富裕層マーケティングという言葉を聞いたことがあるでしょうか。

マーケティングでは金融資産が1億円以上超えている人たちを富裕層と定義づけることが多いです。

日本国内には1億円を超える金融資産を持つ富裕層は約320万人いるといわれています。

こうした富裕層をターゲットにしたビジネスが富裕層マーケティングです。

今回は富裕層マーケティングについて彼らの行動パターンや成功させる方法について解説します。

富裕層マーケティングの概要

ビジネスマン

金融資産が1億円以上超えている層を富裕層といいます。

金融資産が1億円以上とは、実物資産を除いた資産が1億円以上ということです。

つまり億ションを所有していて預貯金がないケースだと富裕層とはいいません。

不動産・機械・車といった実物資産以外の金融資産を指します。

こうした富裕層を掘り起こすため、高付加価値商品を販売したいニーズが高まっているのです。

企業は富裕層を囲い込むことで安定した収益をあげられるメリットがあります。

一般の人が富裕層と聞くと高級外車に乗って、都内であれば港区をはじめとする高級住宅街に住むイメージではないでしょうか。

確かにそういった方もいますが富裕層の全体像からすればほんの一部といえるでしょう。

富裕層の職業としてプロスポーツ選手や世界的なデザイナー、芸能人などがあげられます。

しかし、マーケティングでは基本的には、親から資産を受け継いだかどうかがポイントになります。

  • 医者
  • 中小企業のオーナー
  • 上場企業のオーナー
  • 不動産のオーナー

また、こうした富裕層の中には大きく2つのタイプがいます。

消費活動が好きな富裕層と資産形成を重んじる富裕層です。

親からの資産を受け継いだ富裕層は後のタイプに当てはまります。

現在はこうしたオーナーだけでなくベンチャー企業を起こした若手のオーナーなども富裕層に仲間入りしています。

富裕層マーケティングは単価の高い商品やサービスの提供を行うことをビジネスにしているのです。

 

ワンポイント
富裕層の人口は増えていて消費が好きなタイプと資産形成を重んじるタイプに分けられる。

富裕層マーケティングで顧客単価上昇させる

男性

富裕層マーケティングは、消費ポテンシャルが高い富裕層をターゲットにしたビジネスです。

こうした人たちは購買意欲が高く、客単価が高いため大きな利益を得るチャンスがあり重要な存在なのです。

野村総合研究所が「純金融資産保有額」をもとに公表した分類によると富裕層が4つの階層に分類されます。

  • 超富裕層(約0.7%)
  • 富裕層(約10.5%)
  • 準富裕層(約28.8%)
  • アッパーマス層(約60%)

富裕層マーケティングで大切なことは、どの富裕層に対してどのようなアプローチするかが重要になります。

 

ワンポイント
客単価が高い富裕層マーケティングのポイントはどのような富裕層にどういったアプローチをするかがカギである。

 

マーケティング戦略の事例はこちら

 

