記事LPはランディングページとしての役割に加え、ユーザーの興味・関心・比較欲求を満たせる情報コンテンツにもなります。
コンバージョン率やリピート率改善につながった成功事例も多く、上手に活用すれば強力なマーケティングツールとなるでしょう。
効果的な記事LPを作成するためにはいくつかポイント・コツがあります。
特に構成・文章・デザイン・レイアウトはすぐに実行できる方法も豊富なのでぜひ、やってみてください。
目次
記事LPの概要
記事LP(ランディングページ)はWeb広告などで商材に興味を持ったユーザーを引き入れ、購入・利用につなげるページです。
Web広告は顧客が購入利用に至るまでに不快感を与えないようにする方法が求められます。
そのため遷移先であるコンテンツも広告感を感じさせず、そっと背中を押すような提案・訴求が主流です。
そこで有効な方法の1つとして記事ランディングページが注目されています。特徴は1つの記事コンテンツとしても成立することです。
情報コンテンツとして十分な情報量があるので広告感なく商材の魅力やメリットを伝えられます。
Webサイト・LP制作の事例はこちら
記事LP・記事・LPの関連性
記事LPと混同されやすいのが情報提供を目的とした記事と商品LP(獲得LP)です。
それぞれどのような特徴や目的があるのか、違いをみてみましょう。
記事LPと記事の関連性
一般的な記事コンテンツと記事LPの違いはそのページのゴール設定です。
記事LPは商材に対する興味喚起から購入・利用まで顧客の要望に応えるオールマイティな役割を果たします。
対して一般的な記事は掲載するメディアと協力し、商品PRや有益な情報の提供を第1の目的としています。
認知→興味・関心→比較→購入・利用と顧客がステップアップしていく中で興味・関心や比較の要望を満たすものが多いです。
記事LPとLPの関連性
そもそもLPには記事LPと商品LPの2種類があります。
記事LPとは顧客自身が何を欲しているかわからない段階から購入・利用までたどり着く導線となるページです。
- 商材について知ってもらう
- 購入・利用に対する意欲を刺激する
- 他商材と比較しながら商材への理解を深める
- 購入・利用
この4段階にすべて対応できるのが記事LPです。
対して商品LP(獲得LP)は自分で何を欲しているか、どのような商材を購入・利用すればいいのか明確な顧客がターゲットとなります。
記事LPの効果
記事LPの活用によって期待できる主な効果は2つあります。
1つは広告が嫌いなユーザーにも訴求しやすくなる効果、もう1つが商品LPページに遷移するハードルを下げる効果です。
広告らしさを排除
記事LPの魅力は文章やページ全体のデザイン、レイアウトに広告感がないところです。
例えば遷移前のメディアと似ているデザインにするなど、ユーザーが違和感を覚えないような工夫ができます。
そのため、広告を嫌うユーザーも受け入れやすいのが特徴です。
ユーザーが好感を持ちやすい点はCV率アップや顧客数増加という目的の広告戦略において大きな武器となります。
LPへの誘導
記事LPは情報コンテンツとしても成立するため、商品LPに比べると商材訴求の印象は薄くなります。
そこで記事LPのクロージング後、次の遷移先を商品LPにして最後に商材購入ページを配置すると効果的な場合も多いです。
商材に興味を持ち記事LPページを訪れるユーザーは一般的な情報系コンテンツと同様に有益な情報を求めています。
そのようなユーザーに対し商品LPを案内してしまうと、広告感や求めている情報量とのミスマッチから離脱してしまうかもしれません。
また、記事LPであればLPの1つ手前の段階である興味・関心・比較の欲求を満たす役割を担うこともできます。
ユーザーの方もクリックに対するハードルが低く、高い確率で顧客とのセッション可能性が期待できるでしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
記事LPのメリット
記事LPのメリットは幅広いことです。特にユーザー層・役割・用途の幅広さは見逃せません。
より広い層に訴求できる
記事LPのメリットの1つとして顧客の興味の程度にかかわらずアピールできる点は大きな要素です。
一般ユーザーが顧客に成長する途中の段階にはいくつかあり、おおよそ以下のようにステップアップします。
- 商材についてまったく知らない状態、購入・利用は考えていない
- 商材について少し知りたいと思っている、購入・利用はまだ考えていない
