ユーザー体験を素晴らしいものにするためにマイクロコピーは欠かせないものです。
マイクロコピー次第でコンバージョンに繋がるかどうかが決まるといっても過言ではありません。
ユーザーの不安を取り除くためにWebサイトではさまざまなマイクロコピーがあります。
例えばラベルボタン・キャプション・通知メッセージなどです。
優れたマイクロコピーは他社との差別化に繋がります。
今回はCVRを高めるマイクロコピーを解説します。
目次
マイクロコピーの特徴
マイクロコピーとは、ボタンの文字・キャプション・エラーページなど細かい箇所のコピーを指します。
具体例をあげておきます。
- ボタン
- 404エラーページ
- サインアップ画面
- 入力フォーム
- ログイン画面
- パスワード設定画面
こうした細かいディテールがマーケティングで注目されているのは、マイクロコピーでユーザーの動きが分かるからです。
Webサイトが発達したためユーザーがどのサイトで何を購入したか把握できるようになりました。
その結果、小さなコピーがコンテンツやビジネスを左右するほどの影響力があることが判明したのです。
Webサイトはユーザーが欲しい情報を閲覧して、資料請求やコンバージョンになるように誘導します。
こうした場面でマイクロコピーが重要な役割を果たすのです。
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マイクロコピーの定義・考え方
それではマイクロコピーの定義や考え方について解説します。
マイクロコピーの役割
マイクロコピーの役割はユーザーを目的地までスムーズにガイドすることです。
マイクロコピーにはユーザーの行動を遮る障害に対処する役割があります。
Webサイトで買い物をする際に、ページの内容が足りなかったり、不親切だったりすればユーザーは離脱してしまいます。
マイクロコピーはユーザーの不安やストレスを解消する役割をしているのです。
例えば支払い画面に来てボタンが、「続ける」と「注文を確定する」のどちらがユーザーにとって好ましいでしょうか。
支払う段階で「続ける」と表示されると、次に何が待っているのだろうかと不安になるでしょう。
それが「注文を確定する」とあれば、このボタンを押せばこれで完了することがユーザに安心感を与えます。
Q&Aにおいて一言、「何かお困りでしょうか?」とあるだけで親近感がわいてきます。
このように人間味を感じさせるのもマイクロコピーの役割といえるでしょう。
初心者でも実践できる
マイクロコピーは初心者でも簡単に実践できます。
コピーライティングと違いお金や時間をかけずに直ぐに成果が出せるのでおすすめです。
アフィリエイターにとってもマイクロコピーは欠かせません。
2文字だけ言葉を入れ替えたらコンバージョンが1.5倍になったという話もあるくらいです。
マイクロコピーの魅力は、広告予算や時間がなくてもすぐに実践できることです。
とても短いコピーなので、書くことが得意でない人でも取り組みやすいでしょう。
即効性があるため、通販サイトなどでは朝修正したマイクロコピーがその日の夕方以降の売り上げを大きく変えることだってあります。
コストをかけなくても即日結果を出すことができるのが、マイクロコピーの魅力なのです。
ウェブサイト全体に適用される
マイクロコピーはウェブサイト全体に適用することで売上がアップします。
最初はボタン周辺だけでもやってみるといいでしょう。
徐々に適用範囲を広げることで手ごたえを感じられるはずです。
効果の高いマイクロコピー例
効果の高いマイクロコピーを目指すなら、専門用語は使わないことです。
特にヒントテキストが複雑だとユーザーはそこで立ち止まり離脱してしまいます。
誰が見ても分かるという前提でテキストは考えましょう。
次にWebページでよく見かける表示として、「詳しくはこちら」とか「詳細を見る」があります。
しかし、これではユーザーを引きつける場合、魅力に欠けるといえるでしょう。
目的が明確なら「○○の特徴を見る」とかにしましょう。
ユーザーにはアンケートや問い合わせを面倒だと感じる人がいます。
そうした場合にポジティブなフォローをテキストで表示するといいでしょう。
アンケートならパーセンテージで進捗具合を示すとか、「あと何問です」とか入れるだけで印象も変わります。
