インターネットの普及とSNSの発展で従来のマスメディア広告はデジタル広告へと軸足を移しつつあります。
世界最大の動画サイトYouTubeでは多くの動画広告が配信されています。
それらはインストリーム広告と呼ばれていて、プレロール広告はインストリーム広告の1種です。
今回はプレロール広告の効果的な活用方法を解説します。
メリット・デメリットも紹介しながらプレロール広告の魅力に迫ります。
目次
プレロール広告の概要
プレロール広告とは、YouTubeなどで配信される動画広告であるインストリーム広告の1種です。
動画コンテンツが開始しされる前に挿入される広告を指します。
動画サイトで配信される広告の8割がプレロール広告といわれています。
ユーザーの視聴したい動画コンテンツンの前に再生されるため視聴される確率が高く、インバナー広告よりも訴求力はあるのです。
一方、プレロール広告はYouTubeなど一部の動画サイトでしか配信できないためリーチが狭いというデメリットがあります。
動画サイトにはテレビ局も参入しており、今後ますます配信サービスは拡大するでしょう。
また、SNSでもX(旧Twitter)などでプレロール広告を採用する動きもあります。
こうした流れの中でプレロール広告の存在は大きく、その重要性と果たす役割も広がるといえそうです。
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プレロール広告の種類
動画コンテンツの直前に挿入されるプレロール広告には3つの種類があります。
ここではプレロール広告の3種類の広告について解説していきます。
スキッパブル広告
スキッパブル広告とは動画広告が5秒流れたらスキップできる機能を持った広告のことです。
スキッパブル広告の再生時間はおよそ15秒から30秒の長さが一般的です。
課金されるタイミングは以下のようになります。
- 30秒視聴した場合
- 最後まで完全視聴した場合
- ユーザーによるタイトルクリックがされた場合
スキッパブル広告のメリットは5秒後にユーザーがスキップするかしないか選択できる点です。
そのため完全視聴型広告と比べユーザーの印象は悪くないといえるでしょう。
しかし、早くコンテンツが視聴したいユーザーはスキップするのを待っているため認知度を高めるためには向いていないといえます。
彼らは最初からスキップできる瞬間を待っているからです。
完全視聴型広告
完全視聴型広告はユーザーの意思でスキップできない広告であり最後まで視聴しなければなりません。
テレビCMをイメージすると分かりやすいでしょう。
動画の長さは15秒程度と短いのが特徴です。
しかし、ユーザーの中には広告が終わるまでストレスを感じながら待つ人もいます。
完全視聴型広告は広告が終われば課金される仕組みです。
バンパー広告
スマートフォンなどモバイル端末で動画視聴しているユーザー向けの動画広告になります。
特徴としては6秒という尺の短さでスキップできない仕組みになっています。
スキップできなくても6秒という短さからモバイルユーザーにとって不快にはならないといえるでしょう。
実際、離脱率も低くユーザーのストレスになっていないことが伺えます。
課金形態はインプレッション課金で1,000回表示されるたびに費用が発生します。
注意点として2つ指摘しておきましょう。
- クリックされなくても課金される
- 高品質なクリエイティブが必要である
バンパー広告はクリック形式の広告ではないため費用対効果を確認しづらい面があります。
ユーザーに刺さる動画でなければ1,000回再生されてもメリットがないということです。
6秒間にユーザーの心に刺さる高品質なクリエイティブを制作することが求められます。
6秒という短さではバンパー広告の効果が図れないためPDCAを回すことも忘れないでください。
PDCAとはPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返して、業務改善していく手法です。
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プレロール広告のメリット
動画広告のスタンダードともいえるプレロール広告のメリットについて解説します。
メリットは主に3つです。
ユーザーを絞れる
出稿先となる動画サイトではコンテンツごとに属性の分析が行われるため、ターゲットになるユーザーを絞り込めます。
