「IGTV」はInstagramが2018年にリリースした動画共有機能です。
今回は、IGTVの基本となる情報から、実際に利用している企業の事例までを解説します。
さらに、IGTV運用に行き詰まったときのための対処法もご紹介。
ご自身がIGTVをマーケティングに導入した際の道のりをイメージできるようお手伝いします。
IGTVはまだまだ成長の見込みのあるプラットフォームです。
今のうちから始めておくことをおすすめします。
目次
Instagramの動画共有機能「IGTV」
2018年にInstagramがはじめた動画共有機能「IGTV」。
Instagramといえば写真や短尺動画に特化しているイメージですが、IGTVでは長尺動画を投稿できます。
近年は個人の利用だけでなく、企業がIGTVの特性を活かし、マーケティングに利用するようになってきました。
Instagramマーケティングの事例はこちら
InstagramのIGTVの特徴
IGTVにはさまざまなメリットがあります。ここでは5つの特徴をご紹介します。
縦型の長尺動画
IGTVの最大の特徴は60秒〜60分の長尺動画を投稿できることです。
通常、Instagramでフィードに動画を投稿しようとすると3〜60秒に限られてしまいます。
そのほか、短尺動画共有機能である「ストーリーズ」は最大60秒まで、「リール」は30秒までです。
60秒にどうしても収まりきらない動画や、長尺でこそ活きる動画をInstagramにアップしたいならIGTV一択になります。
さらに、IGTVの特徴として、スマホで見ることを想定してつくられていることが挙げられます。
IGTVに投稿できる動画のアスペクト比は9:16の縦型か16:9の横型のみになります。
これは一般的なスマホの画面のアスペクト比と同じなので、IGTVはスマホ画面いっぱいに表示できるのです。
一方、Instagramに投稿できる短尺動画の表示サイズは、ほとんどがスマホ画面と異なるアスペクト比に変換されてしまいます。
短尺動画の中で唯一、ストーリーズは画面いっぱいに表示できますが、投稿後24時間以内に消えてしまうところが惜しいところです。
IGTVとは使い分けた方が良いでしょう。
近年、情報収集はPCよりもスマホで行う人の方が多く、Instagramにとってもスマホファーストであることが求められてきました。
IGTVが誕生した背景にはこうした状況があったのです。
投稿動画にリンク設置
IGTVでは投稿動画に複数のリンクを設置することができます。リンクの設置方法はキャプションにURLを貼り付けるだけです。
リンクを設置することで、フォロワーは気になった投稿のキャプションから、さらに詳しい情報にアクセスすることができます。
企業側は投稿で”きっかけ”をつくって、フォロワーをリンク先に誘導し、商品やサービスの魅力を存分に伝えるという流れです。
基本的に人は何かに興味を持っていられるのは短い時間だけ。
その瞬間を逃さず心を掴めるかどうかが成果を出せるか否かの分かれ目になってきます。
対して、Instagramでリンクを設置できるのはプロフィール部分に1リンクのみです。
一定数のフォロワーがいるアカウントはストーリーズにもリンクを貼れますが、はじめは難しいでしょう。
ちなみに、Instagramの通常の投稿にURLを貼り付けた場合は、文字列として表示されるのみでリンクにはなりません。
せっかく投稿に興味を持ってもらえたのに、商品やサービスの情報にアクセスする手段がなければフォロワーの関心は離れていきます。
IGTVは、Instagramを運用する企業のジレンマを1つ解消したといえるでしょう。
Instagramのフォロー・フォロワーが引き継がれる
IGTVに登録する際はInstagramのアカウントと連携するので、フォロー・フォロワーはそのまま引き継がれます。
また、IGTVに投稿すると、Instagramのフォロワーのフィードにもプレビューを流すことも。詳しくは後述します。
ストーリーズから誘導できる
IGTVに投稿した動画は、Instagramのストーリーズにリンクさせることも可能です。
