積極的に顧客に関与して顧客を成功させることをカスタマーサクセスといいます。
企業が実益を追求するためには欠かせないものです。
カスタマーサクセスを実現することは顧客ロイヤリティを生み出し、企業にとって重要な要素になります。
マーケティング戦略に欠かせないカスタマーサクセスについて詳しく見ていきましょう。
カスタマーサクセスにヘルススコアを導入するメリットや判断基準、改善策も解説します。
目次
カスタマーサクセスの定義
顧客の成功なくして企業の成功なしということがカスタマーサクセスの考え方です。
カスタマーサクセスとは、顧客が自社の製品やサービスを享受して期待した満足が得られたことそのものを指します。
カスタマーサクセスを実現するためには、サブスクリプション型のビジネスで顧客の満足度を高めることが重要といえます。
そのためにはLTV(顧客生涯価値)を最大化することが求められるのです。
LTVは顧客から生涯にわたって得られる利益を指します。
例えば、契約した顧客をフォローせずそのまま放置しておくと満足度は低下し解約に至ることもあるでしょう。
顧客に寄り添い、顧客の成功プランニングを施策することこそがカスタマーサクセスなのです。
ところでカスタマーサクセスが注目されるようになった背景には2つの要素があります。
- ビジネスモデルの変化
- 営業スタイルの変化
サブスクリプション型ビジネスモデルが普及し、利用期間に応じてコストを払う方式が広がりました。
BtoBでは月額課金方式が浸透し、契約期間中は収益が安定しています。
しかし、一旦商品やサービスに不満や疑問を抱くと契約解除になることもあるのです。
こうしたことから解約率を下げるために、積極的に顧客フォローをすることがカスタマーサクセスに繋がるのです。
次に営業スタイルの変化がカスタマーサクセスにも影響しているといわれています。
従来の売り切り型ビジネスは一度商品を販売すればゴールでした。
その後は、新しい顧客開拓をすればこれまでは問題がなかったからです。
しかし、経済環境が目まぐるしく変化する時代に、そう簡単に新規顧客が次々に見つかるはずもありません。
そこでサブスクリプション型ビジネスが重要になったのです。
購入や契約が始まった時点がスタートであり、顧客を育成してロイヤリティを生み出せば安定した収益に繋がります。
新規顧客を見つけ契約までにかかるコストは既存顧客の5倍です。
限られた営業リソースでそこまで時間とコストをかけるメリットが果たしてあるのでしょうか。
カスタマーサクセスにヘルススコアが重要な理由
ヘルススコアとは顧客が自社の商品やサービスを継続的に利用してくれるかどうかスコア化したものです。
顧客の健康状態が可視化できることでカスタマーサクセスへの切り札ともいえます。
ヘルススコアを使えば企業の収益に結び付くLTVを最大化する施策も考えられるでしょう。
ヘルススコアはカスタマーサクセスの状況を誰が見ても分かる指標です。
そのため社内で情報を一元管理し共有することでどの社員もアクセスしてみることで意識改革に役立つといえるでしょう。
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カスタマーサクセスにヘルススコアを導入するメリット
ヘルススコアをカスタマーサクセスに導入するメリットとして主に3つがあげられます。
詳しく解説します。
個別の顧客対応が可能になる
可視化できるヘルススコアは顧客の状態を数値化することで、症状に応じた処方箋が用意できるのです。
営業担当者が顧客をフォローする際にどこを重点的にケアすればいいのかよく分かるため、解約のリスクが低減します。
こうして事前に察知できるのもヘルススコア導入の魅力といえます。
また、ヘルススコアがあれば限られたリソースでも効率よく営業できるため、担当者の負担も軽減できるのです。
チャーンレート(解約率)の改善が期待できる
ヘルススコアを導入すればどのタイミングで顧客フォローをすべきか指針が決まります。
また、同じような顧客がいれば優先順位を付けて対応も可能になるため、解約率を下げる効果が期待できるのです。
例えばログイン数が低い顧客には魅力的なサービスやキャンペーンのお知らせをしたり、利用方法を説明したりして使用頻度を上げさせます。
また、アップセル・クロスセルの提案をして解約率の改善を図る方法もあります。
LTVを向上させるためにはプランアップ・関連商品・サービスの提案もいいでしょう。
