ネット社会である現代、多くの人がインターネットに接続してさまざまなサイトを閲覧しています。
コンテンツも豊富になり、その効率的な配信もまたサイト運営の課題の1つとなっているのです。
今回は効率的な配信のために活用したい、CDNについて解説していきます。
メリット・デメリットを含めSEOへの影響についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
CDNの特徴
CDNはContents Delivery Networkの略でコンテンツ配信を肩代わりして行ってくれるサーバー群のことをいいます。
コンテンツ配信を多くのサーバーで振り分けるので、多くのユーザーのアクセスにも安定して配信を行えるのです。
CDNが活用される場面は多く、サイト配信の効率化からセキュリティ対策まで一貫して行えることも特徴の1つでしょう。
コンテンツを効率良く配信する仕組み
CDNの仕組みは大きくわけて次の3つから成り立っています。
- CDS
- キャッシュサーバー
- オリジンサーバー
CDSはIPアドレスとドメインを結びつける役割を果たすシステムです。スムーズにユーザーがサイトを閲覧できるのはCDSの力が大きいです。
ユーザーはドメインに基づきオリジンサーバーに接続されますが、CDSの接続先をキャッシュサーバーにすることでサーバーの負荷を軽減します。
キャッシュサーバーはあらかじめオリジンサーバーのデータを取得しておきます。
CDN(キャッシュサーバー)にアクセスしたユーザーはオリジンサーバーの情報を受け取れるという仕組みです。
大規模サービスで活用される
CDNは大規模なサービスの場合にのみ必要と考えられがちですが、案外身近なところでも活用されています。
テレビのニュースや天気予報などの公共情報のサイトもその1つです。
地震などの災害があった場合は、多くの人がサイトアクセスを行うのでCDNがなければサイトがパンクしてしまう危険があるでしょう。
その他Windowsのアップデートなど、CDNは身の回りのいろいろな場面でも利用されているのです。
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CDNの重要性
CDNを利用することで、サイトのコンテンツをユーザーはスムーズに快適に閲覧することができ、提供するサーバーも負担を減らせます。
1度に多くの人がアクセスするために起こるサーバーの高負荷時に備えるために、CDNは活用されているのです。
ネット表示を高速化し、オリジンサーバーの負担を減らすことのできるCDNは重要な仕組みだといえでしょう。
CDNの基本的な仕組み
CDNの仕組みについては先に簡単に触れましたが、基本的な仕組みについてもう少しわかりやすく解説しましょう。
まず、CDNがどのような仕組みで高速表示させているのかを確認していきます。
高速表示させる仕組み
CDNの仕組みを簡単にいうと、ユーザーに近い位置に「キャッシュサーバー」を置くということです。
これによって高速表示とサーバー負荷が軽減されるのです。
インターネットはいくつものルーターを経由して情報を運びユーザーのもとに運んでいる状態なのです。
経由するルーターの数が少ないほど、いいかえれば経路が単純なほどアクセスは高速表示されるのです。
そこで、AからCまでの経路を単純化するために、Aに近い位置BにOCNを置くことで、サイトの高速表示が可能になるという仕組みです。
負荷を軽減させる仕組み
CDNはサーバーの負荷を軽減させるとお話ししましたが、それはどういった仕組みなのでしょうか。
例えばOSのアップデートがあった場合、多くのユーザーが1度にサーバーにアクセスするため、サーバーの負荷は大変なものになります。
オリジンサーバーにアクセスが集中するのを防ぐために、CDNにオリジンサーバーと同じ情報をいれておきます。
ユーザーがCDNにアクセスして情報を得るようにすれば、メインサーバーへの集中が防げサーバーの負荷は軽減するのです。
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CDNを活用するメリット
CDNを活用する仕組みについてはお分かりいただけたでしょうか。次にCDNを活用することでのメリットについて解説していきましょう。
メリットには次の3つが挙げられます。
- オリジンサーバー
- サーバー負荷の軽減
- DDoS攻撃への対策
アクセス速度の改善やサーバー負荷の軽減については仕組みの項目でお話ししていますが、これは同時に大きなメリットとなるのです。
ページ速度の改善
ページ速度とはページを表示する速度のことです。表示速度が上がることでユーザーは快適にネットを楽しむことが可能になります。
ユーザーだけでなく、アクセスの多いサイトや動画のサイトにとってもページ速度が上がることは大きなメリットとなるのです。
クリックして画面が表示される数秒間が離脱率に大きく影響していることもあり、ページ速度はサイトにとっても重要になります。