Instagramのストーリーズ下部に表示される「動画を見る」をタップすると、IGTVに飛び、動画を視聴できます。
プロフィールやフィードにプレビュー表示
前述した通り、IGTVで投稿した動画のプレビューをInstagramのプロフィールやフィードに表示させることができます。
プレビューは投稿した動画から60秒以上を一部抜粋したもの。
また、IGTVと違って、プレビュー画面の大きさはInstagramの投稿と同じサイズです。
フォロワーがプレビューを見て興味を持った場合は、画面左下にある「IGTV動画を見る」をタップすれば、動画全体を視聴できます。
また、プレビューの設定はIGTVの設定画面から行えるため、表示させないという選択も可能です。
Instagram投稿・動画との関係性
IGTVとInstagramで投稿する動画の間には明確な棲み分けができています。違いは動画の尺と表示サイズです。
IGTVでは60秒〜60分の動画をスマホ画面いっぱいに表示できます。
Instagramでは3秒〜60秒の動画を、写真投稿と同じアスペクト比1:91:1〜4:5のサイズにしなければなりません。
IGTVには詳しい内容を盛り込んだ動画が、Instagramにはインパクトがあり瞬間的に目を引くようなものが向いているといえます。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
IGTVの視聴方法
IGTVの視聴方法はInstagramと専用アプリの2通りです。
Instagramではプロフィール・フィードに表示されたプレビュー、もしくはストーリーズに設置されたリンクからIGTVに飛べます。
IGTV専用アプリでは、Instagramと同じようにランダムに動画を見たり、検索して視聴することも可能です。
Instagramマーケティングの事例はこちら
IGTVのメリット
IGTVの特徴がわかったところで、特に注目したいメリットを3つご紹介します。
長尺動画の配信
なんといっても長尺の動画を配信できるのが最大の強みです。充分な尺があれば、商品やサービスの魅力を詳しく伝えることができます。
専用アプリがある
IGTV専用アプリがあることでスマホユーザーの目につきやすいというメリットも。
近年、PCよりもスマホの利用率が高まっていることから、スマホユーザーの動向がマーケティングする上でキーワードになってきています。
アプリはスマホで気軽に利用できるため、視聴のハードルが低いのがポイントです。
また、設定にもよりますが、アプリは新着動画が上がるとアイコンに赤いバッジがついて知らせてくれます。
人はお知らせが届くと気になってチェックしたくなるもの。
同じアカウントの新着動画を見続けることで、何度も企業の商品情報に触れてもらうことができるのです。
また投稿に対して反応が得られやすく、「いいね!」やコメントをしてもらうことでユーザーとより深く関係を築いていくことができます。
過去のインスタライブ公開
IGTVには、配信し終わったインスタライブを保存して公開できるアーカイブ機能もあります。
インスタライブは通常、配信が終わると消えてしまう仕様です。
ライブ動画を保存するには自身のスマホにダウンロードする方法がありますが、動画は容量が大きく、時間もかかるのがネックでしょう。
それに比べてIGTVにライブ動画をシェアすれば、スマホの容量を取ることなくアーカイブとして役立てられます。
配信時にもらった「いいね」やコメントをIGTVで確認することはできませんが、アーカイブ視聴者数については調べられるのも特徴です。
- 長尺動画の投稿が可能
- 専用アプリでスマホユーザーに優しい
- インスタライブをアーカイブとして保存できる
IGTVに動画を投稿する方法
いよいよIGTVへの投稿手順を解説していきます!YouTubeなど他の動画投稿サイトに比べて、手軽で簡単なところが強みです。
動画を選択
まず、投稿する動画をスマホの写真フォルダから選びます。
- IGTVアプリを開き、右上にある「+」をタップ。
- その場で撮影(60秒以上)するか、既存の動画をスマホの写真フォルダから選択する。
- 画面右下の「>」をタップ。
カバー画像を設定
