近年IT業界で需要が高まっている職種にWeb広告運用担当があります。

広告運用担当者は集客を目的とした広告の企画・設計・入稿・集計・分析を行います。

業務範囲は比較的広く運用・管理が中心といえるでしょう。

専門性が求められる広告運用担当者ですが未経験者の募集も少なくありません。

求められるスキル、どういうタイプの人が向いているのか解説します。

広告運用担当者が活躍する職種を紹介

グラフ

広告運用担当者の仕事はインターネット広告の管理・運用を中心に行う仕事です。

WebサイトからSNS、スマホのアプリなど広告のプロモーションを行う配信先の選定をします。

広告の種類も現在は多岐に渡り、Instagram、Facebook、Lineなどがあります。

そうした広告の入稿や運用予算、分析、レポーティングなど幅広いのが特徴です。

近年、Web広告も増加しており、いかに効率よくプロモーションを行うかが求められています。

 

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Web広告市場の現状

データ

2020年の日本の総広告費は、世界的な新型コロナウイルスの影響で前年比11.2%減の6兆1594億円になりました。

しかし、Web広告の成長は止まらず2.2兆円にまで膨らんでいます。

日本の総広告費全体のおよそ36.2%を占めるほどです。

さらにソーシャル広告市場の規模はインターネット広告媒体費全体の32.4%になっています。

特にSNS系の伸びが著しいといえます。

成長が著しいインターネット広告のタイプは検索連動型広告ディスプレイ広告動画広告です。

 

ワンポイント
Web広告はどこの媒体を利用すればプロモーション効果が最大限期待できるか検討するのがポイントである。

Web広告の種類

ECサイト,マーケティング

インターネット上にあるメディアに掲載されている広告の種類はどのサイトに入稿するかにより種類が異なります。

主要な広告の種類を説明しましょう。

純広告

純広告とは特定のメディアの広告枠を買い取り掲載するオーソドックスな広告です。

掲載する期間と掲載する回数に応じて広告費がかかります。

DSPやアドネットワークとは異なり買い取った枠でしか広告の掲載ができません。

純広告のもっとも代表的なものはYahoo!のトップページの右上の広告です。

純広告は掲載するメディアにもよりますがユーザーの目に留まりやすいのが特徴でブランディング効果も高くなります。

また、関心のあるユーザーにターゲットを絞り込んで配信もできるのでメリットが大きくなるのです。

純広告にはいくつかの種類があります。

  • テキスト広告
  • バーナー広告
  • リッチ広告
  • 動画広告
  • メール広告
  • 記事広告

テキスト広告はWebサイト上ではテキストで紹介される広告のことです。

クリックすることで公式サイトへ遷移されます。

広告費用を抑えたい場合には有効な手法です。

バーナー広告は古くからある広告で決まった区画に画像や動画で表示させる広告になります。

リッチ広告は画像と動画に音声まで入れられる比較的大きな広告にも対応できるタイプです。

動画広告は典型的なものにYouTubeがあります。

メール広告もオーソドックスな広告で会員向け情報などが該当します。

記事広告はタイアップ広告とも呼ばれ、親和性が高いWeサイトに掲載する広告のことです。

商品やコンテンツに特化した情報を送ることができて情報量も多いことで知られています。

運用型広告

運用型広告とはあらかじめ設定された予算や広告内容に応じてリアルタイムで運用する広告のことです。

検索キーワードやユーザーの属性に応じて配信される広告になります。

純広告と異なり広告枠をオークション形式で獲得します。

運用型広告のメリットは予算や広告内容さらに広告期間が柔軟に変更できる点です。

また、ターゲットに合わせて広告内容を細かく指定できるのでユーザーの関心に合った内容をいつでも配信できます。

さらに純広告に比べて広告費用も低く抑えられ、ユーザーの反応を見ながら予算を変更できるので限られた予算運営をする方にはおすすめです。

運用型広告には以下の種類があります。

  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
  • SNS広告
  • 動画広告
  • リターゲティング広告
  • レコメンド広告

その他の広告

その他の広告にはDSPがあります。

複数の広告媒体をまとめた広告配信ネットワークをアドネットワークといいます。

DSP広告は複数のアドネットワークを横断して配信する広告主側のプラットホームです。

DSP広告のメリットはターゲットを絞り込んでユーザーの属性に合った広告を配信できることです。

アフィリエイト広告は成功報酬型広告として広く知られています。

インプレッションされると掲載費はかかりますが、ユーザーが広告をクリックしコンバージョンして初めて費用が発生します。

アフィリエイト広告のコンバージョンとは、会員登録・資料請求・サンプル請求・購入のことです。

 

ワンポイント
運用型広告を担当するなら活躍の場は広告主・広告代理店・メディアの3つがある。

広告運用担当者が働ける場所は?

