企業から顧客へ能動的にアプローチするマーケティング手法のひとつにアウトバウンドコールがあります。
うまくポイントをおさえて運用する事で、BtoCだけでなくBtoBのビジネスでも活用が可能な方法です。
今回はアウトバウンドコールのメリットや成功させるためのポイントを分かりやすく解説していきます。
導入の流れや費用相場もご紹介しますので、アウトバウンドコール導入を検討中の方はぜひ参考にしてください!
目次
アウトバウンドコールの役割と目的
アウトバウンドコールの導入にあたって、まずはその役割と目的を確認します。
アウトバウンドコールは積極的な営業活動であり、攻めのマーケティングともいわれる手法です。
その役割は主に新規顧客を獲得する事であり、必要に応じて顧客ニーズの調査も実施します。
また既存顧客のアフターフォローや満足度調査に利用するケースも少なくありません。
いずれの場合も最終的な目的は、商品・サービスの売上につなげ企業の利益アップを図る事です。
新規顧客獲得の事例はこちら
アウトバウンドコールのメリット
アウトバウンドコールのメリットとしては以下の4つが挙げられます。
メリットを把握する事でアウトバウンドコールを導入する目的を定めるのに役立つのではないでしょうか。
積極的な案件創出が可能
アウトバウンドコールは企業側から顧客にアプローチする手法です。
そうした点では企業の狙いに基づいて、案件創出を積極的に実施できる点がメリットといえます。
またアウトバウンドコールでは企業側が主導して顧客に伝えたい情報を決める事が可能です。
つまり企業が戦略を組み立てて営業活動をすすめる事が容易にできます。
ただし、あくまで企業の都合で架電するため、取り合ってもらえないケースも多い点は認識しておいてください。
効率の良い営業が可能
アウトバウンドコールの際は、闇雲に顧客をリストアップして営業活動をするわけではありません。
顧客にアプローチする前に顧客の属性や状況等により詳細なターゲティングが可能です。
より成約に結び付きそうな顧客に優先的にアプローチできるため、効率の良い営業につながります。
ニーズの検証が可能
アウトバウンドコールはメールやDMなどの手段と異なり、顧客と会話できる点が特徴です。
リアルタイムで顧客のニーズの有無等を検証できる点は大きなメリットといえます。
企業が想定した仮説が正しいかどうかなどについて、貴重な情報を得る事にもなり得るのです。
顧客の実際の声や反応から得た情報は、その後の戦略に活かせるでしょう。
顧客満足度の調査が可能
アウトバウンドコールでは顧客満足度の調査を行う事もできる点がメリットです。
既存の商品に関する調査も行う事で、新商品の売り込み以外にも顧客から貴重な情報を集められます。
集めた情報を既存商品の改善に活かす事で商品力アップにつながり、企業に大きなメリットがあるのです。
アウトバウンドコールを成功させるポイント
アウトバウンドコールを成功させるためには、どのような点に気を付けたら良いのでしょうか。
ここでは特に注意すべき4つのポイントをご紹介します。
ターゲット層を事前に調査
アウトバウンドコールは企業から積極的に顧客に対してアプローチする手法となります。
この手法は誰にいつどのような内容で電話をかけるかは企業に主導権がある手法です。
しかし、ひたすら顧客リストを見て電話をかけるだけでは労力に見合う成果を得るのは困難といえます。
まずは事前調査をし成果につながりやすい顧客に優先的に電話をかける方が成功する可能性が高いです。
トークスクリプトを作成
トークスクリプトとは顧客に電話をかける際のシナリオの事を指します。
高品質なトークスクリプトを作成しておく事も、アウトバウンドコールを成功させるポイントです。
自社の商品・サービスの魅力を効果的に伝えるにはトークスクリプトが役立ちます。
仮にトークスクリプトがなければアプローチが属人化するおそれがあるうえ、顧客ニーズと企業のアプローチのズレを把握できません。
トークスクリプトを作成しておく事で、スタッフの力量を問わずスムーズなアプローチが可能となります。
既存の顧客情報を調査
既存の顧客情報の調査もアウトバウンドコール成功のポイントです。
新規顧客獲得のみに頼ってビジネスを展開していくのは多大な労力が求められます。
既存の顧客はすでに商品・サービスを利用した実績があり、企業からのアプローチがしやすい存在です。
アウトバウンドコールにおいても既存の顧客に目を向け、丁寧に調査してニーズを掘り起こしましょう。
KPIの設定
「KPI」とは(Key Performance Indicator)の略で、目標達成の度合いを測る指標の事です。