- 商材についてある程度知識がある、いくつかの問題がクリアできれば購入・利用も検討
- 商材について調べ尽くしている、今すぐにでも購入・利用したい
商品LPが4の段階の顧客メインであるのに対し、記事LPは1~4いずれの段階にも対応できます。
つまり、記事LPによって1の顧客を2以降に進ませることができるため、カバーできるユーザー層が幅広いのです。
LPの補足が可能
記事LPは商品LPページの記載内容を補足するエビデンスとして活用することも可能です。
通常、商品LPページは見やすくシンプルな構成・文章・表現・レイアウトが求められます。
掲載する情報も厳選に厳選を重ね、不要な情報はショートカットされている場合が珍しくありません。
そのため、興味・関心・比較の段階にいるユーザーから見ると説明不足の感が否めないことがあるのです。
対して記事LPは情報コンテンツとしても成立するレベルの情報量という特性上、商品LPよりも丁寧に説明することが許されています。
商品LPと上手にコラボレーションさせることで、商材の信頼性を高める情報資産としての活用も期待できるでしょう。
訴求のテストができる
記事LPの魅力はユーザーの認知・興味関心・比較・購入利用をすべてカバーできる構成になっていることです。
そのため、上手に活用すればページを訪れたユーザーのニーズを把握する分析材料にもなります。
例えば、記事LPの各セクションをすでに公開されている関連性の高い情報コンテンツとリンクさせてみてください。
分析ツールなどでユーザーの足取りをたどれば、ページを訪れたユーザーがクリックしているリンクを把握できます。
興味・関心・比較・購入の中でどの段階の訴求が求められているのかを把握するテストページとして活用できるのです。
記事LP導入の成功事例
記事LPを導入したことでマーケティング戦略が成功した事例も数多く報告されています。
特に注目したいのがA/Bテストをフレームワークに取り入れた事例と、簡単な改善方法でより魅力を引き出せた2つの事例です。
A/Bテストを有効活用した事例
記事LPの成功事例の中には公開後A/Bテストを導入した事例があります。
A/Bテストとは2つ以上の候補を同時に提供し、成果がある方を採用していくフレームワークです。
<A/Bテストで検証した項目>
- Web広告の遷移先としてコーポレートサイトと記事LPを比較
- ファーストビューでキャッチコピー・CTA先行か心地よいデザイン先行か
- CTAのベースカラーは何色がベストか
- CTAのキャッチコピーで採用すべき文言は?
- ブックマーク機能は実装すべき?
A/Bテストでは単純な2項対立だけでなく複数案の比較を行います。
例えば4のキャッチコピー文言では複数のキャッチコピーを比較するのではなく、フレーズの一部のみを比較することも必要です。
当該成功事例では「無料お試し」「無料トライアル」「無料サンプル」「無料モニター」と細かい類語まで突き詰めて比較しています。
こうした細かい検証が功を奏し、2のファーストビューの取り組みではコンバージョン率が300%超となりました。
また、4のキャッチコピーの取り組みはリピート率150%程度のアップにつながっています。
他の取り組みもコンバージョン率で良い影響が見られ、スモールステップで記事LPの育成に成功した事例となりました。
引き算の発想で簡単に改善できた事例
高いポテンシャルを持っていた記事LPがほんのちょっとした改善で強い情報資産にレベルアップした事例もあります。
<キッチン雑貨通販 Yuppiechef Kitchenの事例>
Yuppiechef Kitchenの記事LPは何かの要素を減らす・失くすことでコンバージョン率が改善した事例です。
Yuppiechef Kitchenは当初、LPのファーストビューにカテゴリ別商材一覧ページに遷移するメニューバーを設置していました。
しかし、記事LPのそもそもの目的はWeb会員数増加だったため思い切って削除してみたのです。
一見UX低下リスクがある方法ですが、結果としてコンバージョン率が3%から6%にまで上昇しました。
「こんなに簡単なことでもいいの?」と思うくらいちょっとしたことで大きな成果につながった事例です。
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記事LPの構成の作り方
記事LPを実際に制作していく場合、構成で注目すべきポイントは2つあります。
- 「誰に」対しての記事LPか?
