金日:PayPay銀行のみ最短翌日、その他の銀行は最短翌々営業日

PayPayはQR決済コード市場のシェア率半分以上を占めており、ユーザー数が最も多いQR決済コードサービスになります。

PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)を利用すると、最短で翌日に売り上げが入金されるだけでなく、入金手数料も無料になることが魅力です。

メルペイ

スマホ持ち

メルペイ(merpay)の概要は次のとおりです。

  • 運営会社:株式会社メルペイ
  • 導入日数:最短2日
  • 口座への入金日:月1回の場合は翌月10日、月2回の場合は当月25日と翌月10日※ゆうちょ銀行は2営業日遅れる

メルペイは2020年9月からd払いとQRコードが共通になったことに加えて、iDも利用可能になりました。

1万円以上のおまとめ入金を利用することで、入金手数料が無料になります。

楽天ペイ

楽天ペイの概要は次のとおりです。

  • 運営会社:楽天株式会社
  • 導入日数:最短3日程度
  • 口座への入金日:楽天銀行の場合翌日、その他の銀行は入金依頼日の翌営業日

楽天ペイは、楽天銀行の利用で入金手数料が無料になります。

専用端末を導入することで、クレジットカード決済・電子マネー決済・au PAY・QUICPay・iD・Apple Payを導入できることが特徴です。

au PAY

au PAYの概要は次のとおりです。

  • 運営会社:KDDI株式会社
  • 導入日数:最短2日
  • 口座への入金日:月1回の場合は翌月10日、月2回の場合は当月25日と翌月10日、早期振込サービスの場合は最短2営業日後

入金日に関してはメルペイと同じく、月1回か月2回のどちらかを選ぶことができます。

早期振込サービスを利用する場合は別途手数料がかかりますので気をつけましょう。

d払い

d払いの概要は次のとおりです。

  • 運営会社:株式会社NTTドコモ
  • 導入日数:最短2日
  • 口座への入金日:当月末と翌月15日の月2回

d払いは、メルペイとQRコードを共通化したことで、メルペイの取り扱いがあるお店であればd払いで決済手続きを行うことができるようになりました。

Cloud Pay(クラウドペイ)でd払いを導入すると、LINE Payやau PAYも利用することが可能です。

以上6種類がQRコード決済の主な種類になります。

さまざまな企業から提供されているQRコード決済サービスですが、導入することでどのようなメリットがあるのでしょうか。

次の章で詳しく解説していきます。

QRコード決済を導入するメリット

会計中

QRコード決済を導入するメリットはたくさんあります。

メリットとしてすぐに思い浮かぶのは、コストを抑えて手軽に導入できることではないでしょうか。

申し込んでから1週間前後で始めることができるのも魅力です。

その他のメリットについても詳しくご紹介します。

インバウンドの集客が見込める

QRコード決済を利用するメリットの1つに、インバウンドの集客が見込めることが挙げられます。

インバウンドとは、海外の人が日本へ観光旅行に来ることです。

QRコード決済は、海外でも非常に多くの人が利用しています。特に中国での利用率が高いです。

例えば、PayPayは中国のAlipayと提携を結んでいます。

海外のQRコード決済を日本で利用できるようになることで、海外からの顧客も取り込むことが可能です。

現金を現地通貨に両替する手間も省けるので、今後ますます需要は拡大するでしょう。

釣り銭が不要になる

キャッシュレス

QRコード決済を利用するもう1つのメリットが、釣り銭が不要になることです。

現金で支払う場合、お店側は釣り銭を用意する必要があります。

ただし、銀行で紙幣を硬貨に両替する際の手数料は年々高くなっており、頻繁に両替を行うことは難しい状況です。

QRコード決済を導入することで、釣り銭を用意する手間を省くことが可能になり、両替手数料などの無駄な出費を減らすことができます。

また、現金精算によるミスなども少なくなるため、業務の効率化にもつながるでしょう。

 