アウトバウンドコールを成功させるには改善を繰り返す事も大切なポイントになります。
改善点の把握や目標達成の阻害要因の特定には、KPIの活用が非常に有効です。
KPIを活用しコール内容やトークスクリプトの見直しに役立ててください。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
アウトバウンドコール導入の流れ
アウトバウンドコールの導入を検討する場合、一般的には以下の流れですすめていく事になります。
- アウトバウンドコールで目指すゴールを決める
- 現在の状況や課題を洗い出す
- 洗い出した課題をもとに運営プロセス等を策定する
- 必要なシステムやインフラを整備する
- 人材採用や研修・育成を実施する
まずはアウトバウンドコールを導入する事で、実現したいゴールを明確にする事が大切です。
ゴール設定が曖昧になっていると方針が揺らぎやすくなり、効果が得られなかったりスタッフのモチベーションが低下したりします。
続いて行うのが、組織の運用や人材育成およびインフラなど様々な角度で企業の課題を探すステップです。
この際に課題に対してアウトバウンドコールでできる解決策を簡単にイメージしておくのも良いでしょう。
ここからは課題などをもとにアウトバウンドコールを行う部署や拠点の土台を構築していきます。
構築にあたっては以下のような項目に検討すると判断がしやすいです。
- 拠点で求められる機能は何か
- 運用やマネジメントの指標はどう決めるか
- チーム体制や必要な人員はどれくらいか
- 人材の育成プランや期間はどうするか
ここまでで必要な体制や人員がある程度把握できたら、顧客管理システムや電話回線やオフィスなどのインフラを整備していきます。
そしてオフィス整備と並行して必要となるのが人員を採用し研修やOJT等を通じて育成する事です。
あわせて管理者となる人員の研修やマニュアル作成もすすめておくと、より安心できます。
アウトバウンドコールを依頼するメリット
ここまでご紹介してきたようにアウトバウンドコールは多くのメリットがある手法です。
しかしアウトバウンド業務には高い営業スキルが要求されます。
そのため自社内で準備するのが難しく、社外に依頼したいという企業は少なくありません。
アウトバウンドコールを社外に依頼するメリットとして以下の2つが挙げられます。
マーケティングまで担当してくれる
アウトバウンドコールを社外に依頼した場合、単なる営業電話ではなくマーケティングまで担当してもらえる点が大きなメリットです。
社外の人間だからこそできる市場や顧客ニーズの調査や詳細な分析も依頼できる可能性があります。
また、豊富なノウハウや高いスキルを持つアウトバウンドコールのプロが対応してくれる点も魅力的なポイントです。
新設するより費用が抑えられる
社外にアウトバウンドコールを依頼する場合にはコスト面のメリットもあります。
自社内のリソースを使ってアウトバウンドコール部門を新設すると、新設費用や時間的コストは莫大になるという覚悟が必要です。
しかし社外に依頼する事により、こうしたコストについてはかなり抑える事ができます。
アウトバウンドコールを依頼する場合の費用相場をチェック
ここではアウトバウンドコールを社外に依頼する場合の費用相場について、3つの点からご紹介します。
件数ベースの費用
アウトバウンドコールは基本的にコール件数ベースで料金が決まるのが一般的です。
コールの内容等によっても異なりますが、コール1件あたりの相場は約200円~1,000円となります。
単なる営業電話より顧客ニーズの調査などの方が通話時間が長くなりやすいため単価が上がる傾向です。
初期費用やスクリプト作成料
アウトバウンドコールを社外に依頼する際は初期費用やトークスクリプト作成料も発生します。
約1万円~5万円の初期費用と施設利用代として約1万円~2万円の月額費用がおおよその相場です。
またトークスクリプト作成も含めて依頼する場合にはその作成費用も加算されます。
作成費用については内容や企業によっても異なるため、見積もりをとって比較検討してください。
安い事を重視してしまいがちですが、依頼先の提供するサービスのクオリティも確認する事が大切です。
成果報酬型の場合も
コール件数ベースで費用が決まる形式が主でしたが、成果報酬型の費用体系を採る企業もあります。
成果報酬型の場合は、目標達成1件あたり1万円程度の課金がされる方式です。
一般的には件数ベースの方が成果報酬型よりは金額が安くなります。
コール内容の難易度が高いと成果報酬型の方が安くなる事もあるため自社に合った企業を選んでください。
新規顧客獲得の事例はこちら
依頼先を選ぶポイントは?