- 「どのように」アプローチするか?
そこで有効になるのがペルソナ設定とBDFという考え方です。
ペルソナ設定
記事LPは1つの情報コンテンツとして成立できるレベルにすることが重要です。
特にページのコンセプトや方向性が明確でないとだれに訴求しているのかわからないぼやけたコンテンツになってしまいます。
そこでペルソナ設定が重要です。
ペルソナとはターゲット設定よりもさらに具体的なユーザー像を設定する方法の1つとして活用されています。
従来のターゲット設定は基本的に年齢層・性別・地域程度ですが、ペルソナはさらに細かいのが特徴です。
例えば、具体的な年齢・職業・経歴・役職・年収・家族構成・価値観・生活スタイルなどかなりパーソナルな部分に踏み込みます。
商材によっては学生時代のエピソードや具体的な仕事の悩みまで設定することもあるほどです。
基本的には「現状抱えている課題」「その課題の根本的な要因」「希望する解決策」を具体的にする方法として活用してみましょう。
訴求方法の設定
ペルソナ設定の次の段階は「どうすればユーザーの心の琴線に触れる訴求ができるか」を考える段階です。
方法としてはBDFに基づき3つの方法が考えられます。
<B(belief):固定観念・信念・思い込み>
ユーザーは「この障害があるから問題が解決できない…」という悩みを抱えている状態です。
実はその悩みは視点を変えれば解決可能で、その解決方法を行う際に商材が役立つことを訴求できます。
<D(desire):欲望・欲求・望み・願望>
ユーザーには「これをこういう風にしたい!」という強烈な欲求があります。
記事LPでその解決方法を提案できれば興味や関心を効果的に刺激できるかもしれません。
<F(feeling):感想感覚・感情・快と不快・印象>
ユーザーが商材に持っている印象を上手に活用する方法です。
特にペルソナとして設定しているユーザーがどのように考えているかが重要で、それを解決する訴求方法が求められます。
例えば、買い物で失敗したくないと考えそうなペルソナであればアフターサービスに関する情報の提案が効果的です。
記事LPの書き方
記事LPの効果的な書き方で注目したいポイントは3点です。
- 読みやすさ
- ユーザーファースト
- 導線
それぞれ詳しく確認してみましょう。
読みやすさを意識する
記事LPの書き方としてまず注目したいのが読みやすさです。特に注目したいポイントが6点挙げられます。
- タイトル・見出しタイトルを工夫する
本文の要点がわかるタイトル・見出しにしましょう。漢字・ひらがなだけでなく、時にはカタカナや記号も効果的です。
- セクションを細かく区切る
見出しを細かく分けて読者がスモールステップで理解できるようにしましょう。
- 文章は「短く」「シンプル」が基本
1文中に盛り込む情報は1つに絞り、1文の文字数はできるだけ短くしましょう。
修飾語や「これ・この」「それ・その」「あの・あれ」「どの・どれ」といった代名詞をできるだけ使わないようにするのも効果的です。
- 強調表現を活用
太字・マーカー・赤字など、特に伝えたい部分を目立たせてみましょう。
- 行間にゆとりを持たせる
文章が詰まった印象にならないようにしましょう。
- 画像を多めに差し込む
ユーザーは画像と見出しのみで内容を理解しようとします。できれば見出し2つおきに1枚の間隔で適切な画像を挿入しましょう。
記事LPは小学生でも内容を十分理解できるものがベストといわれています。
構成や画像の選び方、ワードチョイスの基準として身近な小学生に説明することを想定してみてください。
商品情報よりユーザーのメリットをメインに
LPというとどうしても商材のPRというイメージになりますが、記事LPに関しては控えめにした方がおすすめです。
記事LPに遷移してくるユーザーは商材に対してこれから理解を深めたい、色々調べたいと考えています。
