UGCとは「User-Generated Content」の略で企業にメリットがある施策の1つです。
インターネットが普及し、SNSや口コミが消費者の購買活動に大きな影響力を持ってきています。
こうした中、UGCをいかに活かすかがマーケティングで課題になっているのです。
UGCは商品の魅力や信頼感を伝える手段として注目されています。
今回はUGCをインスタで活用するメリット、インスタ活用事例などを紹介します。
目次
UGCの概要
UGCは企業側でなく、ユーザー発信によるコンテンツを表す言葉です。
具体的な例として以下のようなものがあります。
- Instagramなどに投稿される飲食店のメニュー
- YouTubeに投稿されるレビュー動画
- 価格.comや食べログに投稿される評価
- 企業の口コミサイトの投稿
- Amazonのレビュー
こうしたユーザーによる投稿が商品やサービスの宣伝機能を持ち、コンテンツ全てがUGCになります。
企業による情報配信より、SNSでのユーザー同士の声がマーケティングを動かす有効な手法になっているのです。
特にUGCはユーザーの声が可視化されるため、UGCマーケティングの期待は大きく膨らんでいるといえるでしょう。
マーケティング戦略の事例はこちら
UGCをインスタに活用するメリット
Instagramが普及し「インスタ映え」という言葉が広まりましたが、リアルな体験イメージがユーザーの間で共有されています。
Instagramを通じてユーザー目線で伝えられる情報は非常に価値があるといっても過言ではありません。
ここではUGCをインスタに活用するメリットについて解説します。
日々の投稿の質を上げる
SNSはユーザー同士が好きな人と繋がることで欲しい情報を収集する場所です。
ユーザーは最初から企業の広告を見に行くことはありません。
多くのユーザーは自分の投稿を評価してもらおうと競争が加速しています。
一方、企業はパーソナルスペースに広告を配信しているだけのイメージしかありません。
Instagram企業公式アカウントでの運用は広告色が強ければ嫌悪され逆効果になります。
企業も個人の高いクオリティの写真や動画を活用して、日々の投稿の質を上げ広告色のないUGCにすることが重要です。
日々の投稿の量を確保する
UGCを活用して日々の投稿の量を確保するためには定期的に投稿することです。
そのためにはハッシュタグを通じて新規ユーザーを取り込むことが重要です。
しかし、企業が投稿するにはコンテンツ不足や人手不足という問題があります。
対策としてはユーザーが投稿しているUGCを活用すれば、手間をかける必要もなくコンテンツの量は確保できます。
ユーザーとのコミュニケーションができる
自社の商品やサービスを投稿してくれるユーザーは、ブランドに好意的な人が多いのが特徴です。
企業はそうしたユーザーにコミュニケーションを通じて企業アカウントに使用するための許諾取得を依頼します。
ユーザーのUGCを企業公式アカウントに活用するためにはユーザーからの許諾取得が必要です。
- 企業アカウントからInstagramコメント欄にDMやコメントで直接書き込む
- UGC収集機能付きの専用ツールを利用する
いずれかの方法で許諾申請が可能ですが、大量のUGCの申請をするなら専用ツールがおすすめです。
こうしたコミュニケーションを通じてロイヤリティ向上に繋げることが可能になります。
インスタのユーザーの特徴
国内月間アクティブアカウント数が3,300万人を誇るInstagramを、多くの企業はマーケティングに活用しています。
ここではインスタのユーザーの特徴について解説します。
ユーザー数
Instagramの国内月間アクティブアカウントは3,300万人を越えています。
世界では毎月10億人以上のアカウントがアクティブになっています。
国内のユーザー数内訳は男性43%、女性57%です。
若者層のユーザーがいる
国内の年齢別内訳は15〜19歳は65%、20代57.3%、30代47.8%、40代40.2%、50代29.4%となっています。
このことから20代以下の割合が圧倒的に高いことが伺えます。
行動に移しやすい
Facebook社によると80%以上のユーザーがInstagramを利用して、商品やサービスの情報を入手しているそうです。
およそ81%のユーザーがInstagramで情報収集した経験があり、情報に基づいて購入を決めたことがある人は80%にのぼります。
Instagramで多くのユーザーが購買行動に繋がるきっかけを求めているのです。
行動に移しやすい要因は、ユーザー目線であること、リアルな体験に基づく情報なので関心が高いことがあげられます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
なぜインスタの運用にはUGCか
UGCに関心が向けられているのは一般のユーザーに広告が受け入れられなくなっているからです。
スマートフォンなどでSNSをチェックしていて広告が出てくるとユーザーは嫌悪感を抱いてスルーする人多いのです。
インスタの運用にUGCが活用される理由について具体的に見ていきます。