投稿の顔となるカバー写真(サムネイル)はスマホの写真フォルダか、投稿する動画の1コマから選べます。
写真フォルダから選ぶ場合は画面の一番下にある「+カメラロールから追加」をタップし、画像を選択。
動画の中の1コマを選ぶ場合は、画面下部にあるプレーヤーコントロールを左右に動かして、ベストな瞬間を選択してください。
カバー画像を見て興味を持つ視聴者もいるので、しっかり考えてインパクトのある写真を選びましょう。
タイトル・キャプションの内容を入力
次はタイトルを決め、キャプションに詳細を書き込みます。
タイトルはカバー写真同様、視聴のきっかけになり得るので最適なものを付けましょう。
キャプションには本文のほかにリンクやハッシュタグをつけることができます。
IGTV動画をカテゴライズ
IGTVでは投稿した動画をカテゴライズすることができます。
追加で新しい動画を投稿するときも同じように分類できます。「シリーズを選ぶ」をタップして、分類したいシリーズに入れてください。
ちなみに、カテゴライズしなくても投稿することは可能です。
フィードとプロフィールへのシェアを選択
IGTVの動画は、Instagramのフィードとプロフィールにプレビューとしてシェアすることができます。
「プレビューを投稿」の横にあるトグルボタン(オン/オフを切り替えるボタン)を操作してください。
もちろんシェアしない選択もできます。初期設定ではプレビュー表示がオンになっているので注意が必要です。
投稿
全て記入・設定し終えたら投稿ボタンを押します。画面下部の「IGTVに投稿」をタップして、投稿完了です。
もし、まだ投稿できない状況なら最下部の「下書きとして保存」をタップしてください。
IGTV動画を削除する方法
せっかく投稿した動画であっても、事情があって消さなければいけないときもあるかも知れません。
IGTVにアップした動画を削除する手順はこちらです。
- 自身のプロフィール画面から削除したい動画を選ぶ。
- 動画の下部に表示されるメニュー「…」をタップ。
- 一番上にある赤文字の「削除」を選ぶ。
- 「この動画を削除しますか?」と出るので再度タップし、削除完了です。
フォロワーにとって有益な動画が並んでいるアカウントはやはり人気が高いです。
もったいない気持ちがあったとしても、フォロワーファーストの観点で不必要な動画は消してしまいましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
IGTVの事例
ここでは、実在する企業がどのようにIGTVを運用しているのかご説明します。
株式会社エブリー『デリッシュキッチン』
株式会社エブリーは動画メディア事業・広告事業を営んでいる会社です。
なかでも複数のSNSで料理動画を配信する『デリッシュキッチン』が人気があります。
デリッシュキッチンはInstagramでも発信しており、料理動画は60秒以内、もしくはリールを使って30秒以内の動画です。
そのほか、60秒に収まらないものや、インスタライブの配信動画はIGTVで公開しています。
簡単なレシピの料理動画はサクッと短時間で見てもらうことで瞬間的に関心を持ってもらえます。
IGTVではじっくり見てもらうことで、フォロワーが自宅で料理するときに役立てたり、単なる娯楽としても機能しているのです。
Instagramが見られるのは休憩時などの”片手間”か、くつろいでいる時の2通りであることを利用して飽きさせない工夫がされています。
スターバックスコーヒージャパン株式会社
いわずと知れた有名カフェチェーン店スターバックスコーヒー。
ブランドの人気はすでに確立されているといえますが、頻繁に出る新商品の告知にも手を抜きません。
Instagramの方では、商品の魅力を写真と文章で伝えたり、TVCMのように編集した短尺動画でフォロワーの目を惹く工夫をしています。
一方、IGTVではコアなファンに向けてコーヒー豆の詳しい説明や、スタッフのおすすめ商品をエピソード付きで公開。
お客さんの関心度合いを2段階に分けて捉えることで、需要を満たすだけでなく、消費者を根強いファンに育てていく工夫がされています。
株式会社大創産業
