イベントマーケティングは、近年再び脚光を浴びているマーケティング手法です。
自社で開催するイベントを、今後のマーケティング戦略に活かしたいと考えている人は多いのではないでしょうか。
この記事では、イベントマーケティングの手法や実施するメリット・成功させるポイントや注意点についてもご紹介しています。
イベントマーケティングに興味がある人は、ぜひ読んでみてください。
目次
イベントマーケティングの概要
イベントマーケティングとは、自社が開催するセミナーや展示会などのイベントを活用したマーケティング活動のことです。
対面で行われるイベントに加えて、近年ではウェビナー(Webセミナー)のように、オンラインで開催されるイベントも増えてきています。
現代社会のマーケティング活動の代表的存在といえば、デジタルマーケティングでしょう。
しかし、昨今イベントマーケティングの良さが再評価されており、注目を集めています。
どうしてイベントマーケティングが注目されているのでしょうか。
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イベントマーケティングが注目されている背景
イベントマーケティングが注目されている背景には、イベントがもたらす影響力の大きさがあります。
デジタルマーケティングとは比べ物にならない、イベントによる影響力の大きさが見直されているのです。
イベントマーケティングが注目されている背景について、詳しく解説していきます。
デジタル化によるアナログ体験の価値の高まり
デジタル化が進むにつれて、かえってアナログ体験の価値が高まりました。
特に、デジタルネイティブと呼ばれる若い世代ほど、アナログ体験に価値を感じる傾向にあります。
インターネット上の情報にいくら工夫をしても、実際に体験する臨場感には及びません。
イベントを開催し、対面や体験で直接アピールすることで、自社の魅力を顧客に印象づけることができます。
デジタルマーケティングに足りない要素を補える
イベントマーケティングが注目されているもう一つの背景に、デジタルマーケティングに足りない要素を補えるということが挙げられます。
デジタルマーケティングの場合、自社が提供する情報に興味を持っている顧客にしかアプローチすることができません。
企業がさまざまなアクションを起こしても、顧客が自発的にコンタクトを取ろうとしない限りアピールすることは難しいでしょう。
Web広告などの宣伝も、広告表示自体がブロックされてしまうとアピールの糸口すらつかめません。
しかし、イベントマーケティングであれば、足を運んでくれた顧客全てにアプローチすることが可能になります。
イベントマーケティングによって得られるメリットについて、次の章で詳しくご紹介しましょう。
イベントマーケティングのメリット
イベントマーケティングのメリットは、デジタルマーケティングではできなかったことが可能になることです。
イベントマーケティングを行う3つのメリットについて、詳しく解説していきます。
オンラインでは伝わらないリアルな体験を提供
1つ目のメリットは、オンラインでは伝わらないリアルな体験を提供することです。
イベントであれば、商品やサービスを実際に見て体験することができます。
顧客の五感に訴えかけられることは、非常に大きなメリットといえるでしょう。
インターネットを通じて、ただ情報を受け取るだけであったデジタルマーケティングとの大きな違いといえます。
見込み顧客への効率的なアプローチ
2つ目のメリットは、見込み顧客への効率的なアプローチができることです。
見込み顧客とは、自社の商品やサービスについての知識はある程度持っていて、購買行動につながる可能性が高い顧客のことです。
見込み顧客がイベントに足を運ぶ可能性は非常に高いといえます。
商品やサービス体験などによってオンラインよりも一歩踏み込んだ情報を提供することで、顧客に転じることが期待できるでしょう。
特に、業界全体で主催する展示会の場合、さらにたくさんの見込み顧客にアプローチすることができます。
訪問営業で顧客を1件ずつまわるよりも、はるかに効率の良い営業活動といえるでしょう。
顧客の反応をリアルタイムに把握できる
3つ目のメリットは、顧客の反応をリアルタイムに把握できることです。
イベントマーケティングを行う場合、接客は対面となります。
自社が一方的に情報の提供を行うだけのデジタルマーケティングと違い、柔軟な宣伝活動を行うことが可能です。
セミナーなどであれば、観客のリアクションによって話題を変えることもできます。
リアルタイムで顧客の興味を惹きつけるPR活動を行うことにより、さらなる顧客獲得が期待できるでしょう。
このように、イベントマーケティングを行うことでさまざまなメリットを得ることができます。
イベントマーケティングを効果的に行う手法については、次の章で詳しくご紹介しましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