あるいは最初に設問はいくつありますと明記するのです。
例えばボタンテキストを活用してユーザーの関心を高める方法もあります。
- いつでも解約OK
- 定期縛りなし
- 解約手数料なし
- 自動更新なし
こうしたユーザーの深層心理に訴求する言葉を入れるだけでコンバージョン率も変るのです。
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マイクロコピーの事例
具体的にマイクロコピーを活用した事例をあげて解説しましょう。
pairs
マッチングアプリ「pairs」の会員登録画面についてです。
マイクロコピーでは能動的な言葉を使うことでユーザーの行動を促す効果が期待されます。
そこで会員登録画面に「Facebookではじまる」と表示しました。
「Facebookで登録」とどこが違うのでしょうか。
「Facebookではじまる」の方が、これから何かが始まるという期待感をユーザーにイメージさせます。
これこそがユーザーの行動を促す手法なのです。
「Facebookで登録」では事務的なイメージしかありません。
そしてもう1つ「Facebookには一切投稿されません」と入れることで、ユーザーの不安を解消してくれます。
Facebookに投稿されて友達に知られる心配はこの一言でなくなるのです。
マイクロコピーを使った行動を促すと同時に安心を担保するという巧みな広告といえるでしょう。
ユーザーの不安が解消されれば入会してみようという気持ちになるかもしれません。
Amazonプライム
Amazonプライムのマイクロコピーを使った無料体験の申込画面についてです。
「30日間の無料体験」という言葉は、無料というインパクトのある言葉がユーザーのハードルを下げます。
しかも30日間使い放題でAmazonプライムの魅力に触れられるのです。
ユーザーは毎月定額のサブスクリプションサービスを契約する時は内容を理解しておきたいと考えます。
30日間という期間はユーザーにサービスをじっくり体感してもらい、納得して契約に結び付ける戦略です。
そうすれば、約1ヵ月間利用して契約したユーザーはその後契約解除をする確率は低くなるのです。
ここで活用されている効果的なマイクロコピーが「30日」という言葉になります。
人は誰でも楽しい時間は長い方が嬉しいものです。
こういう時の数字の使い方は大きい数字を入れることで宣伝効果が高まります。
「1ヶ月」より「30日」の方がユーザーには魅力的に感じるでしょう。
もう1つ「無料体験後は¥500(税込)/月。いつでもキャンセルできます」とあります。
無料体験後の契約内容を表示し、縛りがなくいつでも解約可能ということでユーザーの不安を解決できるのです。
Udemy
オンライン学習サービス「Udemy」の購入画面には、「この価格で購入できるのは、あと4時間!」とあります。
ユーザーに決断を急がせ、他のサイトに行くのを防ぐ効果があります。
通販番組でよく見かける手法です。
また、「30日間返金保証」と明記することで契約して受講内容が合わない場合は、30日間以内なら返金されるという安心感があります。
これなら試してみようと思う人が多いのではないでしょうか。
ライフネット生命
生命保険会社「ライフネット生命」のトップページの例です。
マイクロコピーで「無料で10秒見積もり」は具体的な数字と手軽さがユーザーに受け入れられています。
次に「無料で資料請求」では、「無料」という言葉がユーザーにとって行動を起こしやすくしています。
「無料」を使う場合はユーザーがお金を出してでも体験したい、欲しいコンテンツの場合だけがいいでしょう。
yappli
アプリ開発・運用・分析プラットフォームサービスの「yappli」のトップページです。
「継続率99%」・「400社導入」という言葉が目に入ります。
社会的証明の原理を利用することでユーザーに安心感を持たせる効果があります。
人は多くの人が下した判断を正しいものとして受け入れる傾向がありますが、その原理を巧みに利用したものです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
マイクロコピーだからできることは?
