オーディエンスターゲティングは、Webサイトへのアクセス履歴や商品購入履歴などオーディエンデータを利用した広告配信です。
広告枠に対して広告を配信するのではなく、データに基づいて人に配信します。
オーディエンデータはCookieを活用したものです。
個人を特定する情報は含まれず、属性情報・行動履歴情報などになります。
自社の顧客情報を組み合わせることで精度の高いアプローチが的確にユーザーにできるようになります。
目次
オーディエンスターゲティングの概要と仕組み
オーディエンスターゲティングは、商品の購入履歴・サイトのアクセス履歴・ユーザーの属性・行動履歴を分析するものです。
その上で人に広告を配信します。
データのもとになる情報はオーディエンデータと呼ばれます。
ブラウザの識別情報の閲覧データやCookieを利用し取得するのです。
Cookieは以前から利用されているものです。
オーディエンスターゲティングは、サイトにアクセスしてきたデータに加えて、インターネット上の行動履歴と組み合わせることが可能になります。
ただ、これだけでは個人を特定するだけの情報がないため、自社で登録している顧客情報などを活用して精度の高いデータを抽出します。
会員情報を組み合わせれば性別・年齢・居住地なども同じデータとすることも可能です。
Facebookはオーディエンスターゲティングの事例です。
アクセスユーザーに合わせて最適な広告を表示
オーディエンスターゲティングではユーザーの嗜好や趣味などに合った属性をグループ分けします。
そこにキャンペーンや広告グループにオーディエンスを追加するのです。
こうすることでカテゴリに当てはまるユーザーを細かくセグメントできるため精緻なアプローチが可能なのです。
オーディエンスデータとDMP
DMPとは(Data Management Platform)と呼ばれます。
サーバーに蓄積されるビッグデータやログデータを一元管理分析、広告配信を最適に実行するためのプラットフォームのことです。
そこには膨大なオーディエンデータが蓄積されているためユーザーが必要とする情報が表示されやすくなります。
DMPは2種類に分けられます。
- オープンDMP
- プライベートDMP
オープンDMPはクラウド型のデータプラットフォームです。
ユーザーの関心・嗜好性などオーディエンスデータとデータエクスチェンジさせることが可能です。
プライベートDMPはオープンDMP含めマーケティングデータを集約、これを外部のオーディエンスデータとシンクさせます。
CRMデータに外部データを組み合わせたイメージになります。
オーディエンスターゲティングのメリット
オーディエンスターゲティングは一見すればターゲティングに似ていると思われるでしょう。
ユーザーの行動履歴や閲覧履歴などの情報を利用して配信するという特徴があります。
ターゲティングはCookie情報を活用します。
ユーザーの過去の行動をもとに「人」に対して配信するものです。
閲覧履歴や購入履歴をもとに配信する点は似ています。
一方、オーディエンスターゲティングは、性別や年齢など自社の顧客情報と紐づけられているのです。
ターゲッティングにはないオフラインデータや外部データが活用できるため、ユーザーの購買意欲に寄り添っているといえるでしょう。
次のメリットがオーディエンスターゲティングにあります。
- 詳細なデータ分析からユーザーの購買意欲に沿った広告を配信できる
- オフラインデータと外部データの両面からユーザーを分析し配信できる
ユーザーのインサイトに深く迫ることができる
行動ターゲティングやリターゲティングも効果は期待できます。
しかし、オーディエンスターゲティングのようにユーザーのインサイトに影響を与える広告表示は無理でしょう。
行動ターゲティングおよびリターゲティングには年齢・性別・家族構成などの情報は含まれていません。
いかに自社の顧客情報が重要かおわかりいただけるのではないでしょうか。
精度の高いデータこそがユーザーへのアプローチに欠かせないのです。
自社の顧客情報と紐づけることができる
オーディエンスターゲティングでは自社が管理するユーザーの年齢・性別・世帯収入・家族構成などの情報があります。
そうしたデータと紐づけることでOne to Oneマーケティングが可能になるといえます。
ユーザーが求めている商品やサービスの情報が的確に手に入るのです。