イベントマーケティングの5つの手法
イベントマーケティングには次の5つの手法があります。
- セミナー
- ミートアップ
- 展示会・見本市
- 体験型イベント
- ユーザー交流会
それぞれ1つずつみていきましょう。
セミナー
セミナーとは参加者が自主的に参加する勉強の場であり、一方的に話を聞くだけでなく、積極的に意見交換することが特徴です。
自社が主催するだけでなく、他社と共同で行う共催セミナーや先ほどもご紹介したウェビナーなどのスタイルで開催されます。
セミナーは、目的によって次の4種類に分類されます。
- ビジネスパートナー向けセミナー
- 情報提供型セミナー
- リード獲得型セミナー
- 顧客獲得型セミナー
ビジネスパートナー向けセミナーとは、自社と協力関係にある会社を対象としたセミナーです。
自社の商品やサービスについてよく知ってもらう、会社同士の絆を強めるなどの目的で開催されます。
情報提供型のセミナーは、企業が所有している技術やノウハウなどを商品として提供する目的で行われます。
有料の場合が多く、参加者の反応が良いほどセミナーとして成功しているといえるでしょう。
リード獲得型セミナーは、潜在顧客に対して自社の商品やサービスを理解してもらうために行われます。
潜在顧客とは、自社の商品やサービスについての知識がない顧客のことです。
参加者が必ずしも顧客になるとは限らないため、セミナー開催後も顧客に対するアプローチを続ける必要があります。
顧客獲得型のセミナーは、自社の商品やサービスを購入する商談につなげることを目的としたセミナーです。
説明会や見学会の名称で開催されることもあります。
セミナーは企業によるもっとも代表的なイベントであり、開催するメリットも大きいです。
自社のマーケティング戦略にマッチしたセミナーを企画することが大切です。
ミートアップ
ミートアップには、セミナーのようにプロから話を聞く勉強会形式と、参加者同士で意見交換するフリートーク形式の2種類があります。
フリートーク形式では食事会を兼ねたものも多く、セミナーよりもくだけた雰囲気で行われるのが特徴です。
企業のブランディングや採用につなげることを目的としたイベントになります。
展示会・見本市
展示会や見本市は、自社の商品やサービスを紹介する場としてうってつけといえるでしょう。
企業は、運営会社や地方自治体が主催する展示会に出展料を払って参加します。
集客や当日のスタッフなどの手配は主催側が行ってくれるので、企業にとっては負担が少ないイベントです。
費用対効果を考えて出展するイベントを選ぶといいでしょう。
体験型イベント
体験型イベントとは、参加者が商品やサービスを実際に体験できるイベントです。
住宅の内覧会や車の試乗会、子ども向けの仕事体験イベントなどが挙げられます。
体験型のイベントのほとんどは、購買行動を促す目的で開催されます。
ユーザー交流会
ユーザー交流会は、企業や商品のファンを獲得することを目的として開催されます。
ファンになってくれる顧客を増やすことで、SNSによる情報拡散につなげることが狙いです。
ユーザー同士が仲良くなることで、顧客が離脱しにくいというメリットもあります。
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イベントマーケティング実施の流れ
この章では、イベントマーケティング実施の流れをご紹介します。
イベントマーケティングを成功させるためには、イベント当日はもちろんのこと、企画やイベント後のフォローも大切です。
実施の流れを詳しく解説していきます。
目標・目的・ターゲットの明確化
まず最初に、イベントマーケティングを行う目標や目的、アプローチしたいターゲットを明確にしましょう。
イベント終了後の効果検証を適切に行うためにも、目標や目的を明確化しておくことは非常に重要です。
例えば、展示会に競合も参加するから、などの安易な理由でイベントに参加することはあまりおすすめしません。
目的に応じて開催するイベントの種類も変わってきます。
イベントの内容を決めやすくするために、コンセプトを設定しておくのもいいでしょう。
コンテンツや場所の準備と事前告知
イベントの目的やターゲットにあわせてコンテンツや日時・場所を決めます。
特にコンテンツはイベントマーケティングの成功を左右しますので、内容をよく吟味しましょう。
場所を予約したら、イベントの準備と事前告知を行います。
事前告知については、ターゲットが潜在顧客・見込み顧客・既存顧客のどれかによって宣伝方法も変わってくるでしょう。
なるべく多くの人に知ってもらいたいのであればSNSやホームページなどのデジタル広告がおすすめです。
既存顧客など、ターゲットが限られている場合はチラシやDMを個別に送った方が効果的でしょう。
イベント当日のオペレーション策定
イベント開催日が近づいてきたら、当日のオペレーションを策定します。
