これまでマーケターとしての基礎的なスキルを身に付けることに努力してきた人は少なくありません。
しかし今の状況だけに甘んじるのではなくこれからのことを考える意識を持つことが大切でしょう。
マーケターとしてのスキルアップを目指しているなら自分の将来について考えておくことは大切です。
自分の将来のことを一般的にはキャリアビジョンと呼んでいます。
マーケターとしてのキャリアビジョンの考え方について解説しましょう。
もちろん、マーケターでなくてもキャリアビジョンは重要です。
キャリアビジョンの考え方を知らなければならないのはマーケターに限ったことではないでしょう。
自分の仕事のモチベーションを高める役割もありますし、目標を具体的にすることは精神的な豊かさも感じられます。
近年では企業の転職時の面接などでは質問されやすい項目となっています。
企業の面接では自分がなりたい将来像を明確にしておくことが採用のポイントになるでしょう。
目次
キャリアビジョンの考え方をマーケター向けに解説
これまでは先輩の指導の下でマーケティングのスキルを身に付けてきたことでしょう。
それだけでは一人前のマーケターに成長することは難しいと考えなければなりません。
マーケターとしての自分の10年後20年後を考えることでこれから何をすべきなのかが見えてきます。
将来を考えることが重要なのです。
ただ、漠然とした将来の夢とキャリアビジョンは違います。
キャリアビジョンはもっと具体的でなければなりません。
もちろん10年後の自分をイメージすることは簡単ではありませんし、マーケターの仕事内容も変化している可能性が高いでしょう。
市場のニーズを調査しその情報に基づいて商品を提供することだけではマーケターとしての成長が望めなくなるのです。
キャリアビジョンが注目されるようになってきたのはマーケターの転職時の面接などで質問されることが多くなったこともあります。
しかし、マーケターとして仕事の幅を広げたいと考えているなら自分がやりたいことを明確に意識する姿勢が大切です。
企業内での自分の役割を見直すことになりますし人として充実した生活を送ることができるでしょう。
それがキャリアビジョンとして表現されることになります。
キャリアビジョンを描くことの重要性
キャリアビジョンを描くことの重要性はどこにあるのでしょうか。
漫然と仕事を続けるのではなく目標に向かって進むことができる点です。
キャリアビジョンを考えることは以下のことと同じでしょう。
- 自分の人生を考える
- 自分がやらなければならないことを意識する
それぞれを少し詳しく説明していきます。
人生について考えるきっかけ
キャリアビジョンは自分の将来を考えることですから、目の前にある目標だけで終わるわけではありません。
またキャリアビジョンは個人の考え方に依存しますから正解があるわけではないでしょう。
マーケターとして成功している人を見ればいくつかのパターンがあるとわかるはずです。
手本となる人と同じようになりたいと考えることは悪くありませんが、人はそれぞれ置かれている環境が異なります。
誰もが同じ人生を歩むことはあり得ないでしょう。
マーケターとしての成功も何を持って成功と呼ぶかによって変わってきます。自分の人生は自分だけのものです。
それを意識するようになるでしょう。
やるべきことが明確になる
キャリアビジョンを考えるようになると、これからマーケターとして何をやらなければならないかが具体的に見えてきます。
今の自分に不足しているものがわかってくるからです。
マーケターに求められるスキルは高度化する傾向にあります。
自分に不足しているスキルの習得は当面の目標と考えていいでしょう。
キャリアビジョンとキャリアプランの関連性
キャリアビジョンと同じような言葉でキャリアプランがあります。この二つの言葉は明確に使い分けなければなりません。
それぞれの目的の違いを考えてみましょう。
キャリアビジョンの目的
キャリアビジョンの目的は自分がなりたいマーケターの姿です。
もちろん、簡単なことではありませんし、詳細な部分は自分の中でも具体化できていないかもしれません。
重要なことは自分の価値観に沿っているかどうかです。
単に社会的に高い地位を手に入れるとか高収入を得ることではキャリアビジョンといえないでしょう。
