デジタルネイティブとしてミレニアル世代が取り上げられ、彼らの消費活動に関する調査も数多く行われてきました。
近年ではそんなミレニアル世代よりも若いZ世代に関心が集まり、その特徴を把握することがビジネスにとって重要とされています。
今回の記事ではZ世代へのマーケティングについて詳しく解説します。
Z世代の消費傾向や価値観、Z世代へのマーケティングの成功例についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
Z世代へのマーケティングについて解説
Z世代とは1996年~2012年に生まれた人々を指す言葉で、ジェネレーションZとも呼ばれます。
生まれた国・地域・環境によって個人差はありますが、Z世代の多くは以下に挙げるような特徴を備えているといわれます。
- SNSの活用が盛ん
- 金銭感覚が保守的
- 情報リテラシーが高い
- 自分らしさを大切にする
- ダイバーシティを重視する
これらの特徴はミレニアル世代にも少なからず見られますが、完全なデジタルネイティブであるZ世代の方がずっと顕著です。
Z世代へのマーケティングはこれらの特徴や傾向を踏まえたものでなければなりません。
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Z世代に向けたマーケティングはなぜ重要か
そもそもZ世代に向けたマーケティングはなぜ重要といわれるのでしょうか。
それはZ世代が全世界でおよそ20億人も存在し、これからの消費の中心を担うようになると考えられているからです。
逆に彼らの存在をまったく無視したマーケティング活動を継続した場合、企業としての成長は果たせない可能性があります。
多くの企業にとってZ世代の特徴に合わせてマーケティング活動を展開することは将来の存亡にも関わる重要事項といえるでしょう。
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Z世代の時代背景
一部のミレニアル世代と違って、Z世代は生まれた時からデジタル機器やインターネット環境の恩恵を享受している世代です。
さらに、感受性の強い青年期に大規模自然災害や経済不況・社会不安を経験してきた世代という特徴も備えています。
マーケティングにあたっては、優れた情報処理能力や多様性への理解の高さなど彼らの世代的な特徴を捉える必要があるでしょう。
物質的なものよりも精神的な豊かさを求める傾向が強い所もこの世代の大きな特徴であり、マーケターが重視すべき点だといえます。
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Z世代の消費傾向
マーケターにとって重要なZ世代の消費傾向について確認をしておきましょう。
Z世代の消費活動にはどのような特徴があり、どのようなマーケティング活動が有効と考えられるのでしょうか。
この項目ではZ世代の消費傾向のポイントを4つピックアップしてそれぞれ詳しくご紹介します。
質・中身の重視
Z世代の消費傾向の特徴、1つ目は質・中身の重視です。
Z世代は見た目の高級感などよりも実用性やコストパフォーマンスといった質・中身を重視する傾向が強くあります。
そのため中身の伴わない商品やサービスはすぐに見限られてしまうでしょう。
情報発信力に長けたZ世代なので、低品質で見かけ倒しな商品・サービスに関する情報は瞬く間に拡散されることになります。
倹約志向
Z世代の消費傾向の特徴、2つ目は倹約志向です。
Z世代には保守的で堅実な考え方の若者が多く、浪費するよりも倹約することにポジティブなイメージを抱く傾向があります。
ただし、これはただ単に財布の紐が固い世代だという意味ではありません。
Z世代であっても、自分にとって価値が高いと感じたものには積極的に消費行動を取ります。
ミレニアル世代がモノ消費からコト消費への過渡期にあったことと同様に、Z世代はトキ消費を重んじる傾向があります。
トキ消費とはイベントや大きな催しの場に自ら参加し、体験することです。今後のマーケティングの大きなヒントといえるでしょう。
話題性を好む
Z世代の消費傾向の特徴、3つ目は話題性を好むことです。
Z世代の若者の価値観として「他人から好かれることや仲間として歓迎されることは重要」という視点があります。
仲間意識や平等意識の強い彼らは皆で参加・体験できる催しを好み、話題性を求める傾向があるといえるでしょう。
それらの体験をSNSで積極的に発信・拡散しようとするのも顕著な行動の1つです。
