請求書や契約書などのやり取りがWeb上で完結するBtoBプラットフォームは、利便性の高さから大きな注目を浴びています。
2021年にはBtoBプラットフォームのサービスを利用する会社が58万社を超え、確かな実績を築き上げました。
しかしサービスの内容は多岐にわたるため、何をどのように使ったらいいのか迷っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、BtoBプラットフォームの基本的な使い方を解説します。
併せてメリットや導入事例もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
BtoBプラットフォームの概要
BtoBプラットフォームとは、企業間で行う商取引を電子化してWeb上で完結できるサービスです。
そもそもプラットフォームには「台」という意味があり、この場合は「土台(基盤)」と解釈できます。
取引で使われるデータは全てWeb上で保管されるため、国内のみならず世界中の企業とスムーズにやり取りができるのです。
サービスのアカウントさえあればどこからでもログインして使用できるので、テレワークの推進に大きく寄与しています。
またペーパーレスになることで、様々なメリットが得られるのも魅力です。
BtoBプラットフォームの扱う業務
BtoBプラットフォームで扱っている業務には以下のようなものがあります。
- 請求書
- 受注書
- 企画書
- 見積書
- 契約書
- 商談
これらのサービスは連携して利用することも可能です。
サービス機能の利用する頻度が高くなるほど、商行為がよりスムーズになっていくでしょう。
すでに多くの企業から信頼を得ているため、全サービスの合計で約165万人以上の利用者がいるともいわれています。
請求書
請求書は、経理業務をデジタル化した電子請求システムのサービスです。
BtoBプラットフォームで扱っている業務のなかで、圧倒的な知名度と人気を誇っています。
主なサービス内容は、請求書の発行・受け取りや支払金額の通知などです。
請求書のデータも全てWeb上で保管できるため、書類の整理・ファイリングの業務が不要になります。
また請求書の専用テンプレートも利用可能で、作成から発行までよりスピーディーに進められるでしょう。
受注書
受注書は、取引先からの受注を専用の受発注サイトで受けるサービスです。
取引先は無料でサイトを利用できるので、余計な負担をかけることはありません。
またスマートフォンからでもサイトの利用が可能です。
さらに注文を受けるだけではなく、サイトにカタログを掲載して商品提案ができます。
特売品のようなタイムリーな情報も、Web上ですぐにお知らせできるので便利です。
規格書
規格書は、食品業界で必須の成分表示や規格書の作成から受け渡すまでの業務をWeb上で行うサービスです。
アレルギー・原産国表示などが一目でわかるレイアウトになっています。
検索機能が付いているため、必要な情報をピンポイントで表示することも可能です。
規格書のフォーマットはベーシック版とプレミアム版の2種類があり、両方農林水産省が定めた標準規格に対応しています。
顧客からの問い合わせにも素早く対応できるため、導入会社の信頼度もアップするでしょう。
見積書
見積書は、見積もりに関連する様々な業務をWebで一元管理するサービスです。
例えば見積書の作成から保管、取引先の開封状況チェックとやり取りの履歴確認などがあげられます。
ちなみに見積書は修正や再作成が可能なので、発行直前でも慌てる心配がありません。
また互換性が高く、ExcelやPDF形式でもスムーズにデータ化できます。
業務の効率化や商談のスピードアップが期待できるでしょう。
契約書
契約書は、契約の締結をWeb上で行えるサービスです。
今まで契約時に必須だった印鑑は不要になります。
契約のために取引先と会う必要もありません。
脱ハンコが提唱されている背景もあることから、電子契約は今後さらに需要が増えていくでしょう。
また契約締結業務だけではなく、契約後の管理も行えるのが特徴です。
商談
商談は、食品を売買する新たなビジネスチャンスを広げるためのサービスです。
大まかにいうと、仕入れする企業と販売する企業をサービス経由でマッチングさせます。
検索機能付きで効率よく必要な情報を提供・入手できるため、お互いに納得できる商談が行えるでしょう。
またマッチングも自動的に選ばれる仕組みで、新規で探す手間を極力カットしているのが特徴です。
商談から決済までは全てWeb上で完結できます。
BtoBプラットフォームを活用するメリット
