広告の適切な運用ができることは、最終的な成果に大きくかかわります。

そこで、効果的な広告配信を可能とするのが3PASです。

仕組みをわかった上で運用すれば、これ以上ないほどに効率的に広告を各媒体に配信できます。

とはいえ、メリットばかりでなく仕組みを理解して運用しなければ無駄なコストをかけることにもなりかねません。

今回は、3PASで広告配信する仕組みについて、メリットなどの情報を踏まえてご紹介します。

3PASの意味は?

3PAS、意味

広告運用の上で、3PASは確かに効率的に使用できることでしょう。

しかし、その仕組みや意味をきちんと理解したうえで運用しなければ効果は半減してしまいます。

ここでは、まず3PASの意味について詳しく解説しましょう。

広義は第三者の配信サーバーからの広告配信

広告配信

3PASとは、「Third Party Ad Serving」のことを表しています。

また、その意味には広義の場合と狭義の場合とで2種類あります。

どちらも3PASではありますが、その意味合いは異なるのです。

広義の3PASは、各媒体に配信をせずアドエクスチェンジやDSPなどの第三者機関を通して広告配信することを表します。

第三者を介して配信するという点が、狭義の意味と区別するポイントです。

狭義はアドサーバーそのもの

アドサーバー

狭義の意味については、アドサーバーそのもの表しています。

しかし、狭義の場合は配信するアドサーバーを含めてはいません。

複数の媒体に配信した広告を一括管理し、その効果測定を行う専用のアドサーバーを表しています。

あくまでも効果測定を行うアドサーバーなので、配信を行うサーバーでないことに注意が必要です。

3PASの仕組み

3PAS、仕組み

広義の意味と狭義の意味の両者を区別することができました。

では、3PASの仕組みはどうなっているのか解説しましょう。

そもそも、これまでの広告配信については各媒体への個別の入稿管理が求められていました。

どこに広告を配信したいかで、その媒体を扱う会社へ入稿し支払いを行い配信をさせてもらう形になります。

しかし、この場合は広告主に多くのデメリットや手間がかかるものでした。

というのも、各媒体へ個別に入稿依頼を行うので手続きの数が多いのです。

また、当然その都度支払いを行うのでコスト管理も面倒になります。

さらに、各媒体から広告の効果などデータが返ってくる数も膨大です。

これを媒体ごとに分析・検証するには相当の手間を要します。

こういった面で、広告主にとっては広告の運用は手間のかかるものだったのです。

しかし、3PASの場合であればこの手間は大幅にカットすることが可能になります。

というのも、第三者であるアドサーバーを介して配信を行うので各媒体への入稿の必要がありません。

その第三者のアドサーバーから一括管理できるので、コスト管理もデータ管理も一括に行えるのです。

広告主にとっては、一括管理によるメリットは大変大きく3PASの仕組みを理解した運用は大変効率的に結果を出してくれます。

 

ワンポイント
3PASの仕組みを理解して、自社運用への検討材料にしましょう。

複数の広告を運用する弊害

複数広告、運用、弊害

広義・狭義共に広告を一括管理できるメリットがある3PASについて把握できました。

複数の広告を出すことは、それだけ多くの人に見てもらいやすくなるということです。

しかし、複数広告の運用には弊害がついてきます。

それゆえに、一括管理の必要性がわかるでしょう。

ここでは、一括管理しない場合の複数広告運用したときに生じる弊害について解説します。

広告の管理に手間がかかる

広告管理、手間

まずは、広告の管理に手間がかかることです。

先述した通り、広告主は広告を配信依頼時に多くのコストや効果の管理をする必要があります。

テレビや雑誌の広告だけでなく、インターネットにおける媒体も沢山あります。

SNS1つ取ってもみても、沢山種類がありそれぞれの媒体で依頼をするとなると管理は大変です。

3PASを使わず自ら管理するのは、不可能ではないでしょうがかなり困難といえるでしょう。

広告配信は、後ほど効果を検証する必要もあるので管理ミスをするわけにはいきません。

複数の広告運用することで、管理に手間がかかることは大きな弊害になるのです。

媒体によって計測指標が異なる

計測指標

管理に手間がかかること以外にも、大きな弊害があります。

それが媒体によって計測指標が異なることです。

各媒体で広告を配信するところまでうまくいっても、運用はそこで終わりではありません。

というのも、配信後にその効果の検証を行わなければならないのです。

しかし、一括管理を行わないとその検証が非常に困難になります。

それは、媒体によって配信後に広告主に渡される計測指標が異なるからです。

この指標が異なると、媒体毎の効果を比較検証するのが非常に大変になります。

うまく比較できないために、どちらのほうが効果が上だったのかという検証が難しいのです。

広告を複数運用することは、確かに多くの人に見てはもらえます。

しかし、見てもらった人のその後の行動や成果の検証を比較できないことは大きな弊害となるでしょう。

 