消費者の購買決定に及ぼす影響
UGCは一般ユーザーには信頼性の高いコンテンツです。
実際に商品やサービスを使ったリアルな声は消費者には貴重であり、共感されやすいといえるでしょう。
メリットだけでなくデメリットも発信してくれるので消費者の購入決定に大きな影響を及ぼすのです。
企業の広告ではデメリットは一切配信されませんから、消費者が使ってみて効果がなければ企業に対する嫌悪感が芽生えるのです。
そのため、企業はユーザーの関心度が高いUGCを活用すれば商品開発やサービス改善に活かせます。
企業アカウントをより身近に感じる
Instagramで企業アカウントをフォローするユーザーは若者を中心に80%と高い数字です。
起床から就寝までSNSに親しむ若者を中心に、消費者目線の投稿をする人が圧倒的に多くなっているからです。
ここでいう企業アカウントとは広告を一方的に配信するものではなく、一般ユーザーに近い感覚のアカウントになります。
許諾取得を通じて画像や投稿を活用することで個人は企業を身近に感じます。
さらに企業独自のハッシュタグを作ることで一体感を醸成することができるのです。
新しい視点が得られる
SNSの投稿画像は素人が撮影した画像ばかりで新鮮味と新しい視点があります。
そこには広告のイメージは全くないためより親和感が出てくるのがポイントになります。
UGCであればプロのカメラマンが撮り下ろした雰囲気がないため、たとえ広告だったとしても友達感覚で見ることができるのです。
また、撮影技術も進化していて個性豊かな高いクオリティの画像も満載なのも魅力でしょう。
企業もあえてプロのカメラマンに依頼する必要もなく、こうした画像を許諾取得で活用すればいいのです。
運用コストが低い
UGCをSNSに活用すれば、わざわざ自社や広告代理店を通じてコンテンツや投稿画像を用意する必要がありません。
ユーザーたちの優れた画像や投稿を活用すればクリエイティブ制作にさく時間や人件費なども抑えられます。
もちろん画像の使用許可は必要ですが費やすコストはわずかです。
コンテンツのクオリティ
デバイスやインフラの進化はめまぐるしく、素人でもプロ並みの画像を撮影することが可能になってきました。
また、プロにはない斬新なショットは多くのユーザーを魅了します。
こうしたコンテンツのクオリティに拍車をかけるのがインスタに投稿するユーザーたちの競争です。
たくさんに人に見てもらいたいという気持ちがコンテンツのクオリティをさらにアップしているのです。
マーケティング戦略の事例はこちら
UGCをインスタ運用に活用している事例
それでは気になるUGCをインスタ運用に活用している事例を紹介します。
いずれもインスタ運用の効果があって自社サイトへの流入が増えた成功例となっています。
株式会社FLASHPARK
株式会社FLASHPARKでは、Cake.jp(iiicake.jp)を通じて日々の投稿にUGCを活用しShop Now機能と連携させています。
Shop Nowとは企業の商品に興味を持ったユーザーをInstagramの投稿から商品購入ページへ誘導することができる機能です。
具体的にはUGCマーケティングプラットフォーム「Letro」を活用します。
Cake.jpなどのハッシュタグで検索し、投稿として活用したいUGCには「Letro」の管理画面経由で許諾取得のリクエストを送信します。
効率的なUGC収集を実施したところ、素材を切らすことなく毎日投稿ができるようになりました。
その結果、Instagram経由で自社サイトへの流入が増加しました。
キリンビール株式会社
キリンビール株式会社はハッシュタグを活用し日々の投稿に活用しています。
キリンビールの商品は缶が多く、それだけではインスタ映えが困難でした。
そこでUGCの活用を考えたのです。
ユーザーの投稿画像が公式アカウントで利用されているのを見ればユーザーはファンになってくれます。
そうした投稿者存在は周囲の人に影響を与え、クオリティの高い画像を提供してくれるようになったのです。
「#きょうのキリン」ではクラフトビールに合う料理やレシピなどさまざまな情報が寄せられます。
次第にユーザーからもハッシュタグを付けてもらえるようになり、感謝の言葉も集まるようになりました。
ポイントは「今日」をあえて「きょう」として親しみを込めたことです。
多くのファンが増え、日常生活にキリンブランドが溢れています。
損害保険ジャパン日本興亜株式会社
損害保険ジャパン日本興亜株式会社ではオリジナルキャラクターである「ジャパンダ」をUGCに活用しています。
若い世代では損害保険の存在はあまり認知されていません。
そこで「ジャパンダ」を主軸としたInstagramマーケティング施策を開始しました。
写真投稿キャンペーンで多くの投稿画像が集まり、約5,000枚のUGCが収集できました。
「ジャパンダ」を合成したオリジナルの写真・動画コンテンツを作成しInstagramに発信したところ、ママ層で話題になったのです。
その結果、開設後わずか1ヶ月足らずで約3,000人のフォロワーを獲得したのです。
株式会社コーセー