マイクロコピーができることは3つです。
- ユーザーを正しく導く
- ユーザーを安心させる
- ユーザーのストレスを減らす
マイクロコピーは慌ただしくサイトを訪問するユーザーをどこに何があるか教えて導いてくれます。
リンクボタンはクリックすることで次に何が待ち受けているのか伝えたり、予想させたりします。
こうしてユーザーは快適にサイトを回遊できるのです。
マイクロコピーはユーザーの疑問にピンポイントで応え、安心させてくれます。
ネガティブな心理を和らげ、スムーズに商品やサービスの購入ができるのです。
コンバージョンに迷いがあるユーザーは商品をかごに入れたままにしているケースがあります。
マイクロコピーはそういう人をポジティブマインドにしてくれるコピーなのです。
CVRを高めるマイクロコピー作成方法
マイクロコピーはCVRを高めるためのトリガーです。
ボタン周辺はユーザーが意思決定をする場所になるため必ず立ち止まります。
つまりここではちょっとした工夫がCVRに繋がるということです。
具体的に見ていきましょう。
ボタン上
サイトを訪れたユーザーは上から下に読んでいきます。
ボタン上には行動へのモチベーションを高めるマイクロコピーを設定しましょう。
ボタン下
マイクロコピーを作成する時は、ボタン下にはユーザーが抱える不安や疑問を解消する言葉を設定してください。
- Facebookには投稿しません
- 請求は発生しません
- あなたのプライバシーは守られます
こうした一文が入れば効果的です。
ボタン内
ボタン内にマイクロコピーを設定する際は、リンク先のヘッドラインとボタン内のコピーを同じにします。
一致していない場合、ユーザーは間違ったページに来たかと勘違いし離脱する可能性が高く、CVRが低下する恐れがあります。
ユーザーの離脱率を下げるには
ユーザーの離脱率を下げるにはユーザーの心配事を取り除くことです。
コンバージョンに至らないのはユーザー側に何か疑問・不安があるからです。
Webサイトではコンバージョンに誘導するのに事務的なステップになる傾向があります。
人間的なコミュニケーションを挟むことでユーザーの気持ちも和らぐでしょう。
写真とシンプルなマイクロコピーをペアにすることでビジュアル的に訴求効果も期待できます。
その他には以下の点が考えられます。
- 文章より数字を含める方がクリック率は高い
- 3行以上は箇条書き
- 比較表よりグラフ
- アニメーションよりリアルな写真
- フォントはユーザーが最も使っている言葉にする
- 箇条書きは1行にする
- スマートフォンのUIで使われているフォーマットに合わせる
こうした点に注意しながらマイクロコピーを活用してユーザーの離脱率を下げましょう。
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やってはいけないマイクロコピー
マイクロコピーで注意すべきポイントは、人間味のない言葉は避けることです。
例えば、「このユーザー名はすでに使われています」という言葉はよく登録時に見かけたことがあるでしょう。
ごく一般に使われている言葉ではありますが、この言葉は少し事務的な感じがすると思いませんか。
また、「アカウントがロックされました」というメッセージは人によっては突き放された感じがします。
マイクロコピーを活用し、ユーザーに寄り添い落ち着かせるようなテキストを入れるとユーザーの気持ちもほぐれるのです。
このことから顧客目線でマイクロコピーを考えることが大切だとおわかりいただけるのではないでしょうか。
メルマガ登録を増やすマイクロコピー
メルマガは強力なマーケティングツールであり、企業が顧客と密接な関係を構築したり、最新情報を発信したりします。
メルマガ登録を促すならマイクロコピーを使ってユーザーの気を引くヘッドラインを考えましょう。
個性的なリードコピーもおすすめです。
また、実際に登録した人の口コミを入れると親近感がわくためユーザーの警戒心も薄れます。
登録者数が増えてきたら読者数をフォーム周辺に設定します。
そして、「あなたもご一緒にいかがですか?」とフレンドリーな言葉で勧誘するのもいいでしょう。
そして、一言「スパムメールは送りません」と入れておけばユーザーは安心します。
その他に配信頻度の選択やいつでも解除できるという一言も忘れずに設定しておくことです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
マイクロコピーをブランディングに活用する方法
例えば身近なものを例にあげると、X(旧Twitter)の投稿画面です。
プレースホルダーの「いまどうしてる?」という文言は、とってもフレンドリーな印象になります。
信頼感のあるイメージ・気楽なイメージ・楽しげなイメージを醸成します。
マイクロコピーはそうした手助けができるのです。
「ブランディング」というと仰々しく聞こえてしまうかもしれません。
しかし、漢字・カタカナ・平仮名を整えるだけでも「難しい」印象から「易しい」印象に変化させることができます。
マイクロコピーの活用方法で悩んだら
マイクロコピーは細かい部分ですがその影響力は大きいのです。
ポジティブな言い回しでユーザーをフォローし、購入ボタンやボタンリンク内のラベリングなど工夫すればコンバージョン率は上げられます。
マイクロコピー1つでエンゲージメントが高まりリピーターが増えていくのです。
マイクロコピーはコピーライティングをやったことがない人でも短時間でマスターして売上を伸ばせます。
しかし、マイクロコピーにはボタンの作り方・位置・色など様々な観点があるのです。
マイクロコピーの活用に悩んだらデジマクラスに相談しましょう。
デジマクラスはマーケティングのあらゆる手法に精通したコンサルタントが自社のビジネスに最適なソリューションを提案します。
まとめ
細かなディテールにこだわるマイクロコピーはユーザーの深層心理に訴求する手法です。
一言を入れ替えるだけでコンバージョン率に違いが出るといわれます。
ユーザーへの心配りを念頭にマイクロコピーに取り組んでみてください。