Z世代による情報発信を期待するならSNSを利用した広告の発信はマーケティングに欠かせない手法となります。
アナログの再ブーム
Z世代の消費傾向の特徴、4つ目はアナログの再ブームが見られることです。
デジタル機器やインターネット環境に物心つく頃から慣れ親しんでいるZ世代の目には、アナログは逆に新鮮なものに映ります。
そのためアナログなものに触れる経験やリアルな体験への関心が強く、再ブームが起こることも少なくありません。
業種や業界によってはこうしたアナログの再ブームを利用したマーケティング展開を行うこともできるでしょう。
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Z世代が情報を得るとき
Z世代が情報を得るときには、多くの場合検索エンジンやSNSのアプリにキーワードを入れて検索するという方法が取られます。
情報を発信する側はターゲットがどのようなメディアを介して情報収集しているかを入念にリサーチする必要があるでしょう。
またZ世代にあたる人々の多くは高い情報リテラシーを備えており、得られた情報を活用する時もその行動はやや慎重です。
この項目ではそんなZ世代が情報を得るときの行動について、特徴を3つ取り上げてご紹介します。
インフルエンサーへの信頼
Z世代が情報を得るときの特徴、1つ目はインフルエンサーへの信頼が見られることです。
インフルエンサーとは、その思考や行動が周囲に大きな影響を与える人物のことを指しています。
Z世代はインフルエンサーによる情報発信に敏感なため、マーケティングの方法としてインフルエンサーの起用は欠かせません。
ただ情報リテラシーの高いZ世代は情報を鵜呑みにせず、体験したり手にして確かめたりしたいと考える傾向もあるので要注意です。
サイバーセキュリティやプライバシーの保護に敏感
Z世代が情報を得るときの特徴、2つ目はサイバーセキュリティやプライバシーの保護に敏感なことです。
Z世代は真のデジタルネイティブであるため、学校教育の現場でもサイバーセキュリティやプライバシーについて深く学んでいます。
そのためサイバーセキュリティやプライバシー保護に対する意識が高く、セキュリティの弱さやプライバシーの軽視を許容しません。
自社のセキュリティが明らかに弱い場合、Z世代からリテラシーの低い企業だと捉えられかねないので注意が必要です。
動画や画像での情報共有がメイン
Z世代が情報を得るときの特徴、3つ目は動画や画像での情報共有がメインであることです。
SNSの投稿の多くには動画や画像が添付されています。Z世代はこうした形で情報のエビデンスを残すことにも余念がありません。
このような行動の裏には、ネットから得られる情報を鵜呑みにしないで疑ってかかるというZ世代のリテラシーの高さがあります。
情報の裏付けとなる動画や画像、データなどを添えて発信することは非常に重要です。
Z世代の価値観
Z世代をターゲットにマーケティング活動を展開するためには彼らの価値観をより深く知る必要があります。
Z世代はミレニアル世代とはやや違った価値観を持っているので、当然アプローチの仕方も変える必要があるでしょう。
この項目ではZ世代が持つ価値観の特徴を2つピックアップしてご紹介します。
ダイバーシティとインクルージョンを大切にする
Z世代の価値観の特徴、1つ目はダイバーシティとインクルージョンを大切にすることです。
ダイバーシティは多様性、インクルージョンは包含や一体性と捉えておくと良いでしょう。
ダイバーシティとインクルージョンを大切にするとは、多様性を認めながらも全体としての一体感を大切にするということです。
この価値観はSDGsで掲げられる「誰一人取り残さない社会」にも通じるものがあります。
企業もこうした考え方に根差したマーケティングを展開していく必要があるでしょう。
個性を称えるメッセージに敏感
Z世代の価値観の特徴、2つ目は個性を称えるメッセージに敏感なことです。
ダイバーシティを大切にするZ世代は個性を尊重する傾向にあり、逆にマイノリティに対する否定的なアクションを許容しません。
個性的でユニークなことを良しとする価値観は、マーケティング活動を展開する上でも大きなヒントとなります。
キャラ付けされた企業の公式SNSアカウントなどが人気を呼ぶことがあるのもこうした特徴による所が大きいといえるでしょう。
ミレニアル世代とは近いようでかなり異なる
どちらもデジタルネイティブと呼べる点など、Z世代とミレニアル世代は似ているように思われがちですが、実はかなり違います。
