UXはビジネスのあらゆるシーンにおいて重要な役割を果たすものです。そのことはマーケティングにおいても変わりありません。
ただそんなUXについて、ユーザー体験のことだとは知っているけれど詳しく分からない、という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事ではマーケティングにおけるUXの重要性について活用事例を交えながら解説します。
UXが普及した背景やUXをビジネスに取り入れる際に注意すべきポイントにも触れますので、ぜひ参考にしてください。
目次
マーケティングにおけるUXの重要性を解説
モノを作れば売れていた時代は終わりました。現代では数多くある類似品の中から消費者に選び出してもらう流れが主流です。
企業は消費者の関心や感情に配慮し、消費者がどう感じて行動するかを軸に戦略を組み立てる必要に迫られるようになりました。
このような、消費者にとっての価値に重きを置いたマーケティング戦略を立案する際に重要な役割を果たすのがUXです。
UX(User eXperience)とは消費者が購買行動を通じて得る様々な体験のこと。
サイトは見やすいか、スタッフは親切か、商品は使いやすいかなど、UX向上のために企業が気を配るべきことは数多くあります。
今求められているのはUXを尊重したユーザーファーストな経営姿勢なのです。
コンテンツマーケティングの事例はこちら
UXとマーケティングの関係性
マーケティングの最終的な目標があくまでも利益を出すことなのに対して、UXは消費者のより良い体験に重きを置きます。
ユーザーファーストな姿勢が評価されればより消費者に選ばれやすくなり、売上げの増加も見込めるという考え方です。
他者への奉仕が巡り巡って自らの利益になるという形は、ソーシャルマーケティングにも通じる部分があるといえるでしょう。
UXを重んじ、UXの質を高めることで結果的にマーケティングが上手く行く。両者はそのような関係にあるのです。
UXが普及した背景
UXという考え方の広まりとデジタルデバイスの登場・普及は切っても切れない関係にあるといえます。
近年Webサービスやアプリケーションは誰にとっても身近なものとなり、使用感や質の良し悪しが意識されるようになりました。
また、情報通信技術の進歩によって誰もが大量の情報を扱えるようになったことも無視できません。
UXが普及した背景には、上記のような社会の変化がもたらした消費者の購買行動の変容があるといえるでしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
UXの重要性
UXの重要性について、改めて2つの観点から見てみましょう。
1つはコンテンツマーケティングにおけるUXの重要性、もう1つはブランドの信頼度とUXの関わりについてです。
様々なサービスのデジタル化が進んでいく中で、UXの重要性は日に日に増しているといっても過言ではありません。
それぞれ別々の項目で詳しくご紹介します。
コンテンツマーケティングでの重要度が高い
UXはとりわけコンテンツマーケティングにおいて重要度が高いといわれます。
価値の高いコンテンツを作って発信し、消費者の興味をひいて商品購入を促すのがコンテンツマーケティングの基本です。
この時、もしも消費者の訪れたサイトがUXに無関心で使い勝手の悪いものだったとしたらどうでしょう。離脱は止められません。
中身であるコンテンツの価値に関わりなく、使いにくいサイトだからという理由で立ち去ってしまうのです。
UXへの配慮はこうした事態を避けるためにも必要不可欠だといえます。
ブランドの信頼度を高める
消費者は一貫性を保って安定した姿勢に価値を見出し、そのブランドに信頼を寄せます。
コンテンツのトーン&マナーからSNSでの情報発信にいたるまで、細部まで完璧に一貫性を保つことが必要だといえるでしょう。
その時に重要な役割を果たすのがUXです。
UXに重きを置いたユーザーファーストな姿勢でコンテンツの制作と管理にあたり、時間をかけて信頼を醸成することが肝心です。
UXデザイナーの役割
使っていて心地良い。見ていて楽しい。やってみて良かった。消費者にはぜひそのような体験をしてもらいたいものです。
ただ、何の知見もない担当者が思い付くままに手がけてみてもUXの改善などなかなか実現できないもの。
そんな時、より質の高いUXを提供するプロフェッショナルとしてUXデザイナーがいます。