こうしたアプローチで顧客の契約を持続することも可能になるのです。
売上アップが見込める
ヘルススコアの導入で顧客別の状態に合わせたフォローができます。
一度契約した顧客には一律のフォローやサービスではカバー仕切れないことがあります。
顧客の満足度は1人ひとり異なるため、正確な分析をしてそれぞれ足りないフォローをすべきでしょう。
例えば、現在利用している商品やサービスにおいて、まだ活用できていないものがあればその魅力を案内してみる。
または、一度契約して時間がたった顧客には関連商品の魅力や効果を説明して追加契約をしてもらうなどです。
こうしたそれぞれに応じた対応が売上アップに繋がります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ヘルススコアの判断基準
ヘルススコアは顧客へどのようなサポートをすべきか判断する材料になります。
それではヘルススコアの判断基準について見ていきましょう。
サービスの利用度
ヘルススコアは顧客のサービス利用度に応じた対応が大切です。
具体的には以下の利用度を判断基準にします。
- ログイン回数
- ログイン頻度
- 契約更新回数
- 利用時間
- 機能の活用頻度
利用意欲が下がった顧客はチャーン前に素早く対応すべきです。
その一方、いくらフォローしても利用率向上や購入に至らない顧客も一定数います。
そういう場合は対応しないという判断も時には必要なのです。
無理に積極的に関わることで解約されるリスクもあるため、様子を見ることも重要です。
このことから利用が見込める顧客を判断して手厚いサポートをする方が、ビジネスには有利であるといえるでしょう。
顧客のイベント出席率
自社で開催しているイベントやセミナーの参加回数を指標とすることもあります。
イベントやセミナーの参加が多いということは、商品やサービスに少なからず興味があり、何かを求めているサインと捉えます。
出席率をデータ化してニーズに応じたフォローをすることでカスタマーサクセスが実現するのです。
NPS®
NPSとは「Net Promoter Score」の略で、「ネットプロモータースコア」といいます。
顧客ロイヤリティを図る指標で、企業や商品にどれくらい愛着や信頼を持っているかを数値化したものです。
主に企業と顧客の接点において、顧客体験の評価・改善に活かされています。
具体的には「商品やサービスを知人や友人に勧めるか」という問いに対して、0〜10までの11段階で評価してもらいます。
この数値でどれくらい愛着を持っているか判断できるというものです。
顧客ロイヤリティはLTVとも密接な関係にあるためヘルススコアの指標としても利用されています。
アップセル・クロスセル
LTVの最大化においても活用されるものとしてアップセル・クロスセルがあります。
カスタマーサクセスにおいてもアップセル・クロスセルは判断基準として用いられています。
アップセル・クロスセルができている顧客は、商品やサービスへの満足度が高く、良好な状態であるとされるのです。
アップセル・クロスセルでポイントになるのは次の点です。
- 新サービス紹介
- 追加機能の充実
- 上位プランの紹介
- 利用範囲拡大の提案
「1:5の法則」では新規顧客を獲得するためには既存顧客の5倍のコストがかかるとされます。
こうしたことから既存顧客へのアプローチがいかに重要かお分かりでしょう。
アップセル・クロスセルが重要だといわれる理由はここにあるのです。
ヘルススコアの導入手順
ヘルススコアの導入手順についてご紹介します。
顧客の理想状態を定義する
最初にすべきことは、顧客の状態がどうあれば自社から見て健康な状態であるか定義する必要があります。
不健康な状態を思い浮かべれば定義しやすいでしょう。
- 利用頻度が少ない
- 利用時間が短い
- 利用している機能が少ない
- サービスを推奨する行動が見られない
こうした不健康な状態から、利用頻度や利用時間がどれくらいなら健康状態といえるのか考えてみましょう。
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活用する判断基準を決める
ヘルススコアを活用する判断基準を決めることが大切です。
ポイントになるのがサービスの利用状況です。
サービスの価値が顧客に伝わっているか知ることが重要になります。
そのためにはサービスの利用状況を把握することがポイントになります。
次にログイン回数も判断材料です。
