成果を出すマーケティングキャンペーンを実施したいという人は多いのではないでしょうか。
しかし、キャンペーンにはさまざまな種類や手法があり、どのように実施すればいいか分からないということもあるでしょう。
SNSの活用やターゲット設定など、成果を出すために知っておきたいこともあります。
今回は、そんなキャンペーンを活用したマーケティング戦略について事例も含めてみていきましょう。
目次
キャンペーンの定義は?
日常生活の中で見聞きすることの多い「キャンペーン」ですが、その定義をご存知でしょうか。
もともとキャンペーンは軍事用語として用いられ、「特定の目的を達成するための戦略」という意味があります。
その考えがビジネスにも取り入れられるようになり、マーケティングキャンペーンとして定着したのです。
そんなマーケティングキャンペーンの定義は、「一定期間に特定の目的のもと顧客にアプローチする活動」だといえます。
キャンペーンはさまざまな目的で実施されており、その内容は販促活動だけではありません。
認知度拡大や顧客とのつながりなど、企業はそれぞれの目的のもとキャンペーンを実施するのです。
キャンペーンの目的については、後の項で詳しくご紹介します。
キャンペーンの種類
キャンペーンといわれて「抽選」や「応募」といった形式を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
このような抽選・応募形式のキャンペーンは、多くの企業で実施しているキャンペーンです。
そして、この方法にはオープンキャンペーンとクローズドキャンペーンの2種類があります。
それぞれの特徴や注意点をみていきましょう。
オープンキャンペーン
商品の購入やサービスの契約などの条件なく参加できる方法をオープンキャンペーンといいます。
購入や契約は顧客に金銭的負担がかかりますが、そういった条件がないため参加しやすいでしょう。
そのため認知度を高めることを目的として、オープンキャンペーンを実施することが多いです。
オープンキャンペーンには、以下のような例が含まれます。
- アンケートに回答
- クイズ形式
- 無料会員登録
- SNSで拡散
これらの条件を満たすとキャンペーンに応募することができるのです。
オープンキャンペーンでは参加条件に「購入」「契約」といった金銭的負担がないため、景品の上限価格はありません。
クローズドキャンペーン
クローズドキャンペーンは、商品の購入やサービス契約が参加条件となっているキャンペーンのことです。
このクローズドキャンペーンの中でも3つの種類に分けられるのでご紹介します。
- 一般懸賞:商品についている応募シールやバーコードなどで応募する懸賞
- 共同懸賞:商店街の福引など複数企業が共同で行う懸賞
- 総付景品:商品に景品をつける・先着〇名にプレゼントなど
これらの方法は、すべて顧客が商品を購入したりサービス契約をしたりすることが条件です。
そのため、景品目当てに顧客が必要ないものを購入しないよう、「景品表示法」で景品の上限額が定められています。
上記の3種類で上限設定が異なること、取引金額によっても上限価格が変動することに注意しましょう。
・クローズドキャンペーン:購入や契約が応募条件となるため景品には上限額がある
キャンペーンの目的
キャンペーンをマーケティングに活かす際に押さえておきたいのが目的です。
マーケティングに効果的といわれているから実施するのではなく、目的を知ったうえで戦略を立てましょう。
ここでは、そんなキャンペーンの主な目的を3つご紹介します。
新規顧客の獲得
キャンペーンの目的の1つに、新規顧客の獲得があります。
その商品について知っていたけれど、購入したことがなかったという人もいるでしょう。
商品についてすでに知っているとしたら、購買行動につなげるきっかけが必要です。
キャンペーンを行うことで、そのような顧客に「買ってみようかな」と思ってもらうことができます。
このように、キャンペーンを実施することで新規顧客の獲得につなげることができるのです。
新商品の認知度拡大
多くの人に新商品を知ってもらうことを目的として、キャンペーンを実施する場合もあります。
新商品を販売する際、どのように宣伝し認知度を上げるか悩むマーケターも少なくありません。
宣伝といえば広告を想像する人も多いですが、認知度拡大にはキャンペーンも効果的です。
話題性のあるキャンペーンを実施することで、まずキャンペーンの開催を知ってもらうことができます。
そして、「これって何のキャンペーン?」「参加するにはどうすればいいの?」と顧客に興味を持ってもらうのです。
SNSでの拡散も効果的で、キャンペーン情報が拡散されればより多くの人に知れ渡るでしょう。
キャンペーンをきっかけに、新商品の存在を認知してもらうというのが目的です。
既存顧客からの売上や利益の拡大
キャンペーンの目的は、新規顧客の獲得や新商品の認知度拡大だけではありません。
既存顧客をターゲットとし、売上や利益の拡大を目的としたキャンペーンもあります。
- 〇〇円以上購入でもれなくプレゼント
- 商品についたシールを集めると必ずもらえるキャンペーン
- 来店ポイント
マーケティングにおいて、新規顧客を獲得するよりも、既存顧客を育成する方がコストを抑えることができるといわれています。