ワンポイント
弊害を理解して、複数運用の難しさを理解しましょう。

3PAS登場前の広告効果の課題と登場後の変化

3PAS、登場後の変化

複数運用の弊害を知ることで、3PASの必要性やメリットの大きさを理解することができたでしょう。

これらの弊害は、広告配信にとって非常に厄介でした。

しかし、実は厄介な課題は先述したようなものだけではなかったのです。

ここからは、3PAS登場前の広告効果の課題登場後の変化について解説していきます。

クリック重視のCV

クリック重視のCV

1つ目の課題がクリック重視のCVにありました。

3PAS登場前には、クリック重視のために以下のようなケースで問題が生じていたのです。

  • クリックによるCVにならなかった広告の検証ができない
  • 広告によるCVの効果が重複して計算されてしまう

例えば、ディスプレイ広告とリスティング広告の2つを運用しているケースを考えてみます。

あるユーザーは、ディスプレイ広告をみました。

そして、その時点ではビュースルーで終わり帰宅後に自分で検索をかけます。

しかし、そこでもコンバージョンには至らずリスティング広告でクリックスルーとなりコンバージョンになったとしましょう。

このケースでは、最終的なコンバージョンになったのはリスティング広告です。

とはいえ、検索をかけたこともあり先のディスプレイ広告の効果もあったはずです。

一連の流れがあったからこそ、コンバージョンになったと考えられます。

では、3PAS登場前はこの一連の効果を測れていたのでしょうか。

実は、この効果は測れておらずこれこそ課題だったのです。

当初は、最終的なコンバージョンに至ったリスティング広告にしか効果がないと判断されていました。

そのため、そのデータ検証だけではディスプレイ広告に効果がなく配信中止と手を打たれる可能性も生じます。

そして、そこからある程度改善されはしましたが課題はまだ残っていました。

それが、広告によるコンバージョンの重複です。

改善された結果、ビュースルーとなった広告のコンバージョンも計測できるようにはなりました。

しかし、今回の例でいうとディスプレイ広告もリスティング広告も別々のコンバージョンとして数えられていたのです。

つまり、広告による効果で得られたコンバージョンの数は2つということになります。

ただ、今回の事例でいうと当然コンバージョンは1つです。

このように、コンバージョンの重複が起きてしまうことも大きな課題だったのです。

アトリビューション分析が可能に

アトリビューション分析

過去ではクリック重視のコンバージョンという、大きな課題を持った広告運用でした。

しかし、3PASの登場によりこの課題は大きく変わってきます。

それが、アトリビューション分析が可能になっていったことです。

これは、今回の事例でいうディスプレイ広告からリスティング広告までを一連の施策として計算して分析するというものです。

最終的なコンバージョンには、いくつかの広告が関与していることは経験的に理解できるでしょう。

この関与を、きちんと計測してくれるのです。

いくつかの広告が作用して、1つのコンバージョンに至ったときちんとデータを取って分析できるようになりました。

今回の事例でいえば、ディスプレイ広告も検索による効果もリスティング広告も効果があると評価できるのです。

過去の課題を、3PASによって解決できるようになったのです。

 

インターネット広告の事例はこちら

 

3PASを活用するメリット

3PAS、メリット

3PAS登場前と後で、広告運用の課題を解決してくれるようになったことは明白でしょう。

では、3PASを活用するメリットについても改めて視点を向けてみましょう。

これらメリットを理解できると、これから運用を始める際の大きな手助けとなります。

クリエイティブの管理を一括でできる

クリエイティブの管理

1つ目が、クリエイティブの管理を一括でできる点です。

複数媒体を用いて広告を運用する場合、各広告に対して様々な素材を用いて作ったものを用います。

そのため、クリエイティブを広告の数だけ管理しなければならず大変な作業です。

しかし、3PASを使用すれば第三者サーバーで一括管理運用を行えます。

これはクリエイティブにおいても管理できるので、それぞれの媒体でどの素材を使ったかなどの管理の手間は省けるのです。

効果測定を一括で把握できる

効果測定

効果測定を一括で把握できる点も、もちろん大きなメリットの1つでしょう。

先述したように、媒体によって指標が異なります。

そのため、配信後のコンバージョンに至ったデータなど媒体毎に指標計測方法が異なるのです。

この別々のデータを、わざわざ自社で統一させて比較検討するのは大変手間でしょう。

もちろん、別々でデータも集まるのでその管理時点で手間がかかります。

しかし、一括管理となれば媒体別のデータも一括で効果測定まで可能とします。

データも同じ場所で確認し、比較検証までできるので一括把握できる点は大きなメリットといえるでしょう。

コストの評価がしやすくなる

コストの評価

最後に、コストの評価がしやすくなることも一括管理だからこそのメリットです。

媒体を個別で管理していると、それぞれのコストがいくらかかったか評価しなければなりません。

配信された数に対してコンバージョンに至った数を計測し、それにかかった費用が各媒体でデータが残るはずです。

つまり、成果に対してのコストが必ずあるのです。

個別に管理していると、この評価に手間がかかります。

しかし、一括管理になることでこのコスト管理と評価が容易になります。

あの媒体での効果は少ないわりにコストがかかっていたといった媒体の比較も簡単に行えるようになるでしょう。

コストとパフォーマンスについても、評価を簡単にできる点は一括管理だからこそのメリットといえます。

 