今、マーケティング活動は商品やサービスというより顧客の行動分析に移っているといっても過言ではありません。
顧客のニーズにもとづいて効果的に提供できる
企業はユーザーの性別・年齢・趣味嗜好などを細分化しマーケティングに活かします。
そうすればユーザにとって自分のニーズに合った商品やサービスが享受できるのです。
企業はユーザーに商品やサービスが提供できた分、収益が増大します。
オーディエンスターゲティングは、ターゲティングのように企業と顧客双方にメリットがあるといえるでしょう。
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オーディエンスターゲティングが有効な場面
さまざまな場面でオーディエンスターゲティングが活用されています。
例えば、マンション情報を閲覧していた人が通販サイトを閲覧しているとマンションの情報が表示されたりします。
しかも自宅の近辺のマンション情報だったりするのです。
ここにオーディエンスターゲティングが活用されているのです。
過去にマンションや不動産サイトを閲覧した履歴があればユーザーはマンションに興味があると察知します。
ファミリータイプのマンションであれば家族構成を予見し、位置情報があれば自宅中心の似たような物件をディスプレイ広告させるのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
オーディエンスターゲティングの種類
オーディエンスターゲティングを使えば、ユーザーが何か情報を閲覧している時にターゲットを絞った関心のある情報をディプレイさせられます。
こうして表示させることで効果向上に効果を発揮できるのです。
オーディエンスターゲティングにはいくつか種類があります。
- アフィニティ
- カスタムオーディエンス
- ライフイベント
- 購買意向
- リーマーケティング
- 類似ユーザー
アフィニティでは、特定の話題に興味があり習慣や関心の基づき分析、ユーザーが最も関心があると思われる商品を配信します。
カスタムオーディエンスは、関連性の高いキーワード・URL・アプリを入力することで目的に応じたオーディエンスにアプローチすることです。
ライフイベントは、人生の大きな節目を迎えようとしているユーザーにアプローチします。
例えば、結婚や出産などです。
購買意向は、最近の購買意向や行動に基づいてユーザーにアプローチします。
リマーケティングは、ウェブサイトやアプリにアクセスし、商品に関心を示したユーザーに広告を表示させる方法です。
類似ユーザーとは、アクセスしたことがあるユーザーや、既存顧客と似たような興味を持つ新しいユーザーにアプローチするものです。
オーディエンスターゲティングのサイクル
オーディエンスターゲティングをするためにはサイクルを意識する必要があります。
それぞれのサイクルについて見ていきましょう。
データ収集
オーディエンスターゲティングを活用するためにはデータ収集が必要です。
収集方法には2種類あり、自社で運用するWebサイトへのアクセスデータをもとに収集する方法です。
最もオーソドックスな方法でコストもほとんどかかりません。
しかし、自社のサイトに訪問したユーザーのデータしか把握できません。
そこでもう一つのDMPまたはDSPが提供するオーディエンスデータを利用するのです。
これらはオーディエンスのデータを専門に収集している製品があるためコストはかかりますが大量のデータが入手できます。
これらのデータをセグメンテーションしてユーザーを分類すればいいでしょう。
プロファイルの構築
プロファイルとはサイトを訪れたユーザーの行動履歴を分析し興味や属性を抽出したものです。
同じような行動特性を持つユーザーごとに分類します。
オーディエンスのセグメント化
オーディエンスセグメンテーションとはオーディエンスを複数のグループに分類することで、このグループをセグメントといいます。
セグメントごとに異なる広告をターゲティングして、その効果を比較して改善点を見つけ出します。
こうしたセグメント化することで効果的な広告戦略を見極められるのです。
キャンペーンの有効化
オーディエンスターゲティングにはキャンペーンの有効化があります。
マーケティング目標や入札戦略などのキャンペーンの設定した、そのカテゴリーに興味や関心があるユーザーに広告が表示されます。