その段階での強すぎるプッシュはユーザーに違和感を与え、ページ離脱の原因となりかねません。
特にこの段階でユーザーが知りたいと思っているのが記事のタイトルに対する答えです。
例えば「現役モデルが教える肌ツヤアップ洗顔方法」というタイトルがあったとします。
このタイトルに魅かれてページを訪れたユーザーは実際にファッションモデルがやっている洗顔方法を理解して初めて満足するのです。
つまり「現役モデルが教える肌ツヤアップ洗顔方法」というページの最優先情報は洗顔方法であり、商材の訴求は二の次です。
商材を訴求する場合はユーザーにもたらすメリットやその裏付けとなる情報を事実としてさりげなく提案する程度にとどめておきましょう。
文脈に合わせた導線
ランディングページはセクションごと・見出しごとに情報を補完するリンクも効果的です。
CTAやテキストリンクが一般的な方法ですが、あわせてキャッチコピーの文言も工夫してみてください。
例えば口コミページへのリンクは「口コミはこちら」よりも「一般ユーザーの評判は?」の方が記事LPの性質になじみます。
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効果を出す記事LPを作成するポイント
効果的な記事LPを作成するなら、記事を雑に読まれることを想定した構成・文章・デザインを意識してみてください。
ユーザーの目的に適うか所以外はほぼ飛ばし読みされる前提で作成することが重要です。
ユーザーは1分1秒でも速く目的を果たしたいと考えている上に、常に万全の状態で記事を読めるわけではありません。
移動中など日常生活のすき間時間に記事をチェックすることも多くあります。
集中できる環境ではない場合、ユーザーはおおよその内容だけでも掴もうという意識で記事に臨みます。
そのため、見出ししか見てもらえないことも珍しくないのです。
また、可能であれば記事LPの執筆を専門家やその分野で大きな影響力を持つインフルエンサーに依頼できないか検討してみましょう。
例えば教育・学習商材を訴求する記事LPがあったとします。
そのタイトルに「医師・弁護士が高校時代にやっていた」「現役東大生が教える」と書ければ大きな訴求ポイントです。
商材とライターの組み合わせ次第では「誰が提案するか」も記事LPの効果を大きく左右するポイントとなります。
記事LPの作成に関する悩みの対処法
記事LPは上手に活用すれば自社のWebマーケティング戦略を支える強い情報資産になります。
しかし、多くの担当者は運用について次のような悩みを抱えてしまうことも多いです。
- 記事LPで思ったような成果が出ていない
- 改善ポイントがわからない
- 改善ポイントの洗い出し方がわからない など
記事LPはWeb上に公開した時点がゴールではありません。
公開後、コンバージョンにつながっていなければ少しずつでも改善し期待していた働きができるチャネルに育てていく必要があります。
そこで記事LPの育成をデジマクラスにお手伝いさせてください。
デジマクラスはこれまで多くの企業からのコンサルティング依頼を通じてWebマーケティングノウハウを蓄積してきました。
もちろん記事LPの制作・運用についてもクライアントに寄り添い根拠ある改善施策を提案できる用意があります。
まずは話だけでも聞いてほしいという気軽なご相談からでも大歓迎です。
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まとめ
記事LPはほんのちょっとしたことが効果に大きく影響します。
しかし、成功すれば顧客数やコンバージョン率など利益に直接影響する数字の改善につながるツールです。
自社のWebマーケティング・デジタルマーケティングを前進させるツールとして十分チャレンジする価値があるのではないでしょうか。
記事LPに挑戦するなら成功確率を高めるために、制作準備・制作・運用の各段階でしっかりとポイントを押さえましょう。