そのためには、既存顧客をいかにしてリピーターに育成していくかが課題となるでしょう。
既存顧客をターゲットにしたキャンペーンを実施することで、特別感を得られたり愛着を持ったりすることができます。
「また購入しよう」「また来店しよう」と思ってもらい、売上や利益を拡大していくのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
キャンペーンの実施方法
さまざまな目的のもとでキャンペーンを行いますが、実施方法に悩む人も多いのではないでしょうか。
ここでは、キャンペーンの実施方法を4つご紹介します。
自社商品やキャンペーンの目的に合った実施方法で成果を出しましょう。
制度手法
制度手法とは、顧客に特典を付与することで継続的なコミュニケーションを図る方法です。
例をあげてみていきましょう。
- 毎月10日は〇%引きセール
- 毎週水曜日はポイント2倍デー
- LINE公式アカウントの友だち限定セール
- X(旧Twitter)のフォロワー限定セール
キャンペーンで顧客が得られるものは景品だけではありません。
このようにある特定の日にちや曜日を決めてセールを行うことも、キャンペーンの1つなのです。
ポイント2倍や会員限定セールといった方法も、この制度手法に含まれます。
公式SNSアカウントとのつながりがあることが、キャンペーンの対象となることも少なくありません。
プレミアム手法
プレミアム手法は、顧客が商品を購入することで得られる「プレミアム感」を高める方法です。
- 応募者の中から抽選で〇名にプレゼント
- 応募者全員にもれなくプレゼント
プレミアム手法は、主にこの2つのパターンで行われます。
商品を購入した際についてくるシールやバーコードを貯めて応募する方法が一般的です。
抽選の場合は「当たったらいいな」「挑戦してみよう」という気持ちが購買意欲を高めることとなります。
また応募者全員にプレゼントの場合、「あの景品が欲しい」「あと少しで応募できるから」と普段より商品を多く購入することもあるでしょう。
応募方法はハガキやインターネットなど、さまざまな方法があります。
しかし、ハガキは切手代がかかったり投函し忘れたりするのが顧客にとってデメリットです。
SNSを活用する人が多いからこそ、SNSを活用した応募方法を検討する企業も増えています。
キャンペーン情報をSNSで拡散すれば、認知度を高めることにもつながり効果的です。
試用手法
試用手法は、サンプリングやモニタリングのように、顧客に商品を試してもらうという方法です。
サンプリングやモニタリングを通してその商品の存在を知る顧客も少なくありません。
そのため、新規顧客の獲得や新商品の認知度拡大を目的とすることが多いです。
例えば化粧品やシャンプーなど、試しに使ってもらいやすいものが試用手法に向いています。
実店舗で商品を体験してもらったり、サンプルの配布を行ったりするのが主流です。
オンラインでモニターに応募する方法もあり、キャンペーンの幅は広がっています。
実際に使ってみて「買ってみよう」と思う顧客も多く、購買意欲を高めることができる手法です。
プライス手法
プライス手法は、価格割引や割引クーポンの配布といった商品の価格に関するキャンペーン手法です。
- 〇時から〇時までのタイムセール
- 2点購入で20%引き
- 今だけ半額
これらの内容がプライス手法の例です。
プライスダウンという特別感やお得感が、顧客の購買意欲を高めることにつながります。
マーケティング戦略の事例はこちら
キャンペーンを効率的に行うためのポイント
キャンペーンを実施するにあたり、どのようにすれば効率よく行うことができるか悩むこともあるでしょう。
効率よくキャンペーンを行うために、押さえておきたい2つのポイントがあります。
SNSの活用
キャンペーンを効率よく行うために、SNSを活用することをおすすめします。
企業から顧客への情報発信だけでなく、顧客同士の情報交換や拡散の場にもなるのがSNSです。
SNSを上手く活用すれば、顧客がキャンペーン情報を拡散してくれることもあるでしょう。
そこで、SNSでキャンペーンに参加できるようにしたり、SNSでシェアすることを参加条件にしたりする方法があります。
どのようにして顧客にキャンペーン情報を拡散してもらうかという部分も含めて検討しましょう。
ターゲットを明確にする
キャンペーンを効率よく行うために、ターゲットを明確にすることも大切です。
ターゲットを明確にし、そのターゲット層が参加しやすいキャンペーンにしなければなりません。
例えば、10~20代をターゲットにするのであれば宣伝や応募にはSNSを活用するのが効果的です。
この場合、応募券をハガキに貼って郵送する方法にすると、参加意欲が低下してしまうのではないでしょうか。
しかし、それが60~70代をターゲットにするのであれば、SNSより郵送の方が応募しやすいでしょう。
ターゲットを明確にすることで、顧客が参加しやすい方法でキャンペーンを実施することができるのです。
SNSマーケティングの事例はこちら
キャンペーンを行う際の注意点
キャンペーンは効率的に行うだけでなく、実施にあたり注意点を押さえておく必要があります。