またキャリアビジョンを考えたとしても、いつまで同じ内容にしなければならないわけではありません。
時代や社会の状況によって適切に方向修正することも考えていく必要があります。
ただベースとなる自分の価値観は簡単には変わらないでしょう。
キャリアプランの目的
キャリアプランはキャリアビジョンを達成するために具体的なステップを考えることです。
例えば資格取得や企業への就職などが該当します。
キャリアプランを積み重ねていくことでキャリアビジョンに近づいていくことができます。
キャリアビジョンの実現は簡単なことではありませんが、キャリアステップを上ることで自分のスキルアップを実感できるでしょう。
・キャリアプランは目標達成のための計画
キャリアビジョンを考えるメリット
キャリアビジョンを考えるメリットを説明しましょう。
優秀なマーケターになりたいと思っているなら、どのようなマーケターなのかを意識することが大切です。
マーケターの仕事は幅広いため、特定のターゲットに絞り込むことが必要でしょう。
それは自分の進むべき方向を決めることにつながります。
自分がどうなりたいのかわかる
キャリアビジョンを考えることは自分がなりたい理想像をイメージすることになります。
自分の人生を考えることにもつながるでしょう。ただ思い描いている理想像は現時点での考えにすぎません。
将来の社会の変化を考慮できるわけではありません。ある程度まで予想できるかもしれませんが、それには限界があります。
志望企業のイメージがしやすい
キャリアビジョンに近づくためにどのような企業を志望すればいいのかがわかりやすくなるでしょう。
スキルを高めるために企業に求めるものが具体的になるからです。
マーケティング部門を持っている企業はたくさんありますが、具体的な仕事内容は異なっています。
対象としているユーザー層が違えばマーケットへの方向性を変えなければなりません。
自分が目指す方向性と志望企業の方向性をチェックしておきましょう。
自分のキャリアビジョンにマッチしていなければ双方にとっていい就職とはなりません。
いずれは行き詰まってしまうことでしょう。
キャリアビジョンを考える手順
漠然としていた自分の将来についていろいろなことを考えなければなりません。
しかし、簡単にキャリアビジョンを作れるわけではありません。ここではキャリアビジョンを具体的に考える手順を解説しましょう。
過去の経験を書き出す
まずは自分の過去の経験を書き出してみましょう。
これまで学校で学んできたこと、会社で培ってきたスキルを箇条書きにしてください。
成功したことだけではなく失敗したことも書き出してみましょう。
詳細に書く必要はありませんが客観的な事実を書くことがポイントです。
どのような経験で達成感ややりがいを感じたのかがわかればそれは価値観につながります。
また失敗した時に何が原因だったのかを振り返ることもできるでしょう。
やりたいことを書き出す
次にこれからやりたいことを書き出しましょう。
自分が何を目指しているかを意識すればやりたいことが見えてきます。
やりたいこととできることが同じではないことが多いですが、それは自分が将来に向かって成長していくことを意味しています。
過去の経験とやりたいことから価値観を知る
過去の経験とやりたいことを書き出しているうちに自分の価値観がどこにあるのかがわかってきます。
例えばお金を得たいのか名声を得たいのかによってやりたいことは変わってくるでしょう。
自分の価値観はマーケターを取り巻く社会の状況に影響を受けます。
それは社会の中で生活している以上避けられないことですし、悪いことではありません。
ただこれまでの生活の中で譲れないものがあるはずです。価値観とは自分の考え方そのものといえます。
価値観を元にキャリアビジョンを考える
見えてきた価値観を元に最終的になりたい自分がキャリアビジョンといえます。
今はまだ遠い目標かもしれませんが実現できないわけではありません。それを意識することが重要でしょう。
会社に入ることで実現が近づく場合もありますし、スキルアップが必要な場合もあります。
どのようなキャリアビジョンでも今の自分にはないものです。
・やりたいことを書き出して志望の方向性を知る
・経験とやりたいことから自分の価値観がわかる
・キャリアビジョンは価値観を元に作成する