Z世代はミレニアル世代よりも経済面で保守的な傾向が強く、また商品・サービスの実用性を重視します。
多様性を認める価値観は両方の世代に認められますがZ世代の方がはるかに顕著だといえるでしょう。
このような違いには感受性の強い青年期に多くの自然災害や経済不況を経験したZ世代のバックボーンが影響しています。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
Z世代向けのマーケティング成功例
Z世代向けのマーケティングの成功例にどのような特徴があるかを確認してみましょう。
いずれもZ世代の価値観や特徴に強く訴えることで成功したマーケティング手法だといえます。
この項目では成功したマーケティング手法の中でも特に有効なものを4つピックアップしてご紹介します。
TikTokの活用
Z世代向けのマーケティング成功例、1つ目はTikTokの活用です。
TikTok広告の中でもインフィード広告や起動画面広告を活用することで不特定多数のZ世代に広告をアピールできます。
便利な動画編集機能が備わっているため、TikTokで動画を編集・発信するZ世代は少なくありません。
ユニークな動画を積極的にアップし続けることができればZ世代に広く認知されるでしょう。
Instagramの活用
Z世代向けのマーケティング成功例、2つ目はInstagramの活用です。
撮影した写真をInstagramでアップ・共有することはTikTokで動画を撮影・アップするよりも遥かに手軽です。
流行語「インスタ映え」が生まれたように、見栄えがして誰かに自慢したくなる光景や体験は今後もZ世代を引きつけるでしょう。
商材に絵的な魅力がある時は積極的にZ世代にそのことをアピールし、画像付きで広く拡散してもらえるよう誘導するのが得策です。
リアルな体験の活用
Z世代向けのマーケティング成功例、3つ目はリアルな体験の活用です。
デジタルネイティブといわれるZ世代はリアルな体験することに魅力を感じるといわれます。
デジタル時代だからこそ貴重といえるリアルな体験を売りにすることで、Z世代に強くアピールできるでしょう。
インターネット広告を利用してリアルイベントやリアル店舗にユーザーを誘導するのが1番オーソドックスで効果的な手法です。
アナログな体験の活用
Z世代向けのマーケティング成功例、4つ目はアナログな体験の活用です。
デジタルとの対比で語られ、劣ったものという印象を持たれることもあるアナログですが、必ずしもそうではません。
リモート環境では味わうことのできない臨場感やぬくもりなど、高い体験価値を得られるものと考えることもできます。
情報リテラシーの高いZ世代はネットの情報を鵜呑みにせず、実物を自分の目で確かめようとする行動を取ります。
実体験を重視するZ世代にアナログな体験を提供することは、今後マーケティング活動の手法として重要なものとなるでしょう。
Z世代向けのマーケティング方法で悩んだら
Z世代と呼ばれる人々の数は全世界でおよそ20億人にものぼるといわれます。
彼らの多くが保護者の管理下を離れて消費者となる時には、マーケティングのあり方もそれに即したものにする必要があるでしょう。
Z世代の傾向や特徴を正しく把握して彼らの心に響く施策を打ち出していきたいものです。
ただ自社商品・サービスの場合はどのようなマーケティング手法を展開するべきか分からないという方も多いのではないでしょうか。
もしもZ世代向けのマーケティング方法で悩んだら、デジマクラスのコンサルタントに相談してみてください。
Webマーケティングのプロフェッショナルが親身になってお話をうかがい、適切なアドバイスをさせていただきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事ではZ世代に向けたマーケティングの方法やZ世代の消費傾向・価値観について解説しました。
Z世代に限らず、インターネットを通じたユーザーへのアプローチは現在多くのビジネスにとってマストな手法だといえます。
しかしZ世代の特徴や傾向を見てみると、リアルな体験を軽んじるべきではないことも同時に見えてきます。
業種や業界にもよりますが、デジタルとアナログ両方の魅力を引き出すことがより良いマーケティングの秘訣ではないでしょうか。
Z世代の支持を大いに得られるような施策を打ち出して、ぜひビジネスを成功させてください。
本稿がそのための一助となれば幸いです。