居住している住所・年齢・性別などで属性別にして、ターゲットごとに最適な動画を配信すれば、スキップされる確率も低くなります。
こうしてターゲティングされたユーザーに広告を配信すれば費用対効果もあり、コンバージョンの確率も高くなるのです。
広告は5秒に1度流れる
プレロール広告は冒頭5秒間に1度流れスキップできません。
つまり企業側から見ると、動画広告をユーザーに5秒間視聴してもらえるメリットがあるということです。
もちろんスキップしなければ最後まで見てもらえることになります。
プレロール広告は魅力ある5秒間を提供できれば認知度・ブランドの好感度を上げることができます。
コスト削減
プレロール広告ではターゲットを絞った広告運用ができるため、届けたいユーザーだけに広告が配信できます。
また、5秒後にスキップあるいは離脱すれば広告費がかかりません。
そのためコストを抑えた広告配信が可能になるのです。
ターゲットになるユーザーを選別して広告をピンポイントで配信できることから費用対効果が期待できます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
プレロール広告のデメリット
プレロール広告のデメリットについて2つあげておきます。
- リーチが狭い
- 動画制作コストがかかる
プレロール広告はYouTubeなど一部の限られた動画サイトでしか活用できません。
バナー広告のように多様性がなく、ターゲットが限定されるためデメリットといえるでしょう。
また、最後まで見てもらえなくても認知度を高めるために、訴求効果のある動画を制作するのでコストがかかります。
また、高いクリエイティブも要求されます。
広告作成の方法
プレロール広告の作成方法について解説します。
- ターゲティングの設定
- スキップを前提にしたコンテンツの作成
- ユーザーにストレスを感じさせないコンテンツの作成
- 広告の質を上げる
スキッパブル広告をスキップするユーザーの多くが、自分にとって関心のない広告だったと回答しています。
つまりターゲットが絞れていないということです。
プレロール広告は正しくターゲティングして必要とするユーザーにピンポイントで配信しなければ広告効果は現われません。
プレロール広告は冒頭の5秒に力を注ぎましょう。
例えば効果音を入れるとか、動きを大きくして目立つような技巧をこらして印象的な広告にするのです。
ストーリー性のあるスピード感あふれる演出をすれば最後まで視聴してくれる可能性があります。
そして、ユーザーとかかわりがある広告だと認知させます。
一方的に押し付ける広告ではなく、ユーザーに寄り添い視聴すればプラスになると感じさせる広告にする必要があるのです。
ユーザーは視聴したい動画コンテンツの前に広告を見せられるため、ストレスを感じるものだと認識しましょう。
また、長すぎる広告や目的がはっきりしない広告は企業のダメージになる可能性を秘めています。
ストレスを感じさせない動画作りが必要です。
広告作成時のポイント
プレロール広告の作成時のポイントについて解説します。
ターゲット設定をする
スキッパブル広告であったようにスキップする理由に、自分とは関係の薄い広告が配信されているのはターゲティングが十分でないからです。
プレロール広告作成時は適切なターゲティングを行い、それに基づいた動画広告を制作することが重要になります。
スキップされずに最後まで関心を持って視聴してもらえる動画作りが欠かせません。
スキップを前提とする
最初からスキップされることをあえて前提にして、スキップされない動画作りを進めましょう。
注意したいのはユーザーにストレスを与えないことです。
そして、長すぎるものや違和感を与えない動画を制作してください。
ユーザーがポジティブな気分になる印象的な動画を制作するように心がけることです。
ツールを使用し広告の質を向上
わずか5秒の中でユーザーに期待感を持たせ、ポジティブな気分にさせる演出がプレロール広告には求められます。
こうしたこだわりが広告の良し悪しを決定づけるのです。
ユーザーをハッピーな気持ちにさせる動画作りには専用ツールを選ぶことも重要になります。
そして高品質な動画広告を作成してください。
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プレロール広告とスキップの関係性
スキッパブルなプレロール広告はどのくらいスキップされているのでしょうか。
アメリカの広告会社のデータがあるので紹介しましょう。
スキップしている割合は?