CDNによって表示速度が改善されることは離脱者を出さないためにも必要なことで、このこともCDN活用のメリットです。
サーバー負荷の軽減
サーバーの負荷が軽減することはサーバー提供者にとっては大きなメリットになります。
CDNはキャッシュ時間が設定できます。オリジンサーバーからの情報を設定時間のみ保管することが可能なのです。
例えば1分間のキャッシュ時間なら1分間はユーザーはCDNからの情報提供が可能になります。
1分後CDNはオリジンサーバーから再び情報を保管します。オリジンサーバーは単純にいうと1分に1回のみの負担で済む訳です。
このようにサーバーへのアクセスを分担することで、負荷を軽減させるのがCDNのメリットなのです。
DDoS攻撃への対策が可能
CDNのメリットはサーバー負荷を軽減するのみでなく、DDoS攻撃などの対策としても挙げられます。
DDoS攻撃とはサーバーに向けて大量のリクエストを送り続けることで、サーバーを過負荷状態にしてしまう攻撃です。
DDoS攻撃は世界中の攻撃者からのデータがサーバーに送り込まれるのですが、CDNではその的はキャッシュサーバーとなります。
このため攻撃はキャッシュサーバーで留められ、Webサーバーやインターネット回線への影響は最小限に抑えられるのです。
CDNがセキュリティに有効だといわれるのはこういう理由からで、このような攻撃への対策が可能なのもCDNのメリットになります。
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CDNを活用するデメリット
さまざまなメリットがあるCDNですが、当然デメリットもあるのです。どのようなデメリットがあるのか確認しましょう。
大きなデメリットは次の3つとなります。
- アクセス元の特定ができない
- サイトの変更がすぐに反映されない
- キャッシュ事故の可能性もある
デメリットについても詳しく確認していきましょう。
アクセス元の特定がしにくい
通常サーバーにアクセスしたユーザーはログとしてアクセス元の情報が記録されます。
CDNの場合ログが取得できません。そのためアクセス元の特定がしにくいという結果になるのです。
CDNサービスによってはログファイルを提供するものもあるので、必要ならログファイルの有無を確認するとよいでしょう。
サイトの変更がすぐには反映されない
CDNはキャッシュとしてサーバーの情報を設定時間保持します。
10分間の設定の場合なら10分間はコンテンツを更新しても変更されないのです。30分の設定なら30分は更新前の情報となります。
修正された情報もその間は修正されないままユーザーに届けられるのです。
新鮮な情報が届けられない可能性があるのは、デメリットといえるでしょう。
キャッシュ事故が起こる可能性がある
大きなデメリットとして、キャッシュ事故のリスクが挙げられます。
キャッシュ事故とはキャッシュしてはいけないコンテンツをキャッシュしてしまうことで起こる事故のことです。
例えば会員ページなどで、ある会員のページがキャッシュされ情報として他の会員に提供されてしまう事故の危険性があるのです。
そういったことが起きないようにするには、キャッシュ対象をしっかりと吟味し慎重に設定する必要があるでしょう。
CDNのサービスを選ぶポイント
CDNの必要性やメリット・デメリットはお分かりいただけましたか。
CDNのことは解ったけれど、どのように選べばよいのかと思われる方も多いでしょう。
続いてCDNのサービスを選ぶためのポイントについて解説していきます。
CDNのサービス選びの主なポイントは3つあります。
- エリアに対応しているか
- 料金体系は適切か
- サポート体制は万全か
特に海外へ展開しているWebサイトの場合、対応エリアを見極めることは大切なポイントとなります。
CDNサービス提供者には日本国内を重点としている業者も多いのです。もちろん海外に多くCDNサーバーを持つ業者もいます。
しっかりと対応エリアを確認して、自社がターゲットにするユーザーの地域に対応しているCDNサービスを選ぶようにしてください。
CDNサービスは事業者によって料金体系もまちまちです。料金体系の内容が自社に合っているか確かめましょう。
データー量だけでなくリクエスト数を別に課金される場合もあり、かえって割高になることもあるので注意が必要です。
導入前にきちんと内容を精査して申込むようにしてください。
そして重要なポイントがサービスのサポート体制がしっかりと整っているかどうかを見極めることになります。
システムの支障は予告無しに生じ、ユーザーの信頼を失う結果にも繋がってしまいます。
どのような状況でも対応可能かが重要です。
24時間365日年中無休でサポートしてもらえるサービス、メールや電話でのサポートが可能な事業者を選ぶことが必要です。
そのようなポイントを考慮して、選びたい主要CDNサービスを何社かピックアップしてみましょう。
- Akamai
- Fastly
- CloudFlare
- Amazon CloudFront