マーケターのキャリアビジョンの良い例
キャリアビジョンの考え方がわかったところでマーケターのキャリアビジョンの例を紹介しましょう。
キャリアビジョンでどのようなことを考えなければならないかを理解してください。
自分の行動に合ったキャリアビジョンの例
マーケターとして国内だけではなく海外との取引を積極的に行っていきたいというキャリアビジョンはどうでしょうか。
これを考えた人は自分のスキルを高めるために英検の資格を取っているかもしれません。
またコミュニケーション力を高めるための経験を積んでいることでしょう。
つまりキャリアビジョンに沿ってすでに行動を起こしているのです。
企業の経営方針に合ったキャリアビジョンの例
企業が高齢者福祉に積極的な支援をしている場合のキャリアビジョンはどうでしょうか。
高齢者やその家族が気軽に利用できるサイトを立ち上げることをキャリアビジョンとしてもいいでしょう。
企業の方針と自分のキャリアビジョンが一致しているといえます。
注意しなければならないのはそれを自分自身が真剣に考えて行動しようと思っていなければなりません。
面接のための口先だけのキャリアビジョンにならないようしましょう。
マーケターのキャリアビジョンとしてよくない例
マーケターのキャリアビジョンとしてよくない例を紹介しましょう。
キャリアビジョンは人によって変わりますし、正解があるわけでありません。
よくない例を知っておくことで自分のキャリアビジョンを考え直すこともできるでしょう。
個人的な内容のキャリアビジョンの例
IT関連の資格を取りたいとか年収1,000万円を目指したいというような内容です。
自分のキャリアビジョンとしては間違っていませんが、企業にとってはあまり関係のないことでしょう。
あなたの個人的なキャリアビジョンの実現が企業にとってどのようメリットになるのかがわかりません。
企業の方針を理解していないキャリアビジョンの例
日本中の子どもたちに利用してもらえる商品を販売したいというキャリアビジョンを考えることは悪くありません。
しかし、志望している企業が工業製品をメインに販売している場合子どもたち向けの商品を取り扱うことはないでしょう。
個人的なキャリアビジョンと同様に企業にどのようなメリットがあるのか評価できません。
・企業の方針と合った内容にする
キャリアビジョンに悩んでしまった時の対処法は?
キャリアビジョンは面接などで質問されることが多いですから、しっかりと考えておくことが重要です。
しかし、キャリアビジョンを考えることが難しいと思う人は少なくありません。
対処法として取り組みやすいのはこれまでの失敗経験を振り返ってみることでしょう。
誰にとっても失敗がいい経験になることは多いはずです。
失敗をした理由を考えて次の機会では別の方法を思い浮かべるからです。
キャリビジョンは自分が目指すものですが、それは簡単に実現できるわけではありません。
キャリアビジョンを高い目標にするのではなく達成しやすいレベルにしてみるのもいいでしょう。
キャリアビジョンを明確にして理想の自分を目指そう
キャリアビジョンを明確にすることができれば、それに向かって行動しましょう。
すぐには実現できないキャリアビジョンであったとしても、自分が進むべき方向性が決まっていることが重要です。
理想の自分を目指すことは社会人として大きな一歩です。そしてそれは企業にとっても大きなメリットとなります。
マーケターとしての今の状況に満足できていないのであればキャリアビジョンが明確になっていないからでしょう。
どのような考え方をすればキャリアビジョンが明確になるかを知ることが大切です。
まとめ
キャリアビジョンを考えることは自分の理想の将来像を意識することです。
将来に向かってチャレンジする気持ちが高まるでしょう。
これまでの経験とこれからやりたいことを書き出してみると自分を客観的に見ることができます。
自分が目指しているものがわかるでしょう。それがキャリアビジョンです。
企業の面接ではキャリアビジョンを聞かれることが多いですから、自信を持ってしっかりと答えられるようにしておきましょう。
ただ自分の頭の中だけで整理することは簡単ではありません。
キャリアビジョンを明確にできれば、それが仕事に対するやる気となっていきます。