調査によるとアメリカでは全体の65%がスキップしていたという報告があります。
主な理由は
- 「習慣的に」70%
- 「自分と関係が薄かった」14%
- 「広告が長かった」3%
- 「広告が楽しくなかった」3%
- 「広告で紹介されたブランドが好きでなかった」3%
これを見ると、反射的にスキップするのが習慣になっているのが伺えます。
これは日本でもあてはまることでしょう。
ただ、広告の長さや内容でスキップする人も一部にはいるのが分かります。
いかに冒頭の5秒間がポイントになるかお分かりいただけたでしょうか。
スキップされた場合の広告効果は?
スキップされた広告はもう広告とし効果がないのでしょうか。
驚くことに調査では、本来視聴したい動画コンテンツへの関心が、プレロール広告にも注がれていることが分かったのです。
動画広告はスキップしてもわずかな時間に商品やサービスに触れることで、関心度が高まる傾向があります。
そしてコンバージョンに繋がるケースも実際にあったと報告されています。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
プレロール広告の活用事例をご紹介
ここからは、実際に制作されたプレロール広告の活用事例を紹介していきます。
自社の商品やサービスに当てはめて考えてみてください。
ロシアの通信会社ROSTELECOM「プレロールドラマ」
ロシアの通信会社ROSTELECOMが配信している動画広告について紹介します。
YouTubeのプレロール広告を使い「The Buzz」という1話完結型のドラマを配信しているのが特徴です。
内容は34エピソードの各ドラマで自社サービスの魅力を見事に伝えているのが特徴です。
そして各ストーリーの最後に自社サービスの魅力を訴求しています。
具体的にはラスト10秒で「スカイプ通話が60分無料」と自社サービスの特徴をしっかり訴求しているのです。
通信会社ROSTELECOMのプレロール広告は、続きを見たくなるようなドラマ仕立ての動画になっています。
この広告で大きな反響があり契約数が伸びたそうです。
ベルギーのPlay Sport「リアルタイム広告」
次にあげるのはベルギーのスポーツチャンネルPlay Sportsが配信している動画広告になります。
リアルタイムのプレロール広告を行っているのが特徴です。
具体的な内容は、プレロール広告として、現在行われているサッカーの試合のライブ配信を行います。
そして、そのままPlay Sportsのウェブサイトに誘導し契約したくなるように導くものです。
ライブ配信でユーザーの関心を引きつけ、そのまま自社サイトに呼び込む一連の流れが自然なのが特徴的です。
自社サイトへ初めて訪問したスポーツ観戦好きな人も違和感なく契約しています。
アディダス
サッカー用品を提供するブランドアディダスはサッカースパイク「プレデター」を普段使いできるアイテムにしようしていました。
そこでX(旧Twitter)動画広告を活用したのです。
アディダスが行ったX(旧Twitter)戦略はプレロール広告の配信です。
スポーツ番組の前に動画広告を配信します。
そして、そのままビデオウェブサイトカード経由でアディダスのウェブサイトへ誘導・購入できるようにしました。
その結果、多くのユーザーに「プレデター」の情報が伝わり成果を納めたのです。
プレロール広告運用に関する悩みの解消方法
プレロール広告の効果的な活用方法を解説してきました。
プレロール広告を出稿する際は、スキップされないあるいはスキップされても効果が期待できる動画広告を制作することが重要です。
しかし、ユーザーの興味関心を引くクオリティの高い動画を作成するためには動画制作経験がある人が必要です。
プレロール広告運用に関する悩みを抱えている方は、デジマクラスにご相談ください。
自社でコストをかけて制作した動画広告は一定のレベル以上でなければ、ユーザーの心を掴めない可能性があります。
デジマクラスでは動画制作に精通したコンサルタントがプレロール広告制作をサポートします。
まずは、一度問い合わせしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
プレロール広告は動画広告の主流であり、スキップができるものと完全視聴するものなどがあります。
それぞれの特徴を理解し、スキップされる5秒間に訴求効果の高いブランドイメージを全面に出した広告を制作しましょう。
ターゲティングしてユーザーに最適な動画広告を配信して費用対効果を高めることが大切です。
動画編集ツールを通用し、ユーザーに購買活動を促す効果的なプレロール広告を制作して収益に結びつけてください。