特徴や料金体系などを詳しく確認していきます。
Akamaiはアメリカの大手ネットワーク企業で、CDNを最初に提唱した企業でもあり、全世界の約30%のCDNで処理を行っています。
CDNサービス事業を牽引する会社といってもよいでしょう。
世界最大規模のネットワークが特徴です。世界130か国以上に20万台を超えるサーバー利用があり、大規模サイトでの活用が可能です。
料金体系は非公開となっています。導入時に確認することになりますが、他の事業所と比べると高額だと推測されます。
Fastlyはアメリカのクラウドコンピュティングサービスプロバイダーで、日本でもメルカリやクックパッドなどで活用されています。
特徴はカスタマイズ性の高さと高速なレスポンス・キャッシュクリアが特徴です。
料金は従量課金制で10TBまでは1GB単位で12円~30円となっています。
CloudFlareはアメリカの企業でCDNやセキュリティサービスなどを主に提供しています。
特徴はフリープランがあることでしょう。個人から大手企業まで幅広く対応できるのも特徴の1つです。
料金は月額課金制で、フリー(無料)から要見積もりまで4つのプランがあります。比較的安価なのも特徴になります。
Amazon CloudFrontはクラウドサービスのAmazon Web Serviceが提供しているCDNサービスです。
朝日放送・バンダイナムコなど日本でも多くの企業に採用されているサービスです。
他のAmazon Web Serviceとの連携も取りやすいのが何よりの特徴といえるでしょう。
料金は従量課金制で、10TBまでは1GB単位で9円~18円と比較的安価で利用できます。
CDNの活用シーン例
CDNサービスの選び方についてお話ししました。CDNはどのような場面で活用されているのでしょうか。
次にCDNが活用されているシーンを例を挙げて解説していきましょう。
WordPress
WordPressのJetpackに含まれるPhotonがCDNサービスです。
Photonは画像だけを高速サーバーで配信してくれる無料で利用できるCDNなのです。
サイトの転送データの多くは画像です。画像だけをCDNを経由することでサーバーの負荷を軽減し、高速化が図れます。
動画配信
動画配信を行う場合、容量の大きなコンテンツを配信するとサーバーに大きな負荷がかかります。
動画の場合は映像の停滞をまねき、ユーザーの満足度は低下してしまいます。
そんな時こそCDNを活用することが大切になるのです。特に動画の配信にはCDNを活用することで配信を高速化させることが可能になります。
ライブラリーを多用したサイトの運営
ライブラリーを多用したサイトは、配信ライブラリーの豊富なCDNサービスを活用することでコスト削減とサーバー負荷削減が期待できます。
ライブラリーの多いサイトを運営する場合はサーバーの負荷は避けられません。CDNを有効に活用して負荷の削減を目指してください。
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CDNの活用によるSEOへの影響
CDNを導入することで直接SEOに関係する訳ではありませんが、CDNを活用することによってSEOへ影響を与えることはあります。
例えば表示速度やサーバーの安定稼働がSEOに影響する可能性は十分にあるのです。
表示速度改善による上位表示
表示速度が改善するとSEOの順位が上位表示されるのです。これは表示速度がSEOの順位に大きく影響しているからです。
表示速度とともにユーザー満足度も上がると考えられ、Googleの評価も上がる結果となるのです。
安定稼働によるクローラビリティの向上
CDNによってサーバの負荷が軽減されれば、サーバーは安定稼働されるということになります。
サーバーが安定稼働することは、検索エンジンのロボットが定期的にクロールしてくれるということです。
その結果安定稼働によりクローラビリティが向上して、SEOの最大限な効果につながるのです。
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CDNの活用方法で困った時は
サイト運営に於いて、SEOと同様にアクセス時のページ表示が速く行われることやサーバーの負荷を抑えることは重要なポイントです。
CDNを活用することで、サーバーの負荷を削減してサイトページの表示の高速化が期待できます。
CDNはメリットも多くぜひ導入したいサービスですが、デメリットもあるので導入する前に十分な精査が必要なのです。
活用方法で迷った時にはデジマクラスに相談されることをおすすめします。
まとめ
CDNはキャッシュによってサーバーの負荷を分散させ、ページ表示の速度をあげることのできるサービスです。
身近な所でも活用されているCDNのメリットはサーバーの負荷削減や表示高速化にありますが、それはSEOにもつながります。
サイトにとってメリットの多いCDNです。デジマクラスなどコンサルタントを活用して、スムーズに導入するようにしてください。