自社のホームページでハイクオリティの広告を配信しても消費者に受け入れられない時代です。
特にコスメは口コミを購入の判断にする消費者が圧倒的に多く株式会社コーセーもPR活動に悩んでいたのです。
そこで企業にとって都合のいい広告ではなく、UGCを活用した公式アカウントを設定しました。
それがコスメブランド「JILL STUART Beauty」です。
公式アカウントの他に「公式リポスト専用アカウント」を設け、商品写真を投稿しているユーザーの写真をリポスト形式で紹介しています。
こうしてユーザーとのコミュニケーションに繋がり、ファンを増やしています。
ANAホールディングス株式会社
ANAホールディングス株式会社では3つのハッシュタグを用意して投稿を促しています。
- 旅の思い出を投稿する #ANA_タビキブン
- ANAの飛行機を撮影した #ソラマニ_ヒコーキ
- 機窓からの景色を投稿する #ソラマニ_マドカラ
こうしたUGCを活用して飛行機好きなユーザーとの繋がりを強化して、ANAのファンになってもらうのです。
#ANA_タビキブンは34,000件以上の投稿が集まる最大のフォロワー数を誇っています。
いずれのハッシュタグもすぐに旅に行きたくなる素敵な画像盛りだくさんです。
UGCを集めるには
UGCを集める方法はハッシュタグを付けて投稿してもらえるようにすることです。
投稿者とコミュニケーションを取る最適な方法といえるでしょう。
アカウントのプロフィール・キャプション内・ストーリーズ・公式サイトなどでUGCを募集していることを紹介するのです。
また、指定ハッシュタグで投稿を募集するキャンペーンを行うのも効果的です。
企業の商品やサービスを紹介してくれるアンバサダーを募集する方法も効果があります。
アンバサダー希望のユーザーはもともとその企業の商品やサービスのファンである可能性が高いのです。
そのため高いクオリティの投稿画像が集められます。
マーケティング戦略の事例はこちら
UGCの注意点
UGCを自社のフィードに自由に投稿してはいけません。
UGCを活用する際の注意点についてまとめておきます。
- 使用許可を取る
- リポストであることを明記しておく
- 著作権・肖像権・商標権
ユーザーが投稿している画像を気に入ったからと勝手に使用すると最悪の場合、訴訟に発展することもあります。
投稿へのコメントあるいはダイレクトメッセージで必ず使用の許可を得てから利用してください。
リポストであることを明記する方法は、キャプションに引用元のアカウントを明記します。
画像内にリポストマークを入れられるツールもあります。
特に著作権・肖像権・商標権には注意が必要です。
- TV番組や小説の二次創作などの著作権に違反するコンテンツ
- 許可を取っていない第三者
- 他社商品やロゴが映り込んでいる
UGCの著作権を持っているのは、写真や口コミといったコンテンツを投稿したユーザーやプラットフォーム側にあります。
無断で使用することは著作権などの違反することになります。
また、他社商品や口コミなどが写り込んだ画像を使用することは肖像権や商標権を侵害するため使用できません。
必ず投稿者の許可を得た上で使用しましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
UGCの許諾に関するインスタの公式見解
米国Facebook社は2020年6月「Instagramの埋め込み機能は画像利用の権利を許可するものではない」という見解を示しました。
この見解を受け、どのような表示方法であっても許諾なく使用することは著作権侵害にあたるとなったのです。
この見解に基づいてUGCをLPや広告に活用する際は、事前に投稿したユーザーの許諾を取得することが推奨されます。
UGCのインスタ活用に悩んだら
企業広告の存在価値が問われる状況下に置いてInstagramでUGCを活用した手法は注目されています。
個人を中心に人気が広がった「インスタ映え」は、消費者をターゲットにするためには欠かせません。
Instagramではユーザーの商品やサービスに対するリアルな感想が消費者の購買意識を左右するのです。
企業もUGCのインスタ活用に取り組んで成功しているところはいくつもあります。
しかし、初めての方はやり方が分からいこともあります。
UGCのインスタ活用に悩んだらデジマクラスにご相談ください。
あらゆるマーケティング戦略に応えられるノウハウと知識を持つコンサルタントが全面的に支援いたします。
まとめ
UGCをインスタで活用するメリットを解説してきました。
Instagramは個人の関心が高くいつでも気軽にチェックできるため、企業側はコンテンツの量を増やしておく必要があります。
企業広告に関心を示さない消費者が増える中、いかにも広告ですと分かる表示は嫌悪されがちです。
ユーザーが自由な発想で生成するUGCは、マーケティングにうまく活用できれば低コストのプロモーションが可能です。
今からでも遅くありません。
UGCを活用しユーザーの熱量を上げて自社のファンにしましょう。
ファンになれば企業収益も期待できます。