注意点を知らずに行うと、思うような成果を出せないこともあるでしょう。
キャンペーンを行う際には、以下のことに注意しましょう。
- 景品の価格は景品表示法に違反していないか
- 個人情報の取り扱いに問題はないか
- キャンペーンの実施を目的としていないか
景品の価格については、キャンペーンの種類のところでご説明した通りです。
クローズドキャンペーンの場合は景品表示法で上限価格が決まっているので、細心の注意を払いましょう。
また、顧客がキャンペーンに参加するにあたり個人情報を収集することも少なくありません。
万が一個人情報の流出という事態になったら、企業の信用を失うことになるでしょう。
そのような事態にならないよう、個人情報の取り扱いにも注意が必要です。
最後に、キャンペーンを行うことを目的としないように気をつけてください。
キャンペーンは成し遂げたい目的に向かって行う手法です。「無事に実施できてよかった」と安心してはいけません。
実施したキャンペーンによってどのような効果が得られたのか、目的を達成することはできたのかということをしっかりと検証しましょう。
SNSを活用して企業アカウントのフォロワーが増えたのであれば、その結果を次のマーケティング戦略に活かしてください。
成功のカギはオフラインとオンラインの統合
キャンペーン成功のカギは、オフラインとオンラインの統合といわれています。
スマートフォンやSNSが普及している中でも、完全にオンラインという訳にはいきません。
例えば、商品を購入して応募するキャンペーンを想像してみてください。
実店舗で購入した商品についている応募券・バーコードを、スマートフォンで読み取り応募するという方法が多いです。
この場合、オフラインで購入してオンラインで応募することになります。
また、オフラインで実施するキャンペーンについてもオンラインでの宣伝は効果的です。
実店舗でタイムセールを行うのであれば、SNSでキャンペーン情報を発信するのが効果的でしょう。
このように、オフライン・オンラインの特性を活かして併用することが、キャンペーン成功のカギとなるのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
マーケティングキャンペーンの事例
マーケティングキャンペーンを効果的に実施するためにも、実際の事例を知っておくことをおすすめします。
ここでは、マーケティングキャンペーンの事例を2つみていきましょう。
森永乳業株式会社|マウントレーニア
チルドカップで知られるマウントレーニアは、これまでに複数回「必ずもらえるキャンペーン」を実施してきました。
対象商品の上部にシールが貼られており、シールをめくるとシリアルナンバーを確認することができます。
そのシリアルナンバーをWeb上で入力し、ポイントを貯めるという方法です。
このキャンペーンは、ポイント数に応じて応募できる景品を選べる点が顧客にとってのメリットといえます。
また、キャンペーンでしか手に入らないグッズが景品であることが話題となりました。
ポイントを貯めて応募すれば必ずグッズが手に入るため、顧客の購買意欲を高めることに成功したのです。
株式会社ダスキン|ミスタードーナツ
ドーナツ店として人気のミスタードーナツは、創業50周年を迎えた2020年にX(旧Twitter)を活用したキャンペーンを実施しました。
「#ミスドの思いド」キャンペーンでは、X(旧Twitter)にハッシュタグをつけてミスタードーナツにまつわる思い出を投稿してもらったのです。
キャンペーンの景品は抽選で「自社ギフトをプレゼント」「店内BGMで応募作品(思い出)をオンエア」いう内容でした。
X(旧Twitter)を活用して気軽に投稿できることが功を奏し、想定していた1.5倍の投稿数の獲得に至ります。
その投稿は顧客の生の声として活かすことや、顧客との接点を作ることにつながったのです。
マーケティングキャンペーンで困った時は?
マーケティングキャンペーンにはさまざまな種類や手法があり、何がいいか迷う人も多いのではないでしょうか。
また目的やターゲットを明確にし、キャンペーン後に評価することも大切です。
キャンペーンを実施して終わりではなく、その後に活かさなければなりません。
そんなマーケティングキャンペーンでお困りのことがあれば、デジマクラスまでご相談ください。
マーケティングのノウハウを持ったコンサルタントが、これまでの実績をもとに成果を出すためのサポートをさせていただきます。
自社にとって最適なマーケティングキャンペーンを実施し、結果を出していきましょう。
顧客管理の事例はこちら
まとめ
今回は、キャンペーンを活かしたマーケティング戦略についてご紹介しました。
目的やターゲットを明確にしてキャンペーンを行えば、新規顧客の獲得や認知度拡大につながるでしょう。
また、より効果的なキャンペーンや認知度拡大を目指すのならSNSを活用しない手はありません。
キャンペーン実施後は、その結果を検証して次の戦略に活かすことも大切です。
マーケティングキャンペーンで成果を出したいという方は、ぜひデジマクラスにご連絡ください。
自社にとって最適なキャンペーンを実施できるようサポートさせていただきます。