Googleサービスで配信されているキャンペーンで、指定した語句や類似語を検索したユーザーに広告が表示されるのです。
評価と見直し
オーディエンスターゲティングで重要なのが評価と見直しです。
ターゲティング戦略ではユーザーのニーズや欲求を分析します。
そして広告に改善点やマーケティング活動の見直しなどを見極めることが今後のビジネスにも関わってくるのです。
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オーディエンスターゲティングで直面する課題
オーディエンスターゲティングではツールやリソースの不足、リーチが広がりすぎて特定できないなどの課題があります。
ツールやリソースの不足
オーディエンスターゲティングには課題もあります。
まずツールやリソースが不足していることです。
そのためデータを適切に収集したり分析する際の障害になったりする可能性があります。
統合された顧客プロファイルを構築するデータベースがありません。
そのためさまざまなソースを繋ぎ合わせるケースもあります。
さらにAIが利用できないことも考慮しなければなりません。
一方で自社製品に関心を持つユーザーに対して広告を何度も表示してしまうこともあります。
ユーザーに不快感を与えかねないため適切な回数で表示できるように設定しておくことがおすすめです。
顧客接点における適切なリーチ頻度が特定できない
ターゲットオーディエンスが広すぎるという課題もオーディエンスターゲティングにはあります。
多くの人にリーチする目標はブランディング戦略には適しています。
しかし、購入率が高い見込み客などはある程度リーチを絞る方がいいでしょう。
異なるデバイスの紐づけができない
オーディエンスターゲティングは異なるデバイスと紐づけができないという課題があります。
オーディエンスデータを支えるCookieはブラウザ上で取得されているためデバイスが異なると紐づけできません。
現在は複数のデバイスを跨いだユーザーの行動を紐づける技術も開発されています。
他の広告方法とのかけ算で成功をつかもう
オーディエンスターゲティングを最大限に活用するためには他の広告方法とのかけ算で成功させることが重要です。
オーディエンスデータはサイトの閲覧履歴やデモグラフィック情報が蓄積されたものです。
第三者データとしても価値があるデータであり、媒体間で交換したり、広告主へ提供されたりもします。
オーディエンスデータと自社顧客データを連携させるためには、メールアドレス・ID・cookieSyncを利用します。
cookieSyncを利用すれば短時間でオーディエンスデータと自社顧客データが繋げられるからです。
このように広告配信の手順も進化し続けているのです。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
アドテクは「枠から人へ」
アドテクは広告とテクノロジーの造語で広告配信を高度にシステム化したものを指します。
アドテクノロジーは今やRTB取引になり広告枠でなく人への広告出稿ができるようになりました。
最適な人に最適な枠を最適な価格で見せられるDMPやDSPがマーケティングに取り入れられるようになりました。
人に最適化された運用広告が急成長しているのです。
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Web運用で悩んだらプロに相談してみよう
オーディエンスデータを活用した広告配信はコストもかかるため実施している企業は限定されています。
ユーザーが閲覧している時に広告を表示できるのでキャンペーンの成果向上にも役立ちます。
しかし、こうした運用はWebアナリストなど専門の知識やノウハウがなければ利用することはできません。
オーディエンスデータを利用するためには、企画・運営・管理・分析をしっかり行うことが必要です。
企業によってはマーケティング部門だけでは対応できないかもしれません。
デジマクラスはさまざまな状況に応じてWeb広告の施策を提案していきます。
プロフェッショナルの運用だからこそ信頼できるデジマクラスへご相談ください。
まとめ
オーディエンスターゲティングはターゲティングを成功させるカギとなるのです。
データを収集し分析すれば精緻なマーケティングが可能になります。
ぜひ企業と顧客のメリットになるオーディエンスターゲティングを始めてみませんか。