この項目ではUXデザイナーに焦点を当ててその重要な役割を詳しくご紹介しましょう。
UXを最適化させる
UXデザイナーは主にユーザビリティとUIについて消費者行動を手掛かりに深く考察します。
ターゲットである消費者に強く求められるコンテンツは、ユーザーファーストなデザインによって初めて実現されるでしょう。
新たなデザインを適用してみた結果、消費者の積極的な行動を喚起できなかった場合は再考の余地があります。
消費者行動への理解をより深めてデザインに反映させることによって、UXの最適化を図ることができるでしょう。
コンバージョンに繋がるデザイン設計
UXという考え方はあくまでもユーザーファーストであり、利益とは無関係であるべきです。しかしUXデザイナーは違います。
UXデザイナーの最終的な目標はコンバージョン率を向上させることにあるからです。
ターゲットのニーズを把握して理想的なコンテンツをデザインし、エンゲージメントを促進してコンバージョンを実現する。
UXデザイナーにとってUXはそのための手段やツールにあたるといえるでしょう。
コンテンツマーケティングの事例はこちら
UXを取り入れる際に注意すべきポイント
UXの考えを取り入れてサイトそのものやコンテンツの改善を図るなら、ぜひ押さえておきたいポイントが4つあります。
ストーリー性のあるビジュアル体験・ブランドロイヤリティの促進・コンテンツの充実・アクセスのしやすさです。
これらはいずれもサイトを訪れる消費者に満足を感じてもらうための要素として欠かすことができません。
自社がターゲットとする顧客にとっての理想のUXとはどのようなものかを考える際の手掛かりにしてください。
ストーリー性のあるビジュアル体験
UXを取り入れる際に注意すべきポイント、1つ目はストーリー性のあるビジュアル体験です。
UIから受ける見た目の印象をはじめ、魅力的なUXには優れたビジュアルの存在が欠かせません。
さらにそのビジュアルがストーリー性を備えていれば、消費者を引きつける効果はいっそう増すことが期待できます。
人は無意識に物語を求めており、ストーリー性のあるものについてはその続きや結末を知りたいと感じるものだからです。
ブランドロイヤリティを促進する
UXを取り入れる際に注意すべきポイント、2つ目はブランドロイヤリティを促進することです。
消費者に何度も来訪・使用してもらえるようなサイト・アプリケーションになるよう細部まで気を配らなければなりません。
その際に重要なのが安定感のある一貫した姿勢です。綻びやブレの存在を感じると消費者はたちまち離れていきます。
ブランドに対する消費者の信頼をコツコツと醸成していく。そんな根気強さが肝心だといえます。
コンテンツを見つけやすくする
UXを取り入れる際に注意すべきポイント、3つ目はコンテンツを見つけやすくすることです。
どんなに優れたコンテンツを取り揃えていても、まずは消費者に見つけ出してもらわなければ意味がありません。
ターゲットとなる消費者の行動を予測して、最も目に留まりやすいと思われる手段でアピールしましょう。
検索エンジンを用いたキーワード検索・SNS上での検索など、消費者の行動に応じて取るべき方法も変わってきます。
コンテンツを充実させる
UXを取り入れる際に注意すべきポイント、4つ目はコンテンツを充実させることです。
どんなに見た目にこだわっても肝心のコンテンツがお粗末なものでは消費者は離れていきます。
コンテンツの充実には情報の新しさという観点も含まれているので注意しましょう。
記載した情報は定期的な更新が必要です。古い情報を載せたままにしていては消費者の信頼を失うことにもなりかねません。
UXの成果を上げるための3ステップ
UXの効果を上げるために重要とされる3つのステップがあります。
ペルソナの設定・カスタマージャーニーの活用・ヒューリスティックマークアップの実施です。
効率的なUXの改善を図るためにもこれらのステップを確実に踏まえて進むようにしましょう。それぞれ詳しく見ていきます。
ステップ1:ペルソナの設定
UXの効果を上げるためのステップ、1つ目はペルソナの設定です。
ペルソナとは自社商品・サービスにおける典型的な顧客像に当たる存在です。
自社商品・サービスのターゲットとなる消費者のペルソナを明確にしなければなりません。
ペルソナを設定することによって初めて、理想的なUXのための様々な選択と決定が可能になります。