ワンポイント
メリットを把握して、3PASの必要性を理解しましょう。

Google広告で3PASを活用する方法

Google広告、3PAS

3PASによるメリットを把握できたところで、次はGoogle広告で活用する方法についても解説しましょう。

広告配信において、Google広告を使うケースは多々あると思います。

それに伴い、利用方法や準拠すべきポリシーなどがあります。それらの情報をまとめて紹介しましょう。

利用方法

利用方法

まずは、利用方法についてです。

Google広告にログイン後に使用できますが、詳しく利用方法を紹介しましょう。

まずは、ログイン後にGoogle広告ディスプレイキャンペーン用のレポートを作成します。

その際には、各種アカウントIDなどが必要となります。

次に、インポートテンプレートをダウンロードしてレポートを作成しアップロードを行いましょう。

その後、Google広告ディスプレイキャンペーン用インプレッションタグの実装をGoogle 3PASにリクエスト申請します。

準拠すべきポリシー

準拠すべきポリシー

利用方法に沿って手順を踏んでいきますが、その際には準拠すべきポリシーもあります。

イメージ広告のポリシーや、Google広告のポリシーなどがこれにあたるでしょう。

広告に関しての細かなルールはもちろんですが、運用時の注意点なども含めてポリシーが細かく設定されています。

運用時には、これらの内容を確認後に実施するかを判断する必要があるでしょう。

3PASを活用してリッチメディア配信を行う方法

リッチメディア配信、方法

3PASを活用することで、リッチメディア配信を行えることをご存じでしょうか。

通常、DSPでの広告配信では動画広告やインタラクティブ広告を扱うことができませんでした。

しかし、リッチメディア配信を行えばこれらの広告にも対応しているので配信が行えるのです。

動画などは、他の広告よりも情報量が多いことが特徴です。

伝えたい情報が多いときや企業のブランディングなどにも使用できます。

リッチメディア配信を行うことで、さらに配信できる情報量が増えて効果的な広告を打ち出すことができるでしょう。

配信を開始する方法も簡単で、DSPと3PASを連携させるだけで運用を開始することが可能です。

 

ワンポイント
リッチメディア配信の特徴と配信方法を理解しましょう。

3PASの事例

3PAS、事例

活用のメリットやこれまでにできなかったことを対応可能になる3PASは、広告の効率を最大限に引き上げてくれるでしょう。

では、実際にどういった第三者アドサーバーがあるのか事例を見ていきましょう。

これからの利用を考えるのであれば、機能など特徴を押さえて選ばなければなりません。

AD EBiSの例

AD EBiS

株式会社ロックオンから提供されるシステムが、このAD EBiSになります。

コンバージョンの重複がないか確認できる点やレポート工数管理など一括管理の基本機能を備えます。

また、最大の特徴は初期費用が0円であることです。

初めてこのような3PASのシステムに触れる広告主や、お試しでまず操作感を検証したい人にはおすすめでしょう。

FLEX ONEの例

FLEX ONE

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社によって提供される3PASになります。

こちらの特徴は、リッチメディア広告のフォーマットを3PAS上ですでに提供している点です。

使い方も比較的シンプルな構造で、入稿後に広告枠に広告タグ設定を行うだけで配信開始になります。

様々な種類の広告を一括にシンプル操作で作成・管理できるので、広告の種類を多数展開したい広告主にはおすすめでしょう。

 

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3PASの活用で困った時は?

デジマクラス

広告運用は、コンバージョンに大きくかかわるために慎重に効果的なものが求められます。

しかし、運用が困難であったり広告を出せば出すだけ大変な作業が待っていると効率など求めることはできないでしょう。

そこで今回紹介する3PASは一括管理を可能にするので、非常に有用なツールになります。

とはいえ、効率化を図ることはできても運用自体はターゲティングなど色々なことを考えなければなりません。

もしツールを使う上での不安や運用時の悩みがあるのであれば、デジマクラスにご相談ください。

専門のコンサルタントがアドバイスを行い、3PAS運用から広告についても成果につながる一助となるでしょう。

 

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まとめ

まとめ

今回は、3PASについて特徴や仕組みなどを紹介しました。

一括管理できるツールとして、これまでの広告運用を劇的に効率化できることは間違いないでしょう。

とはいえ、もちろんどのツールを選ぶかを含めて3PASの仕組みをすぐに導入するかは慎重に選ばなければなりません。

今回の情報を参考に、ぜひ運用の効率化とコンバージョンにつながる運用に役立ててください。