BtoBプラットフォームを活用することで、業務面・コスト面から様々なメリットが期待できます。
またBtoBプラットフォームの知名度がすでにかなり高いことから、取引先の信頼を得られやすいのもメリットのひとつです。
まだデジタル化を促進できていない会社にとっても、初めて試してみるのに適したサービスといえるでしょう。
サービスを活用するには取引先へ説明・協力依頼が必要なので、メリットを明確に示せるようにしておくのがおすすめです。
ここからはBtoBプラットフォームの代表的なメリットをご紹介します。
日常業務の自動化ができる
書類の作成・郵送・保管という日常業務が全て自動化されるため、労力の軽減や時間短縮につながります。
CSVのデータを取り込み、請求書のような数の多い書類を一括作成することできて便利です。
また書類の郵送準備や書類のファイリングは単純作業ですが、どうしても人手が必要ですし時間もかかります。
これらの作業が自動化されれば、社員は重要な業務に集中できて仕事の質が高くなるでしょう。
書類の保管場所を考慮する必要もなくなります。
紙代などのコスト削減
書類が電子化されることで、紙代をはじめ様々なコストが大きく削減できます。
例えば書類の作成・郵送・保管にかかる費用としては、下記のようなものです。
- 紙
- 書類の印刷関連
- 封筒・切手
- 保管用ファイル
ひとつひとつの費用はそれほど大きくありませんが、年間で合計するとなかなかの金額になります。
一方書類が電子化されれば、必要経費は上記の代わりにサービス利用料のみです。
業務を効率化できる
書類のデータをWeb上に保管することで、管理がしやすくなり業務の効率化につながります。
BtoBプラットフォームの検索機能を活用すると、簡単に過去のデータを確認できるので便利です。
わざわざ大量の書類から時間をかけて探す作業が省けます。
またインターネット環境があればどこでも同じ業務ができるので、働き方の選択肢が広がるでしょう。
サービスを利用するためだけに会社へ向かう必要性がなくなり、移動の手間も少なくなります。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
ペーパーレス化によるエコへの取り組み
BtoBプラットフォームのサービスが活用されることによって、ペーパーレス化によるエコの取り組みが進みます。
過去の実績によると、約9ヶ月でA4用紙約3億枚の削減効果が得られるとのことです。
杉の木に換算すると、約20万本のCO2削減効果が期待できます。
サービスを提供している株式会社インフォマートは、「電子商取引がECOにつながる活動」という取り組みに積極的です。
そのため定期的に社内のECO実績を公開しています。
DX化の事例はこちらBtoBプラットフォームの使い方
BtoBプラットフォームを利用するには、利用側・取引先側双方で会員登録と初期設定が必要です。
取引先側にサービス利用料はかかりませんが、手続きをお願いすることになるので使い方は一通り理解しておきましょう。
とはいえ初期設定のときに提供会社が取引先への説明もサポートしてくれるため、基礎知識程度で問題はありません。
取引先側は業務の効率化やコスト削減など利用側と同様のメリットが得られるので、手続きを行うだけの価値はあるでしょう。
会員登録をする
まずはじめに行うべきことは会員登録です。
BtoBプラットフォームの公式HPから、IDの付与を申請しましょう。
申請時には会社名・所在地・メールアドレスなどの入力が必要です。
入力が完了すると、提供会社からログイン用の仮IDが付与されます。
その後再度公式HPで「本登録」をクリックし、パスワードを設定してください。
初期設定を行う
会員登録が完了したら、次にサービスを利用するための初期設定を行います。
設定が必要な項目としては、書類用テンプレートファイルのダウンロードや社員への権限付与などです。
また取引企業の登録も必要となります。
ちなみに取引先へはサービス提供会社がメール案内を代行することが可能です。
請求書と契約書など複数のサービスを利用する場合は、システムの連携も忘れずに行いましょう。
スマートフォン利用登録も可能
BtoBプラットフォームは、PCに限らずスマートフォンでの利用登録も可能です。
スマートフォンでログインするにはQRコードを読み取ります。
その後利用登録の画面に進み、PC版で使用しているIDとパスワードを入力しましょう。
ID・パスワードが確認できれば登録完了です。
登録後はホーム画面にアイコンを追加させることができます。
BtoBプラットフォームの料金は?