当日のオペレーションで特に検討すべき項目は次の2つです。
- スタッフの配置
- 1日のスケジュール
スタッフの配置は、当日イベントをスムーズに進行させるために非常に重要です。
案内や設営など、それぞれのセクションごとに適切な人数を割り当てましょう。
人件費がかさむからといってスタッフを減らしすぎると、トラブルが発生したときに誰も対応できなくなります。
人手が足りない場合は派遣会社などを活用することも考えましょう。
限られた人材を適材適所に配置することもポイントです。
1日のスケジュールについては何度もシミュレーションしておきましょう。
スタッフのスケジュールだけでなく、参加者の行動も予測しておくことで当日の混雑を緩和することができます。
イベント後のフォローアップの実施
イベントが終了後2~3日中に、顧客に対するフォローアップを行いましょう。
フォローアップの方法としては次のようなものがあります。
- 詳細な情報を希望する顧客への連絡
- イベント参加者へお礼のメールを送る
- 見込み顧客に対して優先順位をつける
イベントを通じて自社に興味をもってくれた顧客だけでなく、イベント参加者全体へのフォローアップが大切です。
参加人数が多いと、全員へお礼のメールを送るだけでも大変になります。
迅速に作業を行いたい場合はMAツールなどを導入するのもいいでしょう。
見込み顧客が1回のフォローアップで顧客になってくれる確率は非常に低いです。
イベントや自社の商品の案内を定期的に行うなど、長期のマーケティングを行う必要があります。
イベントマーケティングの効果検証
フォローアップの目処がついたら、次のような項目からイベントマーケティングの効果検証を行います。
- イベントの参加人数
- 獲得した名刺の枚数
- フォローアップに対する顧客の反応
- 商談につながった案件数
- 契約件数・契約金額
上記の項目にあらかじめ具体的なKGI(最終目標)やKPI(中間的な目安)を設定し、達成率などを分析しましょう。
同じようなイベントを定期的に開催するのであれば、上記の項目を検証してPDCAサイクルを回して改善策を検討することが大切です。
イベントマーケティングを成功させるポイント
イベントマーケティングを成功させるポイントは、イベントの効果測定で精度の高い分析を行うことです。
正しく効果を測定するために、企画段階でKGIやKPIをきちんと設定しておきましょう。
KGIやKPIが設定されていない場合、イベントの効果を検証しても望むような分析結果を得ることは難しいです。
効果測定を行うタイミングも、早すぎると十分な成果が得られない状態での分析結果となってしまいます。
特に契約件数などは数字が確定するまで時間がかかるでしょう。
適切なタイミングを見極めることが成功のポイントです。
イベントマーケティングの注意点
イベントマーケティングの注意点は、イベント自体が失敗するリスクがあるということです。
事前告知が十分でない場合、参加者が思うように集まらないこともあるでしょう。
当日思いもよらないトラブルが発生して参加者がイベントに満足できなかった場合、顧客が離れてしまう可能性があります。
顧客が離れてしまえば、イベントにかかった経費はすべて無駄になってしまうのです。
イベント自体を成功させるために、事前にさまざまな状況をシミュレーションして対応策を練っておきましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
デジタルの活用もあわせて行おう
イベントのフォローアップや効果測定には、デジタルの活用もあわせて行いましょう。
MAツールを活用することで、迅速なフォローアップが可能です。
効果測定にMAツールを導入すれば、より詳細な分析結果を得ることができます。
デジタルをうまく活用して最低限の人数でイベントマーケティングを行うことで、費用対効果がさらに高くなります。
イベントマーケティングで着実に成果を出すなら
イベントマーケティングで着実に成果を出すなら、専門のコンサルタントを活用することも検討しましょう。
イベントが失敗するリスクを避けるためには、専門知識やノウハウが欠かせません。
専門コンサルタントのデジマクラスであれば、イベントマーケティング全般のサポートが可能です。
イベントマーケティングで成果を出したいのであれば、デジマクラスに相談してみましょう。
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まとめ
顧客への影響力が大きいイベントを活用したマーケティングは、近年注目されている手法です。
イベントの目的や適切なKGI・KPIを設定することにより、より高いマーケティング効果を得ることができます。
ただし、イベント開催には失敗するというリスクも潜んでいます。
イベントマーケティングを成功させたいのであれば、専門コンサルタントのデジマクラスにぜひご相談ください。