社名を聞いてピンと来ない方もいるかも知れませんが、大創産業は百円均一ブランド『ダイソー』を出している会社です。
ダイソーもInstagramに公式アカウントを持っています。
Instagramの投稿では商品のアピールポイントを写真と文章で伝えています。動画やリールはあまり活用していないようです。
IGTVでは、全国の各店舗のおすすめ商品とその楽しみ方をインスタライブで配信したものをアーカイブとして公開しています。
ダイソーは季節やイベントに合わせた商品のアピールが得意です。
例えば、夏休みシーズンには小学生の自由研究に使えるキット。
IGTVでは、キットを実際に使用している様子が見られるので、フォロワーは安かろう悪かろうと思わずに安心して購入することができます。
また、100円という安さから質を侮っているフォロワーに向けても、商品のよさをアピールすることができるのです。
ほかには、父の日のプレゼント・梅雨の時期に必要な雨具・夏のバーベキューグッズ・クリスマスグッズなどバラエティが豊富です。
InstagramのIGTVの活用で悩んだら
企業がIGTVを活用する際は行き詰まることもあるかと思います。そんな時は以下の解決方法を試してみてください。
Instagramの解析ツールを使う
まだまだIGTVはInstagramに付随する単なる一つの機能という側面が強いです。
そのため、Instagramの成果は当然、IGTVにも影響します。
まずはInstagramの解析を行いましょう。解析ツールは有料・無料どちらもありますが、代表的なものはInstagramが無料で提供している『Instagramインサイト』です。
個人サイトでは利用できませんが、プロアカウントにすれば利用可能になります。
Instagramインサイトで確認できる項目は下記の通りです。
- 投稿とストーリーズが表示された回数(インプレッション数)
- 投稿とストーリーズを見たユーザー数(リーチ数)
- プロフィールを見たユーザー数
- 投稿が保存された回数
- ユーザーの反応(エンゲージメント=いいね!・コメント・フォローなど)
- フォロワー情報(エリア・年齢層・性別・滞在時間)
ほかにもInstagramの解析ツールはたくさんあります。ご自身の目的に合ったツールを利用しましょう。
カバー写真でブランディングする
IGTV投稿動画のカバー写真には統一感を持たせましょう。
発信したい内容に合わせて、カバー写真の内容やテイストを揃えると、視聴者の印象に残りやすくなります。
違う動画であっても既視感が生まれることで、視聴者は段々とシリーズが気になるようになっていくのです。
カテゴライズする
IGTVではカテゴライズしなくても動画は投稿できます。
しかし、フォロワー目線で考えるとしっかりカテゴライズされていた方がわかりやすく、目的に沿った投稿を見つけやすいでしょう。
カテゴリーだけでなく、全てにおいてユーザーにとって見やすく使いやすい仕様にすることがマーケティングでは重要です。
プロに相談する
IGTVには将来性があるものの、まだまだ各企業が活用方法を探っている段階にあります。
そのため、「こうすれば成功する」という手本が少ない状況です。
他の企業のように手探りするのも一つの手ですが、はじめから有効な手を打てるなら、それに越したことはありません。
IGTVをうまくマーケティングに活かし、ライバル企業よりも早く成果を得たいのであれば、ぜひデジマクラスにご相談ください。
コンサルタントのプロがIGTVの運用方法を一緒に考え、お力添えします。
Instagramマーケティングの事例はこちら
まとめ
IGTVの特徴やメリット、使い方、企業の活用事例などをご紹介しました。
IGTVは単独ではまだ市民権を得ていない発展途上のプラットフォームです。
しかし、だからこそ早くからIGTVに着目して活用していけば、ライバル企業に先手を打てる可能性が大いにあります。
そのためには現時点でユーザーの多いInstagramも同時に運用しましょう。
投稿写真や短尺動画で興味を持ってもらうことができれば、IGTVの長尺動画への誘導もしやすくなります。
マーケティングは打つ手が多い方が成功しやすいといわれています。ぜひIGTVを活用してみてください。