ワンポイント
QRコード決済を導入することで釣り銭を準備する必要がなくなり、業務の効率化を図ることができます。

QRコード決済を導入するデメリット

しかめっ面

QRコード決済の導入によって得られるのはメリットばかりではありません。
ここからはQRコードを利用するデメリットについて詳しく解説していきます。

利用者が全体的にまだ少ない

1つ目のデメリットは、利用者が全体的にまだ少ないことです。

QRコード決済の利用者が増加しているといっても、クレジットカード決済にはまだまだ及びません。

QRコード決済はスマホを所持していることが前提となりますので、スマホが普及していない世代には浸透していない支払い方法といえます。

QRコード決済を導入して、今すぐ劇的に売り上げが伸びるという可能性は低いということを頭に入れておきましょう。

QRコードのすり替えが起こる可能性も

2つ目のデメリットは、QRコードのすり替えが起こる可能性もあるということです。

QRコードのすり替えとは、お店のQRコードを印刷した紙がすり替えられてしまい、お店に支払われるはずのお金が第三者に送金されてしまうというトラブルになります。

QRコードのすり替えを防止するためには、次の2つの対策が効果的です。

  • ストアスキャン方式を採用する
  • ユーザースキャン方式の場合、お店のQRコードは紙に印刷せず、スマホや専用端末でその都度表示させる

いったん第三者に送金されてしまったお金を取り戻すことは難しいので、お店側できちんと対策することをおすすめします。

QRコード決済を導入する上でのポイント

スマホ

QRコードを決済するメリット・デメリットを踏まえて、QRコートを導入する上でのポイントをご紹介します。

ポイントを理解した上で、店舗に最適なQRコード決済サービスを選ぶようにしましょう。

利用者の多いものを選ぶ

1つ目のポイントは、利用者の多いものを選ぶことです。

店舗の集客力を高めたいからQRコード決済を導入するという人も多いのではないでしょうか。

集客力を高めるためには、なるべく利用者が多いサービスを選ぶようにしましょう。

QRコード決済を導入した後は、QRコード決済が利用できることをアピールすることで、新規顧客のさらなる獲得につながります。

費用対効果が見込めるものを選ぶ

費用対効果

2つ目のポイントは、費用対効果が見込めるものを選ぶことです。

決済手数料や入金手数料などの各種料金やサービス内容は、QRコード決済サービスによって異なります。

手数料が安いに越したことはありませんが、セキュリティ対策やEC(通販)サイトと実店舗両方で利用可能かどうかなど、さまざまな角度から検討することが大切です。

さまざまなQRコード決済サービスを比較して、費用対効果が高いサービスを選ぶようにしましょう。

 

ワンポイント
 QRコード決済サービスを選ぶときは、手数料だけでなくセキュリティ対策やサービス内容についても検討しましょう。

QRコード決済の導入コスト

計算

QRコード決済の導入にかかるコストとして考えられるのは、次の6つの項目です。

  • 初期費用
  • 月額利用料
  • 決済手数料
  • 入金手数料
  • 専用端末費
  • 通信費

初期費用月額利用料に関しては無料のサービスがほとんどです。

決済手数料入金手数料は、サービスの提供元によって料金が変わってきます。

指定の銀行を利用すると入金手数料が無料になる場合もあるので、条件をよく確認しましょう。

ユーザースキャン方式を利用する場合、店舗情報のQRコードが印刷された紙は無料で提供してもらえることが多いです。

ストアスキャン方式を利用するのであれば、スマホやタブレット、もしくはサービス提供元指定の専用端末を購入する必要があります。

決済するときの通信費用や、インターネット環境が整っていない場合は整備費用も計上しておいた方がいいでしょう。

ランニングコストをきちんと計算してから導入することで、QRコード決済のメリットを最大限活かすことができます。

QRコード決済の将来性

青空と男

QRコード決済のユーザーが増加するにしたがって、さまざまな企業がQRコード決済サービスに参入しています。

スマホがあれば支払いができる手軽さ・便利さから、QRコード決済は若い世代を中心にますます広がっていくでしょう。

海外からの旅行客の集客も見込めますし、現金による支払いの煩わしさから解放されるQRコード決済の将来性は非常に高いといえます。

決済のデジタル化を目指すなら

空とスマホ

決済のデジタル化を目指すなら、専門コンサルタントのデジマクラスに相談することをおすすめします。

QRコードをはじめとした決済のデジタル化には専門知識が必要です。

さまざまなサービスの中から最適なサービスを選べるよう、デジマクラスがしっかりサポートします。

 

ワンポイント
 決済のデジタル化を目指すなら、専門コンサルタントのデジマクラスに相談しましょう。

まとめ

決済

QRコード決済は、近年ユーザー数が急増し、さまざまな企業がサービスを提供するようになりました。

店舗に最適なQRコード決済を選ぶのであれば、各種手数料だけでなくサービス内容についても吟味することが大切です。

決済のデジタル化で悩んだら、ぜひデジマクラスにご相談ください。