広報とマーケティングはどちらも自社の情報を取り扱う職種です。
そのため、仕事において連携が必要となることもあるでしょう。
しかし、どうして広報とマーケティングの連携が重要であるか、知らないという方もいると思われます。
この2つの職種が連携することでどういったメリットが生まれるのでしょうか。
目次
広報とマーケティングの連携が重要な理由を解説
広報とマーケティングというのは両方とも自社の情報発信を仕事とする職種です。
そのため、効果的に自社のことを認知してもらうためにこの2つの職種が連携し合うことは企業にとって重要だといえます。
しかし、連携が重要だとされる理由はそれだけではありません。
今回は広報とマーケティングの連携が重要である理由について解説していきましょう。
また、それぞれの役割や仕事内容についてもご紹介していきます。
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広報とマーケティングの連携が必要な理由
まずは広報とマーケティングの連携が必要である理由について解説していきましょう。
これには以下のような理由があります。
SNSの発達
理由の1つとして挙げられるのが、マーケティングモデルの変化です。
以前まで顧客の購買行動を示すのに用いられていたAIDMAから、AISCEASへと活用されるマーケティングモデルが変化しました。
AISCEASは、AIDMAでは考慮されなかったWebを利用するプロセスも含まれるようになったのです。
これにはSNSの発達が関係しています。
AIDMAが広く活用されていた時代には存在しなかったSNSが発達し、Webで大きな宣伝効果を生むようになりました。
SNSで多くのユーザーが自社の製品・サービスについて言及してくれれば、情報がさらに拡散していきます。
そのためWebを通した広報活動の存在意義が大きくなり、マーケティングにおいて重要視されるようになったのです。
PR発想によるマーケティング
そうしたSNSの発達によって、広報とマーケティングの連携も重要度が増してきました。
メディアを担当する広報とマーケティングが一緒になって行うPR発想によるマーケティングが増えてきたためです。
多くのユーザーが自身が求める情報を得られるメディアを取捨選択するようになりました。
そんな中で重要となるのが自社がどういったメディアを通して、宣伝活動をしていくかということです。
マーケティングをしていく上で、広報の重要性が増したため連携をする意義も大きくなりました。
営業にリードを渡すため
マーケティングと広報というのは自社や市場、顧客について深く知っておく必要があります。
そのため連携し合うことで必要な情報を共有しやすくなり、営業に対してリードも渡しやすくなるのです。
社内の動きをスムーズにするためにも、マーケティングと広報の連携は必要不可欠だといえるでしょう。
・PRから発想したマーケティングの重要性が増した
・マーケティング・広報で情報を共有して営業にリードを渡すことで社内の動きがスムーズになる
広報とマーケティングの役割
次は広報とマーケティング、それぞれの役割について解説していきます。
それぞれ役割が異なるため、その違いを理解しておくと連携する際に役立つことでしょう。
広報
広報の役割は広報活動を通して、企業の価値を向上させることです。
メディアに対してのプレスリリースやIR情報の配信などを通して自社のことを認知してもらいます。
広報活動によって自社ブランドを確立し、製品・サービスに対しても多くの人に認知してもらうことが広報の目的です。
マーケティング
これに対してマーケティングは売上・利益の向上を目指すというのが主な役割となります。
広報と違って、人々に自社を認知してもらうだけでなく顧客数を増やして利益につなげるということが重要な課題となるのです。
そのためには市場や顧客のニーズを分析して、それに沿った施策を行っていく必要があります。
・マーケティングの役割は自社の売上・利益を向上させること
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
広報とマーケティングの仕事内容
次は広報とマーケティングの仕事内容の違いについて解説していきます。
仕事における違いを知って、広報とマーケティングの連携に役立てていきましょう。
広報
広報の仕事は社外広報と社内広報の2つに分けられます。
どちらも広報活動であることに変わりはありませんが、社外と社内で仕事内容は大きく変わります。
社外に対しての業務は主に以下の通りです。
- プレスリリースの配信
- 取材
- SNS・ブログの配信
- メルマガの配信
- イベントの企画・運営
- IR情報の配信
対して社内に対しては以下のような業務を行います。
- 社内イベントの企画・運営
- 社内報の配信
- 組織制度の設計・運用
社内に対して行う業務は主に社員が社内の情報を共有するためのものです。
社内広報によって社内に対しての理解度が向上するだけでなく、社員同士のコミュニケーションが増加するというメリットもあります。
マーケティング
マーケティングは市場や競合他社などについて分析を行い、その分析を元に市場やターゲットを決定します。
そして、決定事項を基に製品を決定してプロモーションや流通方法を決定していくというのが主な流れです。
そして実際にマーケティングを行った後は、その結果どのような効果が生まれたのかを振り返ります。
こうしたプロセスを踏んで、自社のことを社外に知ってもらって顧客増加につなげるのが主な仕事です。
・マーケティングは市場・他社のことを分析してプロモーション・流通方法を決定していく仕事
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広報とマーケティングの連携・協力
次は具体的にどういった形で広報とマーケティングが連携・協力を行えるのかを解説していきます。
以下のような仕事はお互いに連携し合うことによって、その効果も大きくなると考えられるでしょう。
プレスリリース日時
製品・サービスについてのリリース情報を配信するタイミングというのは大変重要です。
どのタイミングで配信すれば多くの人に認知してもらえ、売上を向上させられるのかを見極める必要があります。
プレスリリースは広報の仕事ですが、マーケティング職の力を借りることによって適切なタイミングでのプレスリリースが行えるでしょう。