富裕層の行動パターン

ポイント

富裕層マーケティングを始める前に、まず富裕層の購買行動を知ることが重要です。

ここでは富裕層の行動パターンについて見ていきます。

自分自身で調べる

富裕層は一般に勉強熱心な人が多く、人から情報を与えられる前に自ら調べるといった特徴があります。

商品やサービスを利用する際は、商品の概要だけでなく口コミやレビューを参照し、納得がいくまで情報収集をする傾向が強いのです。

時には友達や知人を通じて情報を入手することもあります。

そのため富裕層マーケティングを行う際の注意点として、必要以上の営業は好ましくありません。

彼らは基本的に自分が納得できない商品やサービスには興味がないのです。

一方的な営業が原因で一度心を閉ざしたらそれ以降は二度と話を聞いてくれません。

富裕層に対してアプローチをする場合、企業側は能動的に声をかけます。

そして求められれば必要なだけの情報を与えることが重要です。

しつこく接客するようなことがないハイブランド店の店員はそうした富裕層の深層心理を熟知しているからだといわれています。

運用は人に任せる

Webマーケティング

富裕層は自分で調べた上で、最終的に信頼できる人に運用を任せるケースが多いのが特徴です。

中には運用指図を自らが行い執行だけを任せる富裕層もいます。

ただし信頼関係が築けない人には運用は任せません。

富裕層に営業する際は、信頼関係が築けるまで焦らず長い時間をかける必要があります。

富裕層は人間関係を重んじる、ある意味昔ながらの付き合いをそのまま実践しているようなところがあるのです。

営業担当者は目先の利益に囚われずコミュニケーションをとりながら信頼関係を築いてください。

心を開いた富裕層は次第に自分から声をかけてくるようになります。

コミュニティを大切にする

富裕層はコミュニティを大切にする傾向が強いといわれます。

確かに富裕層が住む場所は一般人が住めないため、そうしたコミュニティができるのも自然といえるでしょう。

また、富裕層は同じような富裕層の友達を持っているのがほとんどです。

こうしたコミュニティはビジネスにも役に立つことがあります。

  • タイムリーなトレンドの把握
  • ビジネスモデルが発信できる
  • お互いが情報収集に余念がない
  • 常に新しい情報を求めている

富裕層の人は富裕層の中でコミュニティを作るといわれます。

同じような生活環境の人なら安心感があるからです。

閉鎖的な環境が好き

コミュニティを大切にする富裕層は閉鎖的な環境を好みます。

独自のネットワークを持ち、一般の人は立ち入れない環境を作り出すことも多いのです。

例えば入会審査が厳しい会員制クラブや高級レストラン、一見さんお断りの料亭などです。

静かで落ち着いた雰囲気が好きな人が多いからでしょう。

また、閉鎖的な環境なら同じ価値観同士の交流情報交換を人目を気にせず楽しめるからです。

閉鎖的な環境には付加価値もあり、それが富裕層を満足させるという面もあります。

 

ワンポイント
富裕層ビジネスをする時は彼らの行動パターンを分析し能動的な営業に徹する。

富裕層マーケティングの事例

マーケティング

富裕層マーケティングは一件あたりの単価は高いのですが富裕層は日本の全人口のわずかであるため市場自体は大きくありません。

しかし、富裕層へのサービスは誰もが憧れるのは間違いないのです。

いくつか富裕層マーケティングの事例を紹介しましょう。

レクサス

営業

見ただけで富裕層とわかる高級外車を乗り回す人もいれば、人から注目されるのを好ましく思わない富裕層もいます。

後者の場合、飽きが来ない落ち着いた乗り心地のトヨタのレクサスを好む傾向があります。

レクサスはこれみよがしの高級感がないながらも、乗り心地は納得できることから富裕層の心を掴んでいるといえるでしょう。

車はあくまでも移動手段と考える富裕層にとって、乗り心地・機能面も含めて心理的な満足感を十分与えてくれるブランドです。

確かにレクサスを取り扱う店舗は高級感を打ち出し営業担当者も非常に教育され敷居が高いイメージがあります。

その一方で、レクサスは一般の人でもその気になれば手が出せる価格帯も取り扱っています。

車を移動手段と考え、高付加価値を求めない富裕層にとって安心して購入できるのがレクサスなのです。

ヒルトン・グランドバケーションズ

合意

国内外でも高級ホテルとして知られるヒルトンは会員権を販売するサービスを行なっています。

タイムシェアと呼ばれるサービスで1年を通じて好きな時期に宿泊できる権利があるのです。

ヒルトン・グランドバケーションズはハワイをはじめ各国でリゾートを展開しています。

海外の高級ホテルを別荘のように使えるメリットは非常に魅力的といえるでしょう。

しかし、こちらの会員権は説明会に参加し、夫婦合計年収750万円以上という条件があるのです。

リゾート地でのんびりバカンスを過ごす富裕層をターゲットにした典型的なマーケティング戦略といえるでしょう。

リゾートトラスト

ビジネス

リゾートトラストという名前を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。

会員制ホテルとして有名で会員権を購入後、年会費を払うことで好きな時に好きな部屋が予約できるシステムです。

会員権は約3,900万円、年会費30万円かかります。

しかも年間宿泊数の上限が26泊と限定されているのです。

リゾートトラストはターゲットにする相手を選別してプロモーションを行うことで一般には情報が入りにくいといえます。

しかし、ここにリゾートトラストのマーケティング戦略があるのです。

富裕層が閉鎖的な環境を好むことからこうした戦略でも十分な費用対効果があると考えているのでしょう。

 