アウトバウンドコールをアウトソースする場合のメリットや費用相場をお伝えしてきました。
何となくアウトソースした際のイメージがつかめてきたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一方でどのように依頼先を選べばよいか迷ってしまう方も多いかと思います。
アウトソーシング会社は多数ありますが、企業によって質や費用が異なるため慎重な選択が必要です。
大まかに依頼先を選ぶ際にチェックするポイントは以下の2点が挙げられます。
- オペレーターが長く勤務している企業か
- セキュリティ面での対策はされているか
オペレーターになるには資格は要りません。
しかし顧客対応力や事務能力などのスキルについては経験が長い方が有利です。
オペレーターとして同じ企業に長く勤めているのであれば充分な経験があり、職場環境も良好であると予測できます。
アウトバウンドコールは、顧客の個人情報が記載されたデータなどを多数取り扱う業務です。
アウトソーシングする際はこのような個人情報を渡す事になります。
したがって、情報を取り扱うセキュリティがしっかりしている企業でなければいけません。
たとえば情報セキュリティマネジメントに関する国際規格を取得しているか等は、ホームページで確認する事が可能です。
万が一、個人情報に関する事故が起きてしまうと依頼元企業の信用も低下するおそれがあります。
情報セキュリティマネジメントが徹底されている事をチェックし依頼先選びの参考にしてください。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
アウトバウンドコール実施における注意点
アウトバウンドコールを実施する際の注意点は以下のようなものが挙げられます。
想定した効果が出ない時や運営がうまくいかない時のチェックポイントとしても参考にしてください。
- トークスクリプトは現状に合っているか
- KPIの設定は適切か
- スタッフのケアはできているか
トークスクリプトは一度作成した後も顧客の反応を汲み取って改善をする事が大切です。
またKPIが適切に設定できていれば、改善策を見つけるための軸になります。
設定したKPIと実績を比較して基準に達していない項目を随時改善していく事が必要です。
たとえば顧客とのコンタクトが取れていなければアプローチする時間帯を変えてみます。
顧客と会話できているのに成約に至らないのであれば、決裁権者にアクセスできていない可能性があるため改善を図るのです。
さらにコールを行うスタッフのケアにも注意をしなければなりません。
アウトバウンドコールは企業の都合で営業をするため冷たくあしらわれたり話を聞いてもらえない事がよくあります。
オペレーターはストレスを感じやすいため、精神面のケアは丁寧に行う事が大切です。
アウトバウンドコールを依頼するか悩んだ時の対処法
アウトバウンドコールを依頼するか悩んだ時は第三者であるプロの意見を聞いてみるのがおすすめです。
導入を検討する際に自社内で新設するか社外に依頼するかの判断は難しいというケースもあります。
依頼する場合はコスト抑制効果等のメリットがありますが、デメリットもゼロではありません。
長期的な視点でベストな選択をするために客観的なアドバイスを取り入れる事が有効です。
デジマクラスにはマーケティング施策に関する豊富なノウハウと実績があります。
コンサルタントが現状をヒアリングし、貴社に適したアウトバウンドコールの導入方法を提案させていただく事が可能です。
まずは成功事例のご紹介もできますので、まずはお気軽にメールにてご相談ください!
新規顧客獲得の事例はこちら
まとめ
今回はアウトバウンドコールのメリットや成功させるためのポイントについて解説してきました。
アウトバウンドコールは企業の営業活動として定着した手法です。
企業にとっては詳細なターゲティングをして積極的に案件を創出できるメリットがあります。
また顧客に直接ニーズ調査や満足度調査ができる貴重な機会としても活用する事が可能です。
本記事でご紹介した成功させるためのポイントや注意点を参考にすれば成果にも結びつきやすくなります。
アウトバウンドコール活用を検討中の方は、プロのコンサルティングも取り入れながら導入に向けて行動してみてください。