プレスリリース日時を決める際は広報とマーケティングで連携すると良い結果が生まれやすくなります。
キャンペーンの実施
製品・サービスのキャンペーンを行う時は認知度を向上させることが何よりも大切です。
そのため、広報とマーケティングが協力して認知してもらえるように情報発信を行うと良いでしょう。
広報がメディアを通して周知し、マーケティングも消費者に対してキャンペーンを周知することで両面から認知度を向上させられます。
メディア掲載
自社の製品・サービスをメディアに掲載して認知度の向上を図りたい場合にも広報とマーケティングの連携が重要となります。
メディアに対しての周知は広報が担当するため、マーケティングとどういった人に向けて情報を発信したいのかを共有し合いましょう。
そうすることによって、広報もどういったメディアに情報を掲載してもらえば良いのかが明確になります。
どうすればより良い形で宣伝を行えるのか、一緒に考えることが大切です。
認知度・売上の向上という目的を達成するためにマーケティングと広報の連携は必須といえるでしょう。
広報とマーケティングの連携によるSEOに似た効果
プレスリリースをする際、広報とマーケティングが連携すればSEO的に良い効果も生まれます。
プレスリリースを行った際、その情報をメディアはサイトで公開しますがそこで自社サイトの情報を掲載してもらうのです。
自社サイトへリンクを行ってもらうことによって、自社サイトの検索エンジンからの評価が高くなります。
そのため、消費者が自社のことを検索した際、検索結果に自社サイトが上位に表示されるようになるのです。
効果的に自社のことを配信するためにはプレスリリースの情報にも注意をすると良いでしょう。
マーケティングにとって、SEOというのは重要なポイントです。
プレスリリースの文面やリンクなどがSEO的に効果的なものとすることによって自社に対しての認知向上につながります。
広報とマーケティングが協力することによって、プレスリリースにおいてもSEO的効果を生み出すことが可能になるでしょう。
広報とマーケティングの連携のコツ
次は広報とマーケティングが連携する際のコツについて解説していきます。
コツを知ることによって、連携がさらにスムーズになることでしょう。
広報は何をすべきか
メディアに取り上げてもらう上でパブリシティというのは重要なポイントです。
しかしパブリシティというのは必ず取れるわけではありません。
しかしながらマーケティングはパブリシティを前提として戦略を立案するということもあるでしょう。
その場合、広報はそれを否定せずになるべく掲載されるようにメディアに対して働きかけるということが大切になります。
製品・サービスにアピールポイントが少ないからパブリシティが取れないなどといわずに、共に戦略を考えるようにしましょう。
広報からすると難しい問題もあるかもしれませんが、マーケティングに歩み寄ることで製品・サービスへの認知度を向上させられます。
マーケティングは何をすべきか
マーケティング戦略を立案した段階でどういった部分を広報に担って欲しいのか、しっかり情報共有を行いましょう。
そうしなければパブリシティを獲得する際の動きも通常通りのものとなり、効果的な動きが行えなくなります。
広報に対してやってほしいことを明確にすることによって、広報もその戦略に沿った動きを行えるようになるでしょう。
製品・サービスによって、達成したい目標や目的も変わってくるはずです。
上手く施策を実行して結果を出すためにも、広報との情報共有を重視するようにしましょう。
理解すべき互いの事情は?
広報はメディア視点で製品・サービスのことを考えますが、マーケティングは消費者・市場視点で考えるのが基本です。
そのため両者の間には齟齬が生まれる可能性があります。
それを解消するためにはお互いに事情があるということを考慮しましょう。
例えば後方にとってパブリシティを獲得するというのは不確定要素といえるものです。
しかしマーケティングはそれを期待して戦略を練っている可能性があります。
そのためこうしたズレを解消することを目的とした話し合いを行い、メディア戦略を一緒に練るなどといったことが必要になるでしょう。
支援実績やコンサルティングの詳細は、実績・事例紹介のページをご覧ください。
互いに信頼関係を築こう
社内において自社や製品・サービスの認知度向上を目指すという面において広報とマーケティングは同じ方向を向いています。
そのため両者がお互いのことを信頼し合うことによって、さらに効果的な施策を打っていくことができるでしょう。
お互いに情報共有をしっかりと行える社内環境が構築できれば、より良い戦略を考えることができます。
そのためにお互いに歩み寄って、信頼関係を築いていくことを大切にしましょう。
メディア視点と消費者・市場視点で考え方が異なるため、ぶつかることもあるかもしれません。
しかし相手にも事情があるということを考慮して話し合いを行えば、お互いの情報を活用したより良い施策が思いつくことでしょう。
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広報とマーケティングの連携方法に悩んだら?
広報とマーケティングでどのように連携を行えば良いのか、その方法に悩んだ場合はデジマクラスのコンサルタントに相談してみましょう。
デジマクラスのコンサルタントはマーケティングの専門家です。
そのため広報との効果的な連携方法に対しても熟知していることでしょう。
自分だけではどのようにすれば良い形で連携することができるのか分からないという方はぜひコンサルタントを活用してみてください。
きっと良いアドバイスをもらえることでしょう。
まとめ
今回は広報とマーケティングの連携方法について解説してきました。
自社のことを広めていくという点で共通しているこの2つの職種が協力し合えれば、より良い形で戦略を立てていくことができるでしょう。
今回ご紹介した連携が必要な理由や、連携のコツを参考にして広報とマーケティングが連携できる環境を築いていただければと思います。
また、自分の力だけでは連携が難しいと思った場合にはデジマクラスのコンサルタントに相談してみましょう。
コンサルタントに相談することによって、効果的な連携方法も教えてもらえるはずです。
この機会に利用を検討してみていただければと思います。