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富裕層マーケティングを成功に導くためには

パソコン

富裕層マーケティングを考える際に、富裕層との接点がないことに気づくでしょう。

ハイブランド商品を販売している企業であれば接点もあるでしょうが、一般企業ではまずコネクション作りから始めましょう。

富裕層マーケティングを成功させるためにはいくつかポイントがあります。

ここではそのポイントについて紹介します。

富裕層向けのコミュニティでの広告

富裕層と全く接点がない場合、どうやって認知させるかが重要です。

有効な方法は富裕層向けのクラブなどに広告を出稿するといいでしょう。

街中で広告をするのではなくクラブの会報や、会員制レストランなど閉鎖的な環境を好む富裕層が訪れる施設に広告を依頼してみるのです。

まずは彼らのコミュニティで認知してもらうことから始めなければ富裕層向けビジネスは成り立ちません。

富裕層が信頼する企業と協賛する

富裕層とコネクションを持つ企業と協賛するのも知名度を高めるのにおすすめです。

そうした企業は富裕層から信頼を寄せられているので商機はあるといえるでしょう。

富裕層相手の企業は一般的なマーケティングのノウハウに疎いこともあるので相互に協力ができればWin-Winの関係ができます。

富裕層マーケットを熟知している企業を探してみてください。

富裕層向けのメディア作成

富裕層マーケティングで他の企業とのコラボも難しい場合は自分たちでWebメディアを作成するのもいいでしょう。

富裕層は自分で情報を調べ、閉鎖的な環境を好むこの2点を満足させるメディアを作成すればいいのです。

最初は知名度を上げるためなので誰でもアクセスできるようにします。

知名度が上がったところで富裕層向けの限定情報を配信すればいいのです。

さらにサイトにプレミア感を出すために年収などの制限をつければ富裕層の心理を満足させられます。

富裕層限定情報が満載のサイトであれば興味を持って閲覧してくれる可能性が出てくるのです。

ニッチな情報を掲載すればさらにいいでしょう。

次に自社の商品やサービスがどの地域に住む、どの年代層に受け入れられているか分析する必要があります。

そして、富裕層限定の商品やサービスをSNSにも広げることで認知度も高まります。

さらにインフルエンサーを起用すればSNSを使うよりターゲットを絞って効果的なアプローチができるのです。

インフルエンサーをフォローする人も現れれば、富裕層の生活スタイルに憧れる人にもアプローチできます。

富裕層マーケティングのターゲットはピンポイントにする

成功

富裕層の市場規模は大きくないためターゲットを絞ってピンポイントでアプローチすることが成功の秘訣です。

車に高級感を求めない、ハイクラスなバカンスを楽しんだり、会員制高級レストランで食事を楽しんだりさまざまです。

富裕層の人たちをターゲティングして嗜好や興味がある情報を分析し最適なマーケティング戦略をタイムリーに発信することが重要です。

 

ワンポイント
富裕層ビジネスを成功させるならピンポイントでアプローチしよう。

富裕層の集客ポイント

コツ

富裕層向け集客方法としてはダイレクトメール・広告出稿・Webメデイア運営・SNSがあげられます。

ダイレクトメールはオーソドックスな方法ですが顧客と接点を結ぶのが一番容易な方法です。

ただし通常のダイレクトメールではなくデザイン性があり、期待感が持てる封筒にするなど演出も必要でしょう。

広告は不特定多数向けではなく富裕層をターゲットにしたピンポイントが効果的です。

Webメディアは富裕層を中心としたサイトに集中的に広告を配信することで注目されます。

年収でセグメントして細かく絞る方法もいいでしょう。

富裕層も利用するSNSは自社の商品を紹介するのに最適です。

ポイントは親和性が高いメディアを選ぶことです。

ではそれ以外で富裕層の集客ポイントとして注目される幾つかを紹介しましょう。

富裕層の多い地域

富裕層をターゲットにしたマーケティングを行うなら富裕層が多く住む地域を知っておくべきでしょう。

大和総研が2019年に公開した「高齢富裕層の地域別分布の推計」では次のような結果になりました。

富裕層の割合が高い都道府県は1位が東京都(約16%)、2位が愛知県(約14%)、神奈川県(約12%)でした。

こうした地域を中心にターゲティングして情報発信をすればビジネスに繋がるといえます。

富裕層同士の交流を増やす

富裕層はクローズド型のコミュニティを好むと前に述べました。

このコミュニティに入れれば顧客開拓は進むでしょう。

しかし、無理やり紹介をしてもうらおうとすると警戒されてコネクションを持つことができなくなります。

焦らずまずは信頼関係を構築することが大切です。

そうすれば向こうから人を紹介してくれるでしょう。

信頼関係を築く

富裕層は欲しいものは自分で下調べをして納得がいけば購入します。

強引なセールスは敬遠されて二度と営業ができなくなるかもしれません。

この人が紹介してくれる商品なら購入したいと思ってもらえるような信頼関係を築くことが何より重要なのです。

富裕層ビジネスはこちらから積極的にアプローチするのではなく、向こうから聞かれた時に必要十分な情報を与えることです。

そうすれば困った時に頼りになると信頼してもらえるでしょう。

富裕層は増加している

OK

富裕層の人口は着実に増加しているのです。

主な原因は将来の不安から出費を抑え株式投資など資産運用で金融資産が増えたことも1つと考えられています。

また、不動産投資で都心のワンルームマンションを購入するマンションオーナーも増えています。

こうした新しい富裕層は資産運用を始めあらゆる情報に関心を持っているのです。

中にはブランド品を購入したり旅行に出かけたりすることを生きがいとする人もいます。

ターゲティングをすればさまざまなアプローチが可能になります。

 

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富裕層向けのマーケティングでお困りの時は?

悩み

富裕層のほとんどは従来通りクローズド型コミュニティを大切にする人が多いです。

目立つことを嫌い、欲しいものは納得がいくまで自分で調べ決断をする、それが一般的な富裕層といえるでしょう。

富裕層向けのマーケティングを成功させるためには、信頼関係が欠かせません。

しかし、どうやって信頼関係を築くのかわからない方が多いのではないでしょうか。

こういう時こそデジマクラスに相談してみましょう。

富裕層マーケティングに精通した専門スタッフがビジネスのサポートをしてくれます。

結果を求めるならデジマクラスです。

まとめ

社内

富裕層マーケティングを考える上で大事なことは信頼関係と的確な情報配信です。

富裕層といっても職業によって考え方も違いますから当然アプローチ方法も考えなければなりません。

富裕層は資産を多く持っていますが価値があると判断したものしか消費したがりません。

確度の高いターゲティングをしてそれぞれに合った戦略を立てビジネスを行うことが重要です。