日々ログインすべきサービスにもかかわらず、ログイン履歴が減る傾向は解約の兆しと考えられます。
顧客が何か問題やサービスへの不満を抱えている可能性があるので早急に対応しましょう。
もう一つNPSも活用する判断基準として考えておくべきでしょう。
顧客のサービスに対する愛着度・信頼度を数値化し11段階で評価されます。
数値が低い場合は特に注意して顧客フォローに当たってください。
算出方法を決める
ヘルススコアには決まった計算式はありません。
自社で収集した顧客の指標に基づいて計算式を作りましょう。
例えば、ログイン頻度が1ヶ月で1度もない場合は0点、1週間に1回なら10点、毎日なら30点などです。
ヘルススコアのケース別改善策
ヘルススコアでは計算式を変更したり、指標を見直したりして改善することが重要であると考えます。
それによりカスタマーサクセスそのものを見直すこともあるのです。
ここではヘルススコアのケース別改善策について解説します。
ケース①サービスの利用度が悪い
サービスの利用頻度が低い場合は、オンボーディングがうまくできていないかもしれません。
利用されなくなった原因を調べて、活用頻度を高めるアプローチを検討しましょう。
ケース②サービスの定着率が伸びない
サービスの定着率が低い場合は、どこに課題があるか究明しなければ解約数がどんどん増える恐れがあります。
アンケート調査など顧客の声を収集して解析しましょう。
無記名アンケートならバイアスがないだけ顧客の本音が聞けます。
ケース③サービスの利用度は高いが売上につながらない
よくあるケースに利用頻度は高いのに売上に繋がらないという状態があります。
この場合、アップセル・クロスセルがうまく機能していない可能性があるのです。
早急に対応すべきは売上に繋がる顧客を洗い出し、最適な提案をしてアプローチすることをおすすめします。
ヘルススコアを導入する際の注意点
ヘルススコアを導入する上で注意したいのは、ヘルススコアはあくまで手段の1つであることです。
顧客の成功体験を無視してスコアを追い続けていては意味がありません。
顧客が心から求めているものを察知し、利用しやすい環境を提供していくことが大切なのです。
その際に利用するのがヘルススコアであり、その先に目的であるカスタマーサクセスがあります。
目先のスコアに気を取られてカスタマーサクセスを見失うことがあってはなりません。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ヘルススコアをカスタマーサクセスに活用しよう
解約防止やLTVを向上させるためには最適なカスタマーサクセスの進め方を把握し、課題を解決していくことが重要です。
ヘルススコアはカスタマーサクセスに欠かせない指標なのです。
ヘルススコアを元に最適なアプローチ方法を決めていきましょう。
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カスタマーサクセスのヘルススコア導入に困ったら
マーケティング戦略に欠かせないカスタマーサクセスについて解説しました。
カスタマーサクセスにおいてヘルススコアは非常に重要です。
ヘルススコアに適した顧客アプローチがカスタマーサクセスに欠かせません。
しかし、ヘルススコアがあれば解約率が減るわけではありません。
ヘルススコアは自社の計算式で導き出した数値であり、そこに問題があればアプローチそのものが間違えている可能性もあるのです。
そのため正しい根拠に基づいて算出されたヘルススコアを利用しなければなりません。
しかし、どうやって指標を導き出すのか分からない時はデジマクラスに相談しましょう。
デジマクラスは戦略立案から施策まで、豊富な知識と経験のあるコンサルタントが対応いたします。
自社の戦略を分析し課題を見つけ、改善をした上で健全なヘルススコアを導き出して、カスタマーサクセスを実現させます。
まとめ
カスタマーサクセスに取り組む時に、ヘルススコアを理解しておくことは大切です。
どのレベルの顧客に対しどのようなサポートをするのか基準を設定しておけば、目標であるカスタマーサクセスに辿り着けます。
また、顧客満足度を向上させることは企業経営の根幹にも大きな作用をもたらします。
カスタマーサクセスを目指すなら、顧客に直接的・間接的に関係する社員全員の意識改革も必要です。
カスタマーサクセスの進め方や課題を解決していくことで顧客ロイヤリティが高まり、最終的に企業の成長に繋がるのです。