営業,タイミング

広告運用担当者が働く場所について見ていきましょう。

主なものとして広告主の企業広告代理店メディアと大きく3つあげられます。

大手企業になるとこれら3つの機能を持った企業もあります。

広告代理店

アップセル,ポイント

広告代理店では広告主から広告費用を預かりWeb広告の運用を受託します。

主な役割はクライアントの予算に応じた戦略立案・メディアプランニング・メディアバイイング・広告運用・分析・レポーティングなどです。

広告運用担当者の多くは広告代理店に勤務するケースが圧倒的に多いのが特徴です。

広告代理店で働くメリットはノウハウや最新の手法が学べます。

インハウス

データ

インハウス運用とはWeb広告の企画・立案・出稿・運用・改善すべてを自社で完結させる運用方法の一つです。

インハウスの強みは自社で完結できることで施策の自由度やスピードが早いことです。

これまで広告主は広告代理店を通じて広告の発注をしていましたがデメリットも出てきました。

広告代理店を利用するデメリットは以下の通りです。

  • コストが高い
  • 運用までの時間がかかる

インハウスのメリットは以下の通りです。

  • コストが削減できる
  • 広告運用のノウハウが蓄積される
  • スピード感を持って施策ができる
  • 自社データとの連携ができる

インハウスであれば代理店任せであった運用ノウハウが学べます。

また、インハウス運用にすれば社内のコミュニケーションがとりやすくなります。

その結果外部に発注するよりスピード感を持った対応が可能になるのです。

今後はコストを抑えられるインハウスが増えることから広告運用担当者のニーズが高まると予想されます。

一方で広告代理店任せだった調整や管理を行うことになるため業務が煩雑になるデメリットもあります。

Webメディア

インターネット

広告主はプロモーションの枠を広げるためWebメディアを積極的に利用します。

スマホ・Webサイト・SNSなどの媒体です。

大手メディアになると自社で広告商品やプラットフォームを作り広告主や代理店に売り込みます。

その際に自社でマーケティングができる広告運用者が必要です。

営業をサポートする形で広告運用の専門部署を置く企業もあります。

 

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広告運用ができる職種

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広告業界の中でもインターネット広告の成長率はすさまじいものがあります。

多くの媒体を通して配信される広告は今やコンバージョンを考える上で欠かせません。

広告業界に転職を希望する人も増えており、特に広告運用には熱い目が注がれています。

広告運用を目指す転職者におすすめの職種を紹介しましょう。

アカウントプランナー

仕事内容

アカウントプランナーは広告に関する企画・営業を行う職種です。

広告主から課題や意見をヒアリングし、広告の企画立案を行います。

また、社内外の調整役としての役目もあります。

アカウントプランナーは広告主に課題を解決できる最適な提案ができる能力が求められるのです。

そのためにはインターネットに関する知識やノウハウも重要になります。

マーケター

オフィス

マーケターとはWebサイトやSNS、スマホを活用したマーケティングに関わる仕事です。

主には集客のための施策の実施とその結果に基づくデータ分析検証が仕事になります。

WebサイトでPV数を上げたり、検索エンジンで上位表示させたりするのもマーケターの仕事です。

その他、サイトのコンテンツ企画も担当します。

広告運用担当でマーケターをやりたいと希望する転職者も多くいます。

将来的にはマーケティングコンサルタントを目指すことも可能でしょう。

クリエイティブディレクター

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広告制作の現場でデザイナー・コピーライター・プランナーなどを総括する責任者がクリエイティブディレクターです。

広告主のバナー広告のデザインやランディングページの企画・設計、運用、改善などのディレクションを行います。

リスティング広告・ディスプレイ広告・Webデザインの専門的知識も必要です。

クリエイティブディレクターに求められるスキルは以下の通りです。

  • コミュニケーション能力
  • リーダーシップ
  • 交渉能力
  • 好奇心

クリエーターたちを統括する立場になるためにはコミュニケーション能力が必要になります。

いろいろな意見を取りまとめ方向性が出せる人が求められます。

チームのメンバーが一目置かれる存在と思えるような人物であることも重要です。

チーム内の異なる意見の落としどころを探り社内外において交渉能力が高い人が向いています。

クリエイティブディレクターは独特な視点や考え方を持ち、好奇心旺盛であることも強みになります。

データアナリスト

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データアナリストは広告主の広告運用成績やWebサイトのアクセスデータなど様々な数値データを分析します。

広告効果を最適になるように提案するのがデータアナリストの仕事です。

データアナリストが分析したデータをもとにプランナーやディレクターが企画やデザインを考えます。

データアナリストに向いている人はこちらです。

  • 統計学的知識がある
  • 情報収集や分析に興味がある
  • 倫理的思考ができる

データ分析には統計学の知識が必要です。

また、多面的な分析力も必要なことから粘り強さが求められます。

資料作成やプログラミングもあり自らスキルアップをする探究心も必要です。

今後はAIの導入も視野に入れ論理的な思考ができ、経営戦略が立案できる能力も欠かせません。

 