根拠の不明確なUXデザインを採用することのないように心がけましょう。
ステップ2:カスタマージャーニーの活用
UXの効果を上げるためのステップ、2つ目はカスタマージャーニーを活用することです。
カスタマージャーニーとは商品・サービスの認知から購買へ至るまでに消費者が辿る道筋を意味しています。
訪れた消費者がどんな人物でどのようなルートを経て離脱・CVへと至るか、すべてのパターンを網羅したマップを作りましょう。
こうしたカスタマージャーニーマップを活用すれば、購買行動の各ステップごとに必要な対処法を見出すことも可能となります。
ステップ2:ヒューリスティックマークアップの実施
UXの効果を上げるためのステップ、3つ目はヒューリスティックマークアップの実施です。
ヒューリスティックマークアップはユーザー調査の手法の1つとして知られています。
ユーザーになりきって消費行動を取り、感じたことや分かったことを記録し、改善点を見出す手法だと考えれば良いでしょう。
実際に自社サイトを訪れて行動し、感想を記録する。それだけでも立派な調査だといえます。
ユーザーの立場にならなければ気付かなかった問題や改善点が発見できるかもしれません。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
UXの活用事例
UXの活用によって事業を成功させた企業やアプリケーションには、たとえば以下のようなものがあります。
- コカコーラ「Coke ON」
- クックパッド株式会社「Cookpad」
- 株式会社メルカリ「メルカリ」
この項目ではUXを活用することで成功した事例を2つご紹介します。どちらもよく知られた身近なブランドについてのものです。
2つのブランドがUXをどのように捉えて実践したか、それぞれ詳しく見てみましょう。
スターバックス
「スターバックスはコーヒーを売っているのではない。体験を売っているのだ」
スターバックス会長兼CEOのハワード・シュルツはそのように発言したといわれます。
スターバックスはユーザーが「スターバックスでコーヒーを楽しむという経験」に価値を見出すようUXデザインを行いました。
結果それが大いに受け入れられ、人気を博して社会に広く受け入れられたことは改めていうまでもありません。
洗練された空間でリッチな時間を味わうことを目的に、これからもユーザーはスターバックスに通い続けることでしょう。
LINE
LINEはいわずと知れた大人気のコミュニケーションツールです。
LINEの登場以前に主流だったメールのやり取りでは、以前のやり取りを見返そうと思えばフォルダを開いて探す必要がありました。
LINEが実行したのはそうした不便を解消するUXデザインです。
LINEの場合、相手とのやり取りが同じ画面に時系列順に並んでいくためフォルダに戻って履歴を漁る必要がありません。
またスタンプ機能によって感情を端的に伝えられるようになったことも画期的でした。
ユーザーの痒い所に手が届くようなUXデザインがLINEをトップに上り詰めさせたのだといえます。
UXの活用で困った時は?
UXに関する基本的な情報は再確認できた。コンテンツマーケティングにおける重要性についてもよく理解できた。
けれど自社サイトのUXを改めて考えてみたとき、どこをどう改善すれば良いのか今一つ分からない。
そんな悩みを抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
UXの活用に関して困ったことがあったら、デジマクラスのコンサルタントに相談してみてください。
UXのプロフェッショナルが親身になってヒアリングをして、場合に応じた適切なアドバイスをいたします。
コンテンツマーケティングの事例はこちら
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事ではマーケティングにおけるUXの重要性について解説しました。
ユーザーファーストなマーケティング戦略が求められる状況は今後も変わらないだろうと予想されます。
そんな環境の中でUXへの配慮を欠いたコンテンツを作っていては他社に遅れを取っても仕方がありません。
改善すべき箇所はどこなのかを徹底的に見直し、優れたUXを提供する企業として他社との差別化を図りましょう。
本稿がそのための一助となれば幸いです。