BtoBプラットフォームの料金は、サービスごとにプランが設定されています。
ちなみに全てのサービスは月額制です。
そのほか様々なオプション機能を追加して、自社のニーズによりマッチしたプランが設定できます。
プランのなかには無料で利用できるサービスもあるので、試しにはじめてみるのがおすすめです。
ここからは大まかな料金体系についてご紹介します。
無料で利用できるサービスもある
無料で利用できる「フリープラン」は、初めて使う会社におすすめのプランです。
無料会員登録を行うことで、有料サービスと同様の業務が一通り行えます。
ただし利用できる容量に制限があるので、実用的とはいえません。
また担当者の利用権限設定やカスタマーサポートを受けることも不可能です。
あくまでもお試しで使ってみるためのプランとなります。
サービスごとに料金プランが異なる
料金プランはサービスごとに設定されているため、利用側のニーズによって金額は様々です。
ただし月額制であることと、新規利用時に初期費用がかかるのは共通しています。
初期費用は最低でも10万円以上かかるでしょう。
一見すると高く思うかもしれませんが、長期的なコスト削減を見越して試算することが重要です。
自社のニーズを明確にしたうえでプランや付加するオプションを選びましょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
BtoBプラットフォームの導入事例
BtoBプラットフォームは業界・会社の規模を問わず数多くの企業で導入されています。
主な導入会社は下記のとおりです。
- 野村證券株式会社
- 株式会社伊藤園
- 株式会社ニッセン
- カシオ計算機株式会社
- 株式会社ヤマダデンキ
会社によって請求書や受発注など様々ですが、複数組み合わせているケースも多く見られます。
複数利用しているということは、それだけBtoBプラットフォームに対する満足感の表れといえるでしょう。
ここからは具体的な事例を2つピックアップしてご紹介します。
野村證券株式会社
野村グループの核となる野村證券株式会社では、請求書のサービスを利用しています。
野村證券が抱えていた課題は、全国展開する店舗の業務を効率化させることとコストの削減でした。
そこで請求書のサービスを利用し、業務効率化とコスト削減という両方の課題が大きく改善されました。
サービスは誰にとっても使いやすいよう考慮されているため、全国の店舗へスムーズに展開できたのです。
取引先にもサービスのメリットが理解されやすく、安心して導入できたとのことでした。
株式会社ニッセン
通信販売大手として知名度の高い株式会社ニッセンでは、契約書のサービスを利用しています。
ニッセンが抱えていた課題は、書類作成に要する時間短縮とコストの削減でした。
そこで電子契約サービスに移行した結果、書類に貼付する印紙が不要になりコストの大幅な削減に成功しました。
また時間短縮にも成功したうえに、複数で行っていた業務をまとめて1人が対応できるようになったのです。
業務の効率化が実現した結果、契約の締結もスムーズに行えています。
BtoBプラットフォームの導入で困った時は?
BtoBプラットフォームの機能は多岐にわたるため、いざ導入するときにプランに悩んでしまう方も少なくありません。
また、取引先がサービス導入に協力してもらえるかどうかという不安もあるでしょう。
BtoBプラットフォームで困ったときには、デジマクラスのコンサルタントに相談するのがおすすめです。
数々の相談実績があるデジマクラスでなら、自社に合った最適のプランを一緒に考え豊富な知識で情報を提供します。
ぜひ気軽に相談してみてください。
DX化の事例はこちらまとめ
BtoBプラットフォームは様々な商取引をスムーズに行える便利なサービスです。
業務の効率化やコスト削減など、書類を電子化することで大きなメリットがあります。
料金は自社のニーズに合わせてプランを設定できるため、プラン・オプションの適切な選択が重要です。
無料プランの利用や導入事例を参考にして、まずはサービスを利用したときの具体的なイメージを掴みましょう。
知名度が高まり続けるBtoBプラットフォームの導入を決めるのは、今がタイミングかもしれません。