ワンポイント
広告はPDCAサイクルを回すことでその効果が最大化しコストパフォーマンスに優れたプロモーションができる。

広告運用担当者の仕事はPDCAサイクル

コンサル

広告運用者は広告代理店やインハウスで広告運用を行います。

リスティング広告やリターゲティング広告のような運用型広告において広告の収益や結果を分析してPDCAサイクルを回すことが大切です。

PDCAサイクルを回すことで改善点を見つけ出し最適な広告運用を行います。

インハウスだけでなく広告代理店に依頼する時もPDCAサイクルを回せば運用ノウハウが蓄積されます。

PDCAサイクルのメリットは以下の通りです。

  • 低予算でソリューションのテストが実施できる
  • 解決策の確立前に効果の分析ができる
  • 効果的なソリューションだけを実施し時間を節約できる

企画

企画では広告を見てもらうターゲットを絞り込みます。

そして中期的な目標を設定するのです。

目標を決めたら情報収集を行い解決策を立てます。

例えば月にコンバージョンを100件と設定しましょう。

それに向かって何をすればいいのか解決策を立案するのです。

実行

解決策を立案して実行します。

進めながら検証し有効だったものと無効だったものを区別して後で分析しましょう。

テストは一気に進めるのではなく少しずつ試します。

分析と評価

分析と評価では実際にやってみて当初の計画通り進んでいるかチェックします。

ここでは目標値との乖離がどれくらいあるか分析することが重要になってくるのです。

そして解決策が有効に働いているか評価します。

改善

改善では企画で設定した目標で達成できたものと達成できなかったものを検証します。

その結果から改善点を見つけコンテンツやターゲティングの見直しを行います。

改善点がわかり見直しを図ったらまた企画に戻り再度一連の作業を実施しましょう。

 

ワンポイント
広告運用に向いている人は苦手意識を持たず向学心・好奇心がある人。

広告運用担当者に向いている人の特徴は?

男性

広告運用担当者に向いている人とは例えば以下のような人です。

  • 倫理的思考ができる人
  • 人の行動や心理に興味がある人
  • 研究熱心な人
  • スキル意識・情報感度が高く好奇心旺盛な人

広告運用担当者は物事を客観視できることが大切です。

数値を見てなぜそうなるのか、その背景を推測し分析する能力を持っている人が向いているでしょう。

広告運用担当者の目的はクライアントをサポートして成果を出すことです。

ターゲットはこれでいいのか、キャッチコピーは適切か、画像や動画はユーザーに関心をもたれるかなど試行錯誤が必要です。

多面的な角度から見て可能性を追及できる人がいいでしょう。

広告運用担当者には一つの指標にとらわれ過ぎず全体を見て考える力も必要です。

一つの指標に疑問がある場合、総合的に分析して施策が打ち出せることも大切です。

広告運用担当者のキャリアパス

ビジネスマン,解説

広告運用担当者として転職を考える場合、未経験者なら20代で転職しましょう。

30代以上になると経験者特に管理職経験者が求められスキルがなければ厳しくなります。

標準的な広告運用担当者のキャリアとかこちらの4つになります。

  • オペレーション
  • 媒体の特性理解
  • 予算設計
  • 分析能力

オペレーションは広告運用者でも初心者レベルのスキルです。

アカウントの構築や入稿作業が主な仕事になります。

媒体の特性はYahoo!、Google、SNSなどそれぞれの特性を理解しどのようなターゲティングなら最適か検証します。

クライアントの依頼で広告を立案する際にどの媒体を利用すれば最大限の効果が出るかは重要なポイントです。

決められた予算内でどの媒体、どのスキームを使えば効果的なプロモーションができるのか検討し設計するスキルが求められます。

目標と現状の乖離を見極めて分析することは極めて重要です。

そのためにはPDCAサイクルを回しながら乖離を埋めていかなければなりません。

広告運用担当者はシステムエンジニア・Webマーケティング・クリエイティブディレクター・セールスとも関連があります。

自分がどこに軸足を置くかで運用者としてのキャリアも違ってきます。

そのためには専門性を極めることがキャリアパスを考える上で重要です。

 

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広告運用担当者への転職で悩んでいる人は

仕事,疑問

広告運用担当者といっても最近は付随する運用業務を全てを期待される傾向が強くなっています。

運用型広告ではシステム管理やベンダーとのやり取りは運用者でないとわからず実務が滞ることもあります。

運用の経験を活かしてデジタルマーケティングの知識やトレンドに敏感になることが重要です。

そして、積極的に業務に取り入れることで活躍の場も広がります。

今後も活躍が期待できる広告運用担当者への転職を希望するなら転職エージェントに相談しませんか。

これまでのキャリアパス適性をチェックして最適な求人案件が紹介できます。

特に未経験の方や他業種からの転職する方は不安を抱えている方が多くいます。

転職エージェントはそういう方には心強い味方になってくれるのです。

転職のノウハウと経験豊富なコンサルタントなら書類作成や面接も強力にサポートしてくれます。

まとめ

ビジネス

広告運用担当者が活躍する職種や必要なスキルについて解説しました。

広告運用担当者になるためには未経験者でも20代ならポテンシャル採用枠で採用もあります。

また、契約社員やアルバイトから正社員になることも可能です。

営業職で採用されて運用者を目指すこともできるでしょう。

AIの技術が進化すれば広告運用担当者の作業はAIに取って替わるという話もあります。

しかし、キャリアを広げれば広告運用担当者の将来性は決して悲観する必要はありません。

一度転職